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減塩=我慢の時代は終わり!?噂の「エレキソルト」を実際に試してみた

2025/11/25
減塩=我慢の時代は終わり!?噂の「エレキソルト」を実際に試してみた

突然だが、あなたは今朝、どんなご飯を食べただろうか。味噌汁、焼き鮭、お漬物――そんな典型的な日本の朝食をとった人も多いかもしれない。一見、健康的に思えるメニューだが、実はその裏に多くの“塩分”が含まれていることをご存知だろうか。何かと“しょっぱいもの”が大好きな日本人は、平均で1日あたり約9.8gの食塩を摂取しており(*1)、これは、WHO(世界保健機関)が推奨する「1日5g未満」(*2)のおよそ2倍もの量にあたる。
そして塩分の取りすぎは、脳卒中や心臓病につながりやすい「高血圧」の大きな要因と言われている通り(*3)、身体によくない!

そんな中、キリンが開発した「エレキソルト」なる商品が話題になっている。なんでも、電気の力で塩味を強く感じさせ(*4)、減塩をサポートする“魔法のスプーン”なのだとか。半信半疑ではあるが、確かめずにはいられない。さまざまな食品を使って試してみることにしよう。

(*1)厚生労働省『令和5年 国民健康・栄養調査結果の概要』より
(*2)塩分摂取量を減らし、命を守るために多大な努力が必要 | 公益社団法人 日本WHO協会 より
(*3)減塩食について|国立循環器病研究センター 病院  より
(*4)体感には個人差があります。また、料理によっても感じ方が異なる場合があります(以下本文中同様の表現についてすべて適用)。

目次

    減塩スプーン「エレキソルト」とは?

    キリンが「エレキソルト」を発売したのは2024年5月。“電気の力で塩味を強く感じさせる”(*4)という、これまでにない発想の減塩サポートアイテムとして話題を集めた。
    その後、2025年9月にはデザインの改良や食洗機対応など、使い勝手を高めた改良版が登場。さらに、味噌汁などに使いやすいカップタイプもラインナップに加わった。

    今回は、その中でもスプーンタイプに焦点を当て、味の変化や料理ごとの相性を検証していく。

    エレキソルトの仕組み

    さて、肝心の「電気で塩味を強くする」とは一体どういう仕組みなのだろうか。公式サイトでそのメカニズムが解説されていた。

    エレキソルト公式サイトより引用

    何やら難しそうなことが書いてあるが、要はこういうことだ。

    1. 人は、食品に含まれるナトリウムイオン(以下、Na+)が舌に触れることで遠塩味見を感じている
    2. 当然、Na+は食品の中に分散しているので、舌はすべてを感じ取れているわけではない
    3. スプーンを通じて微弱な電流を流すことで、多くのNa+が舌に接触するようコントロールする
    4. 結果、塩味を強く感じる(*4)

    なるほど、理屈としては確かに納得がいくが……その効果の度合いはどうだろうか。百聞は一見にしかず、実際の食品で検証してみようじゃないか。

    魔法のスプーン「エレキソルト」を開封

    さっそく、商品を開封してみた。手に持ってみると、普通のスプーンよりも少し大きい。太い油性ペンを握っているような感覚で、人によっては太さが気になるところかもしれない。

    スプーンの表面と持ち手の裏側には電極が付いており、どこか近未来的な雰囲気を帯びている。「食事に集中できないのでは」という不安はありつつも、全体的に丸みを帯びたやさしいデザインのため、その点は慣れとともに解消していきそうだ。

    効果はあるのか?実際の料理で検証してみた!

    ということで、検証用にいろいろな食材を用意してみた。

    スープやラーメン、チャーハンなど、出来るだけ、味も食感も異なるものをピックアップした。これらを片っ端から食べて、エレキソルトの効果を確認していこう。

    まずは、薄味のスープで味の変化をチェック

    まずは味の変化をしっかりと見極めるため、余計な具材が入っていない鶏ガラスープでテストしてみる。通常はスープ200mlに対し塩分量2.0g程度が「ちょうどいい味」とされているが、今回はあえてその半分、塩分量約1.0gに調整してみた。そのまま飲んでみると、塩気というより出汁の香りだけがぼんやりと残る味わいで、普段濃い味に慣れている筆者にとっては非常に物足りない濃さだ。

    次は電源を入れて飲んでみる。電流の強さは三段階から選ぶことができ、今回は最高レベルの「3」に設定してみた。スプーンでスープをすくい、おそるおそる口に運んでみると……。

    …!

    口にした瞬間は分からなかったが、その直後からじんわりと変化が現れてきた。確かに、塩味の存在感がグッと増したように感じた。だが、単に“しょっぱくなった”というより、鶏のうま味まで一歩前に出てきた感覚だ。ぼやけていた味に少しピントが合ったことで、スープ全体が「完成形」に近づいたと言えば伝わるだろうか。「魔法のスプーン」と呼ばれるのも頷けるクオリティだ。

    濃度を変えて実験→塩分を約30%カットしても美味しいまま

    効果の度合いを測るべく、今度は塩分濃度を変えたスープで比較実験を行ってみよう。

    「スープ200mlに対して塩分2.0g」がちょうどいい味とされているので、これを「基準濃度」とし、そこから「約10%カット」「約30%カット」「約50%カット」の3種類を用意。それぞれ、エレキソルトでどんな味の違いが出るだろうか。

    結果はご覧の通りだ。

    約10%カット
    (塩分量1.8g)
    約30%カット
    (塩分量1.4g)
    約50%カット
    (塩分量1.0g)
    基準濃度よりも若干濃く感じるレベル 基準濃度と同程度まで風味が強くなり、十分美味しく食べられる エレキソルトによって大幅にパワーアップするものの、ほんの少し物足りなさが残る

    筆者が「十分美味しく食べられる」と感じたのは、「約30%カット」のスープまで。電気の力だけで、ここまで塩分を減らすことが出来るとは驚きだ。毎日積み重ねていけば、健康効果は相当なものになるはずだ。

    また、「薄味の料理の方が効果を感じやすい」ということも分かった。通常の濃度のスープでエレキソルトを試すと、確かに味は濃くなるが、極端に塩辛くなるわけではない。普段の料理をさらに濃い味にして楽しむためのツールではなく、あくまで減塩をサポートするための製品であることを忘れてはいけない。

    「麺類にも使える」は本当か?

    エレキソルトはスプーンを通して電流を流す仕組みだが、どうやらスープ専用というわけでもないらしい。例えば、そばやラーメンなどの麺類にも使えるのだとか。それを説明した公式サイトの図がこちらだ。

    スプーンをスープに浸しておくことで、麺を介して電気が流れるのだという。「そんなのアリかよ」とツッコみたくなる説明だが……果たして上手くいくのだろうか。

    塩ラーメンを使って、さっそくテストしてみよう。

    味の変化を見極めるべく、こちらも薄味に調整。粉末スープは通常の半分の量を加えた。

    公式の説明通り、スプーンをしっかりスープに沈める。
    左手でスプーンを沈めたまま、麺をすすってみると……。

    ……おお笑。思わず笑ってしまった。

    麺を含んだ瞬間、舌先にほんのり塩気が広がる。スプーンが触れていないのに、だ。もちろん、体にビリビリと刺激がくるようなことは全くないので安心してほしい。自宅で作るラーメンなら粉末スープの量を調節するだけでいいので、塩分量の調整も簡単。普段の食生活にも取り入れやすそうだ。

    固形物にも使えるのか?

    スープや麺類で効果を実感できたので、次は固形物で試してみた。

    用意したのは、塩分40%カットで有名な「白チャーハン」。出汁がしっかり効いているとはいえ、同社の人気商品「ザ★チャーハン」と比べると、どうしてもパンチが弱いが、果たしてエレキソルトで変化は感じられるだろうか。

    結論から言うと、スープやラーメンで体感したような明確な変化は感じられなかった。

    確かに味は濃くなっている気もするが、どこか口の中に塩分を探しにいっている自分がいる。液体の方が明らかに効果を実感しやすかったことから、どうやら水分が少ないと電気が通りにくいようだ。
     

    カップタイプを試してみたら…スプーンよりも飲みやすくて効果大!

    ここまではスプーンタイプをレビューしてきたが、こう思った人もいるのではないだろうか。

    「味噌汁はどうやって飲むの?」

    確かに、味噌汁をわざわざスプーンですくって飲むのは少し面倒だ。そこで登場するのが「カップタイプ」である。

    見た目はよくあるカップの形。使う際も、普通のカップのように口をつけて飲むだけで効果を発揮することができる。薄味に調整した味噌汁を使って実際に試してみたところ、やはりしっかりと出汁の風味が立ち上がるのを感じた。

    スプーンとカップの効果の差が気になったので、最初にテストした塩分濃度0.5%のスープをカップに入れて飲んでみると、明らかにこちらの方が風味が強く出ているように感じられた。

    おそらく、スプーンとカップでは舌にあたる面積が違うことが影響しているのだろう。スプーンは舌の一部にしか触れないが、カップなら飲み込む際に舌全体で受け止めることができる。味噌汁やスープなど、汁物を中心に使いたい人には、スプーンタイプよりもカップタイプの方がおすすめだ。

    使ってみて気付いたこと

    もちろん個人差はある

    筆者の舌では、「電流強度レベル1(3段階中最低)」だと効果を感じにくい食べ物もあったが、社内で複数人に試してもらったところ、「レベル1でも十分効果がある」という人もいた。普段から薄味に慣れている人ほど効果を実感しやすいようなので、感じ方には個人差があることは心に留めておいて欲しい。

    食べ方に少しコツがいる

    スプーンに口をつけてから味の変化を感じるまでには、わずかにタイムラグがある。約0.5秒かけてゆっくりと塩味が増していくため、少し時間をかけて味わう意識を持つとよいかもしれない。

    また、電極に直接口をつける必要はないが、食べ物がしっかり電極に触れていなければならない。スプーンの端だけですくった食べ物は効果が感じられないので、カレーなどのドロッとした食べ物は少し注意が必要だ。

    写真は間違った使用法。しっかりと電極の上に乗せて食べると、塩味がやや増加するだけでなく、ルー本来の「コク」も一段階ランクアップした。

    食事の後は、分離して水洗いするだけ

    スプーンとカップは、それぞれ簡単に分離できるようになっている。そのまま水洗い可能なので、手入れの面で大きな不便を感じることはないだろう。
    ※スプーンの持ち手・カップの底は水洗いできないので注意。

    まとめ ー 減塩生活に悩む人は、試す価値アリー

    いかがだっただろうか。食品ごとの結果とおすすめタイプは以下の通りだ。

    食品 結果 おすすめタイプ
    鶏ガラスープ ・塩味だけでなく、うま味もアップ
    ・塩分を約30%程度カットしても十分食べられるレベル
    ・余計な具が入っていないため、味の変化を感じやすい
    スプーン / カップ
    ラーメン ・ほんのり塩味が広がる感覚
    ・スプーンを直接口に入れなくても使用可能
    スプーン / カップ
    チャーハン ・わずかに塩味が増したものの、劇的な変化はなし スプーン
    味噌汁 ・薄味でも出汁の風味がしっかり引き立つ カップ
    カレー ・塩味がやや増加
    ・ルーの「コク」もより強く感じられた
    スプーン


    エレキソルトは、あくまで減塩食を想定した製品だ。そのため、普段の食事に取り入れても「劇的に味が変わる!」といった体験までは期待できない。おそらく、安全面も考慮して電流も強すぎない程度に押さえられているのだろう。

    とはいえ、減塩生活に悩む人にとっては試す価値のあるアイテムだと感じた。特に日頃から薄味に慣れている人であれば、より大きな効果を実感できるはずだ。

    塩味だけでなく、料理のうま味まで引き出してくれる点も心強い。エレキソルトは、これからの減塩生活を支える頼れるパートナーになりそうだ。

     
    この記事で紹介した商品
    減塩サポート食器 エレキソルト スプーン ES-S002
    減塩サポート食器 エレキソルト スプーン ES-S002
    微弱な電気のチカラによって、食事の塩味やうま味を引き出してくれる減塩サポート食器(体感には個人差があります。また、料理によっても感じ方が異なる場合があります)。いつものお箸やレンゲをエレキソルト スプーンに替えるだけで塩分を控えたスープやカレーがおいしく楽しめます。
    ビックカメラ.comで見る
    減塩サポート食器 エレキソルト カップ ES-B001
    減塩サポート食器 エレキソルト カップ ES-B001
    微弱な電気のチカラによって、食事の塩味やうま味を引き出してくれる減塩サポート食器(体感には個人差があります。また、料理によっても感じ方が異なる場合があります)。カップに塩分を控えたスープや味噌汁などを入れて飲むだけで、おいしい減塩食をかなえます。
    ビックカメラ.comで見る

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    Profile
    加川浩朗
    加川浩朗
    2002年、大阪生まれ。早稲田大学卒業後、都内の編集プロダクションにて広報誌やWebコンテンツの編集に従事。休日はネットサーフィンをしてダラダラ過ごすのが好き。最新のガジェット情報にもテンションが上がるタイプ。
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