イヤーカフ型イヤホンってどうなの?話題の3機種を試聴&本音レビュー
いま、各社から発売され、注目を集めている“イヤーカフ型イヤホン”。「耳をふさがない」という新しいスタイルが話題を呼び、街中でも使う人の姿をよく見かけるようになりました。
従来のイヤホンと比べて、使用シーンはどう違うのか?どんな機種を選べば自分に合うのか?
今回は、いま注目のイヤーカフ型イヤホン3機種を実際に比較。Air BicCamera 東京スカイツリータウン・ソラマチ店 オーディオマイスターの二木さんに、それぞれの特徴をレビューしていただきました。
祖父の影響で幼少の頃よりオーディオに触れる機会が多く、高校生になる頃にはレコードプレーヤーを自分で買うほど好きになっていた。
「ご来店の際はぜひ私にお声がけください!お気に入りの楽曲を一番楽しく聴けるイヤホンをご一緒にお探しします!」
イヤーカフ型イヤホンとは?「カナル型」との違いは?
イヤーカフ型イヤホンとは、耳をふさがずに音楽を楽しめるオープンイヤータイプのイヤホンです。耳のふち(軟骨)に引っ掛けるように装着し、耳の穴の近くに配置されたスピーカーから音を届ける仕組みになっています。
カナル型イヤホンと違って外の音を遮らないため、ウォーキングやランニング中でも安全に使えるのが特徴です。また、長時間使用しても耳が蒸れにくく、圧迫感による疲れが少ない点もメリットといえます。
イヤーカフ型イヤホンは耳をふさがない構造のため、音漏れが起きやすいと思われがちですが、最近のモデルではスピーカーの指向性設計などにより、音漏れを抑える工夫が進んでいます。
| イヤーカフ型イヤホン | カナル型イヤホン | |
| 形状 | ||
| 耳の状態 | 開放(外音を聞きながら聴ける) | 密閉(外音を遮断して聴く) |
| 装着感 | 軽く快適、圧迫感が少ない | 密着感があり、遮音性が高い |
| 向いているシーン | 運動中や仕事中など、外の音を聞きながら音楽を楽しむ「ながら聴き」のシーン など | 電車内など外音が気になる場所、集中して音楽を楽しみたい時 など |
「骨伝導」ではないので注意
イヤーカフ型イヤホンと混同されがちなのが、骨伝導イヤホンです。どちらも「耳をふさがない」という点は共通していますが、音の伝わり方が根本的に異なります。
イヤーカフ型イヤホンは「空気伝導」方式です。耳の近くに配置された小型スピーカーが空気を振動させ、その音を鼓膜で受け取ります。つまり、原理としては一般的なイヤホンやスピーカーと同じです。一方、骨伝導イヤホンは「骨伝導」方式を採用しており、こめかみや頬骨を振動させ、骨を通して内耳に音を直接伝えているのです。
どう違う?人気の三機種を比較してみた
| Shokz 「OpenDots ONE」 |
Victor 「HA-NP1T」 |
JBL 「JBL Soundgear Clips」 |
|
| 価格(税込)※ | 27,880円 P10% | 19,800円 P10% | 18,530円 P10% |
| 本体重量 (片耳) |
約6.5g | 約4.9g | 約6.5g ※編集部にて計測 |
| 最大再生時間 | 約10時間 | 約8時間 | 約4時間 |
| 防滴機能 | IP54 | IPX4 | IP54 |
| ノイズキャンセリング | × | × | × |
| ハイレゾ対応 | × | × | × |
| カラー展開 | 3色(ピンク/ブラック/グレー) | 8色(エターナルブルー/ソルティオリーブ/サンドピーチ/ティールブルー/コールブラック/アイスグレー/マルーン/オフホワイト) | 3色(ホワイト/ブラック・コッパー) |
※価格は2025年11月10日現在の物です。
@音質
そもそもイヤーカフ型といえば音が薄かったり、低音の迫力に欠けている印象でした。ただ今のイヤーカフ型、音の表現力がかなり進化しています!音楽を楽しむ目的としても十分に利用できるクオリティに仕上がっているので、是非、騙されたと思って聴いてみて欲しいです。
| Shokz 「OpenDots ONE」 |
Victor 「HA-NP1T」 |
JBL 「JBL Soundgear Clips」 |
||
| 音質チャート |
低音 | ■■■■■ | ■■■■■ | ■■■■■ |
| 高音 | ■■■■■ | ■■■■■ | ■■■■■ | |
| 音場 | 狭■■■■■広 | 狭■■■■■広 | 狭■■■■■広 | |
| 傾向 | 繊細■■■■■迫力 | 繊細■■■■■迫力 | 繊細■■■■■迫力 | |
| 音の特徴 | ・ドンシャリ寄りの音作り。 ・そのなかでも低音重視の設計で、長時間聴いても疲れない ・空間表現は広め。音に包みこまれるような感覚を再現できている |
・高音重視の音作りで、低音は極端に抑えられている ・高音域の繊細な表現は得意だが、音源によってはシャリシャリした響きがきつく感じてしまうこともある |
・ドンシャリ寄りの音作り ・音の解像度が高く、ボーカルや一つ一つの楽器がケンカすることなく整理されている ・ボーカルの声にも艶(つや)がある |
|
| 得意ジャンル | POPS | 〇 | 〇 | 〇 |
| ジャズ | 〇 | 〇 | ||
| クラシック | 〇 | |||
| ロック | 〇 | 〇 | ||
| R&B | 〇 | 〇 | ||
| ダンス | 〇 | |||
| ジャンルコメント | 低音の厚みが醍醐味のオールドジャズやロックなど | 低音要素の少ないアコースティックな音源やピアノのクラシックなど | ボーカルを綺麗に聴きたいPOPSやロックなど | |
A音漏れ
イヤホンを装着した状態で徐々に音量を上げていき、どの程度の大きさで音漏れを感じ始めるかを検証しました。結果は表の通りですが。 骨伝導で有名なShokzのイヤホンは特に優秀で、電車内でも安心して使えそうでした!
| Shokz 「OpenDots ONE」 |
Victor 「HA-NP1T」 |
JBL 「JBL Soundgear Clips」 |
|
| 特徴 | ・適正音量まで上げても音漏れが気にならない ・電車内でも周囲を気にすることなくしっかりと音楽を楽しめる |
・控えめな音量(静かなBGM程度)であれば音漏れが気にならない ・電車内での利用では音量の上げすぎに注意 ・JBLよりもやや音漏れは小さい |
・控えめな音量(静かなBGM程度)であれば音漏れが気にならない ・電車内での利用では音量の上げすぎに注意 |
| 評価 | 〇 | △ | △ |
B装着感
長時間使うイヤホンにとって、「装着感」は重要なポイント。素材や構造の違いによって着け心地にも個性があるため、それぞれの特徴を見ていきましょう。
OpenDots ONE
見た目の大ぶりさとは裏腹に、ぴったりフィットしています。イヤホンをつなぐアーチ部分はシリコン素材のため他のモデルよりも伸縮性に優れており、着け外しが最もスムーズな印象でした。
HA-NP1T
一言でいえば「がっちりホールド」。遅刻しそうな私が全力疾走した時もビクともしませんでした(笑)また、ホールド感をしっかり持たせつつも、耳を摘ままれているかのような締め付け感はありません。ただし、耳を挟むアーチ部分はプラスチック素材で伸縮性がないため、慣れるまでは、着け外しの際に少し苦戦するかもしれません。
JBL Soundgear Clips
イヤホンを繋ぐアーチ部分は、形状記憶ワイヤーを合成樹脂で包んだもの。やや硬めの素材ですが、着け外しで苦戦することはありません。本体は軽く、また私の耳にかなりフィットしたため、装着時も取れない安心感がありました。
Cデザイン
3機種を並べてみると、デザインの個性がはっきり分かれていて面白いですね。JBLのスケルトンデザインは洗練された印象がある一方で、SHOKZは主張を抑えた落ち着きがあります。そしてVICTORは「音アクセ」というコンセプト通り、光沢感のあるカラーリングでファッション性をかなり意識した作りになっています。イヤホンを「機能」として見るか、「アクセサリー」として見るか。その視点で選ぶのもアリですね。
OpenDots ONE
言葉を選ばずに言えば、他の商品よりも少し地味な印象。ただ、ファッションにおいて主張しすぎないワンポイントが欲しい時もあるんですよね。SHOKZのロゴも、耳にくっついて隠れる部分(イヤホンの内側)にさりげなくプリントされている程度で、個人的には好きな控えめさです。
HA-NP1T
イヤーアクセサリーとしてもかなりカッコいいデザインです。全8色のカラーバリエーションがあり、女性にも馴染みやすい可愛らしい色合いも豊富。私の着けた「エターナルブルー」は後から追加された新色 で、少し光沢感のあるカラーリングです。イヤホンはときにファッションのアクセントにもなりますが、こちらのイヤホンの洗練されたデザインはファッション性をかなり意識したような印象があります。
JBL Soundgear Clips
スケルトンデザインはいつの時代もありますが、いつ見ても近未来的な見た目をしていてとても洗練されています。同社から発売されて話題になった「TUNE FLEX」をイメージさせてくれますね。
まとめ
いかがでしたか? 「イヤーカフ型」と一口に言っても、機種によって、音にも個性が現れていましたね。カラーバリエーションも豊富なので、ファッションの一部として、自分のスタイルに合ったものを選ぶのもおすすめです。装着感には個人差があるため、ぜひ店頭で実際に試して、あなたにぴったりの一台を見つけてみてください!
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