ビックな仲間たち

あなたにぴったりのイヤホンを見つけます!オーディオマイスター百武征美さん

2024/06/12
あなたにぴったりのイヤホンを見つけます!オーディオマイスター百武征美さん

ビックカメラの名物販売員に話を聞く連載企画「ビックな仲間たち」。第一弾はビックカメラの中でも屈指のオーディオマニアである、有楽町店の百武征美さんです。入社の経緯から趣味、そして現在オススメのワイヤレスイヤホンについてお話を伺いました。

目次

    百武さんって何者?

    ──本日はよろしくお願いします。百武さんは2001年に新卒で入社されたということですが、なぜビックカメラに就職しようと思ったのでしょうか。

    子どもの頃、ゲームソフトを買いに父親にビックカメラ池袋東口本店(現ビックカメラ アウトレット×ソフマップ 池袋東口店)に連れてきてもらったことがあったんです。私の地元から一番近い大きな駅が池袋だったもので。

    そのとき、ビックカメラの店頭で店員の方が、メガホンを使わずに大きな声で販売されていたんです。それを見たときに、「なんて活気があるお店なんだ」という衝撃を受けました。それがずっと記憶に残っていて、就職活動の際にビックカメラを第一候補にして、入社に至りました。

    ──入社してから、すぐにオーディオ担当になったんですか?

    入社してから10年ほどは、商品の仕入れを行う商品部におりました。そのときにオーディオ製品に触れる機会がありまして、そこからオーディオ全般への興味が湧いて、のめり込むようになったんです。その後、オーディオ売場へ配属になりました。

    ──若い頃からオーディオ製品が好きというわけではなかったんですね。

    音楽は好きでしたが、オーディオ製品については就職してからハマったという感じです。

    シニアマイスターになるのは大変

    ──商品部からオーディオ売り場の担当になって、現在はシニアマイスターということですが、この制度について教えてください。

    ▲この腕章がシニアマイスターの証

    ビックカメラ社内での資格制度になります。シニアマイスターになるにあたっては、指定の資格保有が必須条件のため、家電製品総合アドバイザー、3級販売士を取得しました。

    また、ジャンルごとに社内検定がありまして、それに合格する必要があります。これが結構大変な試験でして(笑)、問題は選択問題がなく、全問筆記で解答しなければなりません。オーディオ全般なのでレコードの針の種類についての問題もありました。カートリッジの話ではなく、丸針とか楕円針とか、絵を見て針の種類を答えるという。

    ──レコードの針の種類……。結構マニアックですね。

    私はイヤホンやヘッドホンが好きだったのですが、試験はオーディオ全般が出題範囲です。マイスター用のテキストで勉強したり、社内のオーディオ関連の大先輩に話を聞いたりして勉強し、合格することができました。

    耳を見ればぴったりのイヤホンがわかるって本当?

    ──百武さんは、耳の形を見ればジャストフィットのイヤホンがわかるとお聞きしたのですが。

    はい。イヤホンを選ぶ基準は、音質やデザイン、価格などいろいろあると思いますが、耳に合うイヤホンをお探しになっているお客さまが結構多いんです。

    特に最近は、フルワイヤレスイヤホンが増えた結果、ケーブルがなくなって自由度が高くなった反面、落ちやすくなってしまうという弊害があります。そこで皆さん、やはり落ちにくい、耳にフィットしたものをお探しになっているという感じですね。

    自分の耳って、自分では見られないじゃないですか。だから誰かに見てもらう必要がある。そこは販売員がお役に立てるところだなと改めて感じました。

    ──実際、耳のどこを見て判断するのですか?

    一番重要なのは、耳孔と呼ばれる、いわゆる耳の穴ですね。ここの大きさはもちろん、深さも関係してきます。耳孔が浅い方は、耳に入れる部分が長いイヤホンは深くまで入れられないので、落ちやすくなります。

    また、耳孔の周囲の耳甲介の広さもポイントです。耳甲介が広ければ大きめのイヤホンでも大丈夫ですが、耳甲介が狭いと小さめのイヤホンのほうがフィットします。

    耳の形は人それぞれで、聞こえ方というのも一人ずつ違うものだと思います。イヤホンの装着性に関しても、やはり一人一人違うので、その方の耳に合ったイヤホンをご提案させていただいています。

    ──こちらの売り場は、イヤーピースも豊富にありますよね。

    イヤホンは気に入っているけれど、耳に合わないという方はイヤーピースの交換でもかなりフィット感が変わります。こちらの売り場ではお試しいただけるようにしていますので、ご自身で装着感を確認できます。もちろん、わからないことはご相談いただければご一緒にお探しいたします。

    ▲有楽町店のオーディオ売り場には、自分でイヤーピースを試せるコーナーがある。

    ──ちなみに僕の耳はどうですか?

    耳孔の周囲の第一カーブが上がっているので、MかMSサイズのイヤーピースが合うと思います。

    ──確かに、Lサイズのイヤーピースだとうまく入らないことが多いんです。これからは小さめのイヤーピースを選ぶようにします。

    じつは、数年前に新聞に私の記事が掲載されたことがありまして。その中で先ほどのようなイヤーピースの話をしたら、九州や沖縄からお越しいただいたお客さまもいらっしゃいました。その中のお一人が「気に入っているイヤホンがあるんだけど、どうしても耳から落ちてしまう」というご相談をいただいたので、フィットするイヤーピースをオススメさせていただきました。ものすごく喜んでお帰りになられたので、こちらもうれしかったですね。

    百武さんイチオシ!目的別ベストイヤホン

    ──ここ最近、どのようなイヤホンが流行っているのでしょうか。

    よくお客さまからお問い合わせがあるのが、「イヤホンをオンライン会議で使いたい」というものです。リモートワークの影響で、ワイヤレスイヤホンをヘッドセットマイクのように使いたいという要望が多くあります。

    リモートワーク向けにオススメしているのが、テクニクスのEAH-AZ80です。テクニクスはパナソニックの高級オーディオブランドですが、このEAH-AZ80は高音質なうえ、最大3台までマルチポイント接続ができるのが特徴です。

    ▲テクニクス EAH-AZ80

    たとえば、スマートフォンとタブレットとパソコンにEAH-AZ80を接続した場合、タブレットで映画を見ているときにスマートフォンに着信があったら、イヤホンをタッチするだけで切り替えが可能です。ほかのワイヤレスイヤホンでは、スマートフォンやタブレットから切り替えを行う必要があったりと、少々手間がかかりますが、このイヤホンは切り替えがスムーズに行えます。

    またマイクの性能も高く、左右のイヤホンそれぞれに、 高性能マイクが4基搭載されており、 ビームフォーミング技術や音声解析技術などの組み合わせで 独自の通話音声処理技術を搭載することで、非常に明瞭に音声を相手に届けることができます。マイクのノイズキャンセリングも強力です。

    ──最近は、耳の穴を塞がないオープンイヤー型のイヤホンも人気ですね。

    そうですね。オープンイヤー型に関しても多くお問い合わせをいただいております。もともとイヤホンやヘッドホンは、外界の音を遮断して音楽を楽しむものだったのですが、最近は周囲の音も聞きながら音楽を聞きたいという方が増えています。

    ランニングのときに使いたい、家で子どもの声を聞き逃したくないという場合に、オープンイヤー型を望まれているようです。

    オープンイヤー型イヤホンでオススメは、Bose Ultra Open Earbudsです。骨伝導型に比べて、低音がしっかりと出ます。また、イマーシブオーディオにも対応しています。

    ▲Bose Ultra Open Earbuds

    イマーシブオーディオは、音源を選ばずに立体音響が楽しめる機能です。例えば、スマートフォンでコンサート映像を見ているとき、頭の動きに合わせて音の定位が変わります。つまり、会場で聞いているのと同じような感覚が楽しめるんです。オープンイヤー型のため、周囲の音も入ってきますから、本当にライブ会場にいるような感覚になると思います。

    音質がよくて、臨場感があって、周囲の音も聞こえるという点で、Bose Ultra Open Earbudsはオススメです。

    ──そのほかにも、お客さまからのお問い合わせが多いイヤホンはありますか?

    WHOによれば【※】、80デシベルの音を1日8時間聞いていると難聴になる確率が上がるそうなんです。そのようなことを心配する保護者の方から、子ども向けのイヤホンのご相談を受けることがよくあります。

    【※】ヘッドホン難聴 
    WHO(世界保険機関)によると、12~35歳のティーンエイジャーと若年成人のうち、50%近くが個人用オーディオ機器の使用によって安全でないレベルの音にさらされ、約40%が娯楽施設で潜在的に有害なレベルの音にさらされているとのこと。安全でないレベルの音とは、例えば、85デシベル(dB)を超える音に8時間、または100dBに15分間さらされることと説明しています。

    ──80デシベルというと、街中の雑踏くらいの音量ですよね。

    はい。私どもの売り場で110デシベルくらいです。正直そこまで大きな音という感覚はありませんが、長時間、音を聞き続けることは、耳に負担がかかるようです。

    そのようなご相談をいただいたときにオススメしているのが、myFirst Carebudsです。このイヤホンは、85デシベル以上の音量になると、自動的に音量を上げないようにしてくれるのでお子さまにも安全です。

    ▲myFirst Carebuds

    ノイズキャンセリングは非搭載となっているため、周囲の音もある程度は聞けるようになっているので、見守る側としても安心感があります。

    ──百武さんご自身は、カスタムイヤホンを愛用されているとのことですが、どんなイヤホンなのでしょうか。

    2015年にカナルワークスのCWL71PSTSを購入してます。カナルワークスは日本のカスタムイヤホンブランドで、「モバイルリスニングルーム」という発想で場所に縛られずに最高のリスニング環境で音楽を楽しむことができます。

    型番のPSTSとは、パーソナル・サウンド・チューニング・システムの略で、商品に付属された抵抗セットを自身で変更することで低域の量感から中域の張りをカスタマイズすることができます。

    通常イヤホンには音を出すためのドライバー(磁石)が左右に1個ずつ入っていますが、CWL71PSTSは片耳に8個ずつ左右で合計16個ものバランスドアーマチュアドライバーが搭載されてます。

    高域用4基、中域用2基、低域用2基が搭載されているので、楽器から奏でられる音の解像度が非常に鮮明になりなります。

    当時発売されていたイヤホンとしては非常に尖った商品で、聞き惚れて購入に至りました。9年経ったいまでもいろいろな音楽を楽しませてもらっています。

    ▲百武さん愛用のカナルワークスという会社のカスタムイヤホン。これはオーダーメイド品で、耳の型を取って作ったそうです。

    お客さまからの「ありがとう」という言葉にやりがいを感じる

    ──オーディオのシニアマイスターとして売り場に立たれているわけですが、どんなところにやりがいを感じていますか?

    やはり、お客さまに「ありがとう」とおっしゃっていただくことですね。「君に頼んでよかったよ」と言っていただいたときは、すごくうれしかったですね。お客さまのお困りごとを伺って、少しでも力になりたいと、日々売り場に立っております。

    オーディオ関連のご相談はもちろんですが、それ以外のご相談もお気軽にしていただければと思います。ベビーカーを引いているお客さまのお手伝いをさせていただくこともあります。オーディオ関連に限らず、ビックカメラに関することでしたら、何なりとご相談いただきたいと思っております。

    ──百武さんの今後の展望をお聞かせください。

    現在シニアマイスターですが、上のクラスのエグゼクティブマイスターを目指していきたいですね。また、オーディオ売り場の担当としては、お客さまに向けた売り場作りを徹底していきたいと思っております。

    ──売り場の充実とか、展示というところですか?

    そうですね。現在は人気のフルワイヤレスイヤホンに関して、ガラスケースに商品を展示させていただいておりますが、それらについては販売員がついてご説明しなければわからないという状態になっていると思います。

    しかし、接客されるのが苦手なお客さまもいらっしゃいますので、そのような方がいろいろな製品の情報を比較できるような展示をしていきたいと思っております。

    私たちはお客さまに育ててもらっていると思いますので、お気軽にご相談いただきたいですね。

     
    この記事で紹介した商品
    ▲テクニクス EAH-AZ80
    ▲テクニクス EAH-AZ80
    ワイヤレスでもクリアな高音質でいつでもどこでも臨場感のある音楽を楽しめる。ドライバーサイズ 直径10 mm。業界最高クラスノイズキャンセリング性能
    ビックカメラ.comで見る
    この記事で紹介した商品
    Bose Ultra Open Earbuds
    Bose Ultra Open Earbuds
    気分に合わせていつも音楽を楽しみたい。そんな声に応えるのが、OpenAudioテクノロジーを採用したボーズの画期的なサウンドウェア、Ultra Open Earbuds。周囲の音を遮断することなく、あなただけに豊かなサウンドを届けます。
    ビックカメラ.comで見る
    この記事で紹介した商品
    myFirst Carebuds
    myFirst Carebuds
    大切なお子様の聴力を守り最大音量制限や、移動中などに周囲の環境音が聞こえる外部音取込モードを搭載。イヤーピースも子供用にサイズ調整をし、好きな音楽を健康・安全面に配慮しながら快適に楽しむことができます。
    ビックカメラ.comで見る

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    Profile
    百武征美
    オーディオコーナー シニアマイスター 家電製品総合アドバイザー(総合)
    百武征美
    2001年ビックカメラ入社。オーディオバイヤーを経験し、2015年に店舗へ異動。オーディオコーナーに所属し、2020年より有楽町店に勤務。販売士3級を保有。
    三浦一紀
    三浦一紀
    フリーランスライター。デジタルガジェット系からエンタメ、ビジネス系まで幅広く取材・執筆・撮影などを行っている雑食性。デジタル系を扱うことが多いからか、アコースティックギターやフィルムカメラなどのアナログなものも好き。
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    ボス(わらべカンパニー)
    広告・雑誌・Web・動画等を中心に活動。2022年 わらべカンパニーを設立し、わらべ写真館を運営し始め『写真』=『記録』=『残す』の概念を目指し始める。わらべカンパニー
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