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紙パック式コードレス掃除機の実力は?3社を徹底比較!

2025/12/10
紙パック式コードレス掃除機の実力は?3社を徹底比較!

近年、コードレス掃除機を使用する人の中で、「紙パック式」の人気が高まってきています。
「ゴミ捨て時にホコリが舞いにくい」「本体やフィルターのお手入れの手間が少ない」といった衛生面・メンテナンス面のメリットから、改めて注目を集めているようです。

今回は最新”紙パック式コードレススティック掃除機”3機種を用意し、吸引力やメンテナンス性を比較。紙パック式掃除機のメリットや選ぶ際のポイントについて解説していきます。ぜひ、参考にしてみてください。

目次

    紙パック式コードレススティック掃除機のメリット・デメリット

    メリット:ホコリが舞い上がりにくいため衛生的

    紙パックにゴミが密閉されるため、捨てる際にホコリが舞い上がりにくいのが特長。ゴミに直接触れることなく処理できるので、衛生面での安心感があります。また、毎回のゴミ捨てからも解放されます。ゴミはすべて紙パック内に貯まって捨てるだけなので、メンテナンスの手間がほとんどありません。

    デメリット:ランニングコストがかかる

    紙パックは消耗品のため、定期的な購入が必要です。長く使えば使い続けるほど、ランニングコストがかかります。また、長期間使い続けて、紙パックにゴミがたくさん溜まると吸引力が低下する場合があります。

    日立、パナソニック、シャープから3機種を比較

    今回比較するのは、1,日立「PKV-BK3P」、2,パナソニック「MC-PB61J」、3,シャープ「EC-KR3」です。それぞれの特徴について見ていきましょう。

    日立
    「PKV-BK3P」
    パナソニック
    「MC-PB61J」
    シャープ
    「EC-KR3」
    外観 00000014218110_A01.webp 00000013451329_A01.webp 00000014170055_A01.webp
    価格
    (税込)*1
    49,280円
    (ポイント対象外)
    39,600円
    (ポイント対象外)
    63,620円
    +P10%
    サイズ(スティック) W230×D218×H975mm W220xD154xH1104mm W209×D251×H982mm
    連続使用時間 強モード:約8分
    自動モード:約8分~30分
    標準モード:約30分(約45分)

    HIGHモード:約8分
    ONモード:約25分/約30分(付属ノズル使用時)

    強モード:約9分
    標準モード:約35分/約50分
    自動モード:約9分~約24分
    集じん容積容量 0.4L(約2ヵ月)*2 0.5L(約3ヵ月)*2 0.37L(約1.5ヵ月)*2
    運転音 非公表 約69dB~63dB 約64db~57dB

    *1:価格は2025年12月9日現在の物です。
    *2:ゴミの種類や量、部屋の広さなど、環境や使い方により異なります。

    1,日立「かるパックスティック PKV-BK3P」

    いち早く紙パック方式のコードレススティック掃除機を製品化したのが日立です。「PKV-BK3P」は、標準質量1.1kgの軽量ボディに強力な吸引力を搭載。紙パックが一杯になっても吸引力が低下しにくい「パワー長もち流路」を採用し、最後までしっかりゴミの吸引ができます。

    ヘッドには自走式の「パワフルスマートヘッド light」を搭載し、軽快に操作可能。ヘッドの底面後部にはシンクロフラップを配置し、押すときだけでなく、引くときにもゴミが吸引できる仕組み。さらに緑色LEDライトが床面を照らし、明るい場所でも見えにくいゴミを浮かび上がらせることができます。

    2,パナソニック「MC-PB61J」

    0.5Lの大容量紙パックを採用し、ゴミ捨ての周期を約3ヶ月に1回に減らせるコードレススティック掃除機。カップに紙パックを取り付けることでレバーを押すだけでゴミを捨てられる「ラクポイ構造」を採用しています。紙パックに触れずに捨てられるため衛生的です。モーター位置の工夫とリブ設置で空気の流れを最適化することで、ゴミが溜まっても吸引力が持続する仕組み。

    標準質量1.3kgの軽量ボディに自走式パワーノズルを採用。ヘッドの前後左右の動きが驚くほどスムーズになる特許技術の「ラクスルアシスト」により軽快に掃除できます。また、硬い毛と柔らかい毛の2種類を使用したこだわりのブラシで、どんな床面にも対応します。

    3,シャープ「EC-KR3」

    「パックinカップ」構造を採用し、紙パックに触れずボタンを押すだけでゴミ捨てが完了できる紙パック式コードレススティック掃除機です。標準質量1.3kgの軽量ボディに独自の遮音防振構造を採用しているのが特徴で、従来モデルと比べて実感音を約17%カット。集合住宅でも周囲を気にせず掃除できます。

    本体にはどこでもライトを配置しており、スティック時だけでなく、ハンディとして使うときも手元を照らすことが可能。
    ヘッドは自走パワーアシスト機能と「からみにく~いブラシ」搭載で、髪の毛も絡みにくく快適に掃除できます。右端ギリギリまでブラシがあり、壁際の掃除がしやすくなっています。

    @「吸引力」を比較

    それでは実際にゴミの吸引テストを行っていきましょう。今回、ホコリを模した綿や猫砂、髪の毛(エクステ)、ビーズなどのダミーゴミを用意。それらをフローリングの床や毛足の長いカーペットなどにばらまいて実際に吸引しました。

    それぞれ約30~40cmの範囲を1往復してどれだけ吸い取れたか確認しました。

    ホコリを模した綿を吸引して検証

    ホコリに見立てた綿をフローリングに並べて、1往復して吸引しました。
    ※「MC-PB61J」は標準モード、「PKV-BK3P」と「EC-KR3」は自動モードで検証

    日立
    「PKV-BK3P」
    パナソニック
    「MC-PB61J」
    シャープ
    「EC-KR3」
    外観 TB2512_hikaku_paperpack_05.jpg TB2512_hikaku_paperpack_06.jpg TB2512_hikaku_paperpack_07.jpg
    コメント 順調に綿を吸い取ったが、ヘッドの先に付着した綿が引くときにわずかに残った。


    一見、しっかり吸い取れたように見えるがヘッドの先端に多くの綿が付着。また、ブラシにも巻き付き残った。

    端までブラシがあるヘッドの右側に綿が集まってしまったが、それ以外はしっかり吸引。ブラシにも残らなかった。
    評価

    大きいゴミの吸引性能を検証

    続いて大きさのあるゴミの代表として、フローリングに猫砂を配置しました。猫砂は直径4mm、長さは3~8mmほどでほとんど重さはありません。ゴミを巻いた場所の中心を1往復して吸引しました。
    ※「MC-PB61J」は標準モード、「PKV-BK3P」と「EC-KR3」は自動モードで検証

    日立
    「PKV-BK3P」
    パナソニック
    「MC-PB61J」
    シャープ
    「EC-KR3」
    外観 TB2512_hikaku_paperpack_09.jpg TB2512_hikaku_paperpack_11.jpg TB2512_hikaku_paperpack_13.jpg
    TB2512_hikaku_paperpack_10.jpg TB2512_hikaku_paperpack_12.jpg TB2512_hikaku_paperpack_14.jpg
    コメント ヘッドがわずかに猫砂に乗ってガタガタと進みます。一見取り除けたように見えましたが、電源を落としたあと、猫砂がヘッドの中にそれなりに残っていました。 ヘッドが軽いためか、浮いてしまって猫砂の上を走る形に。結果としてあまり吸い取れませんでした。


    わずかに猫砂に乗ることはありましたが、比較的安定して吸引。猫砂はわずかに残りましたが、大半を吸引できました。

    評価

    カーペットに入り込んだゴミの吸引力を検証

    毛足の長いカーペットを用意しそこにビーズをばらまいて、3台の掃除機で1往復しました。このテストのみ、強モードで運転しています。掃除が済んだあと、カーペットに残ったビーズをお皿に載せました。

    日立
    「PKV-BK3P」
    パナソニック
    「MC-PB61J」
    シャープ
    「EC-KR3」
    外観 TB2512_hikaku_paperpack_16.jpg TB2512_hikaku_paperpack_17.jpg TB2512_hikaku_paperpack_18.jpg
    コメント カーペットへのビーズの残量は最も少なくしっかりと吸引できました。


    紙パックにもビーズは入っていましたが、カーペットにかなり残った印象です。


    前に進めているときはしっかり吸っていましたが、引くときにヘッドが浮いて締まってあまり吸えませんでした。カーペットは前に進めるだけがよさそうです。
    評価

    壁際でのゴミの吸引性能を検証

    壁際にダミーゴミとして細かなビーズを巻き、まっすぐ壁に向かって掃除機を走らせてから引いてビーズがどれだけ取れているかチェックしました。

    日立
    「PKV-BK3P」
    コメント

    TB2512_hikaku_paperpack_20.jpg

    緑色LEDが床を照らし、しっかりとビーズを吸引していきます。しっかり吸引できていましたが、ヘッドを持ち上げたあと、わずかに残りました。

    評価

    パナソニック
    「MC-PB61J」

    コメント

    TB2512_hikaku_paperpack_21.jpg

    ヘッドが軽いためかやや浮きやすい印象。そのため、ヘッドを引いた時点で壁際や掃除した部分に数粒のビーズが残りました。

    評価

    シャープ「EC-KR3」
    コメント

    TB2512_hikaku_paperpack_22.jpg

    床にピタッと貼りつくように掃除できました。ヘッドを戻したあともビーズの取りこぼしはなく、しっかり取れていました。

    評価

    髪の毛の絡まり方を検証

    ダミーの髪の毛としてエクステを用意。約45cmのエクステをカットして床に数十本ばらまき、そのエリアを掃除してブラシへの巻き付きを確認しました。ブラシに巻き付かないのがベストですが、巻き付く場合も一ヵ所にまとまっていると取り除きやすいです。

    日立
    「PKV-BK3P」
    コメント

    TB2512_hikaku_paperpack_24.jpg

    髪の毛は1往復でしっかり吸い取れました。ブラシには巻き付いていましたが、ほとんど中央部分だったので、使っているうちに吸い取れそうです。

    評価

    パナソニック
    「MC-PB61J」

    コメント

    TB2512_hikaku_paperpack_25.jpg

    髪の毛はスムーズに除去できましたが、ブラシ全体にまんべんなく巻き付いていました。

    評価

    シャープ「EC-KR3」
    コメント

    TB2512_hikaku_paperpack_26.jpg

    髪の毛はしっかりと除去できました。吸い取った髪の毛の一部はブラシに巻き付いていましたが、吸引口に近いブラシ中心部で除去しやすい印象です。

    評価

    紙パックが満杯でも吸引力は落ちないのか?

    紙パック式の掃除機は、紙パックにゴミがいっぱいになると吸引量が落ちてしまうイメージがあります。しかし、今回紹介している最新のコードレススティック掃除機は3モデルとも、風の風路を工夫するなどして、吸引力が落ちにくい仕組みを採用しています。

    そこで、本当に吸引力は落ちないのか、実際に日立「PKV-BK3P」の紙パックにたっぷりのゴミをためてから、吸引テストをしてみました。

    フローリングにまいたビーズを掃除してみたところ、全く問題なく、しっかり吸い取れました。機種・紙パックに入っているゴミの種類や細かさ、重さによって違いが発生する可能性はありますが、今回日立「PKV-BK3P」に関しては問題なく吸引できました。

    A「静音性」を比較

    駆動音を騒音計で計測

    日立
    「PKV-BK3P」
    パナソニック
    「MC-PB61J」
    シャープ
    「EC-KR3」
    音量 TB2512_hikaku_paperpack_29.jpg TB2512_hikaku_paperpack_30.jpg TB2512_hikaku_paperpack_31.jpg
    73.1dB 69.4dB 71.4dB
    コメント スイッチを入れるとブイーンというモーター音と吸気音が混ざった音が響きます。それほど高音ではないので数値ほどは気になりませんでした。 今回の計測値では最も低く、最大でも70dBを下回りました。実際に動作音は低音で、耳障りが悪い高音や早いモーター音がなかったのが好印象でした。 残念ながら騒音計の数値は70dBを超えてしまいましたが、静音性を売りにしているモデルらしく、低音の吸気音のみで、耳障りな音はほとんどありません。数値以上に静かだと感じました。
    評価

    B「メンテナンス性」を比較

    ゴミの捨て方の違いは?

    今回の3機種は全て集じん方式として紙パック式を採用しています。このため、ゴミをたっぷりためることができ、しかも、ゴミに触れることなく捨てられるというポイントは同じです。

    しかし、紙パックの取り付け方や捨て方などに違いがあります。各機種の紙パックのメンテナンス性をチェックしてみましょう。

    日立
    「PKV-BK3P」
    外観 TB2512_hikaku_paperpack_32.jpg TB2512_hikaku_paperpack_33.jpg TB2512_hikaku_paperpack_34.jpg
    コメント PKV-BK3Pは本体に紙パックを取り付ける方式。本体カバーを外して、レバーを引くと紙パックが外せます。捨てるときに紙パックの口にシールでフタができるので、ホコリが舞いにくく、中のゴミもこぼれにくいです。
    評価

    パナソニック
    「MC-PB61J」
    外観 TB2512_hikaku_paperpack_35.jpg TB2512_hikaku_paperpack_36.jpg
    コメント ダストカップを本体から外して、ゴミ箱の上でレバーを押すと紙パックが落ちる仕組み。紙パックに触れる必要がありません。
    評価

    シャープ
    「EC-KR3」
    外観 TB2512_hikaku_paperpack_37.jpg TB2512_hikaku_paperpack_38.jpg
    コメント パックinカップ構造を採用しており、カップを外してボタンを押すだけで紙パックを落とすことができます。ダストカップの水洗いにも対応しています。
    評価

    紙パック交換のランニングコストは?

    各機種に付属している紙パックの「容量」「交換頻度」「1枚あたりの価格」を並べると、以下のようになります。

    日立
    PKV-BK3P
    パナソニック
    MC-PB61J
    シャープ
    EC-KR3
    集じん容積 0.4L 0.5L 0.37L

    交換頻度*

    約2ヵ月

    約3ヵ月

    約1.5ヵ月
    交換用紙パック 6枚入り1,210円
    →1枚あたり約200円
    10枚入り1,210円
    →1枚あたり約120円
    5枚入り1,210円
    →1枚あたり約240円
    年間のランニングコスト 約1,210円 約484円 約1,936円
    評価

    ※ゴミの種類や量、部屋の広さなど、環境や使い方により異なります。

    パナソニックがもっとも年間のランニングコストが低いという結果になりました。なお、どの機種も購入時には1枚の紙パックが同梱されています。

    あなたにピッタリの掃除機を見つけよう

    日立
    PKV-BK3P
    パナソニック
    MC-PB61J
    シャープ
    EC-KR3
    吸引力 ホコリ
    大きいゴミ
    カーペット
    壁際
    髪の毛
    静穏性
    メンテナンス性 捨て方
    ランニングコスト

    ※ゴミの種類や量、部屋の広さなど、環境や使い方により異なります。

    今回、各社の紙パック式コードレススティック掃除機をテストしました。吸引性能ではわずかの差ですがシャープが優位な印象。それに日立が続くというテスト結果になりました。しかし、静音性やメンテナンス性ではパナソニックが優れていました。特に紙パックのランニングコストが安く、年間約484円で利用できます。これなら紙パック式のデメリットであるランニングコストも気にならなくなります。

    とはいえ3機種とも、快適に掃除ができました。テストは過酷なシーンを設定しているので、実使用では快適に使えます。テスト結果を参考に部屋にあった最適な掃除機を選びましょう。

    この記事で紹介した商品
    スティック型掃除機 ベージュ PKV-BK3P-C [紙パック式 /コードレス]
    スティック型掃除機 ベージュ PKV-BK3P-C [紙パック式 /コードレス]
    ●紙パック式でごみ捨てもお手入れもラク
    ●片手でラクラク使える軽さで、驚きの吸引力
    ●ごみを浮かび上がらせる「ごみくっきりライト」
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    コードレススティック掃除機 ストーンブルー MC-PB61J-A [紙パック式]
    コードレススティック掃除機 ストーンブルー MC-PB61J-A [紙パック式]
    ゴミ捨ては3か月に1回(※ お部屋の広さやゴミの量によって異なります)
    たくさん吸って、お手入れもラク 紙パック式のコードレス
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    コードレススティック 紙パック式掃除機 RACTIVE Air ブラック系 EC-KR3-B [紙パック式 /コードレス]
    コードレススティック 紙パック式掃除機 RACTIVE Air ブラック系 EC-KR3-B [紙パック式 /コードレス]
    紙パックにさわらずにゴミ捨てができる紙パック式のスティック掃除機
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    コヤマタカヒロ
    コヤマタカヒロ
    1973年生まれのデジタル&家電ライター。デジタルガジェット、白物家電を専門分野として、多くの雑誌やWebなどで執筆や監修を行う。また、家電メーカーの製品開発、PR戦略に関してのアドバイザーなども務める。
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