紙パック式コードレス掃除機の実力は?3社を徹底比較!
近年、コードレス掃除機を使用する人の中で、「紙パック式」の人気が高まってきています。
「ゴミ捨て時にホコリが舞いにくい」「本体やフィルターのお手入れの手間が少ない」といった衛生面・メンテナンス面のメリットから、改めて注目を集めているようです。
今回は最新”紙パック式コードレススティック掃除機”3機種を用意し、吸引力やメンテナンス性を比較。紙パック式掃除機のメリットや選ぶ際のポイントについて解説していきます。ぜひ、参考にしてみてください。
紙パック式コードレススティック掃除機のメリット・デメリット
メリット:ホコリが舞い上がりにくいため衛生的
紙パックにゴミが密閉されるため、捨てる際にホコリが舞い上がりにくいのが特長。ゴミに直接触れることなく処理できるので、衛生面での安心感があります。また、毎回のゴミ捨てからも解放されます。ゴミはすべて紙パック内に貯まって捨てるだけなので、メンテナンスの手間がほとんどありません。
デメリット:ランニングコストがかかる
紙パックは消耗品のため、定期的な購入が必要です。長く使えば使い続けるほど、ランニングコストがかかります。また、長期間使い続けて、紙パックにゴミがたくさん溜まると吸引力が低下する場合があります。
日立、パナソニック、シャープから3機種を比較
今回比較するのは、1,日立「PKV-BK3P」、2,パナソニック「MC-PB61J」、3,シャープ「EC-KR3」です。それぞれの特徴について見ていきましょう。
| 日立 「PKV-BK3P」 |
パナソニック 「MC-PB61J」 |
シャープ 「EC-KR3」 |
|
| 外観 | |||
| 価格 (税込)*1 |
49,280円 (ポイント対象外) |
39,600円 (ポイント対象外) |
63,620円 +P10% |
| サイズ(スティック) | W230×D218×H975mm | W220xD154xH1104mm | W209×D251×H982mm |
| 連続使用時間 | 強モード:約8分 自動モード:約8分~30分 標準モード:約30分(約45分) |
HIGHモード:約8分 |
強モード:約9分 標準モード:約35分/約50分 自動モード:約9分~約24分 |
| 集じん容積容量 | 0.4L(約2ヵ月)*2 | 0.5L(約3ヵ月)*2 | 0.37L(約1.5ヵ月)*2 |
| 運転音 | 非公表 | 約69dB~63dB | 約64db~57dB |
*1:価格は2025年12月9日現在の物です。
*2:ゴミの種類や量、部屋の広さなど、環境や使い方により異なります。
1,日立「かるパックスティック PKV-BK3P」
いち早く紙パック方式のコードレススティック掃除機を製品化したのが日立です。「PKV-BK3P」は、標準質量1.1kgの軽量ボディに強力な吸引力を搭載。紙パックが一杯になっても吸引力が低下しにくい「パワー長もち流路」を採用し、最後までしっかりゴミの吸引ができます。
ヘッドには自走式の「パワフルスマートヘッド light」を搭載し、軽快に操作可能。ヘッドの底面後部にはシンクロフラップを配置し、押すときだけでなく、引くときにもゴミが吸引できる仕組み。さらに緑色LEDライトが床面を照らし、明るい場所でも見えにくいゴミを浮かび上がらせることができます。
2,パナソニック「MC-PB61J」
0.5Lの大容量紙パックを採用し、ゴミ捨ての周期を約3ヶ月に1回に減らせるコードレススティック掃除機。カップに紙パックを取り付けることでレバーを押すだけでゴミを捨てられる「ラクポイ構造」を採用しています。紙パックに触れずに捨てられるため衛生的です。モーター位置の工夫とリブ設置で空気の流れを最適化することで、ゴミが溜まっても吸引力が持続する仕組み。
標準質量1.3kgの軽量ボディに自走式パワーノズルを採用。ヘッドの前後左右の動きが驚くほどスムーズになる特許技術の「ラクスルアシスト」により軽快に掃除できます。また、硬い毛と柔らかい毛の2種類を使用したこだわりのブラシで、どんな床面にも対応します。
3,シャープ「EC-KR3」
「パックinカップ」構造を採用し、紙パックに触れずボタンを押すだけでゴミ捨てが完了できる紙パック式コードレススティック掃除機です。標準質量1.3kgの軽量ボディに独自の遮音防振構造を採用しているのが特徴で、従来モデルと比べて実感音を約17%カット。集合住宅でも周囲を気にせず掃除できます。
本体にはどこでもライトを配置しており、スティック時だけでなく、ハンディとして使うときも手元を照らすことが可能。
ヘッドは自走パワーアシスト機能と「からみにく~いブラシ」搭載で、髪の毛も絡みにくく快適に掃除できます。右端ギリギリまでブラシがあり、壁際の掃除がしやすくなっています。
@「吸引力」を比較
それでは実際にゴミの吸引テストを行っていきましょう。今回、ホコリを模した綿や猫砂、髪の毛(エクステ)、ビーズなどのダミーゴミを用意。それらをフローリングの床や毛足の長いカーペットなどにばらまいて実際に吸引しました。
それぞれ約30~40cmの範囲を1往復してどれだけ吸い取れたか確認しました。
ホコリを模した綿を吸引して検証
ホコリに見立てた綿をフローリングに並べて、1往復して吸引しました。
※「MC-PB61J」は標準モード、「PKV-BK3P」と「EC-KR3」は自動モードで検証
大きいゴミの吸引性能を検証
続いて大きさのあるゴミの代表として、フローリングに猫砂を配置しました。猫砂は直径4mm、長さは3~8mmほどでほとんど重さはありません。ゴミを巻いた場所の中心を1往復して吸引しました。
※「MC-PB61J」は標準モード、「PKV-BK3P」と「EC-KR3」は自動モードで検証
| 日立 「PKV-BK3P」 |
パナソニック 「MC-PB61J」 |
シャープ 「EC-KR3」 |
|
| 外観 | |||
| コメント | ヘッドがわずかに猫砂に乗ってガタガタと進みます。一見取り除けたように見えましたが、電源を落としたあと、猫砂がヘッドの中にそれなりに残っていました。 | ヘッドが軽いためか、浮いてしまって猫砂の上を走る形に。結果としてあまり吸い取れませんでした。 |
わずかに猫砂に乗ることはありましたが、比較的安定して吸引。猫砂はわずかに残りましたが、大半を吸引できました。 |
| 評価 | 〇 | △ | ◎ |
カーペットに入り込んだゴミの吸引力を検証
毛足の長いカーペットを用意しそこにビーズをばらまいて、3台の掃除機で1往復しました。このテストのみ、強モードで運転しています。掃除が済んだあと、カーペットに残ったビーズをお皿に載せました。
壁際でのゴミの吸引性能を検証
壁際にダミーゴミとして細かなビーズを巻き、まっすぐ壁に向かって掃除機を走らせてから引いてビーズがどれだけ取れているかチェックしました。
| 日立 「PKV-BK3P」 |
|
| コメント |
緑色LEDが床を照らし、しっかりとビーズを吸引していきます。しっかり吸引できていましたが、ヘッドを持ち上げたあと、わずかに残りました。 |
| 評価 | 〇 |
|
パナソニック |
|
| コメント |
ヘッドが軽いためかやや浮きやすい印象。そのため、ヘッドを引いた時点で壁際や掃除した部分に数粒のビーズが残りました。 |
| 評価 | 〇 |
| シャープ「EC-KR3」 |
|
| コメント |
床にピタッと貼りつくように掃除できました。ヘッドを戻したあともビーズの取りこぼしはなく、しっかり取れていました。 |
| 評価 | ◎ |
髪の毛の絡まり方を検証
ダミーの髪の毛としてエクステを用意。約45cmのエクステをカットして床に数十本ばらまき、そのエリアを掃除してブラシへの巻き付きを確認しました。ブラシに巻き付かないのがベストですが、巻き付く場合も一ヵ所にまとまっていると取り除きやすいです。
| 日立 「PKV-BK3P」 |
|
| コメント |
髪の毛は1往復でしっかり吸い取れました。ブラシには巻き付いていましたが、ほとんど中央部分だったので、使っているうちに吸い取れそうです。 |
| 評価 | ◎ |
|
パナソニック |
|
| コメント |
髪の毛はスムーズに除去できましたが、ブラシ全体にまんべんなく巻き付いていました。 |
| 評価 | 〇 |
| シャープ「EC-KR3」 |
|
| コメント |
髪の毛はしっかりと除去できました。吸い取った髪の毛の一部はブラシに巻き付いていましたが、吸引口に近いブラシ中心部で除去しやすい印象です。 |
| 評価 |
〇 |
紙パックが満杯でも吸引力は落ちないのか?
紙パック式の掃除機は、紙パックにゴミがいっぱいになると吸引量が落ちてしまうイメージがあります。しかし、今回紹介している最新のコードレススティック掃除機は3モデルとも、風の風路を工夫するなどして、吸引力が落ちにくい仕組みを採用しています。
そこで、本当に吸引力は落ちないのか、実際に日立「PKV-BK3P」の紙パックにたっぷりのゴミをためてから、吸引テストをしてみました。
フローリングにまいたビーズを掃除してみたところ、全く問題なく、しっかり吸い取れました。機種・紙パックに入っているゴミの種類や細かさ、重さによって違いが発生する可能性はありますが、今回日立「PKV-BK3P」に関しては問題なく吸引できました。
A「静音性」を比較
駆動音を騒音計で計測
| 日立 「PKV-BK3P」 |
パナソニック 「MC-PB61J」 |
シャープ 「EC-KR3」 |
|
| 音量 | |||
| 73.1dB | 69.4dB | 71.4dB | |
| コメント | スイッチを入れるとブイーンというモーター音と吸気音が混ざった音が響きます。それほど高音ではないので数値ほどは気になりませんでした。 | 今回の計測値では最も低く、最大でも70dBを下回りました。実際に動作音は低音で、耳障りが悪い高音や早いモーター音がなかったのが好印象でした。 | 残念ながら騒音計の数値は70dBを超えてしまいましたが、静音性を売りにしているモデルらしく、低音の吸気音のみで、耳障りな音はほとんどありません。数値以上に静かだと感じました。 |
| 評価 | 〇 | ◎ | ◎ |
B「メンテナンス性」を比較
ゴミの捨て方の違いは?
今回の3機種は全て集じん方式として紙パック式を採用しています。このため、ゴミをたっぷりためることができ、しかも、ゴミに触れることなく捨てられるというポイントは同じです。
しかし、紙パックの取り付け方や捨て方などに違いがあります。各機種の紙パックのメンテナンス性をチェックしてみましょう。
| 日立 「PKV-BK3P」 |
|||
| 外観 | |||
| コメント | PKV-BK3Pは本体に紙パックを取り付ける方式。本体カバーを外して、レバーを引くと紙パックが外せます。捨てるときに紙パックの口にシールでフタができるので、ホコリが舞いにくく、中のゴミもこぼれにくいです。 | ||
| 評価 | 〇 | ||
| パナソニック 「MC-PB61J」 |
||
| 外観 | ||
| コメント | ダストカップを本体から外して、ゴミ箱の上でレバーを押すと紙パックが落ちる仕組み。紙パックに触れる必要がありません。 | |
| 評価 | ◎ | |
| シャープ 「EC-KR3」 |
||
| 外観 | ||
| コメント | パックinカップ構造を採用しており、カップを外してボタンを押すだけで紙パックを落とすことができます。ダストカップの水洗いにも対応しています。 | |
| 評価 | ◎ | |
紙パック交換のランニングコストは?
各機種に付属している紙パックの「容量」「交換頻度」「1枚あたりの価格」を並べると、以下のようになります。
| 日立 PKV-BK3P |
パナソニック MC-PB61J |
シャープ EC-KR3 |
|
| 集じん容積 | 0.4L | 0.5L | 0.37L |
|
交換頻度* |
約2ヵ月 |
約3ヵ月 |
約1.5ヵ月 |
| 交換用紙パック | 6枚入り1,210円 →1枚あたり約200円 |
10枚入り1,210円 →1枚あたり約120円 |
5枚入り1,210円 →1枚あたり約240円 |
| 年間のランニングコスト | 約1,210円 | 約484円 | 約1,936円 |
| 評価 | 〇 | ◎ | △ |
※ゴミの種類や量、部屋の広さなど、環境や使い方により異なります。
パナソニックがもっとも年間のランニングコストが低いという結果になりました。なお、どの機種も購入時には1枚の紙パックが同梱されています。
あなたにピッタリの掃除機を見つけよう
| 日立 PKV-BK3P |
パナソニック MC-PB61J |
シャープ EC-KR3 |
||
| 吸引力 | ホコリ | 〇 | △ | 〇 |
| 大きいゴミ | 〇 | △ | ◎ | |
| カーペット | ◎ | △ | 〇 | |
| 壁際 | 〇 | 〇 | ◎ | |
| 髪の毛 | ◎ | 〇 | 〇 | |
| 静穏性 | 〇 | ◎ | ◎ | |
| メンテナンス性 | 捨て方 | 〇 | ◎ | ◎ |
| ランニングコスト | 〇 | ◎ | △ | |
※ゴミの種類や量、部屋の広さなど、環境や使い方により異なります。
今回、各社の紙パック式コードレススティック掃除機をテストしました。吸引性能ではわずかの差ですがシャープが優位な印象。それに日立が続くというテスト結果になりました。しかし、静音性やメンテナンス性ではパナソニックが優れていました。特に紙パックのランニングコストが安く、年間約484円で利用できます。これなら紙パック式のデメリットであるランニングコストも気にならなくなります。
とはいえ3機種とも、快適に掃除ができました。テストは過酷なシーンを設定しているので、実使用では快適に使えます。テスト結果を参考に部屋にあった最適な掃除機を選びましょう。
●片手でラクラク使える軽さで、驚きの吸引力
●ごみを浮かび上がらせる「ごみくっきりライト」
たくさん吸って、お手入れもラク 紙パック式のコードレス
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