家電比較

高級炊飯器4モデルを“お米ソムリエ”が徹底比較!

2026/01/13
高級炊飯器4モデルを“お米ソムリエ”が徹底比較!

コメ不足が市場を騒がせた昨今、炊飯器次第でお米の味が大きく変わる、という常識が広まり、これまでになく高級モデルの炊飯器に注目が集まっています。一方各社の技術革新も激化し、10万円を超えるモデルも増えていることもあって、どれを選ぶべきか慎重にもなります。

そこで今回は、ビックカメラ京王調布店のお米ソムリエ(*)・森亮介さんと一緒に最新4モデルの炊飯器を使って実食、味わいや炊きあがりの違いを比べてみました。

目次

    * お米ソムリエ
    日本安全食料料理協会(JSFCA)が主催する資格で、お米の基本知識からお米の種類、お米の栄養価に至るまでの専門的な知識を証明する資格です。


    家電コーナー マイスター お米ソムリエ
    森亮介
    岡山県出身。ビックカメラ入社と共に上京し、今年で13年目に突入。パソコン売場や業務改善チームなどを経て、現在は家電売場を担当。お客さまに少しでも役に立つ情報が提供できるよう、日々、お客さまをご案内しながら各社の炊飯器に触れて商品理解を深めると共に、お米ソムリエやビックカメラマイスターの資格も取得するなど、自己研鑽に努めている。

    「おいしいご飯」の基準ってどう決まるの?

    今回は「白米」だけでなく、「炊き込みご飯」もおいしく炊けるかどうか検証します。そもそも機種によって、メニューごとの得意不得意があるのでしょうか? そんな素朴な疑問を森さんにぶつけてみました。

    「まずは、食べ比べに入る前に“白米のおいしさ”とは何かを整理しておきましょう。実はこの答えはひとつではありません。一般的には“甘さ”が重視されがちですが、食感の好みには文化的な違いがあります。たとえば日本人は、みずみずしさやもっちり感、噛んだときの弾力を“お米のおいしさ”の大きな基準として感じる傾向があります。

    これは、日本人が欧米の方より唾液腺が少ないことが影響しているようです。さらに、一緒に食べるおかずによっても、ご飯に求められる食感は変わります。カレーライスや水分の多い料理と合わせるなら、水分を抑えた、しっかりとした粒感のあるご飯のほうがおいしく感じられます。一方、焼き魚などと一緒に食べる場合はジューシーなご飯が合い、おにぎりにするなら、冷めてもべちゃっとせず、ほどけるような口当たりが、おいしさの決め手になります」

    なるほど。一言で“おいしい”と言っても人やメニューによってかなり違いが出ることがわかりました。さて、炊き込みご飯ではどんな炊き上がりが求められるのでしょうか。

    「炊き込みご飯の場合、水分のバランスがカギになります。調味料が入り、また根菜や栗など、具材にしっかり火が通り、味が染み込むとともに、煮過ぎてべちゃっとしたり崩れてしまっては困ります。そのため火の通り方が物を言いますが、この手法に各社の個性が表れています」

    エントリーした炊飯器・4モデルの特徴をチェック!

    今回比較するのはこの4機種。

    ・タイガー魔法瓶 土鍋圧力IHジャー炊飯器 土鍋ご泡火炊き JRX-S100 KS(5.5合炊き)
    ・パナソニック Bistro 可変圧力IHジャー炊飯器 SR-X910D(5.5合炊き)
    ・東芝 真空圧力IHジャー炊飯器 RC-10ZWX(5.5合炊き)
    ・象印マホービン 炎舞炊き® NX-AA10(5.5合炊き)

    それぞれの特徴を森さんに聞いてみました。

    土鍋で炊く“ご泡火炊き(ごほうびだき)”ご飯

    タイガー魔法瓶 土鍋圧力IHジャー炊飯器〈炊きたて〉土鍋ご泡火炊き JRX-S100 KS(5.5合炊き)

    「四日市萬古焼(ばんこやき)のずっしりとした土鍋が特徴。土鍋には遠赤外線効果があり、お米の中にしっかり熱が入って、甘さや香りを引き出せます。また新機能も注目です。『極・低温吸水』メニューでは、冷蔵庫でじっくり吸水させることでさらにみずみずしく炊き上がります。『おにぎり』メニューでは、おにぎりにして時間が経って冷めてもご飯の甘み・旨味を保ち、もっちり感と噛み応えのある食感に仕上げてくれます。こだわってご飯を炊きたい人におすすめです」

    AIが味を制御する未来型炊飯

    パナソニック Bistro 可変圧力IHジャー炊飯器 SR-X910D(5.5合炊き)

    「AIを駆使し、“考えなくても勝手においしく炊ける”プログラムが搭載されています。『ビストロ匠技AI』という機能で、『リアルタイム赤外線センサー』を始め4つのセンサーが常にお米の状態を判断し、9,600通りの中から最適な炊き方を選んでくれます。またこの『ビストロ匠技AI』は炊き上がった後も働いてくれて、お米の残量を検知し、細かな温度コントロールをして、30時間後までみずみずしさを保つ『うるおいキープ保湿』も搭載されています」

    時短もおいしさも譲らない“真空派”

    東芝 真空圧力IHジャー炊飯器 RC-10ZWX

    「内釜の中を真空にし、圧力差で吸水させる“真空”技術が特徴です。これによりお米の中に素早くしっかり水が入り、さらに加熱中も新機能の『追い真空』で空気を抜くことで、お米にハリとツヤが生まれます。また味わいからは少し話が離れますが、多様なライフスタイルに対応できるのも魅力。味を落とすことなく時短炊飯ができる『そくうまコース』、真空保温で3時間後もできたての温度やみずみずしさをキープできる『できたて保温』など、家族一人ひとりのライフスタイルにフレキシブルに対応できる炊飯器です」

    火力とカスタム性で炊き方に沼る機種

    象印マホービン 炎舞炊き® NX-AA10(5.5合炊き)

    「シリーズ名にもある『炎舞炊き®』が最大の特徴。底の6つのIHヒーターが、縦横さまざまな角度から時間差で加熱する『3Dローテーション』で、お米が常に複雑にかき混ぜられ、余すところなく熱が巡ることで、甘くもちもちのご飯に炊き上がります。火力が強いのも特徴です。

    またこの炊飯器のもうひとつの特徴は、好みに応じてカスタマイズできる『わが家炊き』機能。硬さと粘りの組み合わせが121通りあり、前回のご飯の感想を入力することでどんどん好みの炊き方に近づけられるので、食感にこだわりのある方におすすめです」

    早速、食べ比べ! まずは白米から

    4機種の特徴がわかったところで、森さんと一緒に食べ比べを開始。最初は炊飯器の本丸・白米からスタートします。使用したのはコシヒカリ2合で、できる限り標準設定に揃えて炊きました。

    タイガー魔法瓶

    ふたを開けた途端、甘い香りが鼻孔をくすぐり、食さずともその甘さを感じることができました。お米に十分な熱と水が加わり、一粒一粒が“キラキラ”とツヤが出ているのが一目でわかります。口にすると、より一層お米の甘みが強く感じ、食感も弾力のある“もっちり食感”でした。お米本来の甘さと心地よい食感を堪能できた炊き上がりです。
    なお、炊き上がりまでの時間は48分。

    パナソニック

    ハリがあり、柔らかく上品な炊き上がり。ダマになっておらず、お米の粒をしっかりと確認ができ、お米が立っていました。適度な熱と水分量で炊飯されていて、食べると程よい柔らかさを感じつつ、お米の輪郭をしっかり味わえる食感。お米が“ぐびぐび”と喉を通過する、喉ごしのよさを存分に楽しめる炊き上がり。
    炊き上がりまでの時間はこちらも48分。

    東芝

    ツヤがあり、お米全体的に粒立ちが見られ、一粒一粒が際立っています。お米の輪郭がハッキリ感じられ、しっかりとした炊き上がりです。食べるとスッキリとした味わいで、わずかに芯が感じられます。噛むと“ホロホロ”とほどけるような食感。炊き上がりにはお米独特の香ばしい風味が感じられ、「食欲をそそられた」との声も聞かれました。
    炊き上がりまでの時間は38分とダントツの速さ。

    象印マホービン

    お米に十分な熱と水が加わり、一目で“もちもち”の炊き上がりが確認できます。ご飯を混ぜているとき、しゃもじ越しに弾力が感じられました。粒感はあまり際立っておらず、全体として粘り気があり、もっちりと柔らかい感じ。実際食べてみると、ねっとりとした食感で噛めば噛むほどお米の甘さが口いっぱいに広がります。心地よい弾力と粘り気、甘さを兼ね備えた炊き上がりです。
    炊き上がりまでの時間は56分と一番時間がかかりました。

    続いて炊き込みご飯でも炊き比べ!

    白ご飯以外のメニューとして、今回は炊き込みご飯で比較しました。お米は先程と同じコシヒカリ、「混ぜご飯の素」を使って各1.5合で、標準の炊き込みご飯モードで炊いています。さてその結果は?

    タイガー魔法瓶

    お米一粒一粒が十分に水分と調味料を吸って琥珀色に輝いています。具材も釜全体に散らばっていて、炊飯時にお米と具材をしっかり混ぜ合わせたのがわかります。食べるともともと甘かったお米にうま味も加わりおいしさが増しました。食感も通常炊飯の時と同じくもちもちで弾力のある心地よい食感です。
    炊き上がりまでの時間は49分。

    パナソニック

    通常炊飯時より多くの水分がお米に含まれていて、みずみずしい炊き上がり。具材も中心で“円”を描いていて、釜内での熱対流跡が伝わります。食べてみると非常に柔らかく咀嚼しやすい軽やかな食感で、お子さんも難なく食べられそう。水っぽいというほどではなく、風味もちゃんと感じられます。おこげもできていました。
    炊き上がりまでの時間は54~62分の表示でした。

    東芝

    お米の粒がしっかり立っていて、全体的にシャキッとした炊き上がり。具材もお釜全体に散らばっていて、しっかりと釜内が炊飯時に混ぜられた印象です。お米の輪郭もはっきりと感じられ、食感も口の中でホロホロとほどける。柔らかさよりもお米の輪郭、力強さを感じられる炊き上がりでした。
    炊き上がりまでの時間は45分と炊き込みご飯でも最速でした。

    象印マホービン

    お米に「これでもか」と言うほどの水分と調味料がしみ込み、お米がパンパンに膨らんでいます。具材が中心部に固まっていますが、釜縁のお米の盛り上がり・ふくらみがすごく、熱量の高さを感じられます。食感はもちもちで粘り気があり、弾力があります。味もしっかりと染み、噛めば噛むほどおいしさが伝わります。炊き上がりまでの時間は79分と、じっくり時間をかけて炊き上げます。

    味わいレビューを一覧にまとめました

    各社の最上位機種だけあって、筆者にとってはどれも甲乙つけがたいほどおいしいかったのですが、食感は人によって好みも感じ方も異なるので、あくまでも参考としてご覧ください。

    タイガー
    魔法瓶
    パナソニック
    東芝 象印
    マホービン
    白米 粒立ち 強い 控えめ やや強め やや強め
    粘り気 やや強め やや強め 控えめ 強い
    甘み 強い 控えめ やや強め やや強め
    もっちり感 やや強め 強い 控えめ 強い
    炊き込みご飯 粒立ち 強い 控えめ やや強め やや強め
    粘り気 やや強め 強い 控えめ 強い
    もっちり感 やや強め やや強め やや強め 強い

    炊飯器のポテンシャルを最大限に引き出す「究極の炊き方」

    どの炊飯器を購入しても、ちょっとしたコツでもっとご飯をおいしくいただくことができます。最後に森さんに炊き方をアドバイスしてもらいました。

    「まず、お米は酸化しますから、できるだけ空気に触れないように保管しましょう。そして洗い方です。最初の水は米がよく吸うので、できればミネラルウォーターを使い、手早くすすぎましょう。1回の水量は米に水がかぶる程度に。その後、水を替えて3、4回、指と指の間を開き、軽く揉むように研ぎます。

    最近は籾殻(もみがら)などがついていることはありませんから、強く揉む必要はなく、むしろ米が割れて水分が抜けやすくなります。炊飯に使う最後の水も、できればミネラルウォーターを使い、冷蔵庫などでしばらく水に浸しておきます。炊き上がったあとは、5~10分ほどそのまま置いてから混ぜて蒸らすのがおすすめ。炊き込みご飯の場合はすぐに混ぜるといいと思います」

    いかがでしょうか。自分のライフスタイルや好みにぴったりの炊飯器と、お米ソムリエ直伝の炊き方で、毎日のご飯をもっと楽しみましょう。森さんいわく、炊飯器の寿命は扱い方や炊飯の頻度にもよりますが5~7年が目安とのことで、内釜のコーティングが剥がれてくると炊きむらができるなど味にも影響してきます。そろそろ買い替え時かな、と感じている方は、ぜひこの機会に各社の特徴をチェックしてみてください。

     
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    ZOJIRUSHI 圧力IH炊飯ジャー 炎舞炊き 黒 NX-AA10 [5.5合 /圧力IH]
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    Profile
    吉野ユリ子 
    吉野ユリ子 
    1972年埼玉県生まれ。立教大学文学部日本文学科卒。ハースト婦人画報社などを経て2008年よりフリー。女性誌、ウェブ、書籍などを中心に女性たちの豊かな生き方、暮らし方の提案を行う他、講演、コンサルティングなども行う。
    松村宇洋(Pecogram)
    写真
    松村宇洋(Pecogram)
    学生時代よりバックパッカーとして海外を放浪し、旅の写真を撮り始めたことをきっかけにフォトグラファーとしての活動を開始。2013年より写真家 高崎勉に師事。2016年独立、写真事務所Pecogramを設立。料理と旅のカメラマンとして、食品や宿泊施設の撮影を主に行っている。
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