最新リベイクレンジ3機種徹底比較!惣菜が揚げたて食感に
忙しくて料理をする時間がないときに頼りになるのが、スーパーなどで売っている惣菜です。近年は惣菜の種類が増え、味もますますおいしくなっているため、利用する人も多いのではないでしょうか。
実際、日本惣菜協会が5月に発表した「2025年版惣菜白書」によると、2024年の惣菜市場規模は過去最高の11兆2,882億円を記録したとのこと。市場が活況である様子がうかがえます。
そこで今回は、買ってきた揚げ物をおいしく温め直してくれる“リベイク”が得意なオーブンレンジを見つけるべく、3機種を使い比べてみました。
今年発売されたアラジン・ツインバード・日立を比較
今回ピックアップしたのは、いずれも2025年に発売された注目モデル。それぞれ特徴が大きく異なりますので、まずは1つずつご紹介していきましょう。
アラジン「グラファイトオーブンレンジ AEM-G14A」
レトロなデザインと短時間でおいしく焼き上げるトースターが大人気のアラジンから登場したオーブンレンジ。トースター同様、わずか0.2秒で発熱するグラファイトヒータを搭載し、高火力かつ時短でグリルできます。さらに食材の内部をレンジ加熱で温め、表面はグラファイトヒータで焼き上げるため、リベイクも得意。解凍時もグラファイトヒータで表面を素早く溶かすことで、解凍ムラが抑えられるなど、独自ヒーターを活用した機能が充実します。
ツインバード「リフライオーブンレンジ DR-E220B」
冷めたフライや天ぷらなどの揚げ物を揚げたてのように温め直す「リフライ」(リベイク)に特化したオーブンレンジ。庫内に熱風を循環させるコンベクション構造を採用し、庫内全体に熱をムラなく届けることで、外はサクッと、中は熱々に温めます。さらに焼き魚やパンの温め直しに適した「リグリル」など、揚げ物以外の惣菜の温め直しにも活躍。「リフライ」「リベイク」など4つの専用ボタンと、ダイヤル操作のみのシンプルな操作も特徴です。
日立「2in1トースターレンジ MRT-F100」
オーブンはあまり使わないけれど、トースターと電子レンジはよく使うというニーズに応えるべく誕生。 レンジ加熱で発熱するグリルプレートを使用することでトーストを裏返さなくても焼けるのがうれしい。裏返さなくても焼ける「トーストモード」「アレンジトーストモード 」など、4種のパン専用モードを搭載し、忙しい朝でもボリュームたっぷりの朝食が作れます。 ほかレンジ、グリル(強・弱)モードも搭載。揚げ物などのリベイク専用モードは備えていないため、今回は取扱説明書に従って、「グリルモード」を使いました。
コロッケの“理想のリベイク”に挑戦!
レンジで温めると中は熱々だけど衣はしんなり。オーブントースターを使うと中が温まる前に衣がカリカリに焦げてしまい、なかなかうまくいかない。そんな難易度の高い揚げ物の温め直し、いわゆる“リベイク”が上手なオーブンレンジはどれなのか、さまざまな食材で試してみました。
まずはコロッケの温め直しから。操作性はどうでしょうか。
【アラジン】
マイクロ波で中を加熱しつつ、グラファイトヒータで表面をカリッと焼き上げる「リベイク」モードを使用。「マジックラック」と呼ばれる金属製の網にクッキングシートを敷き、その上にコロッケを置きます。
一般的に電子レンジで金網や金属トレイを使うと、マイクロ波が反射してスパークするため使用不可ですが、「マジックラック」は左右に高耐熱樹脂のハンドルを取り付けているため、レンジでも使用が可能です。
続いて左のメニューダイヤルを回し、表示を「リベイク」に合わせ、右の設定ダイヤルで、5段階から選べる仕上がり(火力)を真ん中の3に合わせたら、そのダイヤルを押すだけ。時間設定は不要で、操作自体は直感的にできました。
【ツインバード】
「揚げ物」や「焼き物」をおいしく温める新機能「リフライモード」および「リグリルモード」を搭載したのが特徴。選択したモードに合わせてレンジ加熱とオーブン加熱がオートで切り替わる。天板に網を乗せ、クッキングシートを敷いてからコロッケをのせます。「リフライ」ボタンを押したら、一度ダイヤルボタンを押し、次にダイヤルを回して「冷蔵・常温」または「冷凍」を選びます。
ここで問題が。調理する食品の量に合わせて、「少量(50g-100g)」「中量(100g-300g)」「多量(300g-450g)」を選ばないといけないということで、慌てて計測。約70gだったので、「少量」を選び、スタートボタンを押します。専用ボタンはあるものの、操作に戸惑うことも多い印象。特に加熱前に食品の重量を測るのは、面倒に感じましたが、時間設定は不要でした。
【日立】
日立はリベイク専用モードがありませんが、設定の候補は2つありました。1つは、コロッケに構成が近いカレーパンをリベイクする「パンリベイク」(6分30秒~7分30秒)です。グリルプレートにコロッケをのせ、左のモード切替ダイヤルで「パンリベイク」モードをセレクト。続いて右のタイマーダイヤルで7分をセットし、スタートボタンを押します。
もう1つは、揚げ物あたため(150g)で推奨している、グリル(強)で11~13分。こちらもモードと時間をセットするだけなので、操作自体は迷うことがありませんでした。
コロッケの温め直し、揚げたてに近かったのは?
以上3機種でコロッケの温め直しをしたところ、もっともおいしく温められたのは、アラジンでした。外はサクッと軽く、中までしっかり熱々で、スタッフ一同が納得の仕上がり。僅差(きんさ)でツインバードも好評でしたが、アラジンに比べると中はぬるめで、衣も一部が油っぽく、ムラのある印象です。
唐揚げ、天ぷらの温め直しで優秀だったのは?
続いては、皆さんが食べることも多いであろう人気の唐揚げ、そして大晦日に食べる年越しそばに添えたい天ぷらの温め直しを試してみました。基本的な設定は、コロッケと同じですが、重量によって設定時間は少し変更しています。
その結果、先ほどのコロッケとは異なる結果になりました。唐揚げ、天ぷらともにどの機種も同じような仕上がりとなりました。
唐揚げ、天ぷらともに完璧とはいえないまでも、仕上がりのバランスがよかったのがツインバード。アラジンは、衣が少ししっとりした印象ですが、中の具はしっかり水分を保ち、ふっくらジューシーで食べ応えがあります。日立は、中は熱々ですが、見るからに小さくなっており、身が引き締まって固くなっていました。
唐揚げの温め直し
基本的な設定はコロッケと同様ですが、重量に応じて温め時間だけ調整しています。
「衣の復活力」と「中身のジューシーさ」のバランスにおいてツインバードが最も優れていました。リフライモードは加熱時間こそ長めですが、余分な水分を飛ばしつつ油を適度に残すため、衣はカリカリ、中は熱々で肉汁感もしっかり。アラジンの軽さ、日立の強火力と比べても、“揚げ物らしさ”の再現度が高く、味の輪郭がはっきりした仕上がりでした。唐揚げと天ぷらの両方で安定した結果を出した点が、ツインバードに軍配が上がった決め手です。
唐揚げ、天ぷらのリベイクでは、どちらもバランスの良さでツインバードに軍配が上がりました。
天ぷらの温め直し
続いて、年越しそばにも添えたい天ぷらを検証しました。こちらもコロッケと同じ基本設定で、重量に合わせて時間のみ調整しています。
天ぷらの温め直しで最も優れていたのはツインバードでした。理由は、「中までしっかり温めながら、衣の食感を壊さない」点にあります。リフライモードは蒸気を溜めすぎず、適度に油を落としながら加熱するため、中は熱々、衣はカリッとした理想的な仕上がりに。特にかぼちゃは水分が飛びすぎず、ほくほく感を保ったまま復活しました。加熱時間は長めでも焼きすぎにならず、“揚げたて再現力”が頭一つ抜けていました。
焼き上がりに差が出た!トーストでわかる3機種の個性
ここまで揚げ物のリベイクを試しましたが、日立にはそもそもリベイク機能がないためやや不利な結果に。そこで「トースターレンジ」としての性能を確認すべく、トーストを試しました。
【アラジン】
アラジンはトースターで実績のあるグラファイトヒータを搭載しているだけあり、トーストも得意。「ヒートトレイ」と呼ばれる発熱トレイに乗せることで、裏返さずに裏面までこんがり焼けます。
専用の「トースト」ボタンを押して枚数は自動検知のため、焼き色を設定するだけ。焼き色4(濃いめ)で3分18秒と短時間で焼き上がりました。色は薄めですが、表面はサクッ、中はふっくらもちもちで、パンの風味が際立ちました。
【ツインバード】
ツインバードはダイヤルを回してオーブンモード「16」を選ぶ必要があるのがわかりづらいかったです。モードは天面の定格シールに記載はされているのですが、液晶に「トースト」の表示がされると良かったのにと思いました。
途中で裏返す必要があり、6分ほどで一度ストップ→裏返して再スタートし、計8分48秒で焼き上がり。表面はカリッとしていますが、時間が長い分、水分が飛んでも っちり感は控えめ でした。
【日立】
日立はパン専用モードがあり、ダイヤルで「トースト」を選び、4分に設定すれば出来上がり。底面から発するマイクロ波を吸収して発熱するグリルプレートを使えば裏返しがいらないのは楽です。
焼き上がりは表裏どちらもムラなく、美しいきつね色。ふっくら感はやや控えめですが、外はカリッ、中はしっとりで風味が凝縮されていました。「トーストに強い」と感じさせる仕上がりでした。
“焼き魚”は仕上がりに3社で明確に違いがでた!
最後 にグリルで鮭も焼いてみました。各メーカーが推奨するモードに設定したところ、アラジンは焼き色が薄くふっくらジューシー。ツインバードは取扱説明書どおりだと25分かかるものの、16分経過したところでかなり焼けていたので止めました。表面はこんがり、中はしっとりの良好な仕上がりです。日立はグリル強・15分に設定しましたが、やはり身が縮んでしまったので、こちらも時間調整の余地がありそうです。
目的で選ぶ!あなたに最適な1台はどれ?
今回は、リベイク(温め直し)を中心に性能をチェックしてきました。全体的にはいずれも満足できる性能を備えていましたが、同じ“オーブンレンジ”でありながら、各メーカーが得意とする領域が大きく異なることがわかりました。それぞれ得意・不得意があるので、やはりこだわりポイントを中心に選ぶのがおすすめです。
<主な特徴>
●時短重視ならアラジン
大幅に短時間で温まり、油がしみ出にくいためすっきり食べやすい仕上がりに。時短を重視しつつ油っこさを抑えたい人には、アラジンのパワフルなグラファイトヒータが頼もしい存在です。
●惣菜の温め直し中心ならツインバード
惣菜中心で揚げ物をサクサクと仕上げたいなら、迷わずツインバード。揚げ物に適した「リフライ」に加え、その他の惣菜向け「リグリル」も便利。
●トーストの仕上がりを重視するなら日立
トースターと電子レンジを1台にまとめたい人にぴったりです。日立は揚げ物などのリベイク専用モードがないため、時間調節が必要ですが、パンの焼き上がりに圧倒的な強みがあり、朝食の満足度を高めてくれる1台といえます。
結果まとめ
| アラジン グラファイトオーブンレンジ AEM-G14A |
ツインバード リフライオーブンレンジ DR-E220B |
日立 2in1トースターレンジ MRT-F100 |
|
| コロッケ | ◎ | 〇 | 〇 |
| 唐揚げ・天ぷら | 〇 | ◎ | △ |
| トースト | ◎ | △ | ◎ |
| グリル(焼き魚) | 〇 | ◎ | 〇 |
| 総括 | グラファイトヒータを活用した時短調理が優秀。トースターとしても活用したい。見た目のかわいさも〇。 | コンベクションを使ったリフライ(リベイク)が得意。グリル機能はオートに任せず自分で調整を。 | リベイク機能がないため、揚げ物温めは苦戦したが、グリルとしては優秀。レンジとトースターを1台で済ませたい人に。 |
どれが最適かは「どんな食卓を作りたいか」によって変わります。惣菜をもっとおいしく、便利に楽しむために、自分の生活スタイルに合った1台を選びましょう。今回の比較が、あなたのキッチンに迎える“相棒”選びの参考になれば幸いです。
トーストをこんがりサクッと焼き上げ、こんがり焼き目のグリル料理もでき、レンジ加熱であたためや解凍もできます。
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