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NIKON Zf

2024/06/24
NIKON Zf

ニコンは今まで「Df」、「Zfc」とフィルム時代のカメラ「FM/FE」をオマージュしたカメラ、DfとZfcを発表してきました。「Df」はフルサイズのデジタル一眼レフ、「Zfc」はAPS-Cサイズのミラーレス一眼として、ヘリテージデザインのボディは人気があります。そのニコンからヘリテージデザインのフルサイズミラーレス一眼「Zf」が登場しました。「Zfc」を更にブラッシュアップした外見はFM2を彷彿させ、シャッタースピード、露出補正、ISO感度の各ダイヤルに真鍮が使われ質感も大幅にアップ。所有する喜びに加えてZ9/Z8並のAFシステムや手ブレ補正機構など最新鋭の性能が搭載されています。

見た目だけでなく実力も兼ね備えたZf、かっこよくて頼もしさを感じるカメラです。

初めて「Zf」を手にしたとき、往年の「FM2」に似ている雰囲気を感じて思わずニヤリとしてしまいました。「Df」や「Zfc」同様にシャッターボタンがボディ軍艦部上に配置されているのも、往年のフィルムカメラを彷彿させます。シャッターを押したときの感触がとても心地よくシャッター音は引き締まっていて、まるでフィルムカメラのシャッターを押したときのような感覚です。

レンズキットの「NIKKOR Z 40mm f/2 (SE)」を装着するとレトロな雰囲気がカメラ全体から発せられて、眺めているだけでうっとりしてしまいます。ヘリテージデザインのカメラとレンズの組み合わせで趣のある瓦屋根を写してみました。とても階調が豊かで発色が良くて、クラシカルなカメラから最新鋭の画像が写し出されました。

  • カメラ:Nikon Zf
  • レンズ:NIKKOR Z 40mm f/2 (SE)
  • 絞り値:f/2
  • 露出時間:1/4000秒
  • ISO:100
  • 露出補正:±0ステップ
  • 露出モード:絞り優先

「Zf」は細部にわたってブラッシュアップされています。シャッタースピード、露出補正、ISO感度の各ダイヤルとシャッターボタンに真鍮が使用されていて剛性感と質感が高まり、操作性と高級感がより高まりました。特にダイヤル部は一目見ただけでしっかり作り込まれた質感が伝わってきます。マグネシウム合金を漆黒に塗装したトップカバーからは往年のフィルムカメラと同じような雰囲気を感じます。

背面モニターで採用されたバリアングルモニターは好みが分かれるところですが、モニターの裏側にボディと同じシボ加工された人工皮革が張られていてモニターを裏返しにして格納すると背面が革張りされたようになります。背面を隠して撮影できるスタイルはFUJIFILM「X-Pro3」の隠しモニターに似ていて、撮影に専念するスタイルを追求できます。長年フィルムカメラを作り続けてきたニコンだからこそ、フィルムを生産してきたFUJIFILMと同じ発想でモニターの格納方法に写真撮影の楽しみを追求したのではないでしょうか。

このヘリテージデザインのカメラにレンズキットの「NIKKOR Z 40mm f/2 (SE)」が絶妙に似合います。これこそニコン、と呼びたくなる雰囲気に満ちた組み合わせです。

  • カメラ:Nikon Zf
  • レンズ:NIKKOR Z 40mm f/2 (SE)
  • 絞り値:f/2
  • 露出時間:1/800秒
  • ISO:100
  • 露出補正:±0ステップ
  • 露出モード:絞り優先

このカットは「NIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition)」を使いました。
このレンズは「Zfc」のレンズキットとして発売されたヘリテージレンズですがフルサイズにも対応しているので「Zf」との相性も抜群です。

「Z9」 や「Z8」と同じ画像処理エンジン「EXPEED 7」が搭載されているのでAF動作は正確でスムーズに瞬時にピントが合います。このカットは3Dモードでコーヒーポットに焦点を合わせた後あれやこれやといろいろな構図を探したのですが、ピント面は一度もコーヒーポットから離れることなく構図決めに専念できてとても快適でした。

  • カメラ:Nikon Zf
  • レンズ:NIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition)
  • 絞り値:f/2.8
  • 露出時間:1/500秒
  • ISO:100
  • 露出補正:±0ステップ
  • 露出モード:絞り優先

APS-Cの「Zfc」に比べるとフルサイズになった分、ボディサイズは大きくなっていますが、ヘリテージデザインと作り込みの良さで常に持ち歩きたくなる気持ちを湧き起こさせてくれる魅力があります。

手にするだけでワクワクさせてくれる「Zf」を携行していると何気ない場面でもついシャッターを押したくなります。

  • カメラ:Nikon Zf
  • レンズ:NIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition)
  • 絞り値:f/9
  • 露出時間:1/320秒
  • ISO:100
  • 露出補正:-0.3ステップ
  • 露出モード:プログラム
  • カメラ:Nikon Zf
  • レンズ:NIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition)
  • 絞り値:f/9
  • 露出時間:1/320秒
  • ISO:200
  • 露出補正:±0ステップ
  • 露出モード:ブログラム

JPEG撮って出しなので画面左側の太陽光が反射している海面はさすがに白飛びしていますが、それ以外の海面は白飛びせずトーンがでているのはさすがフルサイズの階調表現に余裕ある描写力です。有効画素数2450万画素数は高画素機が増えつつあるミレーレス一眼の中で物足りないように感じるかもしれませんが、実は階調表現が豊かで高感度耐性に優れたバランスのとれている画素数です。Zレンズはどのレンズも優秀な解像力を持っていますので、白飛びや黒つぶれしにくい2450万画素とZレンズは最良の組み合わせではないでしょうか。

  • カメラ:Nikon Zf
  • レンズ:NIKKOR Z 40mm f/2 (SE)
  • 絞り値:f/8
  • 露出時間:1/640秒
  • ISO:100
  • 露出補正:±0ステップ
  • 露出モード:絞り優先

2450万画素は高画素機よりも高感度耐性があり夜景撮影に威力を発揮します。「Zf」には「Z9」「Z8」を超える最大8段分のボディ内5軸手ブレ補正機構が搭載されているので、強力な手ブレ補正機構と高感度耐性に優れた2450万画素が組み合えば、夜景で絶大な力を発揮することでしょう。

夕暮れ時に美しくライトアップされた場所に感動してシャッターを押したくなったときに気軽に手持ち撮影にトライして、その期待に十分応えてくれる能力を「Zf」は持っています。

  • カメラ:Nikon Zf
  • レンズ:NIKKOR Z 40mm f/2 (SE)
  • 絞り値:f/8
  • 露出時間:1/50秒
  • ISO:2500
  • 露出補正:+0.3ステップ
  • 露出モード:絞り優先
  • カメラ:Nikon Zf
  • レンズ:NIKKOR Z 40mm f/2 (SE)
  • 絞り値:f/4
  • 露出時間:1/1600秒
  • ISO:1600
  • 露出補正:-0.7ステップ
  • 露出モード:絞り優先
  • カメラ:Nikon Zf
  • レンズ:NIKKOR Z 40mm f/2 (SE)
  • 絞り値:f/2.8
  • 露出時間:1/100秒
  • ISO:1600
  • 露出補正:±0ステップ
  • 露出モード:絞り優先

各社ミラーレスカメラにもモノクロモードは搭載されていますが、モードの切り替えはメニューから呼び出して切り替えなければならず若干手間がかかります。「Zf」は専用の物理レバーを動かすだけで一瞬にしてモノクロへと切り替えが可能なので、この場面はモノトーンで表現してみたい、とひらめいた瞬間に切り替えができます。

なんということもない水道タンクですが、“階段の影が面白いな”と思った瞬間、サッとモノクロモードに変更して撮影しました。

  • カメラ:Nikon Zf
  • レンズ:NIKKOR Z 40mm f/2 (SE)
  • 絞り値:f/11
  • 露出時間:1/1500秒
  • ISO:100
  • 露出補正:±0
  • 露出モード:プログラム

上の写真はディープトーンモノクロームでJPEG撮影した撮って出しの画像ですが、同時にRAWデータも記録するモードで撮影していました。並行して記録されたRAWデータは、ニコン純正の現像ソフト「NX-Studio」や各種画像補正データアプリを使用すればカラーモードに現像できます。この画は「NX-Studio」を使用してピクチャコントロールをスタンダートに変更してカラーに現像し直してみました。

どうでしょうか、ご覧の通スタンダートのカラー画像そのものになりました。
RAWデータを現像すればカラー画像に変更できるのでJPEGとRAWデータを並行して撮影すれば、後から「やっぱりここはカラーで撮っておくべきだった」と後悔することもなく積極的にモノクロモードを使用することができます。

※データはJと同じです。

Zfに搭載された「ディープトーンモノクローム」はコントラストが強めで黒が締まっていながら暗部のトーンが描写されています。ミラーレス機のモノクロモードは黒も含めて柔らかいトーンが多いのですが、Zfの「ディープトーンモノクローム」はフィルムで撮影した陰影のしっかりしたメリアリのあるモノクロを彷彿させる階調です。まるで3号のモノクロ印画紙でプリントしたような雰囲気があり本格的なモノトーン写真の味わいを感じます。モノクロ写真が好きの方にも満足いただけるのではないでしょうか。

  • カメラ:Nikon Zf
  • レンズ:NIKKOR Z 40mm f/2 (SE)
  • 絞り値:f/5
  • 露出時間:1/1400秒
  • ISO:400
  • 露出補正:-0.7ステップ
  • 露出モード:絞り優先

色が一切排除されているので、被写体の形や陰影の雰囲気に集中して撮影するのも楽しいです。

  • カメラ:Nikon Zf
  • レンズ:NIKKOR Z 40mm f/2 (SE)
  • 絞り値:f/2
  • 露出時間:1/6400秒
  • ISO:100
  • 露出補正:-0.7ステップ
  • 露出モード:絞り優先

潰れそうで潰れずにトーンがでている黒の階調に、言葉に表せないストーリー性を感じます。カラー写真に慣れきってしまった今、温故知新といいますかZfのディープトーンモノクロームを通してモノクロ写真の魅力を再発見した気持ちを感じました。

  • カメラ:Nikon Zf
  • レンズ:NIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition)
  • 絞り値:f/2.8
  • 露出時間:1/1250秒
  • ISO:400
  • 露出補正:-0.3ステップ
  • 露出モード:絞り優先
  • カメラ:Nikon Zf
  • レンズ:NIKKOR Z 40mm f/2 (SE)
  • 絞り値:f/13
  • 露出時間:1/640秒
  • ISO:400
  • 露出補正:+0.3ステップ
  • 露出モード:プログラム

モノトーンはスナップの王道ですね。

  • カメラ:Nikon Zf
  • レンズ:NIKKOR Z 40mm f/2 (SE)
  • 絞り値:f/11
  • 露出時間:1/500秒
  • ISO:400
  • 露出補正:+0.3ステップ
  • 露出モード:プログラム

新しいビルとその脇で工事を続けるクレーン。カラーならばなんということもないシーンですが、モノトーンの深い階調だとストーリー性を感じます。何をとっても面白く感じる、カラーの表現に目が慣れきっている今だからこそ、モノトーンの世界は新鮮です。

  • カメラ:Nikon Zf
  • レンズ:NIKKOR Z 40mm f/2 (SE)
  • 絞り値:f/8
  • 露出時間:1/250秒
  • ISO:100
  • 露出補正:-0.3ステップ
  • 露出モード:プログラム

光と影が織りなす陰影の雰囲気と空間を読みながら構図を決めシャッターを押すモノトーンの世界。色があふれる時代にレバーを1クリックするだけでモノクロモードが楽しめて写真撮影の原点を思い起こさせてくれる、ヘリテージデザインのZfは撮影する画像にもヘリテージ(伝統・伝承)を体現してくれる稀有なカメラだ、と作例を通して感じました。

  • カメラ:Nikon Zf
  • レンズ:NIKKOR Z 40mm f/2 (SE)
  • 絞り値:f/8
  • 露出時間:1/250秒
  • ISO:100
  • 露出補正:-0.3ステップ
  • 露出モード:プログラム
 
この記事で紹介した商品
Nikon Z f 40mm f/2(SE)レンズキット
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