サクサク撮る夜景スナップ
夜景とは?
→ 夜の風景である!
これは私が夜景撮影のセミナーや講演で必ず最初にお話をする言葉なのですが、皆さんは「夜景」というと、どのようなシーンを思い浮かべるでしょうか?
今回は、そんな「夜景写真」の常識からちょっとだけズレた(普通と違う)?「夜景のスナップ」撮影をご紹介します。
そもそも夜景写真というのはこのような美しい風景のことを指す場合が多いですよね。
王道の、トワイライト時における美しい夜景写真です。
このような夜景は三脚を立て、じっくりと構図を決めて撮影のタイミングを見計らい撮影します。
でも、夜景写真ってじっくり撮ることだけではないんですよね。
特に最近のデジタルカメラは夜の撮影に強いので、どんどん夜のスナップを楽しんじゃいましょう!
スナップショットは偶然に撮れる場合と、必然に撮ることがあります。
この写真は、キラキラ輝く夜景を撮ろうとしていた彼ですが、急に彼女が彼のスマホの前にピースした手を差し出してきました。もちろんそんな事は予想していませんでしたが、スナップショットの極意は「瞬間」を見逃さないことです。偶然に撮れるスナップこそ、瞬間的な撮影が大切です。
私は常々言っていることですが、スナップは被写体を見つけてシャッターを押すまでに要する時間を、最大でも3秒、できれば2秒以内に撮ることが瞬間を逃さないコツの一つと言えます。
普段から速写を練習しておきましょう。
カメラの設定は自分の使いやすい設定で良いのですが、私の場合はMモード(マニュアル)にし、SSはそのときのレンズでブレない程度、たとえば標準レンズ(50mmぐらい)なら1/50秒から1/60秒ぐらいがブレない目安になりますが、手振れ補正機能を活用すれば、もっとスローシャッターでも大丈夫です。しかし、被写体ブレには注意が必要です。絞りは作品の仕上がりイメージから、ピントを合わすのかボカすのか程度はある程度想像し、絞りを開けたり絞ったりしましょう。
速写の際 、そのような設定を考える時間はありませんので、SSと絞りは予め合わせておき、ISO感度をオートにしておけば露出はカメラが自動的に調整してくれます。もちろんイメージに合わせた露出補正も合わせて考えると良いでしょう。
とはいえ、偶然よりも必然的なスナップの方が圧倒的にチャンスが多く撮影枚数は増えると思います。
~必然のスナップとはこんな感じ~
「そこにある物」「動かない物」「時間をかけて撮影できる物」。それもまた、スナップショットの対象です。被写体になるものは街中のいたるところにあり、それを見つける目と絵にするイメージが必要になってきます。暗い場所では当然シャッタースピードが遅くなるので、ISO感度を上げブレないように注意しましょう。
雨上がりの歩道です。夜景だからこそ光をうまく利用することで、作品としてのレベルが上がります。
街中でのスナップは、風景の切り取りから構成することが多くなります。
そこで重要なのは、余分なものを欲張って入れ過ぎず、シンプルかつドラマチックに見せることです。
クリスマスイルミネーションは、拡大すればただの電球です。特に最近はLEDが主流になり、ボケにくくなっていることも作品の面白味を欠けさせる要因になっています。なのでこれをそのまま撮影しても良い作品にはなりづらいのです。そこで背景を使いストーリー仕立てにしたり、クロスやフォギー系のフィルターや、絞り込むことでの光芒(こうぼう)を利用するなど、何かひと工夫をすれば良くなります。
必然のスナップでも、状況を見て被写体がイメージ通りになるまで待つこともあります。
地下から湧き出る水蒸気が名物の冬のニューヨーク。
ドラマチックさを演出するために、あえてホワイトバランスを10000Kにし、コントラストや彩度を高めの設定にして撮影。しかしもっと謎めいたストーリー性やドラマチックさを出したかったので、水蒸気のモクモクがたくさん来るときを待ちました。しかし欲張って良いイメージを想像してしまったので次の写真ではモノクロームにして撮影しました。
人物の壁画はあえて一人しか見えない瞬間を待ちました。真冬のニューヨークの夜はとても寒かったのですが、このモクモク感を出すためにここでは30分ほど待ちました……。寒いし、路地裏で少し不気味でしたが。
ここまで気合を入れて待つのはちょっと「しんどいなぁ」という方は、必然のスナップの応用“予想するスナップ”でイメージを組み立てましょう。
渋谷の路地裏ですが、ちょっと危ない雰囲気をイメージ。色味はアンバーで高コントラスト、露出は若干暗めで撮影。怪しく危ない雰囲気を演出しました。さらにちょうど良い場所に人が来るのを待ち広角で超ローアングルに構え、動感が最も感じられるシャッタースピードに設定し、あえて人物はブラしました。私が好きな人物のブレるSSは、1/8秒から1/4秒ぐらいです。歩く速度が遅い人や遠くの人を狙う場合は1/2秒ぐらいにすることもあります。
同じ技法で撮影したのがこちら。
スナップショットを撮影する上で重要なことは、夜景もスナップもすべて風景写真の中での一つのカテゴリーと考えることです。そうすると、風景撮影で思いつく重要なことは、構図、露出、シャッタースピード、被写界深度、撮影するタイミングなどなど、自然と必要なことが思いつきますよね。あとは被写体探し!
~被写体はどこでもゴロゴロ転がっている~
「良い写真を撮ろう」という思いが強ければ強いほど、良い被写体を求めてしまいがちです。そこは肩の力を抜いて、まずはすぐ側にある物に目を向けてみましょう。
ただのどこにでもある歩道沿いの植え込みを写した一枚。一本、他より伸びている枝を見つけたので、背景にイルミネーションを重ね、単焦点で絞り開放にし大きく玉ボケにしてみました。まるで本格的にセッティングしたライティング写真のような写真になりました。
この日は別の夜景を撮影し、帰り支度をしている最中でした。歩道沿いの植え込みのブロックに腰掛け機材を片付けしていたところ蟻(あり)を発見!いつの日かこぼれたであろうジュースの一滴が乾き、おそらく糖分が残っていたのでしょう。そこに1匹の蟻が寄ってきて、美味しそうに食べて(舐めて?)いるところでした。
慌ててカメラを取り出し、ここでも単焦点で絞り開放、最短撮影距離まで目一杯近づきできるだけ蟻を大きく配置しました。最短撮影距離で絞り開放という、被写界深度が限界まで浅くなっている状況なので、すぐ向こうにあった街灯は完全に玉ボケになりました。
路面が電飾になっている面白い場所です。ちょうど俯瞰(ふかん)で撮影できる場所を見つけられたので、そこを歩く人々をシルエットで撮影しました。このようなシルエットでの注意点は、被写体の輪郭が他の被写体と重なり形がわからなくならないように注意することです。当然歩いている人の脚の位置や角度にも注意しながらタイミング良くシャッターを切りましょう。
~慣れてきたら、応用テクニックを合わせ技に使おう~
被写体を見つけること、瞬時に狙えること、光をうまく利用できることなど、基本的な夜景スナップに慣れてきたら、ワンステップ上のレベルを目指しましょう。そのためにはちょっとしたテクニックが作品を素晴らしい物に仕上げてくれます。
《流し撮り》
ただのスナップにダイナミックな躍動感をもたらしてくれる、ちょっとハードなテクニックです。
ジェットコースターに焦点を合わせ流し撮りをしています。ポイントは、あまりスローシャッターにしすぎないことと、なるべく被写体が真っ直ぐ動いている場所でシャッターを押すことです。絞りは若干絞って被写界深度を稼ぎぐとピンボケの失敗も減ります。
メリーゴーランドは上下にも動くので、頂点か最下部に来た時が横移動だけになり最も流し撮りの成功率が上がります。上下しているときはそれに合わせて斜めに流し撮りをしなければなりません。
《色の変化で印象を変える》
ホワイトバランスを10000Kにし、仕上がり設定はビビッドに設定。コントラストと彩度も上げ、強烈な印象で撮影しました。露出はアンダーめにしています。
渋くカッコいい雰囲気にするには、モノクロームはうってつけ!夜景の場合、遠く広い風景として狙う遠景の場合は相性が良くありませんが、近景で被写体や背景の形が分かる構成ではモノクロームは抜群に印象深い写真になります。
~最終的に、スナップは夜景でも人が素敵!~
インド、夜のバラナシで祈りのシーン。民族の文化や風習など、それぞれの地域で夜はさまざまな表情を見せてくれます。文化や風土を取り入れると、作品レベルは一気に上級になります。
うまく光が背景になるようにポジションを考えて、美しさよりもより人物の印象を際立たせるためにモノクロームに設定しました。
女性の気持ちがわかるような微笑ましい瞬間でした。このような場合、スマホのモニターにピントが合っているように注意しましょう。
撮影中、酔っ払い3人組に絡まれカメラにイタズラされたので、逆に撮らせてもらいました。転んでもタダでは起きない性格が良い写真に繋がりました。。。
~まとめ~
夜景スナップは、基本的に昼間撮るスナップと同じですが、背景の光を利用できたり、極端な色使いができたりと、夜だからこその演出が可能になります。普段から常に利用できそうな被写体や背景を見つける目を養い、さらに単焦点レンズなどを駆使しながら玉ボケやホワイトバランスの設定などで印象を変えるなど、昼のスナップより自由な撮影を楽しめます。優しくしたい、可愛い写真にしたい、ドキドキするような強いインパクトのある写真にしたいなど、あらかじめイメージしてから設定することで、より成功率は上がります。
また、どのような撮影でも言えることですが、設定は必ず撮影時にカメラで行ってから撮影しましょう。決してRAWで撮影して後から「PCで調整してやろう!」などと安易に考えないことが上達の秘訣です。自分は写真撮影の技術を向上させたいのか、PCでの画像処理技術が欲しいのか、どちらなのか考えればおのずとわかるでしょう。
これこそ、より良い写真を撮るための究極の秘訣なのです。
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