ビックな仲間たち

お客様に寄り添うコンシェルジュ。日本橋三越 指名率No.1の市川翔さん

2025/05/26
お客様に寄り添うコンシェルジュ。日本橋三越 指名率No.1の市川翔さん

ビックカメラの名物販売員に話を聞く連載企画「ビックな仲間たち」。第10弾は日本橋三越の市川翔さん。お客様のおまとめ買いをサポートするコンシェルジュとして働いています。今回は同店お客様指名率No.1の市川さんに、販売スタイルや接客のこだわりについてお聞きしました。

目次

    パソコン専門販売員からコンシェルジュへ

    ──まずは市川さんのご経歴を教えてください。

    私は2011年に新卒で入社し、池袋カメラ・パソコン館に配属されました。幼い頃から新聞の折り込みチラシを熱心に眺めるほど家電製品が好きだったので、入社が決まったときはとても嬉しかったですね。

    パソコンの販売に9年間携わったのち、当店の立ち上げに合わせて異動しました。2020年のオープン当初はパソコン専門の販売員として売場に立っていたのですが、当然お客様はパソコン以外の商品もお求めになります。お客様にご迷惑をおかけしないように猛勉強をした結果、1年後にはコンシェルジュとして売場に立つようになりました。

    ──コンシェルジュとして、どのようなお仕事をしているのですか?

    お客様のお買い物のトータルサポートをしています。接客は店頭で直接させていただくことが多いですが、電話や訪問の場合もあります。出社したらまずお問い合わせ内容を確認し、お客様にお電話をかけ、ご予約いただいたお客様を中心に店頭で接客するのが大まかな一日の流れです。

    ビックカメラでは専門知識をもった販売員が各売場に配置されています。全売場を横断的にご案内しながら、スムーズなお買い物サービスをご提供するのがコンシェルジュの仕事です。すべて一人でご案内しているので、よりお客様に寄り添った接客ができていると思います。

    ほかの店舗に勝る「感動体験」を

    ──ビックカメラ日本橋三越の特長を教えてください。

    当店は、お客様一人ひとりに寄り添う「家電の新スタイルショップ」を掲げて2020年にオープンしました。三越ならではのおもてなしと、ビックカメラならではの家電の品ぞろえを融合した独自の店舗は、幅広い層のお客様に支持されています。

    当店でお買い物をすると、三越のクレジットカード(エムアイカード)の年間購入実績になるため、家電は必ず当店で購入される方もいらっしゃいます。全国百貨店共通商品券をご利用できることや三越クオリティのコンシェルジュサービスをご提供できることは当店の強みです。

    コンシェルジュのご案内をご希望される方は、事前にご連絡ください。

    ──良い意味で、ビックカメラらしくない印象を多く受けます。

    当店は地域のお客様、そして老舗百貨店である日本橋三越のお客様に心から喜んでいただけるよう、空間づくりや接客スタイルにこだわって生まれた店舗です。商品点数は決して多くないですが、一つひとつ丁寧に選んでいるので「選びやすくて迷わずに済む」とのお声を多くいただいています。ゆっくりとお買い物を楽しみたいお客様から特に喜ばれていますね。

    一人ひとりのお客様とじっくり向き合い、一歩踏み込んだご案内ができるのは当店の魅力です。日本橋三越ならではの空間演出や商品ラインナップで唯一無二の場をご提供しています。

    お客様におくつろぎいただけるよう、商談はソファー席で。

    ──接客スタイルに特長はありますか?

    私たちは日本橋三越の一員として着任時に三越が主催する研修を受けており、接客スタイルも三越のものを受け継いでいます。親切かつ丁寧に、お客様の暮らしに寄り添ったご提案を心がけています。当店では、他の店舗に勝る「感動体験」をお届けできるはずです。

    実体験や日常も交えながら会話する

    ──市川さんが考える理想のコンシェルジュはどのような人ですか?

    「どのようなお客様のお困りごとでも解決できる」コンシェルジュが理想ですし、常に目指している姿です。お客様からしっかりヒアリングをし、お客様の生活がより豊かになるためのご提案ができるコンシェルジュでありたいと思っています。

    普段からご一緒する機会が多い三越の外商員さんから学ぶことも多いです。プロ中のプロの接客を間近で見た経験は間違いなく、私の転機になりました。まるでお客様のすべてを把握しているような理解の深さとご提案の的確さは、常に見習うようにしています。

    BRAIN SLEEPなどビックカメラでは日本橋三越でしか販売していない商品も取り扱っている

    ──理想の姿を追い求めている市川さんですが、ビックカメラ日本橋三越では指名率No.1と伺いました! お客様との関係づくりで意識していることはありますか?

    大変ありがたいことに、現在は多くのお客様にご指名いただいています。私は普段から、私生活で使用している家電製品やその使用感について、包み隠さず話しているんです。お客様だからと変に線引きせず、自分の実体験や日常も交えながらお話しすることで、自然とお客様との距離が縮まっているのかもしれません。

    じつは今日も馴染みのお客様から、「洗濯機の中にティッシュが入り込んでしまったけれど、どうすればいいかな」と電話がありました。日常生活で困ったときに頼っていただける存在になれているのは嬉しいです。

    最初から決めつけず、柔軟に接客する

    ──接客のこだわりや普段から心がけていることはありますか。

    一番はお客様との会話を楽しむことです。そのうえで、主に次の3つを心がけて接客しています。

    1つめはお客様のご要望をしっかりと聞き出して、お困りごとやご要望、さらには生活スタイルを理解することです。せっかくご購入いただいた商品を長く使っていただけるように、お客様がご自宅で使われるときの具体的なシーンや使いやすさ、メンテナンスのしやすさまで考慮したご提案を心がけています。

    2つめは、ヒアリングをもとに2、3点まで商品を絞ったうえでお客様にお選びいただくことです。お客様の理想により近い商品にたどり着けるように、比較をしながら検討していただきます。

    3つめは専門用語を使わないことです。詳しい方がいらっしゃった場合にはモードを替えてご対応しますが(笑)、普段はわかりやすさを第一に考えています。

    6階の商談スペースではタッチパネルによるご案内も。

    ──専門用語の有無や話し方は、お客様によって結構変わりそうですね。

    「最初から決めつけない」ことも大切です。一般的にご高齢の方はスマートフォンなどの操作が苦手なイメージがありますが、ある90歳を過ぎたお客様はスマートフォンを使いこなしており、家電製品とアプリを連携させて遠隔操作もされています。しっかりコミュニケーションを取りながら、お客様に合わせた会話ができるのがベストですね。

    おかげさまで、オープン当初は6階スペースのみだった売場も7階まで増床し、扱う商品数も、ご来店いただくお客様も増えました。世代も国籍も多様なお客様が多くいらっしゃるからこそ、最初から決めつけない、柔軟な接客を大切にしています。

    同僚がプロジェクションマッピングを駆使してつくったこだわりの7階売場にもぜひ足を運んでほしいと話す市川さん。

    商品を売るだけが仕事ではない

    ──お客様との関わりのなかで、印象に残っているエピソードがあれば教えてください。

    オープン当初から親子でお越しいただいていたお客様のお母様がお亡くなりになったときのことです。お客様からは、「留守番電話に残されていたお母様の声を残しておきたい」とご相談を受けました。そこで、誤って消えてしまわないようにUSBメモリなど複数の媒体にバックアップをとり、いつでも聞ける状態にしました。

    心底嬉しそうなお客様のお顔を見て、私たちの仕事は単純に商品を売るだけではないと思いました。お客様が本当に必要としているときに役に立ったり、そっと寄り添えたりする存在になりたいと思いますし、私たちの仕事はそれができる仕事だと感じています。

    ──左胸につけている緑色のバッジは何ですか?

    自分で言うのは恥ずかしいのですが、ビックカメラではなく、お客様から日本橋三越に直接お褒めの声が届いたときに三越からいただけるものです。お客様にお喜びいただける接客を普段から心がけているものの、実際に直筆のお手紙を目にしたときは本当に身が引き締まる思いがしましたし、とても励みになりました。

    三越から表彰を受けた販売員のみが持つバッジ。表彰回数により色が異なる。市川さんは過去2回表彰を受けた。

    ──コンシェルジュはたくさんの商品知識が必要だと思いますが、ご案内の難しさを感じることはありますか?

    私はとにかく家電製品が大好きなので、苦に思うことはありません。通勤時間も気づいたら最新の製品情報を追っているほど、新しい情報を得るのも楽しいですね。わからないことをわからないままにしたくないので疑問が出たら調べますし、気になった家電は購入して試すこともあります。

    お客様からも言っていただくことがあるのですが、私は本当に天職についていると思います。いまの仕事以外をしている自分は想像できないですね。

    私生活で最近購入して良かったものは圧力鍋とのこと。

    これからもお客様に寄り添った接客を

    ──今後、挑戦したいことはありますか?

    今年は社内の接客コンテスト大会【※】に出場したいと思っています。じつは初任店時代に2回出場して、2回とも初戦敗退しているんです。接客スキルを上げたいま、まずは店舗の代表者になることを目指しつつ、日本橋三越の代表として再挑戦を果たしたいです。

    また、お客様の声を反映した売場づくりにも携わりたいですね。いまはお客様からいただく声を売場づくりのメンバーに共有しています。今後は、売場の最前線にいるからこそ感じることや聞こえてくる声をもとに、自ら考えてお客様に喜ばれる売場づくりができたらと思っています。

    ※ビックカメラ各店舗の代表者が集まり、審査員の前で商品説明のロールプレイを行いながら接客技術の高さを競う大会。

    ──目標もあれば教えてください。
    自分で言うのは大変おこがましいのですが…「ビックカメラ日本橋三越と言えば、市川」と多くのお客様に思っていただくことが目標です。「生活の困りごとを相談するならビックカメラ」とお客様に思っていただけるように、これからもお客様に寄り添った接客をしていきます。

    ──最後に、お客様へメッセージをお願いします!

    日本橋三越と聞いて、敷居が高いと感じられる方もいるかもしれません。じつは私も、当店に着任するまではその一人でした。しかし、実際にお越しいただいたお客様からは「お買い物がしやすい」と言っていただけることがとても多いです。

    ありがたいことに、最近はご予約のお客様で一日のスケジュールが埋まっていることもあります。私をご指名いただける場合は、事前にご連絡いただけますと幸いです。せっかくお越しいただくお客様お一人お一人に、心を込めて丁寧にご案内させていただきます。

    多くの皆さまのご来店を心よりお待ちしています!

     

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    Profile
    市川翔
    日本橋三越コンシェルジュ
    市川翔
    家電アドバイザー(生活家電)、フォロマスター準1級 2011年に入社。ビックカメラ池袋本店パソコン館(現 池袋カメラ・パソコン館)に着任し、2020年の日本橋三越のオープン時に異動。現在勤務する日本橋三越ではお客様の生活を丸ごとサポートするコンシェルジュとして活躍。「お客様にお買い物を楽しんでいただくこと。」を大切に、指名率No.1を誇る。
    中條ふみ
    中條ふみ
    東京都在住のフリーライター。銀行や自動車メーカー勤務を経て、2021年に独立。ジャンルを問わずビジネス取材や人物取材を請け負い、高校生から企業経営者まで幅広く取材。自分史の作成も手がけている。プライベートでは二児の母。
    小松士郎
    写真
    小松士郎
    LCP(ロンドン芸術大学写真学科)で写真を学び、ロンドンを拠点に撮影活動を始める。これまで、坂本龍一、石丸幹二、ジョエル・ロブション、デヴィッド・ベッカム、武豊、上原浩治など数百人の著名人を撮影。そのほか料理、静物、風景など撮影ジャンルは多岐にわたり、NHK教育講座の人物撮影、広告などでも活躍中。
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