冬の乾燥対策!加湿器の効果と上手な使い方

空気の乾燥が気になるこの頃、今回「季節の豆知識」では、内科医・皮膚科医の日比野佐和子先生に加湿に関する医学的な考察もいただきながら、加湿器に期待できる効果や上手な使い方をご紹介します。
普段から加湿を気にしている方も気にしていない方も、なぜ加湿が必要なのかを改めて理解し、自分に合った加湿器を選びましょう。
医師 日比野先生に聞いた、“加湿の効果と注意点”など
(以下、「──」は当社取材担当の発言、「日比野」は日比野先生の発言。)

冬の乾燥と加湿の必要性

呼吸器系や肌は冬の乾燥に弱い
──冬になると気温が下がり、空気が乾燥するため、多くの人が加湿器を使い始めます。特に日本では、冷たい北風や暖房の使用により、室内外の空気が乾燥しやすくなりますよね。
空気が乾燥すると、体にはどんな影響があるのでしょうか?
日比野 | 一般的に湿度が40%を下回ると乾燥を感じやすく、特に20~30%の低湿度では、肌や喉の乾燥が進むと、人体にさまざまな影響が及びます。特に呼吸器系は乾燥に弱く、喉や鼻の粘膜が乾くことで、ウイルスや細菌に対する防御機能が低下し、風邪やインフルエンザのリスクが高まります。また、乾燥すると呼吸器官だけでなく、皮膚の水分が蒸発しやすくなり、肌がカサつき、ひび割れやかゆみを引き起こすことがあります。 |
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加湿に期待できる効果
ウイルス抑制効果

──ウイルス対策には、どれくらいの湿度を保つといいのでしょうか?
日比野 | 具体的には、湿度は40~60%に保つのが適度な湿度で、ウイルス対策としてはおよそ50~60%の湿度を保つことで空気中のウイルスの活動を抑制し、呼吸器の負担を軽減します。 |
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──なぜ適度な湿度がウイルス抑制に効くのでしょうか。
日比野 | 湿度が40%を下回ると、空気中のウイルスが長時間浮遊しやすくなります。乾燥した環境では、ウイルスが軽くなるため、空中に長く留まり、感染リスクが増加します。しかし、湿度が40~60%の範囲に保たれると、空気中の水分がウイルスの粒子を重くし、早く地面に落ちるため、感染のリスクが低下します。 |
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肌ケア効果

──乾燥が肌へ与える影響について教えて下さい。
日比野 | 健康な肌は、角質層という表層がおよそ20~30%の水分を保持しています。冬の乾燥した空気は、健康な肌の水分を奪い、肌のバリア機能を弱めます。湿度が低いと肌の角質層から水分が蒸発しやすくなり、乾燥による肌トラブルが悪化します。(肌の)アレルギーはバリア機能が低下すると外部からの刺激によって炎症を起こすので、予防対策として加湿は非常に高い効果が期待できます。 |
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──では肌のケアのためには、どれくらいの湿度が望ましいでしょうか?
日比野 | 湿度を40~60%に保つことで、肌の水分が保持され、バリア機能が維持されます。さらに、加湿と合わせて保湿クリームなどを使うことで、より効果的な肌ケアが可能です。 |
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加湿の注意点

──加湿をするうえでの注意点があれば、教えてください。
日比野 | 加湿は冬の乾燥対策に効果的ですが、過度な加湿にはリスクが伴います。湿度が過剰になると、室内環境が悪化し、健康に悪影響を与える可能性があるため、注意が必要です。適度な湿度は40~60%で、湿度が65%を超えてくると、ダニやカビが増えやすくなり、結露とか窓ガラスにカビが繁殖することも考えられます。 また、加湿器を上手に活用するためには、置き場所も重要です。加湿器は、部屋全体に均等に湿度を広げるため、風通しの良い場所に設置することがポイント。特に、壁や家具から距離を置き、部屋の中央にある台やテーブルの上に置くと良いですね。窓際は結露が発生しやすいので避けたほうが無難です。 |
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──適切な湿度管理を意識することで、健康的な冬を過ごすよう心がけたいですね。日比野先生、本日はありがとうございました。
ビックカメラおすすめ!最適な加湿器の選び方
ここからは当社が、加湿器の最適な選び方をご紹介します。

部屋の大きさに合わせる
加湿器は部屋の大きさに合わせて選ぶように注意しましょう。
小さな部屋に大型の加湿器を設置すると、部屋の中が狭くなってしまったり、過剰な加湿を招いたりする恐れがあります。また逆に、大きな部屋で小型の加湿器を使うと十分な加湿ができません。
一般的に、6畳ほどの小さな部屋には小型の加湿器、大きなリビングには大型のものが適しています。また、部屋の用途に合わせて、寝室には静音性の高いモデル、リビングにはパワフルなモデルを選ぶと快適です。
下の表は部屋の大きさあたりの適切な加湿量(mL/h)の目安。
部屋の大きさ | 加湿量(mL/h)の目安 |
小部屋(10~20平方メートル) | 300~500 mL/h |
中部屋(20~40平方メートル) | 500~700 mL/h |
大部屋(40~60平方メートル | 700~1000 mL/h |
非常に広い部屋やオフィス | 1000~1500 mL/h |
また、加湿器はそのタイプによって使い方も異なります。
小型の加湿器は移動が簡単で、手軽に使えますが、加湿能力が低いため小さな空間向けです。
一方、大型の加湿器は広範囲を効率的に加湿できますが、設置場所やメンテナンスが必要です。部屋の大きさや使用環境に応じたモデル選びが、快適な湿度管理のカギを握ります。
湿度計のすすめ
加湿器を使用する際には、過剰な加湿を避けるために湿度計の活用をおすすめします。湿度計があることで、湿度が目に見える形で把握でき、過剰な加湿を防ぐために加湿器の設定をこまめに調整する習慣がつきやすくなります。
特に冬場は暖房と併用して湿度が低くなりがちですが、逆に加湿しすぎると結露やカビの原因になることもあります。
湿度計を使えば、湿度の変動にすぐに気づくことができ、快適で健康的な室内環境を常に維持することが可能です。湿度計で湿度をチェックして必要に応じて加湿量を調整することを習慣づけすると良いでしょう。

加湿器の種類と選び方
加湿器には大きくわけて以下4つの種類があります。
- スチーム式加湿器
- 超音波式加湿器
- 気化式加湿器
- ハイブリッド式加湿器

順番にその性能の違いを見てみましょう。
スチーム式加湿器
水を加熱して蒸気を放出します。加湿力が強いため、大きな部屋や乾燥が激しい冬場には非常に効果的です。また、加熱式なので冷たい霧が出ず、暖房効果も期待できます。一方で、消費電力が高く、長時間の使用には電気代がかかる点がデメリットです。
超音波式
水を振動で微粒子化し、ミスト(霧状)にして放出するタイプです。消費電力が少なく、運転音も静かで、寝室やオフィスなど静かな環境に向いています。また、デザインが豊富で手軽に使える点も魅力です。
一方で、水に含まれる不純物も一緒に拡散されるため、定期的なメンテナンスが必要で、清掃を怠るとカビや雑菌が繁殖するリスクがあります。
気化式加湿器
フィルターに水を吸収させ、風を当てて蒸発させる仕組みで、自然な加湿が特徴です。消費電力が少なく、過加湿になるリスクが低いため、湿度管理がしやすい点がメリットです。
一方で、加湿スピードが遅く、即効性に欠けることがデメリットです。また、フィルターの定期交換が必要です。
ハイブリッド式加湿器
ハイブリッド式加湿器には、「温風気化式×自然気化式」と「超音波式×加熱式」があります。「温風気化式×自然気化式」はパワフルに加湿したいときは温風気化式を選択。ヒーターであたためた風を当てる仕組みで、乾燥が気になる季節に活躍します。
一方、「超音波式×加熱式」はヒーターで加熱した水を超音波で細かく霧状にして放出する加湿器です。水を加熱するため、パワフルに加湿できます。ただし「温風気化式×自然気化式」に比べて水の粒子が大きいため、床や壁が濡れやすいというデメリットがあります。
それぞれの加湿器は、使用シチュエーションに応じて選ぶことが大切です。たとえば、静かな場所では超音波式が、大きな部屋や乾燥の激しい時期にはスチーム式が、電気代や湿度管理を重視する場合は気化式が、それぞれ効果的です。
加湿器を選ぶ際は、使用環境やメンテナンスの手軽さ、加湿力と電気代などのバランスを考慮して、自分に合ったタイプを選びましょう。

加湿器を正しく使って健康な冬を過ごそう
本記事では、加湿器を使って湿度を適切に保つことには、健康や美容にとって大きなメリットがあることをご紹介しました。
ただし、間違った使い方をすると十分な効果が得られなかったり、逆効果になってしまったりすることもあるので、自分の住環境や生活にあわせた機種を選ぶことが大切です。
乾燥が進むこれからの季節、ぜひ加湿器を上手に活用して、健康な冬を過ごしましょう。
もし、自分にあった機種を選べないという場合は、ぜひビックカメラに足を運んでみてくださいね。
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