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衣類スチーマーはどれを買えばいい?人気モデルを使い比べ!

2025/05/19
衣類スチーマーはどれを買えばいい?人気モデルを使い比べ!

衣類のシワ取りが手軽にできる「衣類スチーマー」は、忙しい朝やアイロン台が使えないときに大活躍。でも、各メーカーから多様なモデルが登場しており、どれを選べばよいか迷ってしまう人も多いはず。

そこで今回は、パナソニック・日立・東芝の最上位3モデルを徹底比較! 立ち上がりの早さやスチーム量、仕上がりの違いなど、実際の使用感をもとに、それぞれの特徴や向いている使い方を詳しく解説します。

目次

    衣類のシワを手軽にケアできる家電といえば「衣類スチーマー」は外せません。衣類スチーマーは使用時にアイロン台を必要としないほか、ハンガーにかけたままサッとシワ伸ばしが可能。このため、時間が限られた忙しい朝でも気軽に服のケアができるのが特徴です。

    衣類スチーマーにはさまざまなタイプがありますが、いまはスチームとプレスの両方が利用できる「兼用タイプ」が主流。

    このタイプは、スチームだけで伸びないシワや服に折り目を付けたい場合でも安心して利用できるというメリットがあります。

    そこで、今回は「スチーム&プレス兼用タイプ」の衣類スチーマーから、人気3メーカーの最上位モデルを比較。定番の衣類であるシャツとスラックスを使って、シワの伸ばしやすさや折り目のつけやすさ、そして各メーカーの特徴と使いやすさをチェックします。

    今回比較する製品の特徴は?

    今回、パナソニックから「NI-FS70A」、日立グローバルライフソリューションズ(以下、日立)は「CSI-RX71」、東芝ライフスタイル(以下、東芝)からは「TAS-X7」の3機種で違いを比較しました。

    いずれもスチーム式をメインとしながらも、プレスアイロンもできる「スチーム&プレス兼用タイプ」。さらに、各メーカーが発売する衣類スチーマーの最上位モデルです。

    パナソニック「NI-FS70A」はどんな製品?

    パナソニックの「NI-FS70A」。

    パナソニックの衣類スチーマー最上位モデル「NI-FS70A」は、3機種のなかでも圧倒的な立ち上がりの速さが魅力。一般的な衣類スチーマーは立ち上がりに約30秒かかるなか、本製品は約17秒でスチーム噴射が可能。持ちやすさにこだわった本体設計で、手に持ったときの負担が少ないのも魅力です。

    ハンドル内側のボタンでスチームを噴出。ボタンは触れるだけのタッチ式なのが特徴。

    日立「CSI-RX71」はどんな製品?

    日立の「CSI-RX71」。

    日立の衣類スチーマー最上位モデルである「CSI-RX71」は、かけ面に装着できる「プレスアタッチメント」の存在が特徴的。アタッチメントはクリップ形状になっており、衣類をはさんでスチームすることで折り目をつけたり、スチームだけでは処理しにくい衣類先端のシワ伸ばしができたりします。

    プレスアタッチメントを装着時。クリップ部を開いて衣類をはさむことで、手軽に折り目などがつけられるようになる。
    ハンドル内側にあるボタンを1度押すと、約1分間連続してスチームを噴出。ボタンを押し続けないでよい仕様。

    東芝「TAS-X7」はどんな製品?

    東芝の「TAS-X7」。

    東芝の衣類スチーマー最上位モデルである「TAS-X7」は、今回検証した3製品のなかで唯一コード付きとコードレスの両方が利用できる製品です。コードレスで利用できる時間は最長2分と短いですが、いざという場合に、コンセントのない場所にある衣類がケアできるのは心強いポイントです。

    実際に検証したところ、衣類スチーマーなら2分でシャツ1枚がしっかりケアできた。
    ハンドル内側のスチームボタンを押すと、スチームが出続ける仕様。ボタンを押し続ける必要はない。
    項目 パナソニック NI-FS70A 日立 CSI-RX71 東芝 TAS-X7
    サイズ 幅8×高さ13×長さ16cm 幅18×奥行8.5×高さ13cm 幅7.1×奥行19.3×高さ13cm(コード付き時)
    重量 約660g 約690g 約840g(コード付き時) 
    スチーム
    立ち上がり時間
    約17秒 低:約20秒、高:約30秒 約39秒
    スチーム量
    (高設定時)
    約15g/分 約16g/分 約20g/分(コード付き時)
    コードレス使用 不可 不可 可(最長2分)
    温度設定 3段階(LOW/MED/HIGH) 3段階(低/中/高) 3段階(低/中/高)
    特徴 最速立ち上がり、タッチ式ボタン プレスアタッチメント付き、1分間連続スチーム コードレス対応、ボタン押し続け不要

    シワを伸ばしにくい綿100%のシャツでスチームの威力を比較

    最初にチェックするのは、アイロンをかける機会の多い「シャツ」です。最近はシワになりにくい素材のシャツも増えましたが、今回はあえて厚手の綿100%オックスフォードシャツをシワシワにしてテスト。

    綿100%の素材は化繊よりシワが伸びにくいため、衣類スチーマーによっては手ごわい素材です。テストではシワの伸びやすさのほか、襟やボタン周りの細かなエリアのかけやすさなどをチェック。比較では違いがわかりやすいように、シャツの右サイドのみシワを伸ばしました。

    今回比較に使ったのは、あらかじめ洗濯後、自然乾燥させてシワシワにした綿100%のシャツ。

    パナソニック:立ち上がりの速さでほかを圧倒

    パナソニックは立ち上がりの速さでほかを圧倒。スイッチを入れたあと、ほとんど待たずにシワ伸ばしができるのは、かなりの大きなメリットです。

    今回はあえて「シワが伸びにくい服」を選んだため、実際に使ってみるとシワが深いところはスチームを何往復もする必要がありました。このため、仕上がりまでの時間はやや長め。とはいえ、本製品は本体の重量バランスが絶妙なため、実際の本体重量より軽く感じます。使用後もあまり腕に負担を感じませんでした。

    服を引っ張ってシワを伸ばしながらスチームを当てる必要があるため、襟などの処理はやや難しい。

    日立:プレスアタッチメント伸ばしにくい場所をケア

    シワを伸ばすスピードはパナソニックよりややパワフル。パナソニックほどではないものの、立ち上がり時間も優秀です。

    注目はやはり本製品の特徴でもあるプレスアタッチメント。このアタッチメントを利用することで、ほかの製品が苦手としていた襟や袖、裾などの「手でシワを伸ばしにくい場所」のケアが簡単にできました。一方、アタッチメントの着脱に癖がある点と、本体の重心が本体頭側に偏っていて実際の重さより若干重く感じる点は気になりました。

    アタッチメントで布をはさみこむことで、手で引っ張りにくい襟や裾のシワ伸ばしも簡単にできた。

    東芝 他の追従を許さない圧倒的なパワー

    ほかの製品と条件を合わせるため、今回はコードを付けた状態で検証。そして、コード付きの状態だと3製品のなかで圧倒的にパワフルなのが本製品です。

    ほかの2製品が2~4回スチームを当てるような深いシワも、東芝なら1~2回でキレイに伸ばしてくれました。また、かけ面の先が細くなっており、ボタン周りなどの細かな場所もケアしやすかったです。ただし、バッテリー内蔵のためにコード付きだと重量が840gと重め(コードレス時は690gと標準的)。また、立ち上がりに40秒近くかかった点も気になりました。

    かけ面の先がとがっているので、ボタン周りなどの細かな場所にもスイスイ入り込む。

    シャツ総評

    パナソニック 日立 東芝
    仕上がり
    使いやすさ
    シワのばしのスピード
    細かい場所の処理
    疲れにくさ
    今回は最上位モデル3製品ということもあり、仕上がりの差はほぼありませんでした。

    ただし、少ない手数で仕上げたいならパワーのある東芝。襟や裾などの「引っ張りにくい場所」まで丁寧に仕上げたいならプレスアタッチメントがある日立など、製品によって得意とするポイントの違いがありました。

    一方、スタッフからの評価がかったのはパナソニック。特徴的な機能はないものの、立ち上がりの速さや手への負担の軽さといった使い勝手の良さが高評価につながりました。

    プレスアイロンとしての使い心地は? 折り目がつくかを検証

    アイロンの代わりに衣類スチーマーを導入するなら、服に「折り目」がつけられるかも気になるのではないでしょうか? そこで、次は「スチーム&プレス兼用タイプ」のプレス機能を検証するため、センタープレスタイプのスラックスのシワを取り、折り目を付ける作業を比較します。

    テスト前のシワになったスラックス。素材はポリエステルとレーヨン、ポリウレタン。
    今回は服をハンガーにかけたまま使える市販の「アイロンミトン」を使って折り目を作った。

    スラックス比較

    パナソニック 日立 東芝
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    D_2505_kadenhikakuA22.jpg D_2505_kadenhikakuA23.jpg D_2505_kadenhikakuA24.jpg
    やや細めの掛け面で比較的小回りが効きやすい。折り目は4往復で完成。 前後左右が鋭角なため、どの方向にシワがあっても滑らかに移動可能。折り目は4往復で完成。 安定感があり、従来のプレスアイロンに一番近い使い心地。折り目は2往復で完成。
    スラックス総評
    アイロンを往復させる回数に違いはあるものの、最終的にすべての製品で満足のいく折り目が作れました。いずれもメーカーの最上位モデルだけあって、かけ面が軽い力でスルスルと滑り「コンパクトなプレスアイロン」としても優秀です。

    プレスアイロンとして使用した場合も、パワーは東芝が他製品より頭一つ上。スチーム量が多いだけではなく、コード付きで使用した場合は本体重量が重いのもパワフルである理由の一つでしょう。ただし検証現場では「最終的に同じ結果にできるなら、パワーより立ち上がりの早さや使いやすさを優先したい」という意見もありました。

    自分のライフスタイルに必要な機能を見極めよう

    今回、シャツとスラックスを使って比較をしましたが、いずれの製品も最終的に同レベルまでシワを除去し、折り目をつけることができました。このため、衣類スチーマーを選ぶときは「なにを重視するか」が重要になりそうです。

    総評

    パナソニック 日立 東芝
    仕上がり
    使いやすさ
    シワのばしのスピード
    細かい場所の処理
    疲れにくさ

    以上、今回比較した3製品はいずれも各メーカーの最上位モデルということもあり、衣類のシワ取りやプレス機能の性能は非常に優秀でした。最終的な仕上がりには大きな差がないものの、それぞれに明確な個性があります。

    あえて個性を言うなら、立ち上がりの早さと使いやすさを重視するならパナソニック、細かい部分のケアやアタッチメントを活用したい人には日立、強力なスチームで短時間仕上げを目指すなら東芝がオススメ。また、電源のない場所でも使用する可能性があるなら、東芝が唯一の選択肢となるでしょう。

    衣類スチーマーは単に「シワを伸ばす道具」ではなく、自分のライフスタイルに合わせて選ぶことで、より快適で効率的な衣類ケアが可能になります。自宅での時短アイテムとして、また忙しい朝の身支度をサポートするパートナーとして、最適な1台を見つける参考にしてください。

     
    この記事で紹介した商品
    衣類スチーマー ブラック NI-FS70A [ハンガーショット機能付き]
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    衣類スチーマー ホワイト TAS-X7-W [ハンガーショット機能付き]
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    倉本春
    倉本春
    テクニカル・フリーランスライターとして、家電製品の紹介と解説を中心に執筆。PC誌編集経験を生かし、テクニカル面からの製品紹介を得意とするほか、カフェのオーナーシェフの経験を生かした調理家電の使いこなし術やレシピ提案も得意とする。
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    ボス(わらべカンパニー)
    広告・雑誌・Web・動画等を中心に活動。2022年 わらべカンパニーを設立し、わらべ写真館を運営し始め『写真』=『記録』=『残す』の概念を目指し始める。わらべカンパニー
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