ゲームだけではもったいない?ASUS の高性能2in1PC「ROG Flow Z13 GZ302EA」活用レビュー

今年頭のCES 2025で発表され、2月末から国内で販売が開始された、ASUSの2 in 1ゲーミング PC「ROG Flow Z13 GZ302EA」。AMD Ryzen AI MAX シリーズプロセッサーを搭載し、「Copilot+ PC」の規格に準拠したこのPCを、自称ライトゲーマーのいそっちがゲーム以外の用途も見据えながらレビューしてみます。
製品の概要
ASUS社のノートPCについては、以前にもVIVObook S15、Zenbook SORAとレビューしてきましたが、いずれもARMアーキテクチャに準拠したノートPCでした。
それが今回はゲーム重視のハイスペックラインナップである「ROG」シリーズということで、これまでとは違う緊張感がありますね。
なお、今回レビューした「ROG Flow Z13」の2025年モデルであるGZ302EAは、AMDのAI対応プロセッサを搭載しています。
主な仕様
モデル |
GZ302EA-AI916C |
価格 |
449,800円(4/1時点、税込) |
カラー |
黒 |
OS |
Windows 11 Home 64ビット |
CPU |
AMD Ryzen? AI MAX+ 395 16 コア / 32 スレッド・プロセッサー + Radeon? グラフィックス |
グラフィックス機能 |
Radeon? 8060Sグラフィックス (CPU内蔵) |
AI機能 |
AMD Ryzen? AI (NPU パフォーマンス 最大 50 TOPS) |
ディスプレイ |
13.4型ワイドTFTカラー液晶 2,560×1,600ドット(グレア) |
メインメモリ |
32GB LPDDR5X-8000(増設不可) |
記憶装置 |
SSD 1TB (PCI Express 4.0 x4接続) * |
インターフェース
|
マイクロホン/ヘッドホン/ヘッドセット・コンボジャック×1 |
HDMI×1 | |
USB3.2 (Type-A/Gen2) ×1 |
|
USB4 (Type-C/Power Delivery対応) ×2 |
|
microSDXCメモリーカード、microSDHCメモリーカード、microSDメモリーカード | |
入力機能 |
ポインティングディバイス:10点マルチタッチ・タッチスクリーン (静電容量方式) ポインティングデバイス:マルチタッチ・タッチパッド |
キーボード:82キー日本語キーボード (RGB イルミネートキーボード) (JIS配列) | |
Webカメラ |
[インカメラ]503万画素赤外線 (IR) カメラ内蔵 [アウトカメラ]1312万画素Webカメラ内蔵 (オートフォーカス対応) [Windows Hello]顔認証対応 |
サウンド機能 |
ハイ・デフィニション・オーディオ準拠 3D アレイマイク内蔵 |
通信機能 |
IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax/be (Wi-Fi 7) |
|
BluetoothR 5.4 |
Officeソフト |
なし |
質量 |
タブレット:約1.2kg |
サイズ (突起部除く) |
タブレット:幅300mm×奥行き204mm×高さ13.0~14.9mm? |
消費電力 |
最大約200W |
それではレビューを進めて行きたいと思います。
ゲーム用途だけでは勿体ない!ヘビーなクリエイティブ作業をする人にもおススメできる、優等生ノートPC
今回も先に結論からお伝えしますが、ざっとポイントをまとめますと以下の通りです。
- 当然ながらゲーム用途としては「持ち運べるのにAAAタイトルが十分遊べる」のが最大のポイント
- 机の上のちょっとしたスペースで美しい画面に没入しながらゲームできます
- 動画編集にもバッチリ!
- ヘビーなゲームに耐えるGPUは重い4K動画のレンダリングにもガンガン使えます
- タッチパネルでイラスト・グラフィック用途にも!
- 筆圧対応のASUSペン利用でデザイン業務などにも対応可能
- メモリ、SSD容量共に十分
- RAM 32GB、SSD 1TBと、ノートPCとしては最上級の仕様
- 本体+キーボードで1.6kg弱だが、手軽に外に持ち運ぶ機種ではないかも
- 重さが本体に偏っているので数字より重く感じました
- バッテリー駆動時間はゲームプレイ時にはあてにならない
- 100W以上のPD充電器を用意するのが吉
ではまず外観から特徴から見ていきましょう。
本体の外観、キーボードなど

まずは第一印象ですが、「質実剛健で硬派な高級メカ」といった印象を持ちました。
もちろん、最近のゲーミング用パソコンの常としてキーボードや筐体が光るといったギミックはあるのですが、マットな塗装のせいもあってか、かなり落ち着いた雰囲気を醸し出しています。



ROG Flow 13 GZ302の画面の見やすさ

次にディスプレイについて見ていきます。
このROG Flow13 GZ302に搭載された「ROG Nebula Display」ディスプレイに関する仕様をまとめると以下の通りです。
- 解像度:WQXGA(2560×1600)
- リフレッシュレート:180Hz
- 画角:16:10(アスペクト比)
- 明るさ:500nits
- 色域:DCI-P3色域100%対応
- 応答時間:3ms
- 液晶タイプ:TFT液晶(グレア)
細かい数字が色々並んでいますが、要するに「明るく滑らかで一般的なディスプレイと比較してあらゆる色を再現できるディスプレイ」ということになるかと思います。
最近よくみる有機ELでない理由は分かりませんでしたが、端的に言ってとても美しいディスプレイという印象です。
グレア液晶ということで、普段アンチグレアの画面が好きな私は「鮮やかだけれどギラギラしたディスプレイ」を想像していましたが、このグレア液晶は(グレアにしては)割と落ち着いた色加減です。かつ反射もそこまでは気にならない(と個人的には感じました)ですね。置き場所を誤らなければ「グレアであること」をついつい忘れてしまうほどです。
リフレッシュレートが高いディスプレイはよく「ぬるぬる動く」などと形容されますよね。試しにXbox GAME Passにあったゲームを幾つかプレイしてみると、画面が書き換わる際の、あのカクカクっとした感じがまったくと言っていいほどなく、とてもスムーズな遊び心地です。
ROG Flow 13 GZ302のキーボード

このモデルに付属しているキーボード、2イン1のモデルではよく見られる、マグネットで本体に吸着する折りたたみキーボードです。
自分はMicrosoft Surface Proを使っていたこともあり、この手のキーボードは慣れていますので、薄くて軽いというメリットはもちろん知っています。バックライトもちゃんと付きますしね、これ。
ただし、ゲームにしろ画像や動画の編集にしろ、長時間触るのに向くキーボードではないかな、というのが個人的な感想です。例えばFPSをこのキーボードでガンガンプレイする、というイメージは自分には正直あまり湧きませんでした。
そんな方は自分に合ったキーボードやマウス、トラックボールなどを探すとよいかと思います。

上の写真は、付属のデチャッタブルキーボードをはずし、ゲーミング仕様のキーボード(ゲーミングキーボードROG Falchion RX Low Profile)とマウス(ROG HARPE ACE MINI)を接続してみたイメージです。
外に持ち出す、というよりは家の中のちょっとしたスペースでゲームに没頭できる、といった使い方だとこんな感じになるのではないでしょうか。
元々あるキーボードを外して好きなものを接続できる、というのは普通のノートPCにはできないので、ここは推せるポイントですね。
ゲーム関連の性能あれこれ

続いて外観以外の性能などに触れていきたいと思います。
ヘビーなゲームに耐えられるグラフィック性能をウリにしているこのマシンですが、使用されているGPUの「AMD Radeon 8060S」というのはまだまだ市場にあまり出回っていないモデルです。しかも型番がこれまでのRadeonにある「RX 7600 XT」「RX 6650M XT」といったネーミングと異なっているため、どれくらいのポジションにあるモデルなのか正直分かりにくいですよね。
そして自分は自宅のPCではCPUはAMD(Ryzen 7 3700X)、GPUはnVidia(GeForce RTX-2070 Super)という組み合わせです(これまでもnVidia派で、GTX470→GTX970→RTX3050→RTX2070 Superという遍歴)。つまりRadeonに関しての感覚がない、というのもあり、強さ加減を知るために幾つかベンチマークを回してみました。
Passmark G3D
グラボの性能比較やランキングでよく出てくるのがPassmark社のG3Dスコアによるランキングかと思います。
ということで実行してみたところ、PCのパフォーマンス設定などをサクッと変更するためのASUSオリジナルツールである「Armoury Crate」にて電源モードを調整し、「パフォーマンス」の設定で「17580」、「Turbo」の設定で「18758」となりました。
ちなみにPassmarkのサイトでランキングを見てみると、、、
GPU Model | Score |
---|---|
GeForce RTX4070 Laptop | 19548 |
GeForce RTX2080 Super | 19533 |
Radeon RX6700 | 19217 |
Radeon 8060S | 18758 |
GeForce RTX2080 | 18756 |
Geforce RTX 4060 Laptop | 17591 |
Radeon Pro W5700X | 17591 |
Radeon RX7600 | 16625 |
PassMark Software - Video Card (GPU) Benchmarks - High End Video Cards (videocardbenchmark.net)より抜粋(2025/03/18時点)
同じRadeonではRX 7600 XTより上、そしてGeForce RTX 4060 Laptopより上、GeForece RTX2080とほぼ同じ位置にいますね。これらは現役あるいは少し前のゲームマシン用のグラボとしてメインストリームに属するモデルだと思いますので、そのポジションに位置されるような性能はあると言ってよいのではないでしょうか。
Geekbench6
次は、スマートフォンやMacでも動作するためにより広くパフォーマンス測定に使われており、これまでのPCレビュー記事でも比較してきたGeekbench6の結果を見てみます。
■電源モード「Turbo」:
CPU:Single-Core:2920、Multi-Core:20689、
GPU:Open CL:89291、Vulkan:79803
■電源モード「パフォーマンス」:
CPU:Single-Core:2943、Multi-Core:19753、
GPU:Open CL:88754、Vulkan:79531
他のモデルのスコアをネットで色々探してみたところ、上のスコアはWindowsのPCだとIntel Core i9-13900シリーズやAMD Ryzen 9 7950Xあたりと近い性能を発揮しているようです。MacだとM4 Proを積んだMacbook Proと同じレベル感のようですね。諸条件はあるでしょうが、一言で言えば「強い!」ってところでしょうか。
モンハンベンチマーク

続いて、近頃ハイスペックを要求されるゲームとして有名な作品といえば、そう、カプコンの「モンスターハンターワイルズ」ですね。
せっかくなので、まずは「ウルトラ」で起動してみましたよ。するとスコアは電源モード「Turbo」の設定で10512、平均フレームレートは「フレーム生成あり」の状態で62.15、「問題なくプレイできます」の結果となりました。
さすがに正式な「動画可能環境」としての認証を受けているモデルだけのことはありますね。
これは実際にゲームとして遊んでみたくなります…
*グラフィックプリセット「低」だとスコアは18329、平均フレームレート107.59で「快適にプレイできます」でした。スムーズさを優先するとこちらの設定が良いのかも知れないですね。
*電源モード「パフォーマンス」だとスコアは9512、フレームレートも56で「設定変更を推奨します」でした。
ファイナルファンタジーXIV:黄金のレガシー ベンチマーク
Zenbook SORAやSurface Proなどでもこの「ファイナルファンタジーXIV:黄金のレガシー ベンチマーク」は計測していましたので、このPCでも計測してみましょう。

今となってはオープンワールド系のRPGとしては比較的「軽い」ゲームに属するだけのことはあり、スコアは「とても快適」です。

その他のゲーム
このほかにも、最新のゲームでも他に何か試せないということで、MicrosoftのゲームサブスクリプションサービスであるGame Pass(ちなみにこのモデルを購入すると3ヶ月のGame Pass試用が可能となります!)の中からも探してみました。ざっと見渡して「Forza Horizon 5」がベンチマークモードもあってよさそう、ということでベンチマークモードで走らせてみました。
結果としては、描画がカクついたり、コマが飛んでしまったりするような印象はなく、ディスプレイのリフレッシュレート180Hzの恩恵なのか、ゲームマシンの表示でよく使われる「ぬるぬる」というのはこういうことか!という印象でした。色域の広いディスプレイと、狭額とは言え黒いフレームのおかげでメチャクチャ没入できそうですね、これは。

ROG Flow 13 GZ302をクリエイティブ用途での活用できる?

前提としてお伝えすると、私は趣味で音楽活動をやっており、その際自分や友人の演奏シーンを積極的に動画で撮影しています。
最近では1つのステージ(数十分程度)を一眼カメラとiPhoneの2台で共に4K動画として録画するケースが増えています。
これを毎回編集することになるわけですが、こういった作業については最終的な書き出し、つまり「エンコーディング」作業に大きな負荷がかかります。
エフェクトのかけ方などによっては1分の動画を書き出すのに実再生時間の倍以上の分数がかかるケースもあり、PCのグラフィック性能が作業効率に大きく関わってきます。
そういった動画編集作業にこのPCはどれくらい活躍できるのか、気になったので試してみました。
4K動画のエンコーディング
今回はプライベートで使っている動画編集ツールVegas Pro22をこのPCにインストールして、4K動画をクロップ(縦長の動画から横長に切り取ったり、画角を変更すること)した状態にし、それをH.265という昨今一般的な動画フォーマットで書き出す、というのをやってみました。
iPhoneで撮影した1時間強の4K動画(H.265形式)を再エンコーディングして書き出した結果がこちらです。

平均フレームレートはなかなかのものですね。24FPSの動画だったので、実再生時間の半分以下の時間で書き出しが完了しています。
書き出し中のGPU利用率もほとんど100%を示しており、GPUが活用されていることがよく分かります。
なお、参考として、先日レビューしたZenbook SORAでも同じツール、同じ動画で書き出しを試してみました。

ARMプロセッサでのエミュレーション実行ということもあり、GPUが使われていないようで、平均フレームレートはファンモードを「フルスピード」にした状態で9.9程度。
こちらのZenbook SORAでは、使ったのが試用版のため書き出せるプロジェクトの時間が2分に限定されていたのですが、2分の動画を書き出すのに5分弱かかった、ということは、単純計算だと1時間の動画では2時間以上を要することになります。これでは動画をサクサク作っていくのには厳しいかもしれないですね。
※念のために強調しておきますが、Zenbook SORAはブラウザやOfficeといった通常のアプリケーション操作ではまったくストレスなく快適に利用できる性能はありました。これはいかに4K動画の編集が「重たい」作業か、ということだと思います。
さらに、普段自宅で使っているデスクトップPCでも同じ操作を実行してみました。
自宅のPCのスペックを簡単に紹介すると
・CPU: AMD Ryzen7 3600
・GPU: nVidia GeForce RTX 2070 Super
・RAM: 16GB
という感じで、数年前のミドルクラスゲームマシン、といったところです。
最近はもっぱら動画制作に使用しており、4K動画の編集などもこのマシンメインでやっていたのですが、改めて同じ動画のエンコード時間を確認すると約1時間を所要。つまり再生時間とほぼ同じ時間をかけて書き出せる性能でした。
こんなもんだろうと思って特に違和感を持っていなかったのですが、ROG Flowとの倍の時間差を目の当たりにすると、「あれ?自分のマシンはもう時代遅れ??」考えてしまいますね。
このように、ベンチマーク結果を見る限り、動画編集マシンとしても十分な力を発揮してくれると言えそうです。
*ちなみに、今回Adobe Premier Proの試用版で動画エンコーディングを検証しようと最初試みたのですが、断念しました。インストールして「やけに書き出しに時間がかかるな」と思って情報を探したところ「Premier Proは試用版の状態だとエンコーディング時にGPUの機能が使われない」という事実が分かりまして…
GPUが使われないと1時間半かかっても処理が終わらず、待ちきれずにキャンセルした、という次第です。皆さまご注意ください。
その他の確認
他にも検証できた内容をお伝えしていきます。
ROG Flow 13 GZ302のバッテリー持ち
バッテリーについて触れる前にまず注意すべき点として、付属のACアダプターが200Wという点です。そしてデカい!!

あえてキーボードの横に置いてみましたが、あらゆる家電製品や家庭向けの電子機器の中でもこのACアダプターの大きさはなかなか見られないですよね。この時点で消費電力がノートPCとしてはかなり大きい(ハイエンドのゲーミングノートPCだとこういうお化けACアダプターが使われるケースはあるかもしません)、ということが想像のつくところかと思います。
昔はノートPCの筐体も大きく、ACアダプターもバカでかいケースをよく見ましたが、正直に言うとこのモデルのACアダプターも一緒に持ち運ぶ気を失くさせるのに十分デカくて重いです。
なお、リチウムポリマーバッテリー は70Whと大容量で、カタログ値としては稼働時間として、
約10.6時間 (動画再生時) /約16.8時間 (アイドル時)
とあります。が、、、動画再生というのはこのPCの用途から考えると大変軽い作業になるかと思います。
つまり、実際の利用シーンではここに書いてあるような数字は期待できないであろうということですね。
ということで実際にゲームをやってみた場合のバッテリー減りはどうか、というのをサクッと見てみました。
先ほどやってみたFF XIVのベンチマークをバッテリー稼働で計測してみて、グラフィックス設定を最高にした上で3回回し、このモデルに付属しているツール「Armoury Crate」にて電源管理モードを「パーフォーマンス」「Turbo」に設定し、それぞれバッテリーが何パーセント減るのか見てみました。
■「パフォーマンス」の場合:98%あったバッテリー残量が79%となりました(約19%の消費)。
ちなみにスコアは6500程度でした。
■「Turbo」の場合:70%あったバッテリー残量が46%となりました(約24%の消費)
スコアは9500前後となりました。
ベンチ―マークを1周するのにおおむね6分強といった時間がかかり、3回で19分程度高負荷が続いていたことになります。
まとめると、
- FF XIVクラスのゲームをプレイすると、(予想はしていたが)充電の減りはとても早くなる
- FF XIVは今や高負荷とは言えないタイトルとなるため、より高い負荷の最新ゲームでは恐らくフル充電時で1時間といった稼働時間になる可能性もある
- 電源モード「パフォーマンス」と「Turbo」で発揮できるパワーにかなり差が出るので、遊びたい内容により適宜設定の調整が必要
といったところでしょうか。
それでも仮に2時間弱バッテリーだけで高負荷なゲームができるとすれば、それ自体スゴいことですよね(東京から名古屋や仙台に新幹線で移動する間くらいなら持つ、という計算になります)。
他社のPD電源アダプターを使うとどうなる?
次に、バッテリー稼働させるかに大きく関わると思われる「ACアダプターが大きくて持ち運びたくない」問題への対処も必要ですね。
つまり、ACアダプターが小さければ一緒に持ち運びそれを使って稼働できる可能性も増える、というわけです。そこで自分で持っていた計150Wまで対応するPD電源アダプター(Anker 747 Charger)を使った場合にどうなるのか見てみました。

USB Type-CケーブルでAnkerの電源アダプターを繋いだところ「低速の充電ケーブル」警告が出てしまい、前述のベンチマークを「Turbo」設定で3回回してみたところ、100%だった充電が98%に!あれま...
よく確認すると、単ポートでは最大100Wまでの給電というのがネックになってしまったかも知れないですね。

逆に言えば多少パワー不足にはなるが、ある程度小型のACアダプターでも電源供給は成立する、ということになりそうです(ブラウザを開いてネットを見るといった操作では充電は減っていきませんでした)。
こういった使い方は自己責任にはなりますが、こちらも参考にしてみてください。
ROG Flow 13 GZ302のメモリとSSD容量
このモデルでのメインメモリ(RAM)は32GBです。これは一般的にデスクトップのゲームマシンでも「◯◯推奨モデル」といった形で販売されているマシンでさえ標準構成ではなかなか載せていない(通常16GB)容量です。
消費メモリが特に大きなゲーム、というのを思い浮かべるのは簡単ではありませんが、例えばOBSといったツールでゲームの実況動画配信などをされる場合、この32GBがきっと役に立つことかと思います。
またゲーム以外ですと、AdobeのPremier Proで動画編集を行うのと並行して、素材の加工でPhotoshopも一緒に立ち上げてバリバリ作業する、といった使い方でも満足できる容量かと予想します。
実際のところどう使う?
さて、ここからはどんな人がどう使うのか、という点を勝手に考察してみたいと思います。
まず分かりやすいは、ヘビーゲームを思いっきり遊びたいが、デスクトップのゲーミングPCは大きくて置き場所を取るし、Playstattion5などでは遊びたいタイトルのゲームが出ていない、といった人たち。
自宅にゲーミングチェアを置くようなスペースのない人などが対象になるかも知れないですね。

ということで冒頭でも紹介しましたが、こんなイメージでしょうか。
普通のノートPCだと付属のキーボードは取り外せないですが、このモデルではこういう設置ができていいですね。
ちょっと部屋の照明を落としてこんなセッティングをすればメチャクチャコンパクトなスペースでゲームに没頭できること、間違いなしです!
動画をテンポよく量産していきたい

次に、ゲームでも遊びたいが、動画編集などのクリエイティブ系の作業にも使いたい人。
大画面で大作の動画を作りたいというよりは、Instagramで毎日投稿するための動画ストックをスピーディーに作りたい人にもこのモデルは合っているのかも知れません。
ここ最近、いつの間にかスマートフォンを中心に、4K動画やH.265形式のように圧縮効率がいい代わりに書き出しに負荷のかかる、「重い」動画素材が溢れかえっています。
そしてSNSもどんどん動画中心になる中、クリエイターやインフルエンサーの方はいかに動画を素早く作るかが悩みの種かと思います。
そんな方は恐らく大画面でどっしり編集作業というより、とにかく作業場所を見つけたらどこでも作業したい、となる気がします。そうすると筆圧対応のスタイラス(ASUS PEN)およびタッチパネル対応のディスプレイを持つ、こういうPCが実はとてもフィットするのではないでしょうか。
アプリケーションはちゃんと動くの?
このモデルまでにCopilot+ PCのノートPCは計3機種試してきましたが、いずれもSnapdragonというARMアーキテクチャを採用したモデルでした。
この場合Windows自体がx86アーキテクチャのエミュレーションを行うため、少なくとも2024年時点では動かなかったり動作が不完全と思われる挙動が見られましたが、AMDのプロセッサを利用したこのモデルではどうでしょうか。
ROG Flow 13 GZ302が「AI PC」としてできること

Windows標準の「ペイント」でラフな絵をプロンプトに合わせて素敵に書き直してくれる「Image Creator」
昨年試用したASUSのVivobook S15では、リコールやイメージクリエイターといったアプリケーションを試したわけですが、前提としてWindows自体をInsider Previewの最新版にしての検証でした。
今回も同様の検証をしてみようかと思ったのですが、ゲームマシンとして考えた場合、普通は不安定になるInsider Previewは導入しないかと思いますので、今回は断念しました。
その場合、リコールは起動できず(導入されておらず)、フォトアプリで使えるはずのAI関連機能も一部のみが使える、という状況と分かりました。

なお、GPUのドライバーについても、Windows Updateで最新にしたのみとしました。つまりAMD社のサイトから最新版のダウンロードは試していません。
まとめーROG Flow 13 GZ302は「買い」なのか
13インチという小さな筐体に、強力なCPU、GPU、ディスプレイ等を詰めこみ、高性能な2in1 PCとして構成された「ROG Flow 13 GZ302」。自分がプライベートで使っている(一応ゲーミング仕様の)デスクトップパソコンよりもパフォーマンスで優れ、自分だけの省スペース没入空間を作ることができるPCという印象です。昨今のノートPCと比較すると重かったり消費電力が大きくてACアダプターがバカでかい、といった注意すべき点はありながら、これは他で実現できない体験を与えてくれるマシンなのではないかという気がします。
また、過去に紹介したARMベースのプロセッサを搭載したモデルと比較して互換性の問題が発生しにくいという点もポジティブに捉えることができると言えます。
一方、最大の欠点としては値段が高い(2025年3月現在、ビックカメラで販売するGZ302EA-AI916Cで税込449,800円)というところですが、そこは得られる体験と大きさのバランスが唯一無二、という部分で判断してください。
あとは、Copilot+ PCをはじめとする「AI」推しのPC全般での問題としてかも知れませんが、最新のAI機能を体験する上でそのポテンシャルは十分あるが、AIを活用したアプリケーションがまだまだ不足しています。そして最新の機能を試すためにWindows Insider Previewを導入するといったひと手間が必要なところも気にはなります。
そこはもう少しの間我慢する必要があるかも知れませんが、待っている間にもハイスペックゲームや動画エンコーディング能力などを活用できますので、この機会に是非このモデルを試してみてください!
オトクなキャンペーン情報(おまけ)
ここまで読んで「これ欲しい!けど後もう一押しして!!」と思っていただいた方に朗報です。
ただいまAMD社の特設サイトで、当モデルが対象となる
『対象のAMD Ryzen搭載製品を買って「モンスターハンターワイルズ」を手に入れよう』
というキャンペーンが実施されています。
概要は以下の通りとなっていますので、興味のある方は是非この機会に!
キャンペーン概要
・購入対象期間:4月26日(土)23:59まで
・エントリー期間:5月10日(土)23:59まで
・ユーザー申請期間:5月24日(土)23:59
・対象製品:ROG Flow Z13 (2025) GZ302 [AMD Ryzen Al Max+ 395] 他
・プレゼントされるゲームタイトル:モンスターハンターワイルズ(Steam版)[CEROレーティング:C (15才以上対象)]
・エントリー先:AMD ゲームがもらえるキャンペーン 2025 第1弾 | AMD HEROES (amd-heroes.jp)
* エントリー方法、当記事での紹介機種以外の対象機種等、詳細についてはリンク先サイトをご確認ください。
* 当キャンペーンはビックカメラが主催して行うものではありません。ご不明点等につきましてもリンク先サイトをご確認ください。
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