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NIKKOR Z 35mm f/1.2 S

2025/03/27
NIKKOR Z 35mm f/1.2 S

まろやかな極上のボケ味と際立つシャープな描写力で、35mmでありながら奥行き感にあふれ立体的な描写を楽しめます。Z50mm f/1.2、Z85mm f/1.2に続いて、35mmにも f/1.2が登場し、ついに開放F値1.2の大口径・大三元がそろいました。

どのような被写体も柔らかなボケと際立つシャープな描写で主役に写し出してしまう、魔法のような描写力を味わってみました。

開放F値1.2からとてつもない解像力を発揮することに大変驚かされました。特に凄いな、と感じたのはレンズからかなり離れていて小さく写っている被写体にピントを置いても緻密に解像されていることです。小さな被写体であっても鮮明に映し出されていると画面が引き締まります。この画でも小さく写り込んでいる銅像がキリッと解像されているので画面全体にメリハリが付いて立体感が感じられます。

  • カメラ:Nikon Z8
  • レンズ:NIKKOR Z 35mm f/1.2 S
  • 絞り値:f/1.2
  • 露出時間:1/10000秒
  • ISO:125
  • 露出補正:±0
  • 露出モード:絞り優先

一点集中。絞り開放から発揮される切れ味抜群な解像力は、ピントを合わせた被写体がたとえ画面の中の小さな被写体であっても鮮明に浮き上がらせ、その存在感に目がグッと惹きつけられます。

  • カメラ:Nikon Z8
  • レンズ:NIKKOR Z 35mm f/1.2 S
  • 絞り値:f/1.2
  • 露出時間:1/8000秒
  • ISO:64
  • 露出補正:±0ステップ
  • 露出モード:マニュアル

35mmはパースがそれほど大きくないので立体感をなかなか出しにくいレンズでもあるのですが、絞り開放F1.2から発揮される際立つ解像力と大きくボケた被写体のコントラストで自然と画面に立体感が生まれます。

  • カメラ:Nikon Z8
  • レンズ:NIKKOR Z 35mm f/1.2 S
  • 絞り値:f/1.2
  • 露出時間:1/8000秒
  • ISO:64
  • 露出補正:±0ステップ
  • 露出モード:絞り優先

F1.2の被写界深度の薄さもまた驚異的で、斜めから角度をつけて平面の被写体を写したときにその薄さを実感できます。ピントを置いた場所は極めてシャープな描写ですが、その前後は大きくボケることで奥行き感や立体感を感じさせられます。このボケ味をどのように活かすかが腕の見せどころであり、大口径レンズを使う最大の醍醐味かもしれません。

  • カメラ:Nikon Z8
  • レンズ:NIKKOR Z 35mm f/1.2 S
  • 絞り値:f/1.2
  • 露出時間:1/2000秒
  • ISO:125
  • 露出補正:-0.3
  • 露出モード:絞り優先
  • カメラ:Nikon Z8
  • レンズ:NIKKOR Z 35mm f/1.2 S
  • 絞り値:f/1.2
  • 露出時間:1/800秒
  • ISO:125
  • 露出補正:-0.3
  • 露出モード:絞り優先

スポットライトのような木漏れ日に照らし出された道路標識を絞り開放でピントを合わせました。ピント面の小石が細かく混ざったアスファルト舗装の凹凸が鋭利な描写力で目に焼き付きます。周辺の豊かなボケ味と路面標識のクリアーな描写の対比でドラマティックな雰囲気を感じる画になりました。

  • カメラ:Nikon Z8
  • レンズ:NIKKOR Z 35mm f/1.2 S
  • 絞り値:f/1.2
  • 露出時間:1/6400秒
  • ISO:64
  • 露出補正:±0
  • 露出モード:絞り優先

開放から超一級の解像力を発揮して焦点を合わせたポイントを象徴的に浮かび上がらせくれるので、歪みのない自然な画角であっても深みのある心象風景的な作品を狙える、奥深さを秘めた35mmだなとしみじみ感じました。

  • カメラ:Nikon Z8
  • レンズ:NIKKOR Z 35mm f/1.2 S
  • 絞り値:f/1.2
  • 露出時間:1/32000秒
  • ISO:64
  • 露出補正:-0.3
  • 露出モード:マニュアル
  • カメラ:Nikon Z8
  • レンズ:NIKKOR Z 35mm f/1.2 S
  • 絞り値:f/1.2
  • 露出時間:1/10000秒
  • ISO:64
  • 露出補正:-0.3ステップ
  • 露出モード:マニュアル

大口径開放での作例を撮っていて一番感じたことはF1.2の描写はピントの芯がしっかりしているのに、全体がとてもふんわりとやわらかな描写であること。ピント面からアウトフォーカスに向かってフワッとしたボケていくのですが、これはポートレートのときに絶大な威力を発揮するはずです。

  • カメラ:Nikon Z8
  • レンズ:NIKKOR Z 35mm f/1.2 S
  • 絞り値:f/1.2
  • 露出時間:1/8000秒
  • ISO:125
  • 露出補正:+0.3ステップ
  • 露出モード:絞り優先
  • カメラ:Nikon Z8
  • レンズ:NIKKOR Z 35mm f/1.2 S
  • 絞り値:f/1.2
  • 露出時間:1/1250秒
  • ISO:125
  • 露出補正:-0.3ステップ
  • 露出モード:絞り優先

開放で撮影した梅の画像。背景が大きく溶けるようにボケていて、ピントを合わせた手前の梅が存在感をまとって浮き上がっています。

  • カメラ:Nikon Z8
  • レンズ:NIKKOR Z 35mm f/1.2 S
  • 絞り値:f/1.2
  • 露出時間:1/2500秒
  • ISO:64
  • 露出補正:+0.7ステップ
  • 露出モード:絞り優先

同じアングルで絞りを2つ(F2.8)絞ってみました。ボケ量が減って背景が輪郭を表し始めて、撮影場所の雰囲気はこちらのほうが伝わってきます。F1.2から絞り込んでいくことでボケ量が劇的に変化します。大口径レンズの面白さはボケの変化をうまくコントロールして作品づくりにどのようにつなげるかではないでしょうか。絞り値に関しては、大は小を兼ねます。

  • カメラ:Nikon Z8
  • レンズ:NIKKOR Z 35mm f/1.2 S
  • 絞り値:f/2.8
  • 露出時間:1/640秒
  • ISO:64
  • 露出補正:+0.7ステップ
  • 露出モード:絞り優先

絞り込むと全体にシャープな描写力が行き渡りますが、目に突き刺さるようなエッジの立ったシャープネスさというよりもナチュラルな雰囲気を残したバランスのある描写に感じます。とにかく自然な雰囲気を感じさせる心地よさを感じます。

  • カメラ:Nikon Z8
  • レンズ:NIKKOR Z 35mm f/1.2 S
  • 絞り値:f/13
  • 露出時間:1/1600秒
  • ISO:320
  • 露出補正:±0ステップ
  • 露出モード:絞り優先
  • カメラ:Nikon Z8
  • レンズ:NIKKOR Z 35mm f/1.2 S
  • 絞り値:f/16
  • 露出時間:1/40秒
  • ISO:160
  • 露出補正:±0ステップ
  • 露出モード:絞り優先

5mほど離れた被写体をf11まで絞って写すと画面全体にピントが行き渡ったパンフォーカス状態になります。約4020万画を誇るZ8の緻密な描写力を余すことなく発揮させる実力が伝わってきます。それにしても撮って出しでシャープネスなど何の画像処理もしていないのに、目が凝ってしまいそうになるほど猛烈な描写力、このレンズの恐ろしいまでのパフォーマンスを目の当たりにしました。

  • カメラ:Nikon Z8
  • レンズ:NIKKOR Z 35mm f/1.2 S
  • 絞り値:f/11
  • 露出時間:1/250秒
  • ISO:125
  • 露出補正:-0.7ステップ
  • 露出モード:絞り優先

この布地の細かい折り目が鮮明に写し出されています。開放から目に焼き付くような鮮明な描写はさすがZマウントレンズ、光学設計の素晴らしさを物語っています。

  • カメラ:Nikon Z8
  • レンズ:NIKKOR Z 35mm f/1.2 S
  • 絞り値:f/1.2
  • 露出時間:1/32000秒
  • ISO:125
  • 露出補正:-0.3ステップ
  • 露出モード:絞り優先

意識して画面に太陽の強い光が入るような構図で撮影してみましたが、ゴーストやフレアがしっかり抑制されています。「メソアモルファスコート」「ナノクリスタルコート」「アルネオコート」をレンズ表面へのコーティングとして採用しているので、このような条件でも鮮明な画像が得られることを確かめることができました。

  • カメラ:Nikon Z8
  • レンズ:NIKKOR Z 35mm f/1.2 S
  • 絞り値:f/1.2
  • 露出時間:1/32000秒
  • ISO:64
  • 露出補正:±0ステップ
  • 露出モード:絞り優先
 
この記事で紹介した商品
カメラレンズ NIKKOR Z 35mm f/1.2 S [ニコンZ /単焦点レンズ]
カメラレンズ NIKKOR Z 35mm f/1.2 S [ニコンZ /単焦点レンズ]
主役を美しく際立たせる柔らかなボケを描く、開放F値1.2の大口径35mm単焦点レンズ
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2024年1月までにビックカメラ.comで掲載された記事はこちらをご覧ください

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