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NIKKOR Z 50mm f/1.4

2024/11/08
NIKKOR Z 50mm f/1.4

人間の目で見る角度に近い画角で被写体を写し出す標準レンズは、視覚に近い画角だからこそ性能の良し悪しがダイレクトに伝わってきます。撮影者のセンスで被写体を切りとったり重ね合わせたりすることが50mmを使う楽しさでもあります。

高性能なレンズはファインダーをのぞいた瞬間、“何かが違う”と直感的に感じます。

  • カメラ:NIKON Z6III
  • レンズ:NIKKOR Z 50mm f/1.4
  • 絞り値:f/1.4
  • 露出時間:1/16000秒
  • ISO:100
  • 露出補正:±0ステップ
  • 露出モード:絞り優先

開放F値がF1.4の大口径ながら軽量かつコンパクトにまとまっているので、身軽で機敏な撮影につながります。軽量な機材はシャッターチャンスを逃さないシュート力がそなわります。

  • カメラ:NIKON Zf
  • レンズ:NIKKOR Z 50mm f/1.4
  • 絞り値:f/5.6
  • 露出時間:1/250秒
  • ISO:100
  • 露出補正:-0.3ステップ
  • 露出モード:絞り優先

S-Lineではありませんが引けをとらない抜群の解像力を持っています。手前のコンテナの質感は申し分なく、遠景の高層マンションやビルの窓も細微に描写されています。

  • カメラ:NIKON Zf
  • レンズ:NIKKOR Z 50mm f/1.4
  • 絞り値:f/10
  • 露出時間:1/640秒
  • ISO:320
  • 露出補正:-0.3ステップ
  • 露出モード:絞り優先

大口径F1.4のボケ味は背景をふんわりと柔らかくボカし画面に立体感が生まれます。標準レンズなので中望遠のような圧縮感はありませんが、柔らかい豊かなボケで臨場感に満ちた描写が楽しめます。

  • カメラ:NIKON Zf
  • レンズ:NIKKOR Z 50mm f/1.4
  • 絞り値:f/1.4
  • 露出時間:1/4000秒
  • ISO:250
  • 露出補正:+0.3ステップ
  • 露出モード:絞り優先
  • カメラ:NIKON Zf
  • レンズ:NIKKOR Z 50mm f/1.4
  • 絞り値:f/1.4
  • 露出時間:1/8000秒
  • ISO:140
  • 露出補正:-1ステップ
  • 露出モード:絞り優先

前後の優しくボケによってピントをおいた真ん中の石が浮き上がり存在感が引き立ちました。

  • カメラ:NIKON Zf
  • レンズ:NIKKOR Z 50mm f/1.4
  • 絞り値:f/1.4
  • 露出時間:1/6400秒
  • ISO:100
  • 露出補正:-0.3ステップ
  • 露出モード:絞り優先

F1.4で撮影することで目障りな手前の網を柔らかくボカしました。大きくボケた網があたかもソフトフォーカスフィルタを使用したかのような柔らかな雰囲気を作り出して仁王像を印象的に浮き上がらせることができました。手前のボケた網の効果で画面全体がふわっと柔らかい描写になっていますが、仁王像の目を網目の間になるように構図を決めているため影響を受けずにシャープに描写されていてワンポイントアクセントになっています。

  • カメラ:NIKON Z6III
  • レンズ:NIKKOR Z 50mm f/1.4
  • 絞り値:f/1.4
  • 露出時間:1/80秒
  • ISO:100
  • 露出補正:-1ステップ
  • 露出モード:絞り優先

Zレンズにハズレなしと言われますが、ピント面のシャープさ、各収差を抑え込んだクリアな描写力、そして色の再現性は申し分ありません。なんということはない落ち葉を写してみただけですが、撮って出しの画像でも非常に美しい発色の描写力を発揮して主役のような存在に感じます。F11まで絞り込んだので画面全体に細微感が行き渡っています。

  • カメラ:NIKON Zf
  • レンズ:NIKKOR Z 50mm f/1.4
  • 絞り値:f/11
  • 露出時間:1/60秒
  • ISO:250
  • 露出補正:-1ステップ
  • 露出モード:絞り優先

写真を始めた頃は、広角のように広々した画角で景色を切り取ることはできず中望遠のように被写体を印象的に浮き上がらせるのには圧縮感が今ひとつで中途半端な画角で使いづらい、と標準レンズに魅力はほとんど感じませんでした。

下手なりに写真を撮り続けてきて何十年も経った今では、目で見る視界を等身大に切りとるように写せるので眼の前の被写体をどのように料理するか、撮影者のセンスをダイレクトに表現できるシンプルで使い勝手のある画角だと思えるようになりました。

すれ違う新幹線の様子をアクリル板越しにZfの電子シャッターで撮影してみました。ローリングシャッター現象(歪み)のためドアが斜めに写っていますが、上り下りの新幹線がすれ違うように通り過ぎる面白いアングルを見つけ出して画に納めることができました。撮影場所は通行人が線路に目をやることなく通り過ぎる場所でしたが、自分だけのアングルを見つけ出せたのは標準レンズを装着していたからなのかもしれません。

  • カメラ:NIKON Zf
  • レンズ:NIKKOR Z 50mm f/1.4
  • 絞り値:f/1.4
  • 露出時間:1/8000秒
  • ISO:100
  • 露出補正:-0.3ステップ
  • 露出モード:絞り優先

何脚ものテーブルと椅子が置かれたバルコニーから一脚のテーブル・イスだけをコンパクトに切り抜くように撮影してみました。

  • カメラ:NIKON Zf
  • レンズ:NIKKOR Z 50mm f/1.4
  • 絞り値:f/1.4
  • 露出時間:1/6400秒
  • ISO:100
  • 露出補正:-0.3ステップ
  • 露出モード:絞り優先

やわらかなボケ味と0.37mの最短撮影距離を生かして被写体に接近してやわらかなボケ味と組み合わせれば標準レンズでも十分な奥行きを感じさせることができて印象的な写真に仕上げられます。近接撮影したバスケットボールリングネットの緻密な描写力、半端なく凄いです。

  • カメラ:NIKON Z6III
  • レンズ:NIKKOR Z 50mm f/1.4
  • 絞り値:f/1.4
  • 露出時間:1/640秒
  • ISO:100
  • 露出補正:-0.7ステップ
  • 露出モード:絞り優先

モノクロームに近いスナップになるように彩度が低く抑えられるピクチャコントロール「グラファイト」を選択して、観光船の前に駐車された自転車を絞り開放で撮影してみました。自転車の背後に停泊している観光船が柔らかくボケて臨場感が生まれ、まるでヨーロッパの川岸で撮影したかのような雰囲気の画が撮れました。

  • カメラ:NIKON Zf
  • レンズ:NIKKOR Z 50mm f/1.4
  • 絞り値:f/1.4
  • 露出時間:1/4000秒
  • ISO:100
  • 露出補正:-1ステップ
  • 露出モード:絞り優先

大きなボケとやらかい描写を活かした心象的な写真を狙ってみました。

  • カメラ:NIKON Zf
  • レンズ:NIKKOR Z 50mm f/1.4
  • 絞り値:f/1.4
  • 露出時間:1/200秒
  • ISO:140
  • 露出補正:-0.3ステップ
  • 露出モード:絞り優先

開放での画面中央部の点光はほぼ丸くなります。マニュアルピントで画面全体をわずかにボカし駐車場入り口で点灯している空車を示す電球を写してみると美しくボケてくれました。

  • カメラ:NIKON Z6III
  • レンズ:NIKKOR Z 50mm f/1.4
  • 絞り値:f/1.4
  • 露出時間:1/5000秒
  • ISO:100
  • 露出補正:-2ステップ
  • 露出モード:絞り優先

画面端の点光はさすがにレモン型になりますが、目障りには感じません。

  • カメラ:NIKON Z6III
  • レンズ:NIKKOR Z 50mm f/1.4
  • 絞り値:f/1.4
  • 露出時間:1/800秒
  • ISO:100
  • 露出補正:+0.7ステップ
  • 露出モード:絞り優先

Z6IIIをDXモードにして中央部の点光のボケを強調してみました。真円に近い整った綺麗な形にボケています。f1.4の大口径の豊かなボケがDXモードで更に深まり被写体の存在感が更に高まりました。

  • カメラ:NIKON Z6III
  • レンズ:NIKKOR Z 50mm f/1.4
  • 絞り値:f/1.4
  • 露出時間:1/125秒
  • ISO:2500
  • 露出補正:+0.7ステップ
  • 露出モード:シャッター優先
  • カメラ:NIKON Z6III
  • レンズ:NIKKOR Z 50mm f/1.4
  • 絞り値:f/1.4
  • 露出時間:1/50秒
  • ISO:640
  • 露出補正:±0ステップ
  • 露出モード:シャッター優先

作例撮影中、祭りを終えて神社にむかう神輿と出会いました。これは絵になる、と勇み足で神輿に向かったのですが、大勢の祭りに参加する人たちに神輿が囲まれていて近寄ることができません。とっさにDXモードに切り替えて水を浴びながら神社に向かう神輿をショットしました。

光量がかなり少ない薄暗い場面だったのでISO感度を上げていますが、1/500秒の高速シャッターを切ることができたのは明るいレンズの恩恵です。神輿に降りかかる水をなんとか写し出すことができました。後ろの神社のボケ方も形が崩れることがなく雰囲気を感じられるちょうど良い塩梅です。

f1.4でありながらコンパクトにまとまった標準レンズはやはりスナップ撮影との相性が抜群です。光量の少ないシーンでも集光力と豊かなボケ味で雰囲気に満ちた描写力を発揮します。どのようなシーンでも楽しめる汎用性の高いレンズではないでしょうか。

  • カメラ:NIKON Z6III
  • レンズ:NIKKOR Z 50mm f/1.4
  • 絞り値:f/1.4
  • 露出時間:1/500秒
  • ISO:5600
  • 露出補正:±0ステップ
  • 露出モード:シャッター優先
 
この記事で紹介した商品
カメラレンズ NIKKOR Z 50mm f/1.4 [ニコンZ /単焦点レンズ]
カメラレンズ NIKKOR Z 50mm f/1.4 [ニコンZ /単焦点レンズ]
大きなボケ描写を気軽に楽しめる明るくコンパクトな標準単焦点レンズ
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