プロが教える撮影術
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スマホで簡単!プロが教えるカフェ写真の“映え”テクニック

2025/02/17
スマホで簡単!プロが教えるカフェ写真の“映え”テクニック

ビックカメラの販売員が、プロのカメラマンに弟子入りしてワンランク上の撮影テクニックを学ぶ連載企画。
今回はビックカメラ池袋本店の家電製品アドバイザー・塚田真弓さんが参加。塚田さんは普段からSNSで“映え写真”を投稿するのにハマっているものの、最近少しワンパターン化して悩んでいるとのこと。そこでプロのテクニックを学ぼうとカメラマン・鈴木啓太さんの指導を受けることに。
古民家カフェでスマートフォンを使って、座席選びや構図、光の使い方から、アプリでの仕上げまで、初心者でもすぐに使えるコツが満載。カフェでのひと時をさらに特別な思い出に変える撮影術をご紹介します!

目次
    左/鈴木先生 右/塚田さん

    食事に出かけた際、スマホで料理を撮影したいと思ったことはありませんか? 素敵な雰囲気を活かしつつ写真に収めたいものの、なかなか思い通りの一枚が撮れない……。そんなとき、どうすればいいのでしょうか?
    そこで東京・池袋にある古民家カフェ「Chanoma」にお邪魔して、座席選びや構図などの基本から 写真にストーリーを作る応用編まで、すぐに使えるテクニックに挑戦!
    一緒に“映える”写真の撮り方を探ってみましょう。

    A_2502_camera_32-2.jpg
    Chanoma
    東京・西池袋にある複合施設「ニシイケバレイ」の中にある、築70年以上の木造平家をリノベーションした古民家カフェ。

    まずは席選びから!窓際がオススメ!

    Chanoma店内は古民家の雰囲気を生かした落ち着きのある雰囲気が特徴
    塚田真弓(以下、塚田) おしゃれなスイーツ写真を撮れるお店に行ったとき、いつもどの席を選べば良いのか迷ってしまうんですが、何かコツはありますか?
    鈴木啓太(以下、鈴木) 良い質問ですね。写真は「光」。ずばり撮影の成功は「光」が握っています。とくに料理を美味しそうに撮るためには、窓際などのできるだけ自然光が入る席を選びましょう。
    塚田 どうして自然光が大事なんですか?
    鈴木 自然光とは太陽の発する光のことです。つまり、僕たちにとって馴染み深いものです。人工的な光になってしまう照明と比べて、明るく柔らかい表現を写真に与えることができるのです。
    塚田 なるほど。もし窓際の席が空いていなかったらどうすればいいでしょう?
    鈴木 その場合は、照明ができるだけ直に当たらない席を選んでください。特にカフェに多いオレンジ 色の照明は、色被りをして料理の本来の色味を変えてしまうので注意が必要です。どうしても照明が強い場合は、背景や角度を工夫して避けるようにしましょう。
    店内に入ったらまずは自然光が入るベストポジションを探すべきと説明する鈴木先生。
    塚田 確かに、家で撮った写真でも部屋の照明が黄色すぎて“なんか思ったのと違う”って感じたことがあります。
    鈴木 その通り! まずカフェに入ったら“どこに自然光が当たっているか”をクイズ感覚で探してみましょう。理想的には被写体のななめ後ろから光が当たる「半逆光 」が料理写真のセオリーです。動き回らなくても、窓や障子越しの光がしっかり入る席を選ぶだけで写真のクオリティが大きく変わりますよ。
    写体のななめ後ろから光が当たる「半逆光 」で撮ったカフェラテ。(鈴木先生撮影)

    お皿の切り取り方で写真がグッと良くなる

    塚田 先生。撮ってみたんですけど、なんか“普通の写真”って感じであんまり上手くいきません。どうすればいいですか?
    鈴木 ちょっと撮ってみますね。
    鈴木先生撮影
    塚田 とても素敵な写真ですね! この写真のどこに構図のポイントがあるんですか?
    鈴木 お皿を一直線に並べただけだと、平面的で退屈な写真になりがちです。少しズラして2枚のお皿の曲線がS字描くように配置すると、“映え”が格段にアップします。
    塚田 なるほど。ほかにもおすすめの配置はありますか?
    鈴木 いちばん簡単なのは丸いお皿の一部を切って『C』のようにすることですね。
    お皿を切り取るように撮影をしてみた。(塚田さん撮影)
    塚田 これは一気に印象が変わりますね。まっすぐ並べたほうがいいのかなって思ってたんですけど、あえてズラしたほうがなんかいい感じになりますね。

    スマホ撮影を120%活かす:タップで明るさ&色補正

    鈴木 ここでiPhone※撮影ならではの機能を試してみましょう。カメラと違って、画面をタップするだけで、自動的に全体の明るさや色味を調整してくれるんですよ。まず覚えておきたいのは明るさ調整ですね。暗い部分をタップすると全体が明るく、明るい部分をタップすると全体が引き締まるんです。
    ※機種により調整機能がない場合もあります。
    左:お皿をタップした写真。
    左:お皿をタップした写真。
    右:ケーキをタップした写真。
    右:ケーキをタップした写真。
    塚田 本当だ!
    鈴木 この障子でも試してみましょう。いま塚田さんの画面はオレンジの光が反映されて、全体にオレンジっぽい写真になっていますが、障子の白い部分をタップすると、iPhoneに装備されているホワイトバランス(色温度)自動補正機能が作動して、白くなります。
    特に室内では有効なので使ってみましょう。調整も簡単で、「ここを白く見せたい」あるいは「この被写体の色を正しく見せたい」と思う部分をタップすれば、スマホがそこを基準に全体の色味を調整してくれます。
    画像:スマホ画面 右は障子の色が黄色いのに対して、左は画面をタップしたので色味が補正される。
    塚田 そんなに普段は意識してなかったのですが、本当ですね! オレンジっぽい色が少し抑えられていますね。
    鈴木 そう、ホワイトバランス自動補正機能はめちゃくちゃ便利なので、意識的に使ってほしいですね。コツとしては「この部分をどう見せたいか」を意識してタップしてみましょう。暗い場所でも極力、自然な色に近づけられますよ。
    さっき自然光の重要性を説明しましたが、iPhoneは色味の調整が優秀なのでミラーレスではどうにもならない場面でもうまく調整してくれたりするんですよね(笑)。

    テクニック@「人物や小物を入れるとオシャレに撮れる」

    ※特別に許可をいただき、レクチャーのために机を移動させて窓際で撮影をさせていただきました。
    鈴木 小物でスキマを埋めるのもオススメです。最近はショップカードを料理と一緒に撮影するのが流行っていますが、お店に置いてある雑誌や小物を空いたスペースに配置することで立体感が出ますよ。
    塚田さん撮影
    塚田 本当だ!それっぽくなりましたね。
    鈴木 SNSで映えている写真の感じが出ますよね。ケーキとラテの色と同系色のドライフラワーを選んで、全体のカラーバランスを統一したのが素晴らしいです。
    塚田 いままでまったく意識したことありませんでしたが、うまくできました!今度から必ずショップカードはチェックしてみようと思います!
    鈴木 お店の名刺を入れて撮るのはSNSで流行っていますし、記録写真にもなるのでおすすめです。また、狭い席ではあえて人物を含めて撮ることにもチャレンジしてみましょう。手元を取り入れると、先ほど撮った名刺や小物入りの写真とはぐっと印象が変わるんですよ。
    鈴木先生撮影
    塚田 料理だけだと伝わらない雰囲気が出るし、より「思い出」要素が強くなる感じがします。普段友だちと行くことが多いので、記憶に残る写真になりそうですね。

    テクニックA「ハンカチをレフ板代わりにすると明るく撮れる」

    鈴木 さらにちょっとした小技で写真はもっと良くなります。それがハンカチの活用です。
    塚田 ハンカチ? 何に使うんですか?
    鈴木 影が濃くて気になる箇所があったりする場合、持っている白いハンカチやナプキンをレフ版代わりに使うといいですよ。光を反射させて影を明るくできます。
    手順
    1. 被写体の近くに白いハンカチを置く。
    2. 自然光をハンカチに当て、反射させる。
    3. 被写体が程よく明るくなる位置を調整しながら撮影する。
    暗い場所だったがハンカチで自然光を反射させて明るく撮影することができた。(塚田さん撮影)
    鈴木 特に料理やスイーツなど、細かなディテールを明るく見せたいときに便利です。簡単なのでぜひ試してみてください。

    テクニックB料理以外も撮ろう。組写真のすすめ

    鈴木 写真は1枚で完結する楽しさもありますが、複数枚を組み合わせることで表現できるものもたくさんあります。組写真は、それぞれの写真が異なる視点や要素を持っていることが大切です。全体のテーマを意識しつつ、以下の4つの要素をバランスよく撮影すると良いですよ。

    1. カフェ全体の雰囲気を伝える写真

    鈴木 まずは、店内全体を広角で撮影するなど、そのカフェの雰囲気がわかる写真を撮りましょう。
    塚田 なるほど! 外観や店内のインテリアも意識して撮ると、写真全体がまとまるんですね。

    2. 主役のアップ写真

    塚田さん撮影
    鈴木 次に、ここまで撮影してきた料理やスイーツの写真ですね。ちなみに透明なグラスなど光が透けるものはそれだけで映えやすくなりますよ。

    3. ストーリーを感じさせる写真

    塚田さん撮影
    鈴木 また、組写真には“ストーリー”を感じさせる写真も欠かせません。人の手元や何気ない小物を取り入れると、写真に温かみが生まれます。

    4. アクセントとなる写真

    鈴木 最後に、ちょっとしたアクセントとなる写真を入れましょう。これは、メインの料理や店内とは少し視点を変えたものです。たとえばこのお店なら、古民家をよりイメージさせるようなすりガラスのクローズアップや、掛け軸、畳と言った「和」の要素を撮影しておくのもいいですね。

    組写真例

    仕上げ編:アプリを使ってイメージに合う編集方法を学ぶ

    塚田 先生、撮影後にアプリを使って写真を仕上げる方法を教えてください。私も普段からアプリを使って編集してるんですけど、おすすめのアプリや方法が知りたいです。
    鈴木 おすすめは「Dazz」と「VSCO」です。近年流行のフィルム風写真が簡単に撮れるアプリなのですが、特に古民家カフェの撮影にはフィルム風の仕上がりがよく似合うと思いますよ。「Dazz」のカメラで撮影した後に「VSCO」で編集するなど、アプリを組み合わせることで、よりSNS映えする写真に仕上げることができます。
    塚田 うわ、エモい! これはいいですね!
    無加工
    無加工
    DAZZ
    DAZZ
    DAZZ+VSCO

    いかがでしたか! 次回のカフェ巡りでは、このテクニックを試してみてください。きっとSNS映えする一枚が撮れるはずですよ!

     
    A_2502_camera_32.jpg
    撮影協力:Chanoma

    東京・西池袋にある複合施設「ニシイケバレイ」の中にある、築70年以上の木造平家をリノベーションした古民家カフェ。

    電話:03-6709-1139
    住所:東京都豊島区西池袋5-12-3
    アクセス:池袋駅[C2]徒歩3分
    営業開始 10:00

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    Profile
    塚田真弓
    家電アドバイザー
    塚田真弓
    ビックカメラ池袋本店の家電コーナーで掃除機担当。 学生の頃からカフェやレストランで料理の写真を撮る事が好き。趣味は猫と遊ぶ事。
    鈴木啓太
    写真・講師
    鈴木啓太
    夫婦で写真業を営む傍ら、カメラ&レンズメーカーセミナー講師、写真誌でのオールドレンズ記事連載等多数。リコーフォトアカデミー講師、フィルムさんぽ/フランジバック主催。著書に『ポートレートのためのオールドレンズ撮影マニュアル』(玄光社) 、『iPhoneで撮る写真がグンとよくなる法則』(玄光社) がある。
    照沼健太
    文・写真
    照沼健太
    大学卒業後、「MTV PAPER」「MTVJAPAN.COM」の編集を担当。その後、株式会社インフォバーンにてWebコンテンツ制作、Webディレクション、SNSプランニング等の経験を積み、独立。「AMP」編集長を経て、音楽・カルチャー・広告等の分野にて編集者・ライター・カメラマンとして活動。2018年、コンテンツ制作を行うため『合同会社ホワイトライト』を設立。
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