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ソムリエ厳選!クリスマスに飲みたいシーン別「スパークリングワイン」

2024/12/12
ソムリエ厳選!クリスマスに飲みたいシーン別「スパークリングワイン」

街中が華やかムードに包まれるクリスマスは、もうすぐそこ。みなさんはどのように過ごす予定ですか? 今年のクリスマスにぜひおすすめしたいのが「スパークリングワイン」。キラキラと立ち上る泡は、聖なる夜にぴったり。

そこで、ビックカメラ柏店 ビック酒販のソムリエ、前島淳一さんが、この冬イチオシの銘柄を教えてくれました!

目次
    ソムリエをはじめ、お酒の資格を4種持ち、的確なアドバイスに定評がある前島さん。

    今回、お話を伺った前島淳一さんは、2016年に「一般社団法人日本ソムリエ協会」のソムリエの資格を取得。さらに「一般社団法人 日本ベルギービール・プロフェッショナル協会」のアドバイザー資格、「日本ラム協会」のラム・コンシェルジュ資格も持ち、今年10月には「一般社団法人日本ソムリエ協会」が主催する日本酒 ・焼酎の資格であるJ.S.A SAKE DIPLOMA認定試験にも合格しました。

    胸にはいくつものバッジが輝いていて……眩しい! ワインからビール、ラム酒に日本酒まで、お酒のことなら何でもお任せあれという、頼もしすぎる前島さん。ダンディーで笑顔の素敵な紳士ですが、あらゆるお酒に造詣が深く、「ひとりで酒場に行くのが大好き」という生粋のお酒好き。好きなものへの探究心は、とどまるところを知りません。

    胸には、ソムリエ、ベルギービールアドバイザー、ラム・コンシェルジュの3つのバッジが。

    スパークリングワインの起源とは?

    今回紹介する「スパークリングワイン」の起源は、17世紀のフランスに遡ります。特に有名なのは、やはり何と言っても「シャンパン」。フランスのシャンパーニュ地方で造られたものを指しますが、いまやスパークリングワインの代名詞のような存在です。

    もっとも広く知られる逸話のひとつは、修道士のドン・ペリニヨンが偶然、発泡性ワインを発見したという話。「まるで星を飲んでいるようだ」と表現したことで、スパークリングワインは、貴族や上流階級の人たちの間で広まったそうです。

    スパークリングワインは二次発酵によって生まれる繊細な炭酸ガスをワインに閉じ込めたもの。シャンパーニュ地方では寒さの影響で秋に仕込んだワインが途中で発酵をやめ、春になって再び発酵が始まったことにより、自然と発泡が生じたのが始まりだそう。

    炭酸ガスを直接入れたりする製法もありますが、シャンパーニュ地方の造り方が、もっとも伝統的な製法です。

    ビック酒販のワインコーナーの中には、スパークリングワインがずらり!
    お祝いに欠かせないスパークリングワインは、華やかなボトルも多い。

    クリスマスにスパークリングワインが選ばれる理由

    ──そんなスパークリングワインですが、クリスマスに選ばれる理由は何でしょうか?

    やはりクリスマスは1年に一度の特別な日。キラキラと立ち上る繊細な泡は、クリスマスの雰囲気にぴったりですよね。開ける瞬間の“ポンッ!”という音、シュワッと弾ける軽やかな飲み口は、何と言っても1杯目の乾杯にふさわしい。スポーツの表彰式などで行われるシャンパンファイトにも使用されるように、お祝いムードをより一層盛り上げてくれるお酒です。

    ──初心者はどのように選ぶとよいですか?

    初心者の方は、「甘口」か「辛口」か、まずはお好きな飲み口をシンプルに選んでみてください。

    基本の甘口はフランスでは「ドゥミ・セック」と言うので、この表示を覚えておくとよいかもしれません。甘口のワインならイタリアの「天使のアスティ」が人気で、デザートにもよく合います。飲みやすいので、お酒が苦手な人や女性にもおすすめですよ。

    辛口がお好きな方は、辛口の中でも「ブリュット」と呼ばれるものがおすすめ。辛すぎず、口当たりがやわらかで食事にとても合わせやすいものが多いです。辛口が好きな人は「ブリュット」を選んでおけば間違いありません。

    ビック酒販では商品説明のプライスカードに甘口~辛口の5段階の評価が載っているので、甘口か辛口か一目瞭然。さらに味の詳細も書いてあるので、ぜひ選ぶときの参考にしてみてください。

    甘口から辛口まで5段階の評価に分かれていて、初心者でも選びやすい工夫が。

    知っておきたい3大有名スパークリングワイン

    ──値段や産地など、初心者が選ぶ際のわかりやすい基準はありますか?

    まず覚えて欲しいのが、3大有名スパークリングワイン。ワインと比較すると、スパークリングワインの有名産地はそこまで多くないので、まずはこの3つを覚えておけばOKです!

    1つ目は先ほどから話題に上がっているフランスの「シャンパン」。さすが本場フランスの格式高く、高品質で複雑な味わい。泡のきめ細やかさもひと味違い、トーストのような香りも特徴です。ただし、気軽に飲むというよりは、5,000円以上のものが多く、特別な日やお祝いごとに最適ですね。

    2つ目はスペインの「カヴァ」。シャンパンと同様の製法で、二次発酵によって発泡させていますが、シャンパンよりもお手頃価格でおすすめ。1,000~2,000円の価格帯でカジュアルに楽しめます。

    3つ目はイタリアの「プロセッコ」。フルーティーで軽いタイプのまさにイタリアらしいスパークリングワインです。魚介類に加え、パスタやピザなど、イタリア料理にぴったり。カヴァと同様に1,000~2,000円の価格帯で、ワイワイ気軽に味わえます。

    奥深いワインの世界に比べ、スパークリングワインは初心者でも失敗なく買いやすいそう。

    ソムリエ・前島さんイチオシは?

    ──少しずつ、スパークリングワインのことがわかってきました。ぜひ、前島さんイチオシのおすすめスパークリングワインが知りたいです!

    おすすめしたいものはたくさんありますが、今回はコスパ重視で選んでみました!

    写真左から、「ヴーヴ・デュ・ヴェルネ ブリュット」、「グラハム・ベック ブリュット」、「メディチ・エルメ―テ ボッチオーロ ランブルスコ・グラスパロッサ ヴィノ フリッツァンテ ドルチェ」。

    (1)ヴーヴ・デュ・ヴェルネ ブリュット /フランス

    こちらは普段飲みに最適なお手頃スパークリングワインで、コスパが最高! 「手頃な価格で、世界中で愛され、たくさん飲んでもらえるフランス産スパークリングワインを造る!」という醸造家の思いが詰まった1本です。スパークリングワインにはあまり使用しないぶどう品種を使いながらも、バランスよくまとまっていてお見事。洋梨やりんごのようなフレッシュでフルーティーな果実感を味わえます。 

    (2)グラハム・ベック ブリュット /南アフリカ

    南アフリカのネルソン・マンデラ元大統領や、アメリカのバラク・オバマ元大統領が、自身の大統領就任のお祝いの席で飲まれたという南アフリカ産のスパークリングワイン。そんなエピソードを楽しみながら、乾杯してみてはいかがでしょうか。シャルドネとピノ・ノワールをバランスよく使い、柑橘系の果実の香り、シャープな切れ味が特徴です。 

    (3)メディチ・エルメーテ ボッチオーロ ランブルスコ・グラスパロッサ ヴィノ フリッツァンテ ドルチェ/イタリア

    こちらは赤の甘口スパークリングワイン。カシスやブルーベリーのような風味がたまりません。フレッシュジュースのような果実感で、お酒が苦手な人にもおすすめしたい1本です。

    クリスマスの贈り物としてのベストチョイスは?

    ──たとえば、クリスマスプレゼントとして贈るなら、どういったものが良いでしょうか?

    スパークリングワインは、贈り物となると価格帯によって大分差が出てきます。今回は1万円以下で考えてみますね。

    まず、普段からスパークリングワインを飲み慣れている方には、こちらのフランス産の2本をどうぞ。

    写真左から、「ボランジェ スペシャル・キュヴェ・ブリュット」、「ドゥラモット ブリュット ブラン・ド・ブラン」。

    (1)ボランジェ スペシャル・キュヴェ・ブリュット/フランス

    これは『007』でジェームズ・ボンドが愛飲しているスパークリングワイン。そんなエピソードも踏まえてお渡しするのはいかがでしょうか。ピノ・ノワール主体の厚みと骨格を感じる力強さがあります。

    (2)ドゥラモット ブリュット ブラン・ド・ブラン/フランス

    ワイン愛好家の間でしばしば話題にあがる「サロン」というシャンパンがあるのですが、サロンはぶどうの作柄が極めてよい年にしか造られない幻のシャンパンなんです。私も売場で一度だけしか見たことがありません。このサロンを造れない年に、サロン用のぶどうを加えて醸造するのが、この「ドゥラモット」で、まさに“サロンの妹”と呼ばれています。サロンほど値が張らないのに、極めて上品。ピュアなシャルドネだけを使った洗練された口当たりです。

    また、普段あまり飲み慣れていない方に贈る場合は、定番人気のこちらをぜひ。この2本なら失敗しません。

    写真左から、「モエ・エ・シャンドン・ブリュット」、「ヴーヴ・クリコ ローズラベル」。

    (3)モエ・エ・シャンドン ブリュット /フランス

    世界一有名なシャンパンと言っても過言ではないかもしれません。あまりお酒に詳しくない方でも、一度は聞いたことのある名前ではないでしょうか。エレガントな味わいで、優れたバランス力があり、どんな料理にも合う1本です。 

    (4)ヴーヴ・クリコ ローズラベル /フランス

    黄色のエチケットがあまりにも有名ですが、「ヴーヴ・クリコ」は世界で初めてロゼのシャンパーニュをリリースしたメゾンでもあるんですよ。ロゼならではのいちごやプラムなど赤い果実を思わせる爽やかな酸味と高貴な甘さが魅力的。「ヴーヴ」はフランス語で「未亡人」という意味もあるので、気になる方は贈る相手へのご配慮をされるとよいかもしれません。

    気軽に飲めるカジュアルなスパークリングワイン

    ──もっとカジュアルに家族や友達同士のクリスマスパーティーで楽しむ場合、シェアしやすいカジュアルなスパークリングワインはありますか?

    みなさんで気軽に楽しみやすいコスパ抜群の1,000円台で選んでみました!

    写真左から、「フレシネ コルドン・ネグロ」、「天使のアスティ」、「ピエール・ゼロ ブラン・ド・ブラン」。

    (1)フレシネ コルドン・ネグロ /スペイン

    こちらは食事に合わせやすい辛口のカヴァ。シャンパンと同じ瓶内二次発酵で造られているのにこの価格! きめ細かい泡立ちとキリッとドライな辛口で、気軽にゴクゴク飲めてしまいます。意外にも和食との相性も抜群です。 

    (2)天使のアスティ /イタリア

    甘口のスパークリングワインで、特に女性に根強い人気があります。マスカット種の甘みの強いぶどうを使っているので、お酒が苦手な人でも飲めるほど、さわやかな甘味が特徴です。さらに天使のボトルがクリスマス気分を盛り上げてくれそうですよね! 甘いデザートにもマッチします。 

    (3)ピエール・シャヴァン ピエール・ゼロ ブラン・ド・ブラン/フランス

    お酒が飲めない方や車を運転する方にも、最初の乾杯を楽しんでいただきたいので、そんな時に1本あると便利なのがノンアルコールのスパークリングワイン。アルコール度数0%ですが、まるでワインのような、シャルドネのフレッシュな果実感を楽しめます。

    大切な人と飲むならやはりシャンパン

    ──大切な人と過ごすクリスマスディナーなど、特別な日を演出してくれる頼れる1本を教えてください。

    特別なクリスマスディナーには、やはりシャンパンしかありません。思い切って、こちらの2本をおすすめします。

    写真左から、「ドン ペリニヨン 2013」、「ペリエ ジュエ ベル・エポック」。

    (1)ドン ペリニヨン 2013

    超有名、高級シャンパンの代名詞。これを選んでおけば、とりあえず間違いはありません。以前、自分で買って飲んだことがありますが、ほどよい酸味があってエレガントな口当たり。深い余韻を残してくれます。 

    (2)ペリエ ジュエ ベル・エポック /フランス

    まるで芸術品のようなボトルは、19世紀のフランスのアール・ヌーヴォーの巨匠であるエミール・ガレが、こちらのメゾン「ペリエ・ジュエ」のために描きました。可憐な白い花は、日本のアネモネを描いたという逸話も。特別な日の花束代わりになってくれそうですね。100%グラン・クリュ(最高品質の特級畑)のぶどうで造られ、生き生きとした酸味が華やか。結婚式のお祝いなどにもぴったりですよ。 

    「ぜひ特別な1本を見つけてください」と、前島さん。

    スパークリングワインにマッチする手軽なおつまみは?

    ──スパークリングワインにおすすめのおつまみはありますか?

    軽やかな飲み口のスパークリングワインは、基本どんな料理にも合わせやすいのが特徴です。その中でも、生ハムやチーズ(カマンベールチーズ、ブリーチーズ、クリームチーズなど)が相性抜群。スモークサーモンも最高の組み合わせですね。

    ──スパークリングワインの美味しい飲み方や温度管理、グラス選びのコツはありますか?

    特にスパークリングワインは、温度も美味しさのひとつです。辛口は6~8℃に冷やすと泡立ちも美しくなって、キリッと爽快に飲むことができます。甘口はぬるいと甘ったるくなってしまうので、4℃くらいにしっかり冷やすのがおすすめ。甘味と酸味のバランスが整って、冷やすだけで見違えるほど美味しくなります。

    保存に適した温度は、ワインセラーであれば12~15℃の設定温度で保管を。ワインセラーがなければ、冷蔵庫の野菜室でOKです。

    グラスは普通のワイングラスではなく、シャンパン用の定番のフルート型を使っていただきたいです。スッと細長いスリムなグラスで、シュワシュワと立ち上る泡が輝いて見えます。もちろん味わい的にも、繊細な泡の口当たり、酸の爽快さや力強さを感じることができますよ。

    シャンパングラスは、シュワシュワと立ち上る泡が繊細に煌めくカッティングに。

    お酒はその時の気分を演出してくれるもの。高級レストランならシャンパンだけど、立ち飲み屋だったらホッピーがいい。高いお酒だからといって、いつでも美味しいわけじゃない。
    お酒はシーンとマッチしての美味しさなんです。私はそのシチュエーションに合ったお酒をセレクトすることが何よりも大事だと思っています。なので、クリスマスには何と言ってもスパークリングワインがぴったりです。

    前島さんのおっしゃるとおり、お酒はシーンとのマリアージュが大切なんだと改めて感じました。今年のクリスマスは、家族や恋人、友人の方々と、スパークリングワインでぜひ素敵な乾杯を!

     

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    Profile
    前島淳一
    ビック酒販 マイスター ソムリエ
    前島淳一
    2006年ビックカメラ入社。現在は柏店に勤務。ソムリエ、ラム・コンシェルジュ、ベルギービール・アドバイザー、J.S.A.SAKE DIPLOMAの資格を保有。ひとり飲み歩きや音楽鑑賞が趣味。
    岸綾香
    岸綾香
    ライター&エディター。大手出版社の女性週刊誌で約20年、料理、美容、グルメなど、実用記事を中心に幅広いジャンルで取材&執筆を行う。Web媒体では料理やヨガなどの動画記事を担当。週刊誌で鍛えられた体力&根性で40代から子育て奮闘中。
    小松士郎
    写真
    小松士郎
    LCP(ロンドン芸術大学写真学科)で写真を学び、ロンドンを拠点に撮影活動を始める。これまで、坂本龍一、石丸幹二、ジョエル・ロブション、デヴィッド・ベッカム、武豊、上原浩治など数百人の著名人を撮影。そのほか料理、静物、風景など撮影ジャンルは多岐にわたり、NHK教育講座の人物撮影、広告などでも活躍中。
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    ビックカメラ柏店
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    〒277-0005 千葉県柏市柏1-1-20 スカイプラザ柏2F~7F
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    04-7165-1111
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