家事の中でも一番体力を使って大変なのが掃除ではないだろうか。特に庭や玄関周りなどの屋外になると、汚れていても、つい見て見ぬふりをしたくなってしまうもの。

そこでBIC WAVEでは、ケルヒャーの製品担当の方を招き、手軽さとパワフルさを兼ね備えた高圧洗浄機の選び方を、実際の使用シーンで実証実験。とくとご覧あれ！　

圧力だけでがんこな汚れは本当に落ちるの？

ケルヒャーの洗浄機というものがある。テレビなどでよく目にする黄色が眩しいデザインのあれだ。

水の力で汚れたガレージの床や建物の外壁を生まれたてのようにきれいにしてくれる。たとえ自分の家がそのような状況でなくても、落ちていく様子が気持ちよくてつい見てしまう。

私はそのようなテレビや動画をよく見ている。という話を当サイトの編集部にしていたら、知り合いのマンションでぜひやってみますか、とお話をいただいた。嬉しいことだ。ただ実際にマンションに行き、汚れを見ると、これ本当に落ちるの？　と心配になる。

試しに触ってみるとやはり「これ落ちるんですか？」と誰かに聞きたくなる。落ちると思えないのだ。なんか硬いし。実際に簡単に落ちないし、落ちるとしても手間がかかるから、このような汚れをよく見かけるのだと思うけれど。

いきなり心強い言葉をもらった。落ちますか？　とまだ聞いていないのに、汚れを見た瞬間に「落ちます！」と言った。頼もしい。本田さんはケルヒャーで製品担当をしている方だ。そんな方が言うなら落ちるのだ。

先の「落ちます」と同じくらいのテンションで、高校の志望動機みたいなことを言っているけれど、入社試験に受かったケルヒャーの本田さんが落ちると言っているので、落ちるのだ。脳トレみたいなやり取りだ。受かったのに落ちるとか。早速汚れを落としていこう。

水道の約40倍の圧力ってどのくらいすごいの？

問題となるのはまずケルヒャーのどの洗浄機を使うか、だ。ケルヒャーには家庭用だけでもいくつもの商品があるのだ。

用途や使い勝手が異なるK MINI とOC 3 Foldableの2つのモデルを使って、それぞれの特徴や違いを詳しく比較してみた。ガレージやベランダ掃除などの場面でどちらが最適なのか!?

K MINIは名前からもわかるようにコンパクトで収納をしやすいのがポイント。マンションや都市部の戸建てに向いている商品となる。もっと上位の機種、たとえば「K3サイレントプラス」などは、洗浄力はアップするけれど、その分大きくなるので、K MINIで十分とのことだ。

40倍だ。もちろん水の圧力はノズルで調整できるので最大で40倍ということ。なんだか40倍と言われるとすごい気がする。ガンダムの赤い彗星ことシャアは通常の3倍のスピードで周りを圧倒する。でもK MINIは40倍。シャアの10倍以上すごいのだ。

立場が逆のようなやり取り。新商品を企画する本田さんなので、さらに高みを目指しているのかもしれない。全然ラクだと思う。実際にラクだったし。いよいよ汚れを落とす。

私のキラキラとした多くの人が抱きしめたくなる愛らしい笑顔でわかると思うけれど、笑っちゃうほど汚れが落ちた。動画で見たことがいま現実として私の曇りなき眼に映っている。めちゃくちゃ興奮した。本当に嘘みたいに落ちるんだと。夢を見ているみたいだった。

初めて使う私でも簡単に汚れが落ちた。また水圧がすごいのでキックバック的なものがあると思っていたら、あまりない。ノズルの形から両手で持ったほうがカッコいい気がして、両手で持っているけれど、片手でも問題ない。扱いやすいのだ。

コツがあるとすれ ばいま本田さんが教えてくれたことくらいだろうか。ケルヒャーの高圧洗浄機は扇状に噴射するので、水圧は端から端まで同じ圧力がかかる。範囲と水圧のベストバランスがこの距離なのだ。

先端にブラシがついているけれど、こするためのものではない。洗浄面と高圧水を出すノズルとの距離を一定に保ってムラなく掃除し、加えて水はねも防ぐものだ。また長いので体勢もラクになる。さらに水が2箇所から出るので、一度に洗える範囲が広くなるのでより効率的だ。

いまは駐車場を洗浄しているが砂の汚れが多い。これくらいなら嘘みたいに落ちる。正直に書けば「落ちない汚れもある。錆や色素などです」 と本田さんは教えてくれた。ただ今回の汚れは文句なしに落ちた。きれいになるという喜びもあるけれど、落ちすぎて楽しいという感想が先に来る。掃除なのに楽しいのだ。

壁は苔や砂の汚れなので、水圧で簡単に落ちてしまう。楽しいを通り越して、気持ちがいいという感想を持った。掃除が終わると心地よい疲れだった。

OC 3 Foldableの登場

マンションの駐車場はきれいになった。ただ掃除したい箇所はまだある。ベランダだ。やはり雨風にさらされる場所はどうしても汚れるのだ。床もそうだし、窓もそうだ。窓は雑巾などを使って掃除するけれど、すぐに雑巾が黒くなり時間がかかる。何かよい方法はないかと思うわけだ。

じゃ、K MINIでいいじゃんと思うかもしれない。しかし、このマンションのベランダは狭いのだ。K MINIはMINIだけれど、コードやホースもあるので、このベランダでは邪魔になることが容易に想像できる。どうしたものか。

本田さんはこの「OC 3 Foldable」をプライベートでも愛用しており、先の「K MINI」よりも溺愛していた。饒舌というか、とても熱く教えてくれた。

OC 3 Foldableの素晴らしさは伝わった気がする。その通りでめちゃくちゃ小さくなるし、畳んでいる状態のときはノズルなどもバケツ内に収納できる。スペースを取らないのだ。我々の人生では高圧洗浄機を持っていても、使わない時間のほうが圧倒的に長いので、コンパクトなことはありがたい。一般家庭で四六時中高圧洗浄機を使う場面は浮かばないからね。

ただこの商品、高圧洗浄機というカテゴリーではない。モバイルクリーナーという扱いだ。水圧は水道の約2倍という感じで、先の「K MINI」の30倍と比べると弱い。ただ水圧以上に人を熱くする魅力があるようだ。コンパクトだったり、どこでも使えたりなど。その結果が本田さんのあの熱量だ。

確かにベランダの床はそこまできれいにならなかった。それでもコケなどは落ちている。

OC 3 Foldableは使うまでもラクだからこまめに掃除をすればいいようだ。念のために言っておくと、この汚れは雨樋からの色素が含まれているようで、そもそも高圧洗浄機だけでは難しい汚れでもある。K MINIも使ってみたけれど、先の駐車場ほど落ちなかった。

むしろK MINIはこの狭いベランダでは動きが制限されて不便だった。ケルヒャーの高圧洗浄機を選ぶ際のひとつの目安は、どこで一番使う可能性があるか、ではないだろうか。オーバースペックがすべてをカバーできるわけではない。狭いところではどうしたって邪魔なのだ。

窓ガラスがとにかく汚かった。そこでOC 3 Foldableを使い掃除した。これがまた楽しい。業者でもない限り窓ガラスに水を勢いよく当てて掃除するのは難しいけれど、OC 3 Foldableならできるのだ。網戸なども取り外すことなく洗うことができる。OC 3 Foldableの機動力のおかげだ。

ちなみにOC 3 Foldableにはオプションでシャワーに使えるノズルも販売されている。海水浴や散歩後の犬の手足を洗うのに使える。ただ、シャワーノズルがなくても、ノズルの距離を離せばシャワーとして使って問題ないそうだ。掃除の最後はやはり自分を掃除するべきだろう。

水圧が私の好みだ。一般のお風呂にあるシャワーの水圧では物足りない派なのだ。それがこのOC 3 Foldableでは満たしてくれる。めちゃくちゃ気持ちがいい。私が浄化されていく。すべての汚れが落ちた気がする。マンションもきれになり、私もきれいになる。ケルヒャーの洗浄機、隙がない。

もはやエンターテイメント！

ケルヒャーの洗浄機を使った。嘘みたいに汚れが落ちた。動画で見ていたのは本当だったのだ。また汚れの中でも落ちないものも教えてくれたので、嬉しかった。

あと本田さんが、日本は大掃除というのが年末にあるけれど、水を使うと寒いから、冬の大掃除以外の時期にも広めたい、と言っていた。それはそうかも。ケルヒャーの高圧洗浄機は楽しいのだ。もはやエンターテイメントの域に達している。楽しくて気持ちよくて、私の目はずっとキラキラしていた。