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FUJIFILM X-T50

2024/08/08
FUJIFILM X-T50

X-T5を彷彿とさせるクラシカルなボディデザインに約4020万画素の最新鋭「X-Trans CMOS 5 HRセンサー」を搭載したX-T50が登場しました。前機種X-T30も非常に人気のあったミラーレスですが、ボディの角が取れて丸みを帯びたコンパクトなボディは438gと軽量で手によく馴染みます。最新鋭のセンサーシフト方式5軸補正の手ブレ補正も装備され、X-T5と並ぶハイスペックなコンパクトミラーレス一眼として生まれ変わりました。

改良されたエルゴノミクスデザインはホールディングだけでなく、携行しているだけでも楽しくなる愛くるしいカメラです。軽快な撮影を楽しみながら性能や使用感を試してみました。

角張ったシャープなボディの前機種(X-T30)に比べて角が取れてホールディング感がさらに快適になりました。丸みのあるボディは手の当たりが柔らかく感じます。改良されたエルゴノミクスとわずか438gのコンパクトなボディは手の小さい女性にも使いやすいことでしょう。

まずは自宅周辺をフォトウォークして、ファーストインプレッションです。

新しく搭載されたフィルムシミュレーション「REALA ACE/リアラ エース」をチョイスしてみました。メリハリの効いた階調で立体的な描写が得られるのですが、つぼみのハナショウブが立体的に浮き上がり発色も鮮やかで美しい。さすがXシリーズのカメラに納得させられました。

  • カメラ:FUJIFILM X-T50
  • レンズ:XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR
  • 絞り値:f/4
  • 露出時間:1/1800秒
  • ISO:125
  • 露出補正:±0ステップ
  • 露出モード:絞り優先

逆光で撮影したので背後に写る空の青さは薄れていますが、5月の薫風に揺らめく竹藪の青々とした美しさが画全体に満ちています。小さいボディにX-T5と同じ第五世代「X-Trans CMOS 5 HRセンサー」と「X-Processor 5」を搭載、4020万画素の解像力で竹の葉一枚一枚を実に細かく写し出します。モニターチェックしながらこれほどコンパクトなボディから本格的な描写力が発揮される実力に、人だけでなくカメラも見かけによらずに判断しなければ、と唸ってしまいました。

  • カメラ:FUJIFILM X-T50
  • レンズ:XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR
  • 絞り値:f/5.6
  • 露出時間:1/500秒
  • ISO:200
  • 露出補正:+0.3ステップ
  • 露出モード:プログラムオート

X-T50に装着した「XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR 」はX-T50と同日発売されたFUJIFILM純正の標準ズームです。4000万画素に十分対応する解像力を持ちながらすこぶるコンパクト(240g)にまとまっていて、X-T50に装着しても総重量は700g未満です。お散歩カメラとして最強の組み合わせではないでしょうか。

橋の上から川面に浮かぶ水生植物の葉を写してみると、先ほどの竹藪と同じく細微感に満ちた描写力で一枚一枚の葉をくっきり分離して写し出しました。目が痛くなるような細かく並んだ葉の細微な描写はフルサイズに匹敵するのではと感じました。

  • カメラ:FUJIFILM X-T50
  • レンズ:XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR
  • 絞り値:f/5.6
  • 露出時間:1/1000秒
  • ISO:64
  • 露出補正:-1ステップ
  • 露出モード:プログラムオート

35mm判換算でハーフマクロ相当の近接性能を持っているので、被写体に接近して存在感を強調する構図を狙ってみました。逆光で撮影したシラコバト像はにじむことなくシャープな輪郭で描写されています。

軽量コンパクトで丸みを帯びたボディは撮影でのハンドリングが快適で、カメラを携行している意識を忘れてしまうほど持ち運びが楽でした。

  • カメラ:FUJIFILM X-T50
  • レンズ:XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR
  • 絞り値:f/5.6
  • 露出時間:1/800秒
  • ISO:125
  • 露出補正:-1ステップ
  • 露出モード:プログラムオート

日をあらためて都内での作例撮影です。

歴史ある萬年橋のアーチの渋さを写してみようと橋のアーチに接近しながら、背面液晶の使い勝手をチェックしてみました。約184ドットに進化したTFTカラー液晶モニターは写真撮影に最適なチルト式が採用されていて、モニター映像はコントラストのバランスが良く明るい屋外でもモニター像を容易に確認できました。

葛飾北斎の富嶽三十六景にも描かれた萬年橋も時代を重ねて形が変化して、現在では頑丈な鉄橋になりました。昭和5年に架けられた力強く堅牢な鉄橋の雰囲気をカメラに納めようとクラシッククロームを選択。低彩度で発色が抑えられ、ペイントされた「橋」の塗料にヒビがたくさん入っている様子が渋いトーンで写し出されました。

  • カメラ:FUJIFILM X-T50
  • レンズ:XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR
  • 絞り値:f/22
  • 露出時間:1/52秒
  • ISO:100
  • 露出補正:-0.3ステップ
  • 露出モード:プログラムオート

萬年橋の近くには同じ鉄橋の清洲橋が架かっています。萬年橋のたもとから眺める清洲橋が一番美しいことを知り、萬年橋と清洲橋がうまく重なる場所を探してみました。

ああでもないこうでもない、と心のなかでつぶやきながら構図を探したのですが、こういうときは軽い機材がなにより最適だと実感しました。

  • カメラ:FUJIFILM X-T50
  • レンズ:XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR
  • 絞り値:f/14
  • 露出時間:1/120秒
  • ISO:100
  • 露出補正:-1ステップ
  • 露出モード:プログラムオート

清洲橋でも背面モニターを使ったローアングルでの撮影を試みました。チルト式の背面モニターは光軸がレンズと一致するので、静止画像の撮影ではバリアングルよりも使いやすいです。

  • カメラ:FUJIFILM X-T50
  • レンズ:XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR
  • 絞り値:f/20
  • 露出時間:1/58秒
  • ISO:64
  • 露出補正:-0.3ステップ
  • 露出モード:プログラムオート

アマリリスが植えられた花壇内に入るわけにはいかないので、外側からカメラだけを花に近づけて背面モニターで構図を決めました。

ここではフィルムシミュレーション「PROVIA/プロビア」を選択。あいにく天候は薄曇りで色のコントラストが低めになりましたが、さすがフジの発色、美しいはなびらを色鮮やかに写し出しました。

  • カメラ:FUJIFILM X-T50
  • レンズ:XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR
  • 絞り値:f/9
  • 露出時間:1/250秒
  • ISO:200
  • 露出補正:±0ステップ
  • 露出モード:シャッター優先
  • カメラ:FUJIFILM X-T50
  • レンズ:XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR
  • 絞り値:f/4.5
  • 露出時間:1/200秒
  • ISO:64
  • 露出補正:-0.7ステップ
  • 露出モード:プログラムオート

都会の無機質な雰囲気を出したくてフィルムシミュレーション「ACROS/アクロス」をチョイス。背面モニターを引き出して地面すれすれにカメラを構えながら構図を決めてみました。チルト式の背面モニターはローアングル撮影が一番威力を発揮します。

  • カメラ:FUJIFILM X-T50
  • レンズ:XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR
  • 絞り値:f/6.4
  • 露出時間:1/300秒
  • ISO:400
  • 露出補正:-1.3ステップ
  • 露出モード:プログラムオート

上位機種に匹敵する最大7段のボディ内手ブレ補正機構を備えています。1/15秒のスローシャッターで防音壁のアクリル板を通る車をショット。走り過ぎる車は大きく流れていますがアクリル板強化のために横に入っているワイヤーはブレることなく真っすぐです。1/15秒程度ではビクともしません。

  • カメラ:FUJIFILM X-T50
  • レンズ:XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR
  • 絞り値:f/22
  • 露出時間:1/15秒
  • ISO:200
  • 露出補正:-0.7ステップ
  • 露出モード:シャッター優先

FUJIFILMのXシリーズを持っている方なら、この雰囲気をカメラに収めるにはどのフィルムシミュレーションが最適だろう、と考えたことがあるはずです。自分のイメージに近づけるようにフィルムシミュレーションを選択することがフジのXシリーズ最大の楽しみではないでしょうか。

フィルムライクな色味をデジタルで再現するフィルムシミュレーションはプロカメラマンも魅了します。X -T50は軍艦部左側にフィルムシミュレーションダイヤルが搭載され、クルっと回せば20種類にわたるモードの中から自分のイメージにあうモードを瞬時に選択できます。直感の赴くままダイヤルを回すことも撮影の楽しみの一つになるかもしれません。

ランチタイムを終え一時の休息を迎えたカフェの裏。ダイヤルをくるりと回して「Nostalgic Neg/ノスタルジックネガ」をチョイスしました。

  • カメラ:FUJIFILM X-T50
  • レンズ:XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR
  • 絞り値:f/5.6
  • 露出時間:1/180秒
  • ISO:200
  • 露出補正:-0.7ステップ
  • 露出モード:プログラムオート

こちらもフィルムシミュレーション「Nostalgic Neg/ノスタルジックネガ」をチョイス。写真家ソールライターの作品のようなカットを狙ってみました。

  • カメラ:FUJIFILM X-T50
  • レンズ:XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR
  • 絞り値:f/5.6
  • 露出時間:1/110秒
  • ISO:250
  • 露出補正:-1ステップ
  • 露出モード:プログラムオート
  • カメラ:FUJIFILM X-T50
  • レンズ:XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR
  • 絞り値:f/5.6
  • 露出時間:1/300秒
  • ISO:200
  • 露出補正:-1ステップ
  • 露出モード:プログラムオート
  • カメラ:FUJIFILM X-T50
  • レンズ:XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR
  • 絞り値:f/4.5
  • 露出時間:1/125秒
  • ISO:160
  • 露出補正:-1ステップ
  • 露出モード:プログラムオート
  • カメラ:FUJIFILM X-T50
  • レンズ:XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR
  • 絞り値:f/5.6
  • 露出時間:1/750秒
  • ISO:125
  • 露出補正:-1ステップ
  • 露出モード:プログラムオート

ノスタルジックな雰囲気に満ちた場所、渋いストーリー性を感じる光景、鮮やかな色彩、ファンタジーな空間…。様々なシーンに遭遇して頭に浮んだインスピレーションを画にするためフィルムシミュレーションダイヤルを回すだけで絵心が刺激され、イメージを膨らませながらシャッターを押す瞬間のなんと楽しいことでしょう。ハンドリングに優れた小さなボディに豊かな写真表現力をアシストする機能が満載されたX-T50。可愛らしいコンパクトなボディは肩ひじを張らずリラックスして撮影が楽しめる相棒になってくれることは間違いなさそうです。

  • カメラ:FUJIFILM X-T50
  • レンズ:XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR
  • 絞り値:f/6.4
  • 露出時間:1/1400秒
  • ISO:125
  • 露出補正:-1ステップ
  • 露出モード:プログラムオート
 
この記事で紹介した商品
FUJIFILM X-T5 XF16-50mmレンズキット
FUJIFILM X-T5 XF16-50mmレンズキット
Xシリーズの原点である「小型・軽量・高画質」に拘り、写真を最優先に設計された、新世代センサーの細部まで捉える圧倒的解像感
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BicPhotoStyle(過去の記事)
BicPhotoStyle(過去の記事)
2024年1月までにビックカメラ.comで掲載された記事はこちらをご覧ください

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