ビックな仲間たち

「写真は思い出としてずっと残せる」今すぐ撮りに行きたくなる工藤雄介さんの深いい話

2024/08/13
「写真は思い出としてずっと残せる」今すぐ撮りに行きたくなる工藤雄介さんの深いい話

ビックカメラの名物販売員に話を聞く連載企画「ビックな仲間たち」。第三弾 はビックカメラ唯一の【※】カメラシニアマイスター、大宮西口そごう店の工藤雄介さんです。カメラを始めたきっかけやオススメのカメラなどについてお話を伺いました。【※】2024年8月時点

目次

    フォトコンテスト最優秀賞受賞でカメラの道に

    ──今日はよろしくお願いします。工藤さんはいつ入社されたのでしょうか。

    2008年2月になります。中途入社でして、それまでは工場で働いていました。

    ──なぜビックカメラに入社されたのでしょうか。

    前職のときに、テーマパークのフォトコンテストに応募したんです。その写真はカメラに興味がなく、いわゆる普通のコンデジで撮影したときの写真だったのですが、我ながらよく撮れたなと思って応募したんですよね(笑)。
    そこで最優秀賞をいただきまして。そのとき「もしかしたら、カメラの才能があるんじゃないのか?」と思って(笑)、デジタル一眼レフを購入しました。

    当時、前職を辞めようと考えていたタイミングだったので、カメラが好きになりかけていたということもあり、ビックカメラがいいかなと思って入社しました。

    大宮西口そごう店の工藤雄介さん

    ──カメラが好きになりそうだから、ビックカメラを希望したと。もちろんカメラ売場 を希望したわけですよね。

    はい。面接時に自分で撮影した写真を持っていきました。面接の担当者には爆笑されましたけどね(笑)。こんな人いないって。

    ──写真を撮る道ではなくて、販売員の道を選んだのはなぜですか?

    カメラが自由に使えそうだなという単純な動機でした。

    “写真の達人”とよばれる最上位の資格 フォトマスターEX(エキスパート)保有!

    ──入社後、ずっとカメラ売場を担当されてきて、現在はシニアマイスターということですが、シニアマイスターになるにあたって必要な資格はあるのでしょうか。

    工藤さんはフォトマスターEXを取得している。

    フォトマスター準1級が必要です。フォトマスター準1級は、シャッター速度や絞り値、ストロボのガイドナンバーといったカメラの基本的な知識はもちろん、フィルムについてやレタッチなど、幅広い知識が必要となります。

    じつは、“写真の達人”とよばれる最上位の資格 フォトマスターEX(エキスパート)【※】を持っています。シニアマイスターの上のクラスに当たるエグゼクティブマイスターを受けるためには必要なので。
    【※】「写真・カメラ全般にわたる高度な実用知識を有する者」を1級に認定し、 1級合格者に限定して受験申請が可能となる資格。

    ──フォトマスターEXはかなり難しそうですね。

    1級までは筆記試験だけなのですが、EXは写真の講演会の講師経験やフォトコンテストの入賞経歴といった、写真に関する経歴が必要なんです。私はフォトコンテストの最優秀賞を獲ったという経歴と、ビックカメラでの販売員の経歴をアピールしました。

    そのほかに作品の提出と、小論文があります。筆記試験ではないので、結構大変でしたね。

    キヤノンのミラーレス一眼と望遠ズームで飛行機撮影

    ──大宮西口そごう店のカメラ売場 では、工藤さんが撮影した飛行機の写真が多く展示されています。飛行機に興味を持ったきっかけは?

    カメラ売場には、工藤さんが撮影した飛行機の写真が展示されているコーナーがある。

    もともと 旅行が好きだったんです。旅行に行くときに飛行機に乗るじゃないですか。それで飛行機が好きになって。あとは、空の青が好きで。飛行機が青い空に映えるなと思って撮り始めたら、ハマってしまいました。

    ──それは、デジタル一眼レフを買ってすぐの話ですか?

    そうですね。エントリークラスのデジタル一眼レフと高倍率ズームで撮っていました。

    ──現在の使用カメラについて教えてください。

    キヤノンの「EOS R3」です。もともと キヤノンのフラッグシップデジタル一眼レフを使っていたのですが、ミラーレス一眼も性能が上がってきたなと思っていたときに、R3が発売されて。縦位置グリップも一体化されていて使いやすそうだなと思って、R3を選びました。

    ──デジタル一眼レフからR3に乗り換えていかがですか?

    画質がよくなって、AF(オートフォーカス)も連写も各段によくなっていて。飛行機などの動くものを撮るのに最適なカメラですね。

    ──メインで使っているレンズは?

    「RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM」です。500mmだと飛行機を撮るのにちょっと望遠側が足りないこともあるので、「エクステンダー RF1.4×」も合わせて使っています。これで700mm相当までカバーできます。

    あとは、「RF24-70mm F2.8 L IS USM」、「RF70-200mm F2.8 L IS USM」なども使っています。

    大宮西口そごう店のカメラ売場は季節ごとに変化する

    ──大宮西口そごう店のカメラ売場は写真の展示が多くて、かなり本格的だなと感じました。これはいつから始められたのでしょうか。

    キャンペーンなど季節によって変わるカメラ売場(2024年6月20日現在撮影)
    大宮西口そごう店のカメラ売場は、工藤さんの撮影した写真が展示されている。POPも工藤さんの手作り。季節ごとに展示が変わるほか、空港ごとにまとめられた小冊子も置かれている。

    入社した当初、会社で「一日一改善」ということをやっていました。当時の上長が「今日変えられるところある?」ということを聞いてくれるので、POPを考えたり売場展開を考えたりということを毎日のようにやっていたので、その積み重ねですね。
    いまは、いろいろなテーマを決めて展示しています。秋になったら紅葉スポットの写真を展示したり、自分の趣味の飛行機の写真を展示したり。ビックカメラは、売場の担当者が自由にレイアウトをしていいので、本当に自由にやっています。

    この前、沖縄に行って写真を撮ってきたので、今度は「沖縄で海と飛行機をキレイに撮れるよ」コーナーを作ろうと思っています。

    ──最近行かれた場所で印象的だったところはありますか?

    カリブ海にあるセント・マーチン島のプリンセス・ジュリアナ国際空港です。ここは「世界一危険な空港」としてテレビでも紹介されるくらい有名な空港です。ビーチのそばに空港があるので、飛行機がとても大きく見られるんです。その代わり、とても風圧が強くて、砂浜の砂が当たって痛いんですよ(笑)。数年に1回くらいはけが人などが出ることもあるので、かなり用心して行きました。

    セント・マーチン島のビーチから撮った飛行機(工藤さん撮影)
    セント・マーチン島のプリンセス・ジュリアナ国際空港から離陸する飛行機(工藤さん撮影)

    シニアマイスターがオススメするカメラ

    ──工藤さんオススメのカメラを教えてください。

    キヤノン EOS R6 Mark II・RF24-105 IS STM レンズキット

    このカメラは、AFの追従性が高く、高感度撮影時もノイズがかなり軽減されているので、室内での撮影でも安心して使えます。学芸会などのお子さまの行事や、体育館でのスポーツ撮影にも対応できます。テーマパークでの撮影や、飛行機の撮影にも十分使えますよ。

    キットレンズの望遠側が105mmまでなので、ちょっと足りないなと感じたら、「RF100-400mm F5.6-8 IS USM」などを追加されるといいと思います。

    ソニー α7C II

    小型軽量のフルサイズミラーレス一眼なので、APS-Cからフルサイズに移行したいという方にピッタリです。EVFもあるので、ファインダーを覗いて撮影したいという方にもいいですね。

    ソニーのミラーレス一眼は、シグマやタムロンといったサードパーティ製のレンズが豊富にあるので、レンズが選びやすいという点でもオススメです。ちょっと純正レンズが高いなというときも、サードパーティ製ならばお手頃な価格で購入できます。

    ソニー VLOGCAM ZV-E10 II パワーズームレンズキット

    こちらは、写真も動画もこれ1台で撮れるというのがいいですね。標準ズームレンズの「E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS II 」が同梱するセットがありますが、電動ズームとなっているので、動画撮影時にレンズの駆動音がしません。また、ボディのレバーでズーム操作ができたり、別売りのグリップ「GP-VPT2BT」を取り付ければ、グリップからもズーム操作ができたりします。ファミリー層に人気がありますね。

    ニコン Z f

    メカニカルなデザインで人気だった「Z fc」のフルサイズ版ともいえるモデルがこちらです。やはり、デザインを気に入って購入される方が多くいます。オプションで革張りのカラーリングが変えられるので、自分なりにカスタマイズできる点もいいですよね。

    写真は思い出をずっと残しておける

    ──工藤さんは、写真の楽しさや魅力はどんなところにあると思いますか?

    写真は、唯一時を止めることができるんです。記憶は消えてしまうかもしれませんが、写真にすれば残ります。そういう大切な思い出をずっと残しておきたいという気持ちがありますし、それが写真の魅力なのではと思っています。

    ──いまはスマートフォンでも手軽に撮影できる時代になりましたが、カメラで撮影することとの違いはどんなところにあるのでしょうか。

    スマホでの撮影は、記録だと思うんです。スマホのおかげで写真は身近なものになったと思いますが、その中でさらに記憶に残るよい写真を残したいと思ったら、カメラで撮影するのではないでしょうか。

    やはり、スマホで暗いところを撮影するとノイズが多くてザラザラした写真になりがちです。それをキレイに撮りたいと思い始めたら、カメラの出番ですね。スマホでは撮れないキレイな写真を撮れるのが、カメラのアドバンテージだと思います。

    最近では、スマホとカメラを分けたいというお客さまも増えています。旅行のときなどは、スマホで撮影をしているとバッテリーの持ちが心配になったりするので、別々にするという方もいますね。

    「何を撮りたいか」と「予算」を明確に

    ──カメラ選びは難しいと思いますが、どんなところを意識したらいいのでしょうか。

    「何を撮りたいか」ではないでしょうか。お子さんだったり風景だったり、飛行機や星もそうです。撮りたいものによって、ある程度カメラに必要な機能が決まってくるので、機種が絞られてきます。

    また、予算も重要ですね。カメラは生活の必需品というわけではなく、嗜好品という傾向が強いので、そこにかけられる予算によっても、かなり絞られると思います。

    ──目的と予算を明確にすれば、ぴったりのカメラとレンズをオススメしやすいというわけですね。

    あとは実際に試してみることも重要ですね。特にレンズは同じ焦点距離でもエントリークラスからハイエンドまであります。実際に売場で試していただいて、満足できるものを選んでいただくというのも必要だと思います。

    印象に残っているのは、女性から「サバンナで野性動物を撮りたい」とご相談されたことですね。お話を聞くと、大学の卒業制作で野性動物を撮影しにいきたいということでした。もちろんカメラ初心者です。

    ──いきなりものすごい撮影をしようとしていますね。

    サバンナでの撮影ということで、防塵仕様のカメラと望遠レンズが必要ですよね。そのときはペンタックスのK-1というデジタル一眼レフと600mmまでの望遠ズームレンズをご紹介して、その場で購入されました。大変喜んでおられたのを覚えています。

    ──行動力がすごいですね。

    やはり、そういうお客さまが来られるとこちらも気合が入りますね(笑)。

    いつでもカメラを持ち歩こう

    ──カメラを買っても、飽きてしまって撮影しなくなるという人もいるかと思います。撮影を長く楽しむコツというのはあるのでしょうか。

    写真には失敗がないと思っています。なので、「私は下手だから撮らない」ではなく、いつでもカメラを持ち歩いて、何かしら撮るということが続けるコツではないでしょうか。

    あとは、誰かに見せることも重要です。写真に詳しい人でなくても、家族や友だちに見せて「この写真いいね」と言われたら、やはり気分がよくなって、写真を撮る意欲も増すと思います。

    ビックカメラで一番カメラに詳しい人になりたい

    ──工藤さんの今後の展望をお聞かせください。

    社内的なことでは、ビックカメラで一番カメラに詳しい人になりたいですね。あとはエグゼクティブマイスターの試験に向けて、日々カメラと写真の勉強をしていくことでしょうか。

    個人的な話では、先ほどのプリンセス・ジュリアナ国際空港に行くことが最大の夢だったんです。それが叶ってしまったので、次の目標を見つけないといけませんね(笑)。

     
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    Profile
    工藤雄介
    カメラコーナー シニアマイスター フォトマスターEX
    工藤雄介
    2008年ビックカメラ入社。入社よりカメラコーナーに所属し、2020年から大宮西口そごう店にて勤務。
    三浦一紀
    三浦一紀
    フリーランスライター。デジタルガジェット系からエンタメ、ビジネス系まで幅広く取材・執筆・撮影などを行っている雑食性。デジタル系を扱うことが多いからか、アコースティックギターやフィルムカメラなどのアナログなものも好き。
    ボス(わらべカンパニー)
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    ボス(わらべカンパニー)
    広告・雑誌・Web・動画等を中心に活動。2022年 わらべカンパニーを設立し、わらべ写真館を運営し始め『写真』=『記録』=『残す』の概念を目指し始める。わらべカンパニー
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