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タムロン28-300mm F/4-7.1 Di III VC VXD

2024/12/17
タムロン28-300mm F/4-7.1 Di III VC VXD

28mmから300mmまで幅広い画角をカバーする10.7倍の高倍率ズームレンズなので、たいていの撮影はレンズ交換することなくこの1本だけで間に合ってしまう、実に利便性の高いレンズです。高倍率なのに手の中にすっぽり収まるほどコンパクトなサイズなので旅行やフォトウォークなどでとても重宝しそうです。

レンズ一本を携えた軽快な撮影でレンズの性能を確かめてみました。

地元で2年ぶりの秋祭りが行われたのでさっそくこのレンズで撮影に出かけてみました。28mmから300mmまで網羅していると、引いてよし、アップもよし、どのようなシーンでもシャッターチャンスをものにできる確率が格段に高まります。少し離れた位置から見物しようと混雑する観客の合間を縫うように望遠端の300mmで檀上の舞を撮ってみました。離れた位置からでも手軽にアップの写真が撮れたので、高倍率ズームの使い勝手を実感できました。

  • カメラ:SONY α 7RV
  • レンズ:タムロン28-300mm F/4-7.1 Di III VC VXD
  • 絞り値:f/7.1
  • 露出時間:1/500秒
  • ISO:100
  • 露出補正:±0ステップ
  • 露出モード:シャッター優先

広角端28mmは最短撮影距離が0.19mのワイドマクロ撮影が可能なので太鼓にできる限り接近してみました。太鼓の皮に塗り込まれたきらびやかな巴の紋が鮮やかに写し出され、皮の表面の凸凹したシボ感もばっちり描写されています。広角でマクロ撮影できると接近した被写体の背景も写り込むので、雰囲気が画面から伝わってくるのが魅力ですね。

  • カメラ:SONY α 7RV
  • レンズ:タムロン28-300mm F/4-7.1 Di III VC VXD
  • 絞り値:f/5
  • 露出時間:1/640秒
  • ISO:100
  • 露出補正:-0.3ステップ
  • 露出モード:シャッター優先

祭りのクライマックスで曳かれる山車の上に鎮座するお面をかぶった人形を望遠端300mmでクローズアップしてみました。人形の髪の毛の質感、お面やその下から見える人形の質感などが高い解像力で写し出されています。高倍率ズームの望遠端でこれだけ優れた描写性能が発揮されれば、いうことなしです。

  • カメラ:SONY α 7RV
  • レンズ:タムロン28-300mm F/4-7.1 Di III VC VXD
  • 絞り値:f/7.1
  • 露出時間:1/640秒
  • ISO:800
  • 露出補正:±0ステップ
  • 露出モード:シャッター優先

300mmの圧縮効果を活かして幟(のぼり)が重なり合うように撮ってみました。実際には3本の幟は等間隔で立てられていて重なり合ってはいませんが、圧縮効果で一つにまとまったように写っています。手軽に望遠の圧縮効果を楽しめるのも高倍率ズームの面白いところです。

  • カメラ:SONY α 7RV
  • レンズ:タムロン28-300mm F/4-7.1 Di III VC VXD
  • 絞り値:f/7.1
  • 露出時間:1/250秒
  • ISO:320
  • 露出補正:-0.7ステップ
  • 露出モード:絞り優先
  • カメラ:SONY α 7RV
  • レンズ:タムロン28-300mm F/4-7.1 Di III VC VXD
  • 絞り値:f/7.1
  • 露出時間:1/320秒
  • ISO:100
  • 露出補正:-1ステップ
  • 露出モード:絞り優先

軽量コンパクトなサイズ感は手持ちで手軽に望遠撮影が楽しめます。望遠側にズーミングすると手振れが気になるところですが、このレンズにはタムロン独自の手振れ補正機構が搭載されています。実際に望遠端で使用しているときに手振れ補正が十分効いていることがファインダーを通して感じることができ、三脚を使用しない手持ち撮影で安定した撮影を楽しめると実感します。神社の境内に飾られた秋祭りの提灯を圧縮効果で密集するように写してみましたが、300mm・1/60秒の手持ち撮影でもブレることなくカメラに収めることができました。

  • カメラ:SONY α 7RV
  • レンズ:タムロン28-300mm F/4-7.1 Di III VC VXD
  • 絞り値:f/7.1
  • 露出時間:1/60秒
  • ISO:320
  • 露出補正:-0.3ステップ
  • 露出モード:絞り優先

望遠でアップに撮ろうと構えるとプレジャーボートが前方の川面を通過することに気づき、一瞬で28mmに引いて背景とともに写すことができました。
望遠域で撮影中に広角向きのシーンに遭遇したとき、ズーミング操作で300mmから瞬時に28mmの広角端まで切り替えられ使い勝手の良さは、一度体験するともう“やめられない”です。

  • カメラ:SONY α 7RV
  • レンズ:タムロン28-300mm F/4-7.1 Di III VC VXD
  • 絞り値:f/10
  • 露出時間:1/250秒
  • ISO:100
  • 露出補正:±0ステップ
  • 露出モード:絞り優先

高倍率ズームとはいえ発色も申し分ありません。

  • カメラ:SONY α 7RV
  • レンズ:タムロン28-300mm F/4-7.1 Di III VC VXD
  • 絞り値:f/6.3
  • 露出時間:1/80秒
  • ISO:320
  • 露出補正:-0,3ステップ
  • 露出モード:絞り優先

高倍率ズームはAF駆動が遅い、という先入観がありますが、このレンズはきびきびした動作で確実に焦点を合わせ、その後のフォーカス追従もスムーズです。AF駆動にタムロン独自のリニアモーターフォーカス機構VXDを搭載することでスピーディーなピント合わせが行えます。リニア駆動なので静寂性にも優れて動画撮影でも活躍できます。

  • カメラ:SONY α 7RV
  • レンズ:タムロン28-300mm F/4-7.1 Di III VC VXD
  • 絞り値:f/7.1
  • 露出時間:1/2000秒
  • ISO:500
  • 露出補正:-0.7ステップ
  • 露出モード:シャッター優先
  • カメラ:SONY α 7RV
  • レンズ:タムロン28-300mm F/4-7.1 Di III VC VXD
  • 絞り値:f/7.1
  • 露出時間:1/1600秒
  • ISO:160
  • 露出補正:-0.7ステップ
  • 露出モード:シャッター優先

風光明媚な観光地を訪れたとき、眼前に広がる美しい風景や重厚な歴史的建造物を目の前にして心奪われたとき、雰囲気も含めて画に写したくなります。28mmは極端に画面が歪曲するようなパースの影響を受けず、目で見た自然な雰囲気に近い描写で被写体を写し出せるので、旅行などに一番適した広角域ではないでしょうか。スマホで気軽に写真を撮れる時代ですが、やはり本格的なカメラとレンズで記録すると、後で見直したときに画像の厚みに圧倒され、カメラを持っていてよかったな、と感じます。

雄大なお城そのものだけでなく空まで入れて撮影すると、お城を見たときに感じる雰囲気までもが画像に写し込まれているように感じるのも広角のいいところです。

  • カメラ:SONY α 7RV
  • レンズ:タムロン28-300mm F/4-7.1 Di III VC VXD
  • 絞り値:f/10
  • 露出時間:1/250秒
  • ISO:100
  • 露出補正:+0.3ステップ
  • 露出モード:絞り優先

BIC-PS-TAMRON-28-300mm-img12.jpg

縦で手前の松の木が入るように写してみました。広角端の28mmは広角の中でもパースが穏やかなので、自然な雰囲気のまま広い範囲を写し出せます。

  • カメラ:SONY α 7RV
  • レンズ:タムロン28-300mm F/4-7.1 Di III VC VXD
  • 絞り値:f/10
  • 露出時間:1/250秒
  • ISO:100
  • 露出補正:+0.3ステップ
  • 露出モード:絞り優先

広角端と望遠端のちょうど中間ぐらいの描写力が一番高く、10.7倍高倍率ズームとは思えない素晴らしい描写力を発揮します。鉄門(くろがねもん)の扉に貼り付けられた鉄板に浮かび上がる赤さびやざらつきの質感を、単焦点並みの細微な描写力で写し出しています。

  • カメラ:SONY α 7RV
  • レンズ:タムロン28-300mm F/4-7.1 Di III VC VXD
  • 絞り値:f/7.1
  • 露出時間:1/30秒
  • ISO:100
  • 露出補正:-1.3ステップ
  • 露出モード:絞り優先

  • カメラ:SONY α 7RV
  • レンズ:タムロン28-300mm F/4-7.1 Di III VC VXD
  • 絞り値:f/10
  • 露出時間:1/125秒
  • ISO:200
  • 露出補正:-1ステップ
  • 露出モード:絞り優先

せっかくお城に来たので天守閣に登ってみました。最上段まで登るため何度も階段を上りますが、コンパクトな28-300mmから負担を感じることはありませんでした。

展望台に出ると相模湾も一望できて清々しい気持ちになります。海に浮かんでいる漁船が入るように300mmの望遠端で相模湾を写してみると、漁船や建物の輪郭が滲むことなくクリアでエッジが立ったシャープな描写力で捉えてくれました。高倍率ズームは望遠域の描写力が課題ですが、これだけ高画質で写すことができるので旅行での使い勝手は抜群です。

  • カメラ:SONY α 7RV
  • レンズ:タムロン28-300mm F/4-7.1 Di III VC VXD
  • 絞り値:f/8
  • 露出時間:1/1000秒
  • ISO:100
  • 露出補正:-0.7ステップ
  • 露出モード:絞り優先

天守閣から相模湾を眺めているうちに海まで行きたくなりました。歩いてもそう遠くない距離です。相模湾沿いを東西に走る西湘バイパスの下が防潮堤の役割を果たしていて、海岸に出るためにはトンネルを抜けて行かなくてはなりません。望遠でこのトンネルを引きつけるように写すと圧縮効果で異世界へ通じる通路のような不思議な雰囲気の写真が撮れました。望遠の圧縮効果による描写が気軽に楽しめるコンパクトなレンズは撮影の楽しみ方が幅広く楽しめます。

  • カメラ:SONY α 7RV
  • レンズ:タムロン28-300mm F/4-7.1 Di III VC VXD
  • 絞り値:f/6.3
  • 露出時間:1/1250秒
  • ISO:400
  • 露出補正:-2ステップ
  • 露出モード:シャッター優先
  • カメラ:SONY α 7RV
  • レンズ:タムロン28-300mm F/4-7.1 Di III VC VXD
  • 絞り値:f/8
  • 露出時間:1/1250秒
  • ISO:200
  • 露出補正:-0.7ステップ
  • 露出モード:シャッター優先

この日は穏やかな天候だったのですが、相模湾は波がやや荒めでした。近くで見ていると泳ぎの苦手な筆者は怖さを感じる時もありましたが、安全を確保しながら海岸にゴゴっと音を立てながら押し寄せる波を300mmでアップに、引いていく波を広角域で広く撮り分けしました。ほぼ同じ位置から1本のレンズで広角と望遠を使い分けできる便利なズームはどのような場面でも多彩な表現を楽します。カバンの中に収まるほどの大きさで10.7倍の広い焦点距離を楽しめるのですから、どのような場面でも撮影者のイメージした写真を撮る機材として携行していて頼もしく、大活躍することしょう。

  • カメラ:SONY α 7RV
  • レンズ:タムロン28-300mm F/4-7.1 Di III VC VXD
  • 絞り値:f/9
  • 露出時間:1/1250秒
  • ISO:200
  • 露出補正:-0.7ステップ
  • 露出モード:シャッター優先
 
この記事で紹介した商品
カメラレンズ 28-300mm F/4-7.1 Di III VC VXD(Model A074) [ソニーE /ズームレンズ]
カメラレンズ 28-300mm F/4-7.1 Di III VC VXD(Model A074) [ソニーE /ズームレンズ]
フルサイズミラーレス一眼カメラ対応の、ソニーEマウント用高倍率ズームレンズ。
ズーム倍率10.7倍ながらも、長さ126mm、質量610gを実現。描写性能も優れており、リニアモーターフォーカス機構VXDを搭載することで、ズーム全域ですばやいピント合わせが可能です。
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