おうちでも手軽にたこ焼きを楽しめる「家庭用たこ焼き器」。選ぶ際に気になるのが、ガス式か電気式かという加熱方式の違いです。高火力で一気に焼き上げられそうなのはガス式、というイメージがありますが、実際はどうなのでしょうか。
今回は、ガス式の人気モデルとして長年支持されてきた「炎たこII」と、2025年に登場した電気式モデル「たこ焼きマイスター」を焼き比べ。仕上がりはもちろん、作りやすさなどさまざまな観点からチェックし、それぞれの実力をレビューしていきます!
「ガス式の定番」と「電気式の新モデル」を比較!
「炎たこ」は、2009年の初代発売以降、「スーパー炎たこ」「炎たこII」と進化を重ねながら、ガス式の家庭用たこ焼き器として根強い人気を誇る定番モデル。ガスがあればどこでも使えることから、キャンプなどのアウトドアでも活躍してくれる一台です。
一方の「たこ焼きマイスター」は、2025年に登場したばかりの新モデル。ガスボンベが不要な電気式でありながら、「直火のような高火力」を謳う、いま注目の製品です。まずは、それぞれの基本スペックについておさらいしていきましょう。
加熱方式は異なりますが、プレートにはいずれも鉄の約3倍の熱伝導率を持つ「アルミダイカスト」を採用しています。フッ素樹脂加工も施されており、生地がこびりつきにくい仕様です。
注目すべきは、穴の数と大きさの違いです。たこ焼きマイスターは18穴と、炎たこIIより2つ少ないですが、そのぶん穴の直径が46mm(炎たこIIの約1.15倍)と大きめに設計されています。一度にたくさん作りたいか、それとも一つひとつの食べ応えを楽しみたいか。ここは好みによって選びたいポイントですね。
検証するポイント
関西出身の筆者としてはやはり、本場のような食感をしっかり再現できるのかが気になるポイント。
・外側はこんがりと焼けているか?
・中はトロッとした生地感が残っているか?
今回はこの2点を基準に焼き上がりを比較していきます。
重要になるのは、なんと言っても「火力」です。焦がさないよう注意しつつ、強火で豪快に焼き上げることで、外側と内側のコントラストを引き出していきます。
さらに、完成したたこ焼きの味の違いはもちろん、「@作りやすさ」「A焼き時間」「B焼きムラの有無」といった観点からも、それぞれの実力を検証していきます!
さっそく調理開始!
具材ですが、今回はあくまで比較検証のため、「タコ」「ネギ」「紅しょうが」と必要最低限のものを用意しました。
また、生地を流し込む前には、予熱も忘れずに行いましょう。
生地&具材を入れる際のポイント
予熱が完了したら、生地と具材を入れていくのですが、その手順はたこ焼き器によって少し異なるため、注意が必要です。
生地と具材を入れたあとは、生地が焼けてきたタイミングでひっくり返していくだけ。
基本的なたこ焼きの作り方は以上です。ここからは、実際に調理してみて感じた違いや特徴を順番に紹介していきます。
@作りやすさでは「たこ焼きマイスター」に軍配
たこ焼き作りで初心者がつまずきやすいポイントといえば、やはり最初にひっくり返すあの瞬間ではないでしょうか。
炎たこIIの調理風景。あふれた生地でできた膜に格子状の切り込みを入れ、それを少しずつ穴に巻き込みながら返していく工程は、慣れないうちはコツが求められる。
たこ焼きマイスターは、そのあたりがかなりシンプルです。穴が深く、そもそも生地をあふれさせない構造なので、竹串を刺して軽く持ち上げるだけでOK。すると綺麗にひっくり返ってくれるので、繊細な技術も必要ありません。
たこ焼きマイスターの調理風景。「生地が膨らんできたのを合図に180°ひっくり返す」と手順が決まっているので、タイミングもつかみやすい。
さらに、便利だと感じたのは、温度を一定に保つ「サーモスタット機能」。ツマミで低めの温度に設定しておけば、それ以上加熱されすぎることもなく、そのまま保温のように使うことができます。「焦がす心配がない」という親切設計は、電気式ならではのメリットですね。
A焼き時間が短かったのは「炎たこII」
炎たこIIを使っていて「圧倒的だな」と感じたのは、焼き上がりの早さです。
次々と焼き上がっていくので、「焦がしてはいけない」という緊張感はあるものの、ひっくり返して、また焼いて……と手を動かし続けるこの忙しさが、純粋に楽しい(笑)
実際にたこ焼きマイスターと比較してみても、予熱完了までに約2分30秒、焼き上がりまでに約4分の差がありました。大人数でたこ焼きパーティーをするような場面では、このスピードの違いはかなり効いてきそうです。
| モデル | 炎たこII | たこ焼きマイスター |
| 予熱時間 ※両モデルとも最高火力で予熱 |
約1分30秒 | 約4分 |
| 完成 | 約8分 | 約12分 |
B焼きムラは両モデルともわずかに発生
「真ん中のたこ焼きばかり先に焼けて、端がなかなか焼けない…」
そんな“焼きムラ”の悩みは、家庭用たこ焼き器ではよくあるものです。今回検証した2製品でも、多少ながら焼きムラが確認されました。
これは、ガスか電気かという違いよりも、プレートの構造による影響が大きいでしょう。どちらのモデルも、熱を全体に行き渡らせるためにバーナーやヒーターがU字型に配置されていますが、すべての穴をカバーできるわけではなく、どうしても熱が届きにくいポイントが出ているようです。
ちなみに、こうした焼きムラの問題は、予熱にたっぷりと時間をかけ、プレート全体を十分に温めておくことである程度は改善することができます。
また、端のたこ焼きと中央のたこ焼きを入れ替えながら焼くといった工夫も有効です。最初は少しコツがいりますが、筆者はむしろこうしたひと手間も含めて、おうちたこ焼きの楽しさと捉えるようにしています!
いざ、実食!
ここからはいよいよ、完成したたこ焼きを食べ比べていきます。果たして、味や食感に違いは出るのでしょうか。
まずは、「炎たこII」からいただきます!
こんがりと焼けた表面は、綺麗なきつね色。ひと口かじった瞬間、薄くて軽いサクッとした食感が心地よく伝わってきました。噛むと同時に、香ばしい風味がふわっと口の中に広がり、ソースの甘辛さとも相性抜群。そして中からあふれ出す生地は、舌の上で溶けていくようなトロットロ具合。やけどしそうなほどアツアツなのに、つい手が止まりません。これぞまさに求めていたお店の味!と言いたくなる納得感のある一品です。
一方のたこ焼きマイスターはどうでしょうか。
「外側の香ばしさ」や「カリッとした食感」は、ガス式と比べても遜色ない仕上がりでした。しかし、こちらのたこ焼きは外側の皮がやや厚くなっており、出汁の効いた生地を噛みしめているような満足感がありました。中もトロトロに仕上がっているものの、炎たこIIのように“舌の上で溶けていく”ほどではなく、どちらかといえばグラタンのようななめらかな口当たりが特徴的でした。
そして何より、食べていて実感するのがそのボリューム感。炎たこIIのたこ焼きと並べてみると、その差は一目瞭然です。
今回の検証を通じて、「外はカリッと、中はトロッ」とした食感は、ガス式・電気式のどちらでも再現できることが分かりました。外側の生地の厚みや、中のトロトロ具合に見られた“絶妙な差”は、やはり火力の違いによるものと考えられます。
たこ焼きは、固まった生地で外側を覆うことで内部が蒸し焼きの状態になり、熱や水分が逃げにくくなります。炎たこIIとたこ焼きマイスターでは火力に違いがあるため、この蒸し焼き状態へ移行するタイミングにも差が生まれ、その結果、外側の弾力や中の生地の水分量の違いにつながったのでしょう。
同じ具材でも火の通り方ひとつで印象が変わる、たこ焼きの奥深さを感じさせる結果となりました。
仕上がりやシーンに合わせて、自分にぴったりの一台を
今回試した「たこ焼きマイスター」は、使いやすさだけでなく、味の面でもガス式としっかり渡り合えるほどの完成度を見せてくれました。一方の「炎たこII」も、定番モデルならではの安定感と実力を改めて感じさせる結果となりました。
仕上がりだけでなく、使うシーンで選ぶのもひとつの方法です。それぞれの特徴を踏まえたうえで、自分にぴったりの一台を選んでみてください。
この記事を読んで気に入ってもらえた方は
SNSでのシェアをよろしくお願いします