フィリップス 電動シェーバー徹底比較!深剃りと肌への優しさを検証
回転式シェーバーの代名詞、フィリップス。その魅力は肌への優しさと深剃りの両立にあります。しかし、シリーズごとの性能差を正確に把握するのは至難の業です。
そこで、実際の使用感に基づき、密着性や肌への負担を徹底分析しました。毎日の髭剃りを快適に変えるポイントを詳しく解説します。
自分にとっての「正解」の一台を、この記事で見つけてください。
フィリップスが採用している「回転式」とは?
まず、フィリップスのシェーバーを理解するうえで外せないのが、同社が採用している「回転式」という方式です。
刃が横一列に並ぶ「往復式」と違い、回転式は3つの円形ヘッド内で刃が回転しながらヒゲをカットするタイプ。ヘッド全体が顔の凹凸に沿って動き、接地面が広く圧力が分散されるため、肌への負担やヒリつきが少ないのが大きな特徴です。
使い方の基本は、剃りたい部分の肌を軽く引っ張って毛を立たせながら、シェーバーを小さな円を描くように動かすこと。時計回りに回転する刃に対して本体を反時計回りに動かすと、より効率よくヒゲをキャッチしてカットできます。
往復式から乗り換える場合は、この「円を描くストローク」に慣れるかどうかが、剃り上がりの満足度を左右するポイントです。
フィリップス最新3モデルを徹底比較
今回比較するのは、いずれも現行ラインナップの最新世代にあたる次の3機種。
■XP9402/11:i9000 Prestige Ultra
■S7887/10:7000シリーズ
■X5012/05:5000Xシリーズ
各シリーズには洗浄機付きモデルも用意されていますが、ここではすべて「洗浄機なし」のベーシック構成で比較しています。
| i9000 Prestige Ultra XP9402/11 | 7000シリーズ S7887/10 | 5000Xシリーズ X5012/05 | |
| システム刃 |
72枚刃 | 45枚刃 |
27枚刃 |
| 毎分のカットアクション | 165,000回 | 90,000回 | 55,000回 |
| シェービング性能 | SkinIQ Pro テクノロジー | SkinIQ テクノロジー |
- |
| ヘッドの動き | 360°プレシジョンフレックスヘッド | 360-Dフレックスヘッド | 360-Dフレックスヘッド |
Seriesによる違いは?
「i9000 Prestige Ultra」「7000シリーズ」「5000Xシリーズ」は、主に「刃のグレード」「カットアクション」「テクノロジー」に違いがあります。
・刃のグレード
i9000 Prestige Ultraは、「デュアルスティールプレシジョン刃」を採用し、1ヘッドあたり24枚・合計72枚という高密度な刃構成。下図のように、1枚目のリフト刃がヒゲを持ち上げ、2枚目のカット刃が肌の表面より深い位置で切る「スーパーリフト&カットテクノロジー」により、多方向に伸びたヒゲも逃さず捉えやすくなっています。
さらに旧9000シリーズと比べて外刃が約10%薄くなったことが大きな特徴で、肌の下−0.08mmの深剃りを実現。シリーズ内でもっとも深剃り性能が高く、剃り残しを抑えやすいモデルといえます。
7000シリーズは、「スティールプレシジョン刃」を採用した合計45枚の刃構成。i9000と同様に「スーパーリフト&カットテクノロジー」を備えており、しっかりとした深剃り感を得られます。深剃り性能を重視したい人にも向いているモデルといえるでしょう。
5000Xシリーズは、「パワーカット刃」を採用した合計27枚の刃構成。「スーパーリフト&カットテクノロジー」は非搭載のため、深剃り性能は上位2シリーズより控えめ。そのぶんコストを抑えやすく、日常使いしやすいエントリー寄りのポジションになっています。
・カットアクション
剃り性能を示す指標のひとつが「カットアクション」です。これは「刃の枚数×モーターの毎分ストローク数」で算出される数値で、1分間にヒゲを何回カットできるかの目安になります。数字が大きいほど、同じ時間に処理できるヒゲの量が多くなる、とイメージするとわかりやすいでしょう。
各モデルのカットアクションは、i9000 Prestige Ultraが毎分165,000回、7000シリーズが毎分90,000回、5000Xシリーズが毎分55,000回。上位モデルになるほど一度のストロークで処理できるヒゲの量が増える設計で、なるべく短時間で仕上げたいという人ほど、カットアクションの大きいモデルを選ぶメリットが大きくなります。
・テクノロジー
i9000 Prestige Ultraは、シリーズ最上位の制御システム「SkinIQ Pro テクノロジー」を採用。ヒゲ密度を毎秒500回という高頻度で検知しながら出力を自動調整し、濃い部分ではパワーを高め、薄い部分では出力を抑えるといった細かな制御が可能です。さらに唯一「光のガイド」機能を搭載しており、押し当てる力や動かし方をセンサーが検知し、「適切なら緑」「強すぎたらオレンジ」といった色の変化でリアルタイムにフィードバック。深剃りと肌へのやさしさのバランスを取りやすいモデルです。
7000シリーズは「SkinIQテクノロジー」を搭載し、ヒゲの濃さや顔の輪郭を感知して、その人に合ったシェービングへ導く設計になっています。ヒゲ密度感知は毎秒250回と、i9000ほどではないものの、ヒゲの濃さに合わせて自動でパワーを調節可能です。力加減のコントロールには自信があり、光のガイドまでは必要ないけれど「ある程度おまかせでパワーは調整してほしい」という人に向いた立ち位置です。
なお、5000Xシリーズには、ヒゲ密度感知や圧力検知といった高度なセンサー類は搭載されていません。生えている範囲が狭く、力加減にあまり悩んでいない人で、「まずはお試しで回転式を使ってみたい」という場合には向いている設計といえるでしょう。
価格・ランニングコスト
3モデルとも替刃セットの交換目安は約2年で共通ですが、本体価格と替刃価格には大きな差があります。i9000 Prestige Ultraは7000シリーズと比べて本体が約5万円高く、替刃価格もほぼ2倍と、初期費用もランニングコストともにプレミアムな位置づけです。
興味深いのは、一般的に「上位モデルほど替刃も高い」傾向があるなかで、フィリップスは5000Xシリーズの替刃価格がもっとも手ごろでありつつ、7000シリーズと5000Xシリーズの替刃価格差が約200円しかない点です。
そのため、5000Xシリーズは本体価格・替刃価格ともにもっとも負担が少ない一方で、「ランニングコストだけ」で見れば7000シリーズも5000Xシリーズとほぼ同等と考えられます。
コスト重視で選ぶ場合は、最安の5000Xシリーズだけでなく、肌当たりのやさしさや機能面を重視して7000シリーズを候補に入れるのもおすすめです。
i9000 Prestige Ultraと5000Xシリーズでは剃り味は違うのか?
ここまで各シリーズの本体の違いを把握したうえで、i9000 Prestige Ultraと5000Xシリーズでの剃り味の違いを検証しました。比較条件は、筆者が1日ヒゲを伸ばした状態で、顔の左側をi9000 Prestige Ultra、右側を5000Xシリーズでそれぞれ下から上へ円を描くように1ストロークでシェービングしたときに、どれだけ剃れるかを比べました。
そして結果がこちら。写真はストロークした直後のもの。
i9000 Prestige Ultra(写真左)と5000Xシリーズ(写真右)の違いが現れた。
1ストロークあたりの剃り具合を比較すると、i9000 Prestige Ultraは1回のストロークで、黒いブツブツが多めに除去できているという結果に。肌当たりそのものには大きな違いは感じませんでしたが、i9000 Prestige Ultraのヒゲを巻き込む回転音の大きさから「剃れている」手応えを得やすい印象でした。
i9000 Prestige Ultraは、強く押し当てなくても肌の下のヒゲをしっかり捉えられます。一方、5000Xシリーズは同じ部位でも数回ストロークを重ねる必要があり、そのぶん仕上がりまでに時間差が生じました。満足のいくまで剃り終えた場合の所要時間は、i9000 Prestige Ultraが5分29秒、5000Xシリーズが7分21秒という結果に。
どちらも使用後にヒリつきは出ませんでしたが、i9000 Prestige Ultraには光ガイドが搭載されており、強く押し当てたときに「力を弱めよう」と意識しやすく、肌ダメージを抑えた設計だと感じます。
対して5000Xシリーズは無意識に強く押し当ててしまう場面が多く、見えにくいダメージが蓄積しやすい印象です。また、5000Xシリーズのほうが軽量で使い勝手はよいもののストローク回数が増えるぶん、6分を過ぎたあたりから腕の疲れもやや気になり、毎日快適に使うという観点でもi9000 Prestige Ultraに分があると感じました。
シェービングモードによる剃り味の違いは?
i9000 Prestige Ultraには「5つのシェービングモード」が搭載されており、それぞれパワーの出方と想定シーンが違います。
インテンスモード:濃いアゴヒゲや硬いヒゲに最適
フォームモード:シェービングフォームやジェルを使ったウェットシェービングに最適
センシティブモード:肌にやさしいモード
カスタムモード:専用アプリから独自に剃り味をカスタマイズ
今回は、このうち「通常モード」と「インテンスモード」の違いも検証しました。インテンスモードのほうがモーター音はひと回り大きく、出力が高いことが音からも伝わってきます。剃り心地そのものに大きな差は感じないものの、シェービングにかかった時間は通常モードが6分2秒、インテンスモードが5分29秒と、仕上がりまでのスピードには明確な違いが出ました。ヒリつきなどのわかりやすい肌ダメージも見られなかったため、ヒゲが濃い方はインテンスモードを選ぶのがおすすめです。
編集部クロスレビュー
ここからは、ヒゲの量が「多い/普通/少ない」3名による本音レビューです。全員、1日ヒゲを伸ばした状態でテストしています。
剃り時間は、i9000 Prestige Ultraが5分29秒、7000シリーズが6分2秒、5000Xシリーズが7分21秒という結果に。仕上がりまでの時間差はかなり大きく、他社シェーバーと比べても全体的にやや長めです。
それでも筆者は最近、i9000 Prestige Ultraに乗り換えました。一般的なシェーバーだと、ヒゲが濃いゆえに「ちょろっと残る毛」や、表面だけ剃れて肌の奥に残る毛がどうしても目立ちがち。i9000 Prestige Ultraはモミアゲの下や首まわりのようなクセ毛もきれいに処理しやすく、頬の奥までしっかり攻め込める感覚があります。
従来「回転式=深剃りはやや控えめ」というイメージでしたが、i9000 Prestige Ultraはヒゲが濃い人にもすすめやすい一台と感じています。
剃り時間は、i9000 Prestige Ultraが1分9秒、7000シリーズが1分19秒、5000Xシリーズが1分31秒。他社シェーバーの最上位モデルだと30秒程度で剃れるため、剃り時間は長い印象。
ただしその分、肌へのやさしさはしっかり実感。普段、往復式のシェーバーを使用していますが、どのモデルも円を描くように肌の上を滑らせることで、しっかり剃れる点には驚きました。
なかでもi9000 Prestige Ultraは、過圧防止センサーが肌への圧力をリアルタイムで検知し、光の色で知らせてくれるため、力加減の調整がしやすいです。体感としては、普段の半分程度の力で剃るのがちょうどよく、これまで無意識に強く当てすぎていたのかもしれないと気付かされました。
そのため、初めてフィリップスのシェーバーを使う方には、剃り時間と肌へのやさしさをバランスよく両立したi9000 Prestige Ultraがおすすめです。
使用時間は上位モデルから36秒、46秒、53秒。ヒゲが少ない私でも、剃り時間の差が明確に出て、とくに5000Xシリーズの剃り終わるまでの遅さが気になりました。いつもは往復式のシェーバーを使っているため、最初はかなり剃りにくく感じましたが、3日目くらいからコツをつかめてよく剃れるように。
剃り心地は全体的にかなりマイルドで、どのモデルもヒリヒリする感じはありませんでした。とくに、頬や顎下などの広い部分は剃りやすく、スムーズに仕上がります。一方で、顎の先や鼻下などの細かい部分は、形状が独特なぶん、正直ちょっと剃りにくいと感じました。
当たる面積が広いので、ヒゲが広範囲に生えている人ほど相性のいいシェーバーだと思います。とくにスピーディーに剃りやすいi9000 Prestige Ultraが推しモデルですね。私自身はヒゲが生えている面積が少なめなので、「すごくハマる!」というほどではありませんでしたが、肌へのやさしさを重視する人には、かなり魅力的な選択肢だと感じました。
まとめ
回転式は、往復式に比べてどうしても剃り終わるまでに時間がかかる一方で、肌へのやさしさや、顔の凹凸へのフィット感という面では大きな強みがあります。ヒゲが広い範囲に密集して生えている人や、ヒゲが濃くてカミソリ負けしやすい人ほど、フィリップスの上位モデルとの相性は良さそうです。
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