高機能ドライヤー徹底比較|パナソニックEH-NA0K vs シャープIB-WX902
いまや高機能ドライヤーは「髪を整える美容ツール」へと進化しています。選択肢が広がった一方で、自分にはどれが合うのかを迷ってしまう人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、ビックカメラ池袋本店ビューティーコーナー シニアマイスターの島田安澄さんとともに、最新の注目2モデルを徹底比較。実際に髪を乾かすことでわかった、仕上がりや使い心地の違いをプロの視点で解き明かします。
スペックだけでは実力がわかりにくい最新ドライヤー事情
ドライヤーは熱と風により、髪に乾燥ダメージを与えやすい家電です。しかし、現在の高機能ドライヤーは、使うことでむしろ髪の保湿性能を高める製品まで存在します。とはいえ、その方法はイオンによる静電気抑制技術から、美容成分を物理的に噴霧するものまでさまざま。美髪へのアプローチ方法によって使い勝手や仕上がりも異なります。
また、ドライヤーで外せない「速乾性」もこの数年で変わってきています。かつては大風量であることが速乾性を測る主な指標でしたが、現在は風の出し方をコントロールすることで、数値上の風量が小さくても髪を素早く乾かせる製品が増加しました。つまり、スペック表の数字をチェックするだけでは実際の速乾性能を判断しにくくなっているのです。
美髪ドライヤーの人気機種を比較
今回は、数ある高機能ドライヤーの中でも特に美髪に定評がある以下2つの人気モデルを比較します。
実際に製品を使い比べることで、速乾性や使用後の髪の違い、使いやすさを検証したいと思います。
パナソニック:水分を生み出す「高浸透ナノイー」でうるおいケア
高機能ドライヤー市場で不動の人気を誇る「ナノケア」シリーズのプレミアムモデルです。最大の特徴は、空気中の水に高電圧を加えることで生成されるナノサイズの微粒子、パナソニック独自の「高浸透ナノイー」。一般的なマイナスイオンの約1,000倍(*1 体積比)の水分が含まれています。
スタンダードモデルと比較して水分発生量が18倍(*2) に向上しており、髪の表面や頭皮だけでなく、髪内側にまで潤いを届けます。1.6m3/分の大風量のうえ、一つのノズルから強弱の異なる風を同時に送り出すことで、濡れた毛束を効率よくほぐしながら素早く乾燥。高いうるおい性能による「しっとりとしたまとまり」と、数値以上の速乾スピードを両立させた王道の一台です。
*1:一般的な空気イオン(代表的な粒子径:1.3nm)とナノイー(代表的な粒子径:13nm)との比較による。(パナソニック調べ)
*2:ナノイーと高浸透ナノイーとの比較(パナソニック調べ)
参考サイト:ナノイーは、新世代へ。高浸透ナノイーの魅力を徹底解説。 | ヘアケア(ドライヤー・ヘアアイロン) | Panasonic
シャープ:髪を押し分けて広範囲を一気に乾かす独自構造
シャープ独自の「プラズマクラスター」による高い静電気抑制効果に加え、水に包まれたイオンが髪に浸透することで保湿効果も期待できる製品。最大の特徴は、4つの吹出口から出る風が髪をドレープ状に押し分け、広範囲をスピーディに乾かすという独自の仕組み。
さらに、距離センサーが髪との距離を検知して温度を自動調節する「センシングモード」も搭載。ドライヤーを近づけても髪表面を55℃以下に保ち、熱ストレスから髪と地肌を守るなど多くの魅力的な技術を搭載しています。
検証方法:定量・定性の5項目でドライヤー性能をチェック!
ドライヤーの実力を客観的に確かめるため、速乾性・風速・温度・仕上がりの4項目を実測・実使用で検証。洗髪後の乾燥時間を計測し、風速計やサーモグラフィーを用いて風の強さや温度を数値で確認。さらに、ブロー後の髪を実際に触り、手触りやまとまりといった仕上がりもチェックしました。
| 速乾性 | 洗髪後の髪を実際に乾かし、ドライヤーによるスタイリングが終了するまでの時間を計測 | |
| 風速 | 風速計を使用して15cmの距離から平均風速を計測し、風の勢いをチェック | |
| 温度 | 15cmの距離から髪に10秒間温風をあてたときの温度をサーモグラフィーカメラにて 計測 | |
| 使い勝手 | サイズ感や重さ、取り回しのしやすさ、ボタン位置による操作性を確認 | |
| 仕上がり | ブロー後、実際に髪を触って仕上がりを確認 |
検証結果@:速乾性能を比較
乾かし方の手順
| パナソニック EH-NA0K |
シャープ IB-WX902 |
|
| 時間 | 8割乾燥まで 4分46秒 ブロー完了まで 8分00秒 |
8割乾燥まで 4分37秒 ブロー完了まで 9分09秒 |
| 風速 | 風速は平均13.6m/sと比較的強め |
風速は平均8.7m/sとやや弱め |
| 温度 | ![]() 高温送風時は一般的な温度 |
![]() 高温送風でもややぬるめの温度 |
パナソニック:風に勢いがあり、高温設定でも熱がしっかり伝わる
パナソニックは、髪が8割乾くまでに4分46秒、その後のブロー完了までが8分ジャストという結果になりました。上記の速乾性の検証で見られるように、トータルの乾燥時間はシャープよりも1分以上早く、速乾性能の高さがわかります。実際に使ってみると風に勢いがあり、温度設定を高くした際もしっかりと熱が伝わることを実感できます。美髪ケアはもちろん重要だけど、毎日のヘアドライをパワフルに短時間で終わらせることも諦めたくない、というニーズに応えてくれると感じます。
また、付属ノズルが充実しているのも本機の特徴。「セットノズル」「ナイトキャップノズル」「根元速乾ノズル」の3つを使い分けることができ、特に「根元速乾ノズル」を装着すれば、より強い風速で地肌にも風が当たりやすくなりました。
シャープ:4つの吹出口の細い風が地肌までスルッと届く
髪が8割乾くまでに4分37秒、その後のブロー完了まで計9分9秒という結果になりました。一般的なドライヤーと比較しても「やや早い」という数値です。特筆すべきは、その風の当たり方。4つの吹出口から細い風が送られることにより、風が髪の間をスルスルと通り抜けて地肌まで直接届く感触があります。スペック上の風速が突き抜けて高いわけではないのですが、髪の量が多くても地肌まで効率よく乾くのが印象的でした。
また、風が分散される構造のためか、温度設定を高くしても熱さをほとんど感じません。髪や地肌への優しさを強く感じる一方で、とにかく熱い風で一気に仕上げたい急ぎの場面では、少し温度の物足りなさを感じる可能性もありそうです。
検証結果A:使い勝手を比較
| パナソニック EH-NA0K |
シャープ IB-WX902 |
|
| 本体サイズ | 高さ221×幅148×奥行74mm | 高さ250×幅80×奥行63mm |
| 重さ | 約550g(セットノズル除く) | 約515g(付属品除く) |
| 取り回しのしやすさ | 一般的な使用感 |
ノズルが短く取り回しやすい |
| 操作性 | 電源スイッチはハンドル前面。風量・モード変更ボタンは本体側面にわかれている |
ボタンは本体ハンドル前面に集約。現在温度がノズルのLEDカラーでわかるのも特徴的 |
パナソニック:長年使い慣れたスタイルなら自然に使いこなせる
パナソニックは、良くも悪くもいままでのドライヤーと同じ感覚で扱える安心感があります。ノズルの長さも一般的で、長年この形状を使い慣れているなら、手元の感覚を狂わせることなく自然に使いこなすことができるでしょう。
一方、操作性という点では気になる部分もありました。特にモード変更ボタンがハンドルの側面にあるため、モード変更時には一度髪を乾かす手を止め、ボタンの位置を確認しながら操作する必要があります。
また、デザイン性を重視したチャコールブラックの本体色に対し、モード表示の文字色がやや濃いグレーで印字されているため、薄暗い部屋では現在どのモードになっているかが一目でわかりにくい点も少々気になりました。
シャープ:後頭部も距離を保ちやすく、取り回しが抜群
シャープの最大の特徴は、ノズル部分が極端に短い独自の形状です。ドライヤーはノズルを振り回して使用することが多いですが、ノズルの長さがないので手への負担をあまり感じません。
また、ノズルが短いことで、手が届きにくい後頭部を乾かす際も髪との距離を適正に保ちやすく、取り回しのしやすさが際立ちました。現在の運転モードや温度設定が、使用中に自分と対面する送風口側のパネルで光るため、常に確認しやすい点にも使いやすさを感じました。
検証結果B:髪の仕上がりを比較
乾燥→ブロー後に、シニアマイスターの島田さんに実際に髪を触ってその違いをチェックしてもらいました。
| 島田 | 「仕上がりの見た目にあまり違いはありませんが、手で触ると意外と違いがはっきりしていますね。ブロー前より髪の艶(つや)も明らかに増しています。シャープはサラサラと軽い手触りで、髪を手で払うと毛が一本一本独立しているように軽やかに動きます。対して、パナソニックは髪表面が滑らかになり、しっとりとしたまとまりのある柔らかさを感じます」 |
|---|---|
| もともとはうねりのある広がりやすい髪だったのに対し、ブロー後はパナソニック・シャープともにほぼストレートで、髪全体の広がりを抑えられた仕上がりになりました。 |
自分にピッタリの美髪ドライヤーはどっち?
今回の検証を通して、最新の高機能ドライヤーは単に髪を乾かすだけでなく、理想の仕上がりや使い勝手に合わせて選ぶ「美容ツール」であることが再確認できました。最後に、島田さんのアドバイスをもとに、各モデルがどのような人に向いているかをまとめます。
| パナソニック EH-NA0K |
シャープ IB-WX902 |
|
| 乾燥 | ◎ | 〇 |
| 風力 | ◎ | 〇 |
| 温度 | ◎ | 〇 |
| 操作性 | △ | ◎ |
| サラサラ感 | 〇 | ◎ |
| まとまり感 | ◎ | 〇 |
| 島田 | 「熱ダメージを抑えて、サラサラに仕上げたいならシャープ。距離センサーによる温度調節が秀逸で、特に髪の傷みが気になる方や、小さなお子様がいる家庭におすすめ です。ノズルが短く振り回しやすいため、ロングヘアでも腕が疲れにくいメリットも見逃せません。 |
|---|---|
| 一方、広がる髪を抑えて、しっとりまとめたいならパナソニックがおすすめ 。多毛やくせ毛でどうしても髪が膨らんでしまうという人にぜひ使ってほしい製品です。高浸透ナノイーにより乾かすだけでストンと落ち着く艶 (つや)髪が手に入るだけではなく、速乾性の高さにも魅力があります」 | |
| 今回の比較を通して感じたのは、最新ドライヤーは「優劣」ではなく「方向性」で選ぶ時代になったということです。パナソニックとシャープはいずれも速乾性と美髪効果を高い次元で実現していますが、前者はパワフルさとしっとり感、後者はやさしさと軽やかさが際立ちました。 | |
| 仕上がりの見た目に大差はないものの、使い心地や手触り、乾かし方のストレスには明確な違いがあります。毎日の習慣や髪質、重視したいポイントに目を向けることで、自分にとって満足度の高い一台が見えてくるはずです。 |
※今回の乾燥時間や仕上がりの検証結果は、被験者(筆者)の髪質(ロング・太め・多毛)および検証時の環境による一例です。ドライヤーの効果や乾燥スピードは、髪質や長さ、毛量、髪の状態(ダメージ具合)、および周囲の温度・湿度などにより個人差があります。すべての方に同様の結果を保証するものではありませんが、製品選びのひとつの目安として参考にしてみてください。
この記事を読んで気に入ってもらえた方は
🤍いいねやSNSでのシェアをよろしくお願いします
ABOUT このメディアについて
RANKING 人気記事
-
2026/02/13待望のSONY WF-1000XM6を本音で試聴レビュー!
-
2025/12/10紙パック式コードレス掃除機の実力は?3社を徹底比較!
-
2025/09/30炊飯器の最上位モデルは何が違う!? お米料理研究家が徹底比較
-
2025/11/11イヤーカフ型イヤホンってどうなの?話題の3機種を試聴&本音レビュー
-
2024/11/071か月育成レビュー!AIペットロボット“Moflin(モフリン)”はもふもふでかわいさ爆発!
-
2025/01/31スマートタグ4機種で検証!待ち合わせで分かった性能の違いとは?
-
2026/01/13高級炊飯器4モデルを“お米ソムリエ”が徹底比較!
-
2025/05/08バリスタが本気で選ぶ!全自動コーヒーメーカー3機種徹底比較
-
2025/04/28レンジメート プロで電子レンジ調理がここまで進化!? 手軽に時短、でも驚きの仕上がり!(追記あり)
-
2025/05/12寝返りしてもぴったりフィット!「ヒツジのいらない枕」試してみた!

