家電比較

高機能ドライヤー徹底比較|パナソニックEH-NA0K vs シャープIB-WX902

2026/02/13
高機能ドライヤー徹底比較|パナソニックEH-NA0K vs シャープIB-WX902

いまや高機能ドライヤーは「髪を整える美容ツール」へと進化しています。選択肢が広がった一方で、自分にはどれが合うのかを迷ってしまう人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、ビックカメラ池袋本店ビューティーコーナー シニアマイスターの島田安澄さんとともに、最新の注目2モデルを徹底比較。実際に髪を乾かすことでわかった、仕上がりや使い心地の違いをプロの視点で解き明かします。

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ビューティーコーナー シニアマイスター 家電アドバイザー(総合)
島田安澄
2013年入社。ビューティーコーナーのシニアマイスターとして活躍する家電アドバイザー(総合)。美容家電から生活家電まで幅広い知識を持ち、使う人の年齢・肌質・生活リズムに合わせた提案を得意とする。現場で培った経験をもとに、「続けられる美容」「失敗しない選び方」を丁寧にガイド。初めての人にもわかりやすく、納得感のある接客に定評がある。いまは家電アドバイザープラチナ取得に向けて勉強中。 

目次

    スペックだけでは実力がわかりにくい最新ドライヤー事情

    ビックカメラ池袋本店ビューティーコーナー シニアマイスターの島田安澄さん。

    ドライヤーは熱と風により、髪に乾燥ダメージを与えやすい家電です。しかし、現在の高機能ドライヤーは、使うことでむしろ髪の保湿性能を高める製品まで存在します。とはいえ、その方法はイオンによる静電気抑制技術から、美容成分を物理的に噴霧するものまでさまざま。美髪へのアプローチ方法によって使い勝手や仕上がりも異なります。

    また、ドライヤーで外せない「速乾性」もこの数年で変わってきています。かつては大風量であることが速乾性を測る主な指標でしたが、現在は風の出し方をコントロールすることで、数値上の風量が小さくても髪を素早く乾かせる製品が増加しました。つまり、スペック表の数字をチェックするだけでは実際の速乾性能を判断しにくくなっているのです。

    美髪ドライヤーの人気機種を比較

    今回は、数ある高機能ドライヤーの中でも特に美髪に定評がある以下2つの人気モデルを比較します。

    実際に製品を使い比べることで、速乾性や使用後の髪の違い、使いやすさを検証したいと思います。

    パナソニック:ヘアードライヤー ナノケア EH-NA0K(写真左)とシャープ:プラズマクラスタードレープフロードライヤー IB-WX902(写真右)

    パナソニック:水分を生み出す「高浸透ナノイー」でうるおいケア

    高機能ドライヤー市場で不動の人気を誇る「ナノケア」シリーズのプレミアムモデルです。最大の特徴は、空気中の水に高電圧を加えることで生成されるナノサイズの微粒子、パナソニック独自の「高浸透ナノイー」。一般的なマイナスイオンの約1,000倍(*1 体積比)の水分が含まれています。

    スタンダードモデルと比較して水分発生量が18倍(*2) に向上しており、髪の表面や頭皮だけでなく、髪内側にまで潤いを届けます。1.6m3/分の大風量のうえ、一つのノズルから強弱の異なる風を同時に送り出すことで、濡れた毛束を効率よくほぐしながら素早く乾燥。高いうるおい性能による「しっとりとしたまとまり」と、数値以上の速乾スピードを両立させた王道の一台です。

    *1:一般的な空気イオン(代表的な粒子径:1.3nm)とナノイー(代表的な粒子径:13nm)との比較による。(パナソニック調べ)
    *2:ナノイーと高浸透ナノイーとの比較(パナソニック調べ)
    参考サイト:ナノイーは、新世代へ。高浸透ナノイーの魅力を徹底解説。 | ヘアケア(ドライヤー・ヘアアイロン) | Panasonic

    中心のスリットから弱風、左右から強風を送風(写真左)。1.6m3/分の大風量と強弱をつけた風で、濡れた髪もほぐしながら乾燥 (写真右)。

    シャープ:髪を押し分けて広範囲を一気に乾かす独自構造

    シャープ独自の「プラズマクラスター」による高い静電気抑制効果に加え、水に包まれたイオンが髪に浸透することで保湿効果も期待できる製品。最大の特徴は、4つの吹出口から出る風が髪をドレープ状に押し分け、広範囲をスピーディに乾かすという独自の仕組み。

    さらに、距離センサーが髪との距離を検知して温度を自動調節する「センシングモード」も搭載。ドライヤーを近づけても髪表面を55℃以下に保ち、熱ストレスから髪と地肌を守るなど多くの魅力的な技術を搭載しています。

    ノズルの4隅 から送風するドレープフロー(写真左)。ドレープ(カーテン)のように髪全体を覆うことによって、手で髪を広げなくても風だけで表面積をW型に掻き分け速乾性をアップ(写真右)。

    検証方法:定量・定性の5項目でドライヤー性能をチェック!

    ドライヤーの実力を客観的に確かめるため、速乾性・風速・温度・仕上がりの4項目を実測・実使用で検証。洗髪後の乾燥時間を計測し、風速計やサーモグラフィーを用いて風の強さや温度を数値で確認。さらに、ブロー後の髪を実際に触り、手触りやまとまりといった仕上がりもチェックしました。

    速乾性 洗髪後の髪を実際に乾かし、ドライヤーによるスタイリングが終了するまでの時間を計測 TB2602_hikaku_dryer_08.jpg
    風速 風速計を使用して15cmの距離から平均風速を計測し、風の勢いをチェック TB2602_hikaku_dryer_09.jpg
    温度 15cmの距離から髪に10秒間温風をあてたときの温度をサーモグラフィーカメラにて 計測 TB2602_hikaku_dryer_10.jpg
    使い勝手 サイズ感や重さ、取り回しのしやすさ、ボタン位置による操作性を確認 TB2602_hikaku_dryer_11.jpg
    仕上がり ブロー後、実際に髪を触って仕上がりを確認 TB2602_hikaku_dryer_12.jpg

    検証結果@:速乾性能を比較

    乾かし方の手順

    TB2602_hikaku_dryer_13.jpg TB2602_hikaku_dryer_14.jpg TB2602_hikaku_dryer_15.jpg
    1. スタート 2. 強モードで乾燥 3. ブロー

    1. 髪 を洗ったあと、タオルドライしただけの状態から乾かしてテストします。
    2. 一番パワーがあるモード(温度:HOT、風量:強)で髪全体を8割程度乾かして、一度時間をチェック。
    3. その後、温風/冷風をリズミカルに切り替えるモードで髪をブラシで伸ばしながら、完全に乾くまでブローします。髪は肩甲骨下までのロングで、髪質は「うねりのある太めの多毛」という、ドライヤーの性能差が比較的出やすいコンディションです。

    パナソニック
    EH-NA0K
    シャープ
    IB-WX902
    時間 8割乾燥まで 4分46秒
    ブロー完了まで 8分00秒
    8割乾燥まで 4分37秒
    ブロー完了まで 9分09秒
    風速 TB2602_hikaku_dryer_16.jpg
    風速は平均13.6m/sと比較的強め
    TB2602_hikaku_dryer_17.jpg
    風速は平均8.7m/sとやや弱め
    温度 TB2602_hikaku_dryer_18.jpg
    高温送風時は一般的な温度
    TB2602_hikaku_dryer_19.jpg
    高温送風でもややぬるめの温度

    パナソニック:風に勢いがあり、高温設定でも熱がしっかり伝わる

    パナソニックは、髪が8割乾くまでに4分46秒、その後のブロー完了までが8分ジャストという結果になりました。上記の速乾性の検証で見られるように、トータルの乾燥時間はシャープよりも1分以上早く、速乾性能の高さがわかります。実際に使ってみると風に勢いがあり、温度設定を高くした際もしっかりと熱が伝わることを実感できます。美髪ケアはもちろん重要だけど、毎日のヘアドライをパワフルに短時間で終わらせることも諦めたくない、というニーズに応えてくれると感じます。

    また、付属ノズルが充実しているのも本機の特徴。「セットノズル」「ナイトキャップノズル」「根元速乾ノズル」の3つを使い分けることができ、特に「根元速乾ノズル」を装着すれば、より強い風速で地肌にも風が当たりやすくなりました。

    「セットノズル」「ナイトキャップノズル」「根元速乾ノズル」の3つの付属ノズルが付く。

    シャープ:4つの吹出口の細い風が地肌までスルッと届く

    髪が8割乾くまでに4分37秒、その後のブロー完了まで計9分9秒という結果になりました。一般的なドライヤーと比較しても「やや早い」という数値です。特筆すべきは、その風の当たり方。4つの吹出口から細い風が送られることにより、風が髪の間をスルスルと通り抜けて地肌まで直接届く感触があります。スペック上の風速が突き抜けて高いわけではないのですが、髪の量が多くても地肌まで効率よく乾くのが印象的でした。

    また、風が分散される構造のためか、温度設定を高くしても熱さをほとんど感じません。髪や地肌への優しさを強く感じる一方で、とにかく熱い風で一気に仕上げたい急ぎの場面では、少し温度の物足りなさを感じる可能性もありそうです。

    検証結果A:使い勝手を比較

    パナソニック
    EH-NA0K
    シャープ
    IB-WX902
    本体サイズ 高さ221×幅148×奥行74mm 高さ250×幅80×奥行63mm
    重さ 約550g(セットノズル除く) 約515g(付属品除く)
    取り回しのしやすさ TB2602_hikaku_dryer_21.jpg
    一般的な使用感
    TB2602_hikaku_dryer_22.jpg
    ノズルが短く取り回しやすい
    操作性 TB2602_hikaku_dryer_23.jpg
    電源スイッチはハンドル前面。風量・モード変更ボタンは本体側面にわかれている
    TB2602_hikaku_dryer_24.jpg
    ボタンは本体ハンドル前面に集約。現在温度がノズルのLEDカラーでわかるのも特徴的

    パナソニック:長年使い慣れたスタイルなら自然に使いこなせる

    パナソニックは、良くも悪くもいままでのドライヤーと同じ感覚で扱える安心感があります。ノズルの長さも一般的で、長年この形状を使い慣れているなら、手元の感覚を狂わせることなく自然に使いこなすことができるでしょう。
    一方、操作性という点では気になる部分もありました。特にモード変更ボタンがハンドルの側面にあるため、モード変更時には一度髪を乾かす手を止め、ボタンの位置を確認しながら操作する必要があります。
    また、デザイン性を重視したチャコールブラックの本体色に対し、モード表示の文字色がやや濃いグレーで印字されているため、薄暗い部屋では現在どのモードになっているかが一目でわかりにくい点も少々気になりました。

    シャープ:後頭部も距離を保ちやすく、取り回しが抜群

    シャープの最大の特徴は、ノズル部分が極端に短い独自の形状です。ドライヤーはノズルを振り回して使用することが多いですが、ノズルの長さがないので手への負担をあまり感じません。
    また、ノズルが短いことで、手が届きにくい後頭部を乾かす際も髪との距離を適正に保ちやすく、取り回しのしやすさが際立ちました。現在の運転モードや温度設定が、使用中に自分と対面する送風口側のパネルで光るため、常に確認しやすい点にも使いやすさを感じました。

    検証結果B:髪の仕上がりを比較

    乾燥→ブロー後に、シニアマイスターの島田さんに実際に髪を触ってその違いをチェックしてもらいました。

    目視での仕上がりに両製品に大きな違いは感じられなかった。いずれもドライヤー前よりツヤがでて、多毛にありがちな髪全体の広がりも抑えられている。
    柔らかくなめらかな手触り (パナソニック)
    柔らかくなめらかな手触り (パナソニック)
    サラサラと軽く、指通りが良い (シャープ)
    サラサラと軽く、指通りが良い (シャープ)
    島田 「仕上がりの見た目にあまり違いはありませんが、手で触ると意外と違いがはっきりしていますね。ブロー前より髪の艶(つや)も明らかに増しています。シャープはサラサラと軽い手触りで、髪を手で払うと毛が一本一本独立しているように軽やかに動きます。対して、パナソニックは髪表面が滑らかになり、しっとりとしたまとまりのある柔らかさを感じます」
    もともとはうねりのある広がりやすい髪だったのに対し、ブロー後はパナソニック・シャープともにほぼストレートで、髪全体の広がりを抑えられた仕上がりになりました。

    自分にピッタリの美髪ドライヤーはどっち?

    今回の検証を通して、最新の高機能ドライヤーは単に髪を乾かすだけでなく、理想の仕上がりや使い勝手に合わせて選ぶ「美容ツール」であることが再確認できました。最後に、島田さんのアドバイスをもとに、各モデルがどのような人に向いているかをまとめます。

    パナソニック
    EH-NA0K
    シャープ
    IB-WX902
    乾燥
    風力
    温度
    操作性
    サラサラ感
    まとまり感

    島田 「熱ダメージを抑えて、サラサラに仕上げたいならシャープ。距離センサーによる温度調節が秀逸で、特に髪の傷みが気になる方や、小さなお子様がいる家庭におすすめ です。ノズルが短く振り回しやすいため、ロングヘアでも腕が疲れにくいメリットも見逃せません。
    一方、広がる髪を抑えて、しっとりまとめたいならパナソニックがおすすめ 。多毛やくせ毛でどうしても髪が膨らんでしまうという人にぜひ使ってほしい製品です。高浸透ナノイーにより乾かすだけでストンと落ち着く艶 (つや)髪が手に入るだけではなく、速乾性の高さにも魅力があります」
    今回の比較を通して感じたのは、最新ドライヤーは「優劣」ではなく「方向性」で選ぶ時代になったということです。パナソニックとシャープはいずれも速乾性と美髪効果を高い次元で実現していますが、前者はパワフルさとしっとり感、後者はやさしさと軽やかさが際立ちました。
    仕上がりの見た目に大差はないものの、使い心地や手触り、乾かし方のストレスには明確な違いがあります。毎日の習慣や髪質、重視したいポイントに目を向けることで、自分にとって満足度の高い一台が見えてくるはずです。

     

    ※今回の乾燥時間や仕上がりの検証結果は、被験者(筆者)の髪質(ロング・太め・多毛)および検証時の環境による一例です。ドライヤーの効果や乾燥スピードは、髪質や長さ、毛量、髪の状態(ダメージ具合)、および周囲の温度・湿度などにより個人差があります。すべての方に同様の結果を保証するものではありませんが、製品選びのひとつの目安として参考にしてみてください。

    この記事で紹介した商品
    シャープ プラズマクラスタードレープフロードライヤー トワイライトグリーン IBWX902G
    シャープ プラズマクラスタードレープフロードライヤー トワイライトグリーン IBWX902G
    ■髪の根元まで広く深く風を届けて速乾
    ■プラズマクラスターでうるおいコーティング
    ■スムなデザインで速乾をサポート
    ビックカメラ.comで見る
    パナソニック ヘアードライヤー ナノケア チャコールブラック EH-NA0K-K
    パナソニック ヘアードライヤー ナノケア チャコールブラック EH-NA0K-K
    ■高浸透ナノイーで髪の内側まで水分補給。うるおいを実感
    ■コンパクトなのに驚くほど速乾
    ■スマートセンシングで、狙い通りの風温を自動でコントロール
    ビックカメラ.comで見る
     

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    Profile
    倉本春
    倉本春
    テクニカル・フリーランスライターとして、家電製品の紹介と解説を中心に執筆。PC誌編集経験を生かし、テクニカル面からの製品紹介を得意とするほか、カフェのオーナーシェフの経験を生かした調理家電の使いこなし術やレシピ提案も得意とする。
    宮家和也
    写真
    宮家和也
    カメラマン。九州産業大学芸術学部写真学科卒。スタジオ恵比寿を経て、浅川英郎氏に師事。2009年に撮影会社株式会社クラウンクリエイトアソシエイツ設立。ミュージシャンや企業広告などの撮影をはじめ、ウェディング、キッズ撮影など人物ポートレートを得意とする。
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