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【10月13日頃~】話題の紫金山・アトラス彗星を見てみよう!

2024/10/10
【10月13日頃~】話題の紫金山・アトラス彗星を見てみよう!

皆さんこんにちは。BIC WAVE編集部の たけ です。2024年10月にやってきている彗星、紫金山・アトラス彗星がついに近日点(もっとも太陽に一番近いところ)を通過しました。その後彗星は10月中旬にかけて地球に近づき、さらに明るさを増すと予想されています。10月13日頃からは久しぶりに肉眼でも観測できる大彗星になるかもしれないとファンの間では盛り上がっているようです。初めて天体に興味を持った人でも出会えるよう、撮影に成功している天体に詳しい人たちに見つけ方や撮影のコツも聞きましたのでお楽しみください。

目次

    紫金山・アトラス彗星とは

    紫金山・アトラス彗星(C/2023A3)は、2023年に中国の紫金山天文台と南アフリカにあるATLAS望遠鏡によって発見されたことから、“紫金山・アトラス彗星”と命名されました。その後、大きな核を持つ彗星であることがわかり、肉眼でも見える明るさになるのではないかとの予想から注目されています。

    いつ、どこで見られるの?

    9月下旬~10月上旬 明け方ごろに東の低空に出現
    10月上旬 太陽と彗星の位置の関係で見ることができない
    10月12日以降
    (観測◎)

    日没後ぐらいの西の低空に出現

    12日~14日頃が明るく見やすい

    日が経つごとに見える位置が高くなり、彗星の尾は伸びて見える

    観測できる時間は数十分~1時間前後

    10月21日以降
    (観測〇)
    出現する位置は高くなり、出現時間は長くなるものの明るさは暗くなり、肉眼での観測は難しくなる
    参考:彗星を観測しよう! | ケンコー・トキナー (kenko-tokina.co.jp)

    10月12日前後が一番明るい状態ですが見える位置が低め、彗星の尾は小さいようです。そして、日が経ってくると見える位置は高く、彗星の尾も大きく見えるようになりますが明るさは暗くなってきます。10月下旬までの期間内でいつ観測するかがポイントになりそうですね。

    10月12日以降、日が経つにつれて見える位置が高くなってきます。

    観測できた人に話を聞いてみたよ!

    理屈では理解できたものの、知っているのと出来るのは全くの別物です。今まで星を見ようなんて思ったことのない私にとって無限に広がる夜空で、たった一つしかない彗星を見つけるなんて宝くじ1等に当選するより難しいのではないかと諦めかけていました。そんな時、10月初旬に観測できた人に話を聞くことがきました!しかも2人!その達人たち(勝手に命名)に見つけ方や撮影のコツを聞いてみました!

    @名古屋駅西店 星野さん

    • 日時:10月2日 AM5:03
    • 場所:岐阜県 海津市 月見の森
    • 機材:SIGMA fp L + SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN II Art
    • 設定:F3.5 3.2秒 ISO1250
    • 備考:×1.53クロップズーム マルミ StarScape使用
    • 撮影:ビックカメラ名古屋駅西店 カメラコーナー 星野 護夫さん
    たけ ばっちり写っていますね!そもそも彗星はどうやって見つけていますか?
    星野 スマートフォンの天体アプリで方角や高度をチェックしつつ、確信は出来ませんでしたが双眼鏡でうっすらと見えたものを撮影して確認しました。肉眼で見えなかったのは残念でしたね。
    たけ 撮影場所はどうして月見の森を選んだのでしょうか?
    星野 東の低空に現れるのはわかっていたので、彗星が隠れない&絵になりそうな場所を探しました。また、当日出勤だったので自宅から1時間以内で戻れる必要がありました(笑)
    たけ 朝5時に撮影してから出勤するのは、かなりハードですね…。星野さんの撮影愛(?)が伝わってきます。
    たけ 撮影するときの機材や手順を教えてください。
    星野 画質にこだわるならばミラーレス一眼がおすすめです。今回、風景と絡めて彗星を撮影したので標準域のレンズで撮影をしました。あと、風に負けないしっかりとした三脚は必要です。
    撮影の手順
    @ 彗星の位置をアプリなどで予習、撮影場所を決める(下見はしておいた方がよい)
    A 暗い環境でも準備できるように機材の設定やカメラの操作方法は確認しておく
    B 拡大倍率を上げてマニュアルフォーカスで遠くの星や街明かりにピントを合わせる
    C 撮影はブレ防止のため、レリーズ、スマホなどでシャッターを切る。カメラに触れるのはNG
    注意:明るいうちは、双眼鏡や一眼レフのファインダーで太陽を直接見ない。
    たけ ありがとうございます。撮影するイメージがよくできました。
    星野 10月中旬、紫金山・アトラス彗星はさらに明るい状態で見えると予想されています。どんな姿を見せてくれるのか私自身、今からワクワクしすぎて仕事が手につきません(笑)
    たけ 本当に天体撮影が好きなんですね(笑)
    星野護夫
    カメラコーナー マイスター フォトマスターEX
    星野護夫
    名古屋駅西店カメラコーナーに所属。星空と野鳥、四季折々の風景撮影を撮影するのが好き。毎年行く北海道での撮影の傍ら、美味しいお酒と料理を堪能するのが自分へのご褒美。

    Aケンコー・トキナー Aさん

    • 日時:10月2日 AM4:59
    • 場所:埼玉県 入間川河川敷
    • 機材:NIKON D5100 + AF-P NIKKOR 70-300mm f/4.5-5.6E ED VR
    • 設定:情報露出:F4.4 SS1.6秒 ISO3200
    • 撮影:ケンコー・トキナー Aさん(お名前はNGでした)
    たけ 一都三県では空の透明度が低く、見つけるのは難しいのではと思っていました。
    A 彗星の位置はケンコー・トキナーやアストロアーツのホームページにも詳しく掲載されているのを事前に確認しておきました。撮影場所はできるだけ低空まで空が開けていて、街灯などが無い場所を探して河川敷を選びました。
    たけ 彗星は肉眼で見つかりましたか?
    A いえ、見つけられませんでした。撮影当日は低空の雲とカスミにより双眼鏡で位置特定が出来ず、三脚に設置したカメラで彗星の位置を探しました。最終的に確認できたのは明るくなってきた5時頃で、用意していたメインの望遠レンズとスカイメモS(赤道儀)は使う時間がありませんでした。撮れていた彗星は方角を決めて確認用として撮影した写真を画像処理して見えるようにしたものです。
    たけ もし見えていなくても撮影後の画像処理で見えるようになる可能性があるので方角を合わせて撮影をしておくことは大事ですね。
    たけ 撮影したときの機材やコツを教えてください。
    A 一般的なデジタル一眼(ミラーレス含む)、彗星の尾の長さに応じて100mm~300mmの望遠レンズ、三脚、可能なら赤道儀(スカイメモS/SW)があると良いです。
    設定のポイント
    ・カメラを三脚に固定して撮影する場合
    最近のカメラは高感度設定が可能です。200mm以下のレンズであれば2秒(300mmなら1秒)程度のシャッタースピードなら星の流れは気にならない可能性が高いです。ただし、それ以上の望遠レンズだと赤道儀がないと撮影は難しいです。

    ・赤道儀を使用して撮影する場合
    ISO感度を1600~3200位に設定、バックのカブリ具合を見ながら秒数の設定をします。空が明るいと、すぐ真っ白になってしまうので注意が必要です。
    また、写真合成をするなら、撮影コマ数が多いほど後の画像処理で良い結果が期待できます。
    A 撮影するのは難易度が高いので観察だけなら双眼鏡や望遠鏡を使うのもオススメですよ。
    たけ どんな機能のモデルを選べばよいでしょうか?
    A 双眼鏡は口径30mm~50mm位で倍率は7倍~10倍程度、あまり高倍率は使いにくいです。また手振れ補正が付いた機種も良いでしょう。
    望遠鏡は出来れば口径が大きくF値が明るい物でやはり倍率は低めの方が観望しやすいです。もちろん小口径機種でも楽しめると思います。架台に微動装置や自動追尾機能があれば更に使いやすいです。
    たけ 双眼鏡なら使い方がシンプルなので探すのに集中できますね。望遠鏡は選び方や使い方のコツが必要そうなのでビックカメラ店舗で担当の販売員に相談したほうが安心ですね。

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    まとめ

    記事を読んでいただき、紫金山・アトラス彗星に興味を持っていただけたら、今週末は日没直後の西の空に注目してみてください。運が良ければ彗星と出会えるかもしれませんね。また、撮影に出かけるときは気温が下がって寒くなりますので暖かい上着も一緒に持っていきましょう。

     

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    たけちゃん
    たけちゃん
    BIC WAVE編集部メンバー。オーディオやカメラなどの黒物家電が好きで、新製品が出ると使ってみたくなってしまう。休日はロードバイクで走りに行ったり、近所の畑を借りて野菜作りを楽しむなど多趣味。
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