イヤホン カナル型 N40 ブラック/クローム [φ3.5mm ミニプラグ]

「N40」はAKGのノウハウを凝縮した“Nシリーズ”の新ハイレゾ対応イヤホン。

外観にはアルミハウジングとブラックの樹脂素材をコンビで使用。ドライバーはBA型、ダイナミック型を1基ずつ搭載し、ハウジングに小さな孔を設けたことで力強くワイドな空間表現を引き出す。

ケーブル着脱可能で、端子形状はMMCX。装着はループ掛けでフック部分は形状を自在に変えられ外れにくい。

本機のハイライトは上位機種「K3003」にも採用される「メカニカル・チューニング・フィルター」だ。音の透過特性が異なる3種類のフィルターをイヤホンノズルの先端に着脱して音質を微調整できる。米粒サイズだが指で簡単に取り外し可能で、携帯して持ち運べる。

元々フィルター無しの状態で調音されたノズルに、フィルターレスの「ハイ・ブースト」、順に網目を濃くしていった「リファレンスサウンド」、「バス・ブースト」を装着する。忠実な原音再生をキープしつつそれぞれの個性を引き出す技術力に脱帽だ。

原田知世のカバーアルバムから『September』を聴くと、声に滑らかな艶と生命感の両方が伝わってくる。クリアな中高域、緻密な解像表現力に開放感を備えながらも、低域のスピードが高まり印象もより鮮やかだ。余韻のグラデーションは濃淡がとても深い。

上原ひろみ『Wonderland』では、低音が一度沈んで跳ね上がるような躍動感に耳を奪われる。メロディは色鮮やかで質感がきめ細かく、上品さとワイルドさが絶妙なバランスだ。

ケーブル交換で更にカスタマイズできるのも魅力。手持ちの銀線ケーブルでフィルターをバス・ブーストにすると音の繋がりがより滑らかで、レンジも広がる手ごたえを感じた。

ハイレゾの“ど真ん中”な最新サウンドを基本としながら、好みの音にとことん追い込めるカスタマイズ性も備えたAKGの新しいプレミアム・イヤホンは、長く愛せる名機となるに違いない。文：山本 敦

※AV/オーディオ/ガジェット情報サイト「PHILE WEB」所収記事を短くまとめたものです。