イヤホン カナル型 TX2 ブラック [φ3.5mm ミニプラグ]

密閉型イヤホン「TX2」を記者は約2年間普段使いに愛用している。最近ハイレゾロゴを取得した本機を、改めてレビューしたい。

紛失リスクなどを考えると普段使いには手頃な価格帯が好ましい。長時間使用時の着け心地と、音は聴き疲れせずクリアで適度なメリハリ感も必要で、それを満たすのがTX2だった。

ドライバーは13.5mmダイナミック型。高出力のネオジウム磁石、超軽量ボイスコイルを採用し、ハウジングに真鍮の軽量金属リングを配置し不要な振動を抑えるという。人間工学に基づいた楕円形サウンドチューブがフィット感を向上する。

音質は抜けの良さが特徴。アコースティック調整用のベントによる一体感や密度も良い。低域は適度な量感とタイトな締まりを両立し、騒音が多い環境でも不足感はない。

ザ・スミス「There is A Light that Never Gose Out」では、バンドサウンドに適度な厚みがあり複数のギターも聴き分けられる。広がりも自然で、ボーカルはしっかり浮かび上がり、低域バランスもロックにちょうどいい。

エレクトロ／打ち込み系との相性も良い。量感や音圧も確保したライブ感に、中低域のメリハリや音離れの良さでグルーヴも心地良い。Hi-Fiな曲はHi-Fiに、録音の悪い曲は適度にまとめられ、フィリップスらしい音作りの巧さを感じる。

ONKYOのDP-X1Aと組み合わせてハイレゾを聴くと、細かな情報も拾い上げ楽器の響きや広がりを自然に再現し、普段使いには十分な情報量にうまく絞り込んでいると感じた。

2年間使った実感として頑丈さも特筆したい。雑にバックに詰め込んでしまう事も多いが、断線や接続が緩む気配もない。タッチノイズはそこそこあるため、極力避けたい方には別の選択肢もあるかもしれない。

今や8千〜1万円の価格帯に音の良いイヤホンはたくさんあるが、TX2は音作りの巧さと飽きない作りで確実に光るものがあると言える。

文：小澤貴信

※AV/オーディオ/ガジェット情報サイト「PHILE WEB」所収記事を短くまとめたものです。