ティペット四重奏団/ グレツキ：弦楽四重奏曲 全集 第2集 【CD】

神秘的な美しさを持つ「悲歌のシンフォニー」で知られる作曲家グレツキ。しかしデビューしたばかりの頃は、衝撃的な音を好む“前衛的な作曲家”としてミヒャエル・ギーレンからも絶賛されたほどの存在でした。

このアルバムに収録されている「2台のヴァイオリンのためのソナタ」でも冒頭から激しい音のぶつかり合いが炸裂。後期の作風でグレツキに親しんでいる人にとっては、この作品は異端とも思えることでしょう。

それに対して「弦楽四重奏曲 第3番」は幾度もコラボレーションを行っていたクロノス・クァルテットのために書かれ、1995年に完成されるも何度かの改訂を施し、ようやく2005年に初演された曲。各々の旋律が対話を繰り返しながら進行し、時には前衛的な響きも用いつつ、最後はチェロの癒しの調べで締めくくられるというグレツキの30年間にわたる作曲生活を総括する長大な作品です。

【収録曲】
Disc-1
1．2つのヴァイオリンのためのソナタ Op．10 第1楽章：Allegro molto
2．2つのヴァイオリンのためのソナタ Op．10 第2楽章：Adagio sostenuto
3．2つのヴァイオリンのためのソナタ Op．10 第3楽章：Andante con moto
4．弦楽四重奏曲 第3番 Op．67「…Songs Are Sung」 第1楽章：Adagio - Molto andante - Cantabile
5．弦楽四重奏曲 第3番 Op．67「…Songs Are Sung」 第2楽章：Largo cantabile
6．弦楽四重奏曲 第3番 Op．67「…Songs Are Sung」 第3楽章：Allegro， sempre ben marcato
7．弦楽四重奏曲 第3番 Op．67「…Songs Are Sung」 第4楽章：Deciso - Espressivo ma ben tenuto
8．弦楽四重奏曲 第3番 Op．67「…Songs Are Sung」 第5楽章：Largo - Tranquillo


録音年：2018年9月27日、2月20日/収録場所：聖マーティン教会 ウッドヘイ、ハンプシャー、聖ポール教会 ニュー・サウスゲート、ロンドン