■天井方向の音までサポートを可能した「Height Virtualizer」を搭載
これまでのバーチャライザーと違い、高さ方向へのサポートを可能にします。スピーカーをフロントに2本しか置けない場合や既に5.1chシステムを使用している方でも、NR696に替えるだけでDolby Atmos/DTS:Xに対応したシアター環境にグレードアップすることができます。
※Dolbyはアップデートにて対応(2019年夏予定)
■ハイカレント(大電流)、ローインピーダンス(低負荷)設計によりスピーカーユニットの力強い駆動を実現
本機用に厳選された豊かな電源供給が可能な電源トランスと瞬間的な信号変動に追従したスピーカー駆動
が可能なコンデンサーにより、瞬時電流供給能力の向上を実現。TX-NR696では電源ラインを強化するこ
とで今まで以上に力強いスピーカードライブが可能となり、瞬間的な爆発音などの低域の迫力が更に増しました。
■位相ズレを防ぐ「ノンフェーズシフト」設計
音が減衰を始めるポイントをリスニングレベルの周波数より高い位置に設定することで、位相ズレ(フェーズシフト)を防ぎ、明確な音像を再現します。
■パルスノイズを除去するデジタルノイズ除去回路「VLSC」の搭載(フロントL/R)
独自に開発したフィルター回路「VLSC」により、通常デジタル音声信号のD/A 変換後のLPFでは残留してし
まうノイズを除去し、原音に忠実な信号を再現します。細やかな情報を豊かに表現することで、個々の音の存在感や楽曲全体の音場感が向上します。
■視聴環境を自動で最適化する、 オンキヨー独自の音場設定機能「Accu EQ」搭載
付属の測定マイクを使用し、サブウーファーを含め各スピーカーの有無、視聴位置からの距離、音量、周波数特性などを測定し、全て同一条件となるように距離、音量、EQおよびサブウーファーのクロスオーバー周波数を自動で調整します。また、Dolby Atmosイネーブルドスピーカーによる天井からの反射音と(ユニットからの)直接音との間に生じるわずかな時間差(位相ずれ)を補正する「AccuReflex」も搭載。聴感上の違和感を取り除き最適な音場空間を実現します。
基本はカバーしつつ新規格にも対応。オーディオ性能を磨き上げた自信作
TX-NR696の音は、音像の彫りが深く1つ1つの音が明瞭で、中低域の瞬発力に長ける。各チャンネルのつながりも良く、ソースに含まれる迫力を可能な限りで再現。老舗オンキヨーの底力を感じる正統派のAVアンプだ。
まず自動音場補正「AccuEQ Room Calibration」を行い、ドルビーやTHXの音質調整機能をオフ、ピュアオーディオモードで2ch再生した。ノイズフロアが低く、聴感上のS/Nが良く透明感がある。低域は分厚いエネルギーとパワーが特徴だ。
5.1.2ch環境でのUltra HD Blu-ray再生では、低いノイズフロアがシリアスな場面の静寂感を演出、セリフも明瞭で高さがある点も特筆したい。高品質な電源部のおかげか、瞬間的に音が立ち上がりアクションにも強い。なお部屋にスピーカーを複数設置できない方も、本機の優秀なバーチャルサラウンド機能で高い没入感を味わえるだろう。
Netflixなど映像配信や、DSD 11.2MHzなどの高品質な音源からストリーミング、Bluetoothまで様々な音楽ソースを良い音で楽しみたい時にメディアセンターとしても魅力的といえる。
文:土方久明
※AV/オーディオ/ガジェット情報サイト「PHILE WEB」所収記事を短くまとめたものです。