バルトルト・クイケン インディアナポリス・バロック管弦楽団/ リュリが与えた影響 【CD】

フランス・バロック期に絶大な人気を誇っていたジャン＝バティスト・リュリ。イタリアの粉挽き職人の家に生まれ、独学で音楽を学び、様々な経緯によりルイ14世付きの音楽家に任命されたことで、およそ26年間に渡りフランス音楽界で強い影響力を発揮しました。踊り手としても有能であり、フランスにおける「オペラ＝バレ」の発展に寄与、とりわけ急速なテンポの舞曲を積極的に取り入れたことでも知られています。1686年に書かれた《アルミード》のパッサカーユは人気が高く、ダングルベールらが編曲を残しています。

テレマンも初期作品では、リュリ由来のフランス風形式を用いて作品を書いており、この「組曲 ホ短調」はその最たるものです。ラモーはリュリの次世代の作曲家であり、リュリが導入した抒情悲劇（トラジェディ・リリック）を発展させたことで知られています。この《ダルダニュス》は初演時は不評でしたが、改訂後人気を獲得。ラモーの代表作の一つとなりました。バルトルト・クイケンは3人の作品を通して、17世紀から18世紀フランス音楽の発展を俯瞰しています。

【収録曲】
Disc-1
1．≪アルミード≫ プロローグ：序曲
2．≪アルミード≫ 第5幕第2場：パッサカーユ
3．序曲（組曲）ホ短調 TWV55：e3 2本のフルート、2本のオーボエ、ファゴット、弦楽と通奏低音 第1曲：序曲
4．序曲（組曲）ホ短調 TWV55：e3 2本のフルート、2本のオーボエ、ファゴット、弦楽と通奏低音 第2曲：キュクロプス
5．序曲（組曲）ホ短調 TWV55：e3 2本のフルート、2本のオーボエ、ファゴット、弦楽と通奏低音 第3曲：メヌエット - トリオ
6．序曲（組曲）ホ短調 TWV55：e3 2本のフルート、2本のオーボエ、ファゴット、弦楽と通奏低音 第4曲：ガリマティアとロンド
7．序曲（組曲）ホ短調 TWV55：e3 2本のフルート、2本のオーボエ、ファゴット、弦楽と通奏低音 第5曲：ホーンパイプ
8．≪ダルダニュス≫ - 組曲 （1739/1744改訂） プロローグより 序曲
9．≪ダルダニュス≫ - 組曲 （1739/1744改訂） プロローグより 第1場より 快楽のエール I
10．≪ダルダニュス≫ - 組曲 （1739/1744改訂） プロローグより 第1場より 快楽のエール II
11．≪ダルダニュス≫ - 組曲 （1739/1744改訂） プロローグより 第2場より 優雅なエール
12．≪ダルダニュス≫ - 組曲 （1739/1744改訂） プロローグより 第2場より ダンブーラン I．II
13．≪ダルダニュス≫ - 組曲 （1739/1744改訂） 第1幕より エール
14．≪ダルダニュス≫ - 組曲 （1739/1744改訂） 第1幕より リゴードン I．II
15．≪ダルダニュス≫ - 組曲 （1739/1744改訂） 第3幕より ロンド形式のエール
16．≪ダルダニュス≫ - 組曲 （1739/1744改訂） 第3幕より メヌエット I．II
17．≪ダルダニュス≫ - 組曲 （1739/1744改訂） 第3幕より タンブーラン I．II
18．≪ダルダニュス≫ - 組曲 （1739/1744改訂） 第4幕より 眠り - 優しいロンド 19
19．≪ダルダニュス≫ - 組曲 （1739/1744改訂） 第4幕より エール
20．≪ダルダニュス≫ - 組曲 （1739/1744改訂） 第4幕より 感覚の落ち着き
21．≪ダルダニュス≫ - 組曲 （1739/1744改訂） 第4幕より ガヴォット
22．≪ダルダニュス≫ - 組曲 （1739/1744改訂） 第5幕：第3場：シャコンヌ


録音年：2013年1月21-24日/収録場所：USA インディアナ大学、クリステル・デハーン・ファイン・アーツ・センター、ルース・リリー・パフォーマンス・ホール