bluetooth イヤホン カナル型 CX700BT [ワイヤレス(ネックバンド) /Bluetooth対応]

ゼンハイザーイヤホンのスタンダード“CX”シリーズに、ワイヤレスモデル「CX 7.00BT」が登場した。価格が少し上のMOMENTUM In-Ear WirelessはAAC対応でiPhoneユーザーには利点だが、バッテリー駆動時間などは同等、重量はCX 7.00BTの方が軽く十分魅力的だ。

ハウジングは「CX 3.00」に近く、シリーズの中でもシンプルなデザインだ。装着感は耳・首周り共に良好で、リモコンと充電端子はバンド左側に用意。ボタンは内側に配置され、左手でも右手でも無理なく届く。連続再生は10時間、フル充電は1.5時間。対応BluetoothコーデックはSBCとaptXで、NFCペアリングにも対応している。

サウンドは、彼らが謳う「低音を重視した卓越のサウンド」「細部にこだわったクリアなサウンドと迫力の低音」が、正にその通りだった。

印象的だったのは、明瞭に感じられる解像感や空間性、同じくはっきり実感できる低域の充実だ。特に相性が良かったのは、Robert Glasper Experiment「Human」。ゆったりとしたヘヴィなグルーヴやエレクトリックサウンドの空間性などがポイントの一曲で、まずその「ヘヴィなグルーヴ」が本機の低音表現と相性が良い。

ベースの太さの帯域の量感や密度感、弾力は充実しつつも、音像は膨らむことなく最大限のボリューム感で楽しめる。左右の音の分離も明確で明るく、エレクトリックサウンドではその明確さが意図された人工的なバーチャル空間の再現性を際立たせる。

もちろんロックやポップスも難なくこなす。ピアノのリフを中心に複雑なリズムワークで進行するロックバンドサウンドの一曲、小松未可子さん「また、はじまりの地図」では、この曲の中心であるピアノを硬質なアタックで鳴らす。シンバルも明るくシャープで華やか、かつ程よくハードタッチに再現する。

総じてベースは大柄に表現するので、ベースの存在感が好きなリスナーには特に向いている。なおUSBワイヤードでPC接続しても、サウンド傾向に大きな変化はないが、「聴きながら充電できる」という便利さはある。

ネックバンド型の快適な使い心地に、ゼンハイザーらしい高音質、さらに今の音楽に向けたサウンドチューニングを満たした上で、無理のない価格を実現した「CX 7.00BT」。シリーズらしいトータルでの納得感はワイヤレスでも健在だ。

文：高橋 敦

※AV/オーディオ/ガジェット情報サイト「PHILE WEB」所収記事を短くまとめたものです。