■電気回路・オーディオシステムを1 台で賄える1200VAの大容量出力(内部損失分を含む)。
・入力された電源の歪部分を補ってクリーンなエネルギーを供給するサイン波形差分同期補正回路を採用。
・電源波形比較用にPCM 50kHz/16bitのデジタルデータを内蔵し高精度の差分演算を実現。
・電源のホット(LIVE)側入出力間に直列に挿入される部品が存在しないダイレクト・カップリング方式を採用し、負荷変動への
高速応答性を実現。
・AC90V〜110Vの広範囲な入力電圧を補正出力可能。
・電源周波数50Hz/60Hzに追従する自動切り替え機能を搭載。
・出力電源波形の歪率は0.1%以下を達成。
・補正電圧作成のために高精度パワー素子を6 パラレル接続。
・その他、さまざまなラックスマンのコンポーネント開発で培った技術とノウハウを投入。
■機能、機構他・超高効率電源回路を搭載し、軽量サイズの筐体を実現。
・パナソニック製ホスピタルグレードのACアウトレットを8 出力装備。
・一定内部温度以上で動作する強制空冷用の静音ファンを搭載。
・出力容量をリアルタイムに視覚化する、出力VA表示用の8 段階LEDバーメーターを搭載。
・さらに詳しいステータスを表示するため、7 セグメントLEDによるマルチファンクション・ディスプレイを搭載(入出力電圧、入出力歪率、出力VA)。
・インシュレーターには外来振動を排除し、共振が起こりにくいグラデーション鋳鉄製レッグを装着。
・金メッキと非磁性処理を施したACインレットを装着。
・他のラックスマン製コンポーネントとマッチングする、ブラスターホワイトのパネル仕上げを採用。
・プレミアム延長保証適用で無償保証期間を7 年間に延長。
ES-1200はラックスマン初のクリーン電源システム。定格出力は余裕の1,200VA、コンセントは同等の8口を備え、システム全機器を一度に接続することも可能だ。本機はアクティブ型で、電源波形の歪みだけを加減算して補正するタイプ。このタイプは効率が高く、比較的小型で大きな出力を得られる。
基本構成は、内蔵ROMにデジタルデータとして記録したサイン波を、D/A変換してローパスフィルターを通してアナログ化して、トランスを通して適度な電圧にした入力波形と比較するというもの。抽出した歪み成分は、6基装備する高精度なハイパワー素子でパラレル動作して増幅し、正しい波形と信号レベルの差を無くして処理する。この仕組みを、同社はシンクロナイズド・デルタ・コレクター・サーキットと呼ぶ。
上述の処理は電源のコールド側から引いてきた信号に対して行われている。ホット側には素子が一つもないため、信号のスピードが確保され音が変質するのを回避できる。
一般的なCDプレーヤーとアンプを接続し試聴すると、周囲の空気からノイズがすっと引いたようにS/Nが向上して音場全体が静かになる。
ピアノではタッチの感触が深く、弾力ある肉質感が増して芯がぎっしり詰まった印象。低音も最も低い音域まで滲まず明瞭で響きも質感もがっしりと把握できる。バロックでは、ヴァイオリンなどの手触りが一層緻密になり、音の出る瞬間の感触が濁りなくキレもいい。
オーケストラは伸びやか且つ力感も高まり、ダイナミズムの幅が広がっている。木管楽器などの弱音も存在感が明確な一方、トゥッティのフォルテは明快な瞬発力を発揮。ジャズでもキックドラムの腰の落ち方やスネア、ハイハットの厚みに肉付きのよさが感じ取れる。
アナログではS/Nの他に解像度もエネルギーも別モノのような出方だ。彫りや起伏が一回りずつ大きくなって、伸びと厚みが増している。
バロックでは古楽器が粘りと艶やかさを備え、弱音がひっそりとしつつ明瞭だ。ピアノは輪郭が太く肉質感が厚くタッチが充実し、表情がいっそう多彩で力強い。オーケストラは遠近が深まって上下にも広く伸び、どの楽器も瞬発的なダイナミズムに富んで起伏がくっきりと印象的だ。デジタル以上に影響が大きいかもしれない。
ES-1200ではノイズが取れるだけではなく、音のひとつひとつが正しいエネルギーを持って力に損失がなくなる。幅広い音質改善ができる電源機器だ。
文:井上千岳
※AV/オーディオ/ガジェット情報サイト「PHILE WEB」所収記事を短くまとめたものです。