CDラジオ TY-AH1000 シルバー [Bluetooth対応 /ワイドFM対応 /ハイレゾ対応]

「TY-AH1000」は、復活したAurexブランド第一弾のハイレゾ対応CDラジオ。

実売価格3万円前後の価格帯にあって、CD／ワイドFMを含むFM/AMラジオ／USB入力（PC/メモリー）／Bluetooth（NFC対応）／SD/SDHCカードと再生対応フォーマットが豊富。また、最大96kHz/24bitまでのハイレゾにも対応。ハイレゾ再生時はインジケーター右上に「HI-Res」マークが光る。

本体はバスレフ構造で、新たに開発した100kHzまで再生可能な19mm口径のシルクドームトゥイーター、ウーファーは80mmパルプコーンを搭載。合計50ＷのクラスDデジタルアンプ4基でバイアンプ駆動する。

最初はCDから、キップ・ハンラハン（ニューヨークラテン）のアルバム「ビューティフル・スカーズ」（SACDハイブリッド）を試聴。タイトル曲は、ガラスを床に叩き付けたようなパーカッションと野太いエレキベースが魅力だが、演出や誇張を排したソリッドな音質で鳴らす。

音離れが良く筐体が消えて、引き締まった音が聴ける。スタジオで使われるモニター系の音を彷彿させる、辛口でごまかしのない痛快な音だ。音量MAXまで上げるとさすがに振動で発する音が混じり出すが、歪みはほとんどなく実用域にある。

次にMacBook ProとUSB接続してハイレゾを聴く。ユンディ・リー（pf）のベートーヴェン「悲愴」第一楽章は、速いパッセージの細かい装飾音を一音も疎かにせず、鮮明に浮かび上がらせる。ただ帯域の広いトゥイーターは鋭さを感じる事もしばしば。背後にエアボリュームを十分取った余裕あるセッティングを心がけると良いだろう。

一般向けの音質のいいオーディオとしても、本格的なシステムを持つ上級者にも、日常のサブシステムとして使えるに違いない。本機はただのポータブルではなく、コンパクトなプレイバックリファレンスとしての可能性も秘めている。

文：大橋伸太郎

※AV/オーディオ/ガジェット情報サイト「PHILE WEB」所収記事を短くまとめたものです。