・高剛性オリジナル・ディスクドライブ・メカニズムLxDTMの搭載により、高精度なデジタル情報の読み取りを実現。
・一般的なセンターメカ構造を避け、物量を投入したアナログ回路のための容積の確保や各種信号の理想的な流れ、振動経路、重量バランスを検討しつくした結果、アシンメトリー(非対称)構成のレフトサイド・メカ・レイアウトを採用。
・メカニズム全体を強固なシャーシによって囲うボックス構造で、外来振動をリジッドに遮断。
・USB入力は、最大384kHz/32bitのPCMデータと、DSDデータ(2.82M、5.64MHz)に対応。S/PDIF入力は、最大192kHz/24bitのPCM信号に対応。
・PCM信号を最大384kHzにアップサンプリングするTI社最新の32bitデジタル・シグナルプロセッサーTAS3152を採用。
・PCM信号は32bitDSPによる3種類のデジタル・フィルターを、DSD信号はDACチップ内蔵のアナログFIRフィルターによる2種類の音質を切替可能。
・発振周波数付近のノイズを低減する、高精度・低ジッターの低位相雑音クロックモジュールを搭載。
・USBはアシンクロナス通信により専用のDSPで、CDとS/PDIFは内蔵するDAIRの高精度クロックで、SACDは専用のジッターリダクションチップで低ジッター化。
・D/Aコンバーターに超高S/N比/ダイナミックレンジ(理論値132dB)を実現したTI社製PCM1792Aをデュアル構成(モノラルモード)で採用。
・モノラルモードで動作させたD/Aコンバーターの差動出力を、完全バランス構成(同一構成のアンプ×4基)の高音質バッファー回路へ入力し、次段アンプを強力にローインピーダンス・ドライブ。
・大型電源トランス(D-06比110%容量)から各回路独立のレギュレーター+大容量ブロックコンデンサーを経由する高慣性(ハイイナーシャ)の電源環境を構築。
・シャーシ電流によるアースインピーダンスの上昇や発生磁界の影響を隔絶するループレスシャーシと、デジタルノイズを遮断するシールドシャーシの複合構造。
・非磁性ニッケル処理と金メッキを施された高音質ACインレット。
・大型のプラグを装着した高性能なラインケーブルにも対応する18mmピッチ金メッキ仕上げのRCA端子とノイトリック社製高級XLR端子を採用。
・微小レベルのデリケートな音楽信号を不要な振動から守る、グラデーション鋳鉄製レッグを装着。
・新たにApple LosslessとAIFFフォーマットにも対応したオリジナルの高音質音楽再生ソフトLUXMAN Audio Player 最新版を付属(Windows/Mac)。
・精緻なブラスターホワイトの仕上げに映える、視認性に優れたズームおよびディマー機能付き各種モード表示用FLディスプレイ。
・操作性に優れたテンキー付きスリムタイプのアルミ製リモコンを付属。
本機は、D-08uの技術を凝縮しながらも、別の方向の再現を聴かせる。D-08uと同格の豊かな倍音の再現性を実現しながらも、透明な空間に音像をポッカリと浮かび上げるのである。同時に、一音一音に深みを感じさせる歪み感皆無の美音が特徴だ。音場と音像のコントラストをD-08uよりも明瞭にし、空間性を極めていると言える。良い意味で、D-08uのストレートでアグレッシブと言える表現に、ナチュラリティーを加えていると表現することが適切なのかもしれない。このように表現するとレンジ感が後退しているように思われがちであるが、弱音から強音へと急峻に変化する壮大な交響曲、あるいはジャズなどでは強力な電源の効果が発揮され、ダイナミックで俊敏な音の立ち上がりを示す。
D-06uについてはラックスマンのリファレンスプレーヤー「Reference Player」と表現したくなる。価格はD-08uの約半分だが、音の再現性には、また異なった音楽の躍動感とテイストを感じるのである。
文:角田郁雄
※AV/オーディオ/ガジェット情報サイト「PHILE WEB」所収記事を短くまとめたものです。