マノロ・フアレス・イ・ス・トリオ/デ・アキ・エン・マス 【CD】

アルゼンチン・フォルクローレとクラシック、ジャズの融合を果たしたアルゼンチンが生んだ偉人、マノロ・フアレスが1974年~75年にかけて吹き込んだ、カルテット編成の秀作。愁いを帯びた哀愁の旋律が、どこまでも切なく響き渡ります。
アルゼンチン第二の都市・コルドバ生まれの作編曲家/ピアニスト、マノロ・フアレス。ピアニストとしても、若くして数多くのコンクールの受賞歴を持つなど非常に優れた才能の持ち主ながら、職業作家としても多くのアーティストに楽曲提供を行いつつ、クラシック作品、さらにはオーケストラを指揮するなど、プロの音楽家としても非常に奥行きと幅のある実力者です。そんな彼が、アルゼンチン・フォルクローレをモダンなジャズアレンジで奏でたユニット、トリオ・フアレスでの2作品を経て、自身のピアノと、ギター、パーカッションとケーナを加えた編成で吹き込んだ1975年の作品が本作です。

作品の方向性はトリオ・フアレス名義の前2作と同様ながら、よりクラシックの影響を感じさせる上品さと洗練さに溢れた美しい作品が本作『デ・アキ・エン・マス』です。独特の“間”の美学を感じさせる流麗なタッチで聴かせる美しいジャズ・フォルクローレ「01. De aqui en mas」、切なさが身に沁みるケーナとギターの絡みが印象的な「02. Pensando en tu olvido」、「08. La navidad de Martin」など、哀愁感たっぷりの楽曲が彼の真骨頂なのは言うまでも無く、リズミカルな「03. Ya me voy yendo」、「07. Cueca de la vina nueva」など、心地良い陽気さが印象的な楽曲もクオリティが高く、アルバムを通じて完成されたサウンドを聴かせてくれます。

ここ日本でも最近はカルロス・アギーレを筆頭に、数多くのアルゼンチンの才能が見いだされていますが、本国アルゼンチンでは、エドゥアルド・ラゴスなどと並んで高い評価を受け続けているマノロ・フアレスからの影響が皆無という事は有り得ないでしょう。特に、フォルクローレのジャズ、モダン化と言う点においては、1960年代以降のアルゼンチンでマノロ氏以上の功績を残した人物はいないかも知れません。この作品『 デ・アキ・エン・マス』を含め、彼の初期作品群は、現在のアルゼンチンの良質な音楽にも多大な影響を与えたであろう名作達なのです。

●E式の紙ジャケット仕様で、オリジナルLPを再現
●世界初の正規復刻

Member:
Manolo Juarez - Piano
Juan Darela - Quena
Oscar Taberniso - Guitar
“Chango” Farias Gomez - Drum