OLYMPUS PENと私

1936年にオリンパス製のカメラが登場してから早80年。その節目の年に、PENシリーズ伝説の銘機PEN-Fが最新技術と共に生まれ変わりました。
ビックカメラではこの記念すべき年に、PENを愛用されているプロカメラマンの方々へインタビューをして、PENへの想いを綴って頂きました。

オリンパス カメラ事業80年の歴史

カメラ事業80年の歴史

第五回 飯田 鉄 先生

飯田 鉄 先生

プロフィール

飯田 鉄

東京都北千住生まれ
建築写真、また年輪を感じさせる古い街並みなどをテーマに撮影を続ける。カメラやレンズが大好きで、写真機材関係の著述も数多い。
1975年の個展「写真都市」以来、現在まで多数の個展を開催。
写真集に「街区の眺め」、「まちの呼吸」など、カメラ関係の本には「レンズ汎神論」、「使うライカレンズ」などがある。
東京都写真美術館、川崎市民ミュージアムなどに作品収蔵。
1987年度写真協会新人賞受賞

オリンパスの好きなカメラとレンズ達

オリンパスで好きなカメラはというと、これは切りがない。
二十歳前後に使っていたオリンパスワイドE、ペンS、ペンW、ペンFV。一眼レフではM-1、OM-1n、OM-2、OM-4、OM-3。デジタルになってからはE-P1から歴代のマイクロフォーサーズデジタルカメラ、みんな大好きだ。しかし強いて上げるとすると、ペンS、M-1が中でも気に入っているかもしれない。どちらもオリジナルのコンセプトがカメラに生きているということだろう。そうそう、オリジナルタイプではないけれどペンFVも大好きだ。どのカメラにも無駄な贅肉がない、ある意味非常にストイックな米谷イズムが横溢している。ちなみにペンS、M-1、ペンFV、すべてに米谷さんから直接、ボディにサインをいただいているのが私の大自慢だ。
好きなオリンパスレンズ、これも切りがない。
オリンパスシックスやマミヤシックスについているD.ズイコー75mmF3.5、ペンシリーズのズイコーレンズ群。ペンFではE.ズイコー38mmF3.5のマクロレンズ、OMズイコーは18mmF3.5から180mmF2まで揃えて使っているけれど、なかでも50mmF3.5マクロは切れ良くコンパクトで、いまだに大愛用中のレンズである。現在のMズイコーまで引き継がれている適価で軽量小型、そして高性能のオリンパスレンズの流れはこれからも続いて欲しいものだ。

オリンパスカメラとの思い出。

オリンパスカメラとの初めての出会いは、ずばりオリンパスワイドだ。しかも露出計内蔵のオリンパスワイドEである。知人の写真家Y氏の影響でスナップに使い始めたワイドEは、ライカタイプの交換レンズに劣らないレンズ性能と、静かなコパル製レンズシャッターで電車内などのややこしい状況でもストレスなくスナップができたことなど、ずいぶんと活躍をしてくれた。ハーフ判のペンも同じような撮影スタイルに活用。憧れのペンWを手に入れ、さらに専用フードを新宿のMカメラ店で発見した時のうれしさも記憶に新しい。OMシリーズは取材用のカメラとして各種ボディ、各種交換レンズを揃えて使っているけれど、どのレンズも軽量でコンパクトなのが有り難かった。フィルムでの依頼仕事があれば(笑)、モータードライブ、専用フラッシュセットなども含め、いつでも仕事ができるようにOMシステムをいまだに維持している。フィルムでの依頼仕事は冗談にしても、OMのセットをもってフィルムの撮影行はそのうちにしてみたい。

PEN-Fの好きなところ

デジタルのペンシリーズはE-P1から使い続けている。この初めてのマイクロフォーサーズカメラの登場は印象深い。新しく登場したペンFも同じようにインパクトのあるカメラだ。デジタルペンシリーズのフラグシップ的な存在ともいえるが、端的に言ってイージーオペレーティングの要素が強いE-Pシリーズとは方向の異なるカメラだ。撮影するという行為を楽しむためのカメラともいえる。まずダイヤルが多い。初めてペンFに触れたとき、このダイヤルの多さに驚かされたが、いざ使ってみると一見複雑に見えるダイヤル操作のそれぞれの手応えは確実で、実に楽しい。ボタン、あるいはタッチパネル等で済ませられる各種設定機構を、敢えてかなりコストのかかるアナログ操作に置き換えた意味合いは、触って初めて分かるものかもしれない。このあたりのペンFの操作感の快楽は「カメラ好き」なら頷いてもらえるはずである。このダイヤル多用の姿勢とともに、EVFの見栄えやシャッターの感触なども良好、切れの良い撮影感覚が得られる点でも、ペンFは好ましい。もうひとつ、仕上がり設定をきめ細かくカメラ内であらかじめできる点で最高レベルの能力を搭載しているというのも評価したい。実際にはこのカメラの能力を使い切るなど個人的には不可能だが、後処理頼みではなく撮影時に仕上がり状態を想定するというのは写真のイロハである。そしてデジタルペンFに限らないけれど、オリンパスの手ぶれ補正の効きの良さ、これも得点が高いところだろう。

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