フルワイヤレスイヤホン Beoplay ピンク BEOPLAY-E8/PINK [ワイヤレス(左右分離) /Bluetooth対応]

B&O PLAY初となる完全ワイヤレスイヤホン「Beoplay E8」は、左右のイヤホンを結ぶ通信にNFMI技術を採用したのが大きな特徴で、完全ワイヤレスイヤホン登場時に指摘された、音の途切れを最小限に抑える設計だ。

そのデザインは、すでに多くの同ブランド製品を手がけているヤコブ・ワグナーの手によるもので、「何て美しいんだ」と思わず口に出してしまうほどモダンだ。

イヤホンケースはモバイルバッテリーとしての機能も備え、約2時間でフル充電しておけば、イヤホン本体を最大2回分充電できる。イヤホンの再生時間は最大約4時間。

実際の音質や装着性はどうだろう。AndroidスマホとiPhoneを使用してチェックした。なお、E8のBluetoothのバージョンは4.2、対応音声コーデックはSBC/AACにも対応する。

まず再生したのは、男性ジャズボーカルのグレゴリー・ポーター「ラブ」。一聴して、自然なトーンバランスと全帯域の反応の良さが印象的だ。イントロに流れるピアノには透明感があり、ベースなどの低域も適度な弾力感を備えている。迫力志向というより、本格的なハイファイ傾向にチューニングされており、グルーブ感も併せ持つ。

B&Oのエンジニアがチューニングしたという、独自設計のφ5.7mmダイナミックドライバーの性能は予想以上に高そうだ。また、人間の耳の形やカーブの研究を重ねたハウジング形状のおかげか、装着感もとても良い。

続いてiPhoneと接続して、クラシックのヴァイオリン協奏曲を再生した。E8のバランス良く透明感のある再生音は、楽器の質感表現が要求されるクラシックでも活きてくる。ソリストのヴァイオリンは距離感が自然で明瞭だ。さらにオーケストラパートの重厚感を上手に表現し、楽曲の抑揚表現にも追従してくる。E8で聴くクラシックには高い音楽性が感じられ、クセもないので長時間聴いていられる。

今回強く感じたのは、B&Oのエンジニアが完全ワイヤレスイヤホンに求められる要素を徹底的に研究し、このE8を完成させたのだということ。充電からペアリングまでのスムーズさ、音楽の良さをより表現してくれる自然なトーンバランス、そして快適な装着感や本体の操作感に至るまで、随所に品質の高さを感じた。デザインも美しく、購入後の満足度はとても高いはず。毎日使いたくなるような良い相棒になってくれるだろう。

文：土方久明

※AV/オーディオ/ガジェット情報サイト「PHILE WEB」所収記事を短くまとめたものです。