Fluid Audioスタンダード・モデル。楽器用として最適な、バイアンプ設計のモニタースピーカー■Fluid Audio社製、高いコストパフォーマンスを実現させたFaderシリーズ2010年に設立されたニアフィールドモニターブランドのFluid Audio。創設者のKevin Zuccaro氏は、著名音響機器メーカーでスピーカー商品の開発に携わり、そこで培った経験を基に「上質の音楽/ミキシング体験を全ての人に提供したい」という情熱をFluid Audio商品に詰め込んでいます。
■ピュアな音を再生するペーパーコーンウーファーポリコート紙のコーンに防磁、低歪み磁気回路を採用したウーファーを搭載。コーンは柔軟なブチルゴムを使ってフレームに取り付けられ、コーンからの高周波の共振を最小限に抑えています。多くのメーカーが新世代の素材を使用していますが、1920年代以来、ウーファーコーンの代表的な素材は紙パルプです。紙は強度重量比に優れ、優秀な減衰特性を持っているため、共振を鳴らすのではなくピュアな音色を再生するために採用されているのです。
■自然な音を奏でるシルクドームツイーター独自の防磁仕様シルクドームツイータードライバーは、限りなくナチュラルなレスポンスを実現しつつ絶妙な音のディティールを奏でることができます。ドームに特殊制振剤を採用することで、共振、歪みを事実上完全に除去します。さらに、特別にデザインされた導波管を実装することで、ツイーターはオフアクシス時の最適なレスポンスを生み出すとともに、より低い周波数帯でクロスオーバーさせることができ、ミッドバンドで高い出力を実現しました。
■音響特性に優れたエンクロージャー(筐体)エンクロージャーのデザインは、スピーカーの全体の音域の応答性を決める重要な役割を担っています。音響に適したMDF素材を採用するだけではなく、しっかりとした応答性を確保するために内部の支柱にも強化も施しています。これらは、オフアクシス時の性能を最大化するため高周波数帯出力を調整するだけでなく、ツイーターの導波管は、ツイーターとウーファーの位相調整を可能にしています。
■バイアンプ方式ウーファー(40W)とツイーター(30W)を別々に駆動するバイアンプ方式の採用で、パワフルかつ鮮明な音を実現。楽器の演奏にも最適な環境を提供します。
■ボリュームに簡単アクセスFaderシリーズの由来ともなる、フロントパネルに配置されたフェーダー型ボリュームコントローラー。簡単アクセスで手軽なボリュームを実現します。
■フロントバスレフベントバフレスベントを正面に配置するデザインで、正確な音がダイレクトに伝わります。また「壁」などの周囲環境に影響されないを自由な設置を実現。
■豊富な入力端子XLRバランス入力、TRSバランス入力、RCAアンバランス入力対応で、複数の機材を同時につなげたい方。
※複数同時入力時は音がMIXされますF5を「明るい音で、非常にパワーがあるスピーカー」と評価するのは、豊富な経験を持つサウンドエンジニアの上杉尚史氏。
「非常に明るい音で、かなりパワーがあるスピーカーですよね。今回はミキサーの後ろにつないで使ってみたのですが、あまりフェーダーを上げなくても結構なボリュームで音が出るんです。普段使っている他社製モニタースピーカーと比べても、F5の方が凄くボリュームが出るなという印象です。
もうひとつ印象的だったのが高域の表現力です。トゥイーターのバランスがそうさせているのか、高域のヌケの良さや強さが“明るい音”という印象につながっているのかもしれません。これはなんだか凄いぞ、と思わされましたね。
明るい音なのでフレーズがわかりやすいんです。実際の楽曲制作過程では、最終的なマスタリングやミックスに向けて何種類かスピーカーを変えて音の感触をいろいろと確認しながら進めていくのですが、その前段階としてF5で聴いておくという使い方は結構いいと思いますよ。
ちょうどいいサイズだし、自宅で楽曲制作をしているような方や、これからDAWを始めてみたいような方には特におすすめのスピーカーですよ」
文:上杉尚史
※AV/オーディオ/ガジェット情報サイト「PHILE WEB」所収記事を短くまとめたものです。