■「Advanced AL32 Processing Plus」ハイレゾ音源にも対応する、デノン独自のデータ補間アルゴリズムによるアナログ波形再現技術の最新バージョン「Advanced AL32 Processing Plus」を搭載。
■オリジナル・ドライブ・メカニズム「Advanced S.V.H. Mechanism」ディスクドライブには、最新世代のAdvanced S.V.H. Mechanismを搭載。ピックアップの制御とデコードを担う回路を最短、最小化することにより余分な電流やノイズの発生を抑制。トレイには共振を防止するためにザイロン素材を採用しています。
■DACマスター・クロック・デザインDACをマスターとしてクロック供給を行い、デジタル回路を正確に同期させるDACマスター・クロック・デザインを採用。マスタークロックをD/Aコンバーターの直近に配置することで余分なジッターの発生を抑え、高精度なD/A変換を実現しています。
■ダイレクト・メカニカル・グラウンド・コンストラクション自らが振動体でもある電源トランスをフットの間近に配置することで、振動を直接グラウンドへと逃がし、周辺回路への不要な振動の伝搬を防止しています。
■振動を抑制するリブ入り高密度フット高密度で高剛性なリブ入りフットを採用。プリメインアンプにも使用されているフットによって防振効果をさらに高めるとともに、入念な音質チューニングも施しています。
■SX1グレードのデノン専用カスタムコンデンサーD/A変換回路以降のアナログオーディオ回路の電源部には、新開発のデノン・オリジナル大容量(3300μF)ブロックコンデンサーを採用。DCD-SX1に採用されたパーツをベースとして、試作と試聴を繰り返してDCD-1600NEに最適なパーツを新規開発しました。
■DSD / ハイレゾデータディスク再生対応CDやスーパーオーディオCDの再生に加え、DVD-R/-RWやDVD+R/+RWに記録したDSD(2.8 MHz / 5.6 MHz)、最大192 kHz / 24 bitまでのハイレゾ音源を含む音楽ファイルの再生に対応しました。CD-R/-RWでは、サンプリング周波数48 kHzまでのファイルを再生することができます。
デノンの「PMA-1600NE」はUSB-DACを内蔵するプリメインアンプである。終段はUHC MOS-FETのハイゲインなシングルプッシュプルだ。出力は70W×2(8Ω)/140W×2(4Ω)でリニアリティが高い。
プリアンプ部は伝統的なアナログ式で、スキップ可能なトーンコントロール回路等をもつ。また、このクラスのプリメインアンプとしては異例ともいえる、MC/MM対応のフォノイコライザーを搭載する。
このアンプのキモといっても過言ではないUSB-DACは、驚くべきことにPCM 384KHz/32bitおよびDSD 11.2MHzまでの対応だ。DSDの伝送方式はASIOドライバーによるネイティブ再生でもDoPでもOK。さらにはPC側のクロックを使用せずDAC側のマスタークロックで制御を行うアシンクロナスモードにも対応する。
プレーヤーに「DCD-1600NE」、スピーカーにモニターオーディオの「GOLD300」を用いて試聴した。
まずはCDでジャズのピアノトリオを聴いたのだが、非常に美しくハイクオリティな表現だ。フレッシュで、瑞々しく、ディテールが豊富で、こちらから聴きに行かなくても音楽的情報を楽に得ることができる。エネルギーバランスは摩天楼型よりもやや低域に余裕があるいわばスカイツリー型だ。ベースの解像度が高く、音像がプリッとしている。ピアノの切れ味は抜群だ。右手はもとより左手の動きも楽に追尾できる。ドラムスの造形もすばらしく、キックドラムの振動やハイハットの開閉による空気の動きが風圧となってリスニングポジションに到達する。
クラシックはイタリアの新進指揮者アンドレア・バッティストーニが東京フィルハーモニーを振った「第九」を聴いた。この演奏は非常に斬新だ。二十世紀を通じて形作られた「苦悩から歓喜へ」という解釈とは全く異なる、いわば「狂人の悪夢」のような「第九」の音響世界が描かれている。えっ、こんなふうに演奏してもいいの? と訝しく思うことが度々あるのだが、スコアを見ると、なるほどその通りに書かれているのである。
そして、ここからが重要なのだが、PMA-1600NEとDCD-1600NEの組み合わせで聴くと、バッティストーニの音楽作りが何となくではなく、確固としたディテールから理解できるのである。この価格でこれほど深い音楽を奏でるプレーヤーとアンプを、私は寡聞にして知らない。
文:石原俊
※AV/オーディオ/ガジェット情報サイト「PHILE WEB」所収記事を短くまとめたものです。