ソニー FE 20mm F1.8 G
「FE 20mm F1.8 G」はソニーFEレンズで最も画角の広い単焦点レンズです。小型軽量ながらGMシリーズに匹敵する高い解像力とぼけの美しさを備えた、最新の光学設計Gレンズのレビューをお届けします。

超広角レンズ20mmは広い画角によって広々とした空間を写すことができる一方で、短い最短距離を利用して被写体に接近し存在感を強める撮影も楽しめます。最短距離0.19m(0.2倍の最大倍率)の高い近接撮影能力を有しているので、被写体に接近して細かいディテールを描写することが可能です。f1.8の被写界深度の浅さで背景が溶けるようにボカしてフクロウ像の存在感が浮き立っています。
撮影後α7Vが前日夜景を撮影した時の感度ISO1000になっていて焦りました。恐る恐るモニターで画像をチェックしたのですが、さすが高感度耐性に優れたα7V、影響が全く感じられず胸を撫でおろしました。
カメラ:
α7III
レンズ:
FE 20mm F1.8 G
絞り値:f/1.8
露出時間:1/8000秒
ISO:1000
露出補正:-2.0ステップ
露出モード:絞り優先


画面全面に写るトラムのフロントから迫力を感じますが、鈍く光る車両の塗装から落ち着いた雰囲気が伝わり、周囲が反射して映り込む運転席ガラス窓の質感もきっちり伝わって聞くるなど高い光学性能が確認できました。



近寄って被写体の存在感を高める撮り方と、広々とした空間を感じさせる描写力が超広角レンズの魅力です。
カメラ:
α7III
レンズ:
FE 20mm F1.8 G
絞り値:f/5.6
露出時間:1/500秒
ISO:200
露出補正:-0.7ステップ
露出モード:シャッター優先


三崎口駅から城ケ島にむかうバスに乗り車窓の風景を楽しんでいると、歩道に使い古された椅子がぽつんと置かれている光景を目にしました。どうも捨てられているのではなく、地元の方が時折この椅子で休憩するために使われているようです。20mmが作り出した空間の中に椅子の寂しさが漂っているかのように感じました。






続いて縦位置で撮影。
カメラ:
α7III

超広角レンズは近接しても空間の広がりを写す撮影も楽しめる表現の幅が広いレンズなので、絵心が楽しめる感じるレンズだと改めて感じました。


超広角レンズは狙う意図をはっきりさせて絵作りをすれば面白い絵がとれるし、漠然とシャッターを押せば写っている被写体がすべて中途半端になってしまいます。広大ともいえる広々とした画角は被写体を包む雰囲気や空間を絵的に描写してしまう魔法のレンズのような魅力があることを改めて感じながら帰途につきました。