Nikon Z 7II
「デュアル EXPEED 6」を搭載することによる連続コマ数増加やAF性能のアップ、瞳AFの進化、デュアルスロット搭載の信頼性、グリップを深くすることによるフォールディング感の進化など数多くの機能アップを成し遂げたZ 7IIを持って江の島へ行ってみました。

Z 7IIの有効画素数4575万画素は現在時点のミラーレス機の中でも有数の高画素数ですが、ボディサイズがコンパクトで携帯性に富んでいます。高画素数と構えることなくフットワークを生かした気軽に持ち出せるカメラとして活躍するはずです。


有効画素数4575万画素が描き出す解像力は岩肌に刻まれた細かいヒビや隆起、生い茂る草木の枝を細微に写し出しています。三脚を使用することなくカメラをさっと持ち上げてスナップしただけでもこれほどの緻密な描写が得られます。同じ画素数のD850よりも300gも軽いボディなので山歩きなどの撮影ならば断然こちらをチョイスしたくなります。

間近でテトラポットを見るとその巨大な存在感に圧倒されます。幾重の荒波を受け止めてきたテトラポットの無機質な形がZ 7IIの細微な描写力によって武骨な雰囲気を纏い、迫ってくるような迫力が写し出されています。

カメラ:
Nikon Z 7II
絞り値:f/4
露出時間:1/640秒
ISO:125
露出補正:-0.3ステップ
露出モード:シャッター優先

公園で寛いでいた観光客の食べ物をトンビが上空から急降下して強奪する場面を目撃しました。そのトンビが飛び去る際にこぼれ落ちた獲物を他のトンビが拾いに来た瞬間をZ 7IIでスナップ。瞬撮だったのでピント面が路面に行ってしまいましたが、シャッターチャンスそのものは悪くありません。
とっさの撮影にも応じられるレスポンスの良さもなかなかのものです。
とっさの撮影にも応じられるレスポンスの良さもなかなかのものです。

撮影を開始した時は引いていた潮が満ち始め、片瀬東浜と西浜から押し寄せる波が江の島弁天橋の袂でぶつかり始めました。押し寄せる波に浮かぶ小さな泡が細かく写っていますが、このような細かい描写が後で写真を見直したときに撮影した時の情景がより鮮明に思いだせる手助けになってくれます。

夕日に照らされ赤く染まるススキと海の青さのコントラストが鮮やかです。Zシリーズの画質は色乗りが良くメリハリがあり奥深さを感じさせてくれるので、ススキの一本一本が自らの存在感を主張しているかのようです。

NIKKOR Z 85mm f/1.8 Sを装着し、絞り値を開放にして夕日で輝く海面を大きくぼかしススキを強調してみました。とろけるように柔らかいボケによって逆光で輝くススキが浮き上がるように描写されとても美しく写し出されています。Zミラーレス用に開発されたSラインの高性能がZ 7IIによって余すことなく引き出されています。

夕日に赤く染められた岩肌。ごつい岩肌が滑らかで艶やかな雰囲気をまとって見えるのも高画素機ならではの描写。

今回撮影に持って行ったNIKKOR Z 85mm f/1.8 SとZ 7IIの相性は抜群で、AFもスムーズで瞬間を切り取るスナップ撮影などにも活躍することでしょう。高画質機で中望遠レンズを使用すると、細微感あふれる描写力が圧縮効果でさらに細微な雰囲気をまとう絵になるのも面白いと感じます。

岩場に押し寄せる波に流されてきた小魚を狙うサギ。足元に流れ込む波の細かい波紋が細微に写し出されています。逆光気味で撮影していますが、海面のハイライトトーンも階調が整いダイナミックレンジの広さが見て取れます。


カメラ:
Nikon Z 7II
絞り値:f/1.8
露出時間:1/640秒
ISO:160
露出補正:-0.7ステップ
露出モード:シャッター優先

江の島で散策しながら作例を撮影しているうちに日没時間が近づいてきました。高台に沈んでいく太陽を眺めていると茜色に染まった空の彼方に富士山が見えたのでさっとカメラを構えてシャッターを押しました。
画像を確認すると富士山の手前右下には小田原の街が写っています。相模湾を覆う細かいさざ波が緻密に描写され、疾走するモーターボートの跳ね飛ぶしぶきまでもが写し出されている描写力、改めて小さなボディから写し出される高解像力の画質に感動しました。

実は江の島に到着する前に食べた生しらす丼との相性が悪かったようでおなかの調子が悪くなり、トイレを探しながら作例撮影をするという状況でした。じっくり作例を撮る状況ではなかったのですが、それでも印象的なカットが何枚も取れたのはZ 7IIの画像の素晴らしさと優れた操作性、高性能なZ用のレンズのお蔭でした。日没時間頃にはおなかも落ち着いたので、今日はいろいろあったな、と思いながら港を撮影して帰路につきました。