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FUJIFILM X-T4

X-T3から2年を待たずに発売されたXシリーズのフラッグシップ機X-T4はセンサー・画像エンジンは据え置きながら、15コマ/秒の高速撮影、5軸・最大6.5段のボディ内手ブレ補正機能、バリアングル方式の背面モニターなど多機能な進化を遂げました。
また、プロカメラマンからの支持を集める「フィルムシミュレーション」に日本映画発祥のフィルム現像手法「銀残し」をシミュレートした低彩度・高コントラストで引き締まった画像になる「ETERNAブリーチバイパス」を搭載しました。
筆者もプライベートではXシリーズのカメラを愛用しているので、さてどんなものか、とワクワクしながら作例の撮影に出かけました。

X-T4_隙間から
長年フィルムを製造してきたメーカーとしてFUJIFILMのXシリーズに搭載された各フィルムシュミレーションが描き出す色調は、他のメーカーとは一線を画した味付けで数多くの写真家から支持を受けています。
今回X-T4に新たに搭載された「ETERNAブリーチバイパス」は、フィルム現像手法の一つ「銀残し」をシミレーションしたものです。フィルムを現像するときに銀を残すようにすると彩度が低い渋い発色と画面のコントラストが強くなって引き締まった画像になります。
1960年に日本映画「おとうと」で初めて実用化された日本の技術ながらハリウッド映画の「プライベート・ライアン」や「マトリックス」でも採用された表現方法ですが、そのフィルムシュミレーションをX-T4でも味わえるのでワクワクします。
カメラ: X-T4
レンズ: XF16-55mmF2.8 R LM WR
絞り値:f/10
露出時間:1/500秒
ISO:160
露出補正:±0ステップ
露出モード:マニュアル
フィルムシミュレーション:ETERNAブリーチバイパス



X-T4_モニュメント
澄み切った青空を強調するようにカラークロームブルーを弱にして撮影したのですが、ETERNAブリーチバイパスだとカラーとモノクロの中間のような実に渋い世界へ変化します。
カメラ: X-T4
レンズ: XF16-55mmF2.8 R LM WR
絞り値:f/7.1
露出時間:1/1300秒
ISO:160
露出補正:-0.3ステップ
露出モード:絞り優先
フィルムシミュレーション:ETERNAブリーチバイパス



X-T4_VelviaとETERNAブリーチバイパスの比較

X-T4_VelviaとETERNAブリーチバイパスの比較(ETERNAブリーチバイパス)画質モードをRAWで撮影したデータを無料で提供されている「FUJIFILM X RAW STUDIO」を使用して色彩の鮮やかな「VelVia」と低彩度・高コントラストの「ETERNAブリーチバイパス」にそれぞれ現像して比較してみました。
雲一つない澄み切った空の青さや芝の緑のじゅうたんが全く違う世界となって生まれ変わります。見比べてみると両極端なイメージです。

風力発電機のプロペラがきれいな角度になるように連射したのですが、15コマ/秒に進化したシャッターユニットが小気味よい音を立てながらシャッターを切り、プロペラを良い角度で捉えることができました。
フォーカルプレーンシャッターで撮影しているので電子シャッターで起こる「ローリングシャッター歪み」は発生せずプロペラは真っ直ぐに静止して写っています。連射の感触が軽快でいつまでもシャッターを押し続けたくなるような心地よさを感じました。
カメラ: X-T4
レンズ: XF16-55mmF2.8 R LM WR
絞り値:f/3.2
露出時間:1/4000秒
ISO:160
露出補正:-0.7ステップ
露出モード:シャッター優先



X-T4_電車
秒間15コマに進化した電磁制御方式縦走りフォーカルプレーンシャッターの奏でるシャッター音は小気味よい乾いた音で心地よさを感じる音色なのですが控えめな音量です。街中のスナップ撮影で周囲を気にしながらシャッターを押すようなストレスから解放されそうです。
カメラ: X-T4
レンズ: XF16-55mmF2.8 R LM WR
絞り値:f/8
露出時間:1/2000秒
ISO:800
露出補正:±0ステップ
露出モード:マニュアル
フィルムシミュレーション:ETERNAブリーチバイパス



X-T4_ASTIA 1ASTIAの柔らかく優しさを感じる表現力もいいですね。真夏の海や水辺が似合う発色で梅雨明け後の季節にはピッタリではないでしょうか。
カメラ: X-T4
レンズ: XF16-55mmF2.8 R LM WR
絞り値:f/2.8
露出時間:1/2000秒
ISO:160
露出補正:±0ステップ
露出モード:シャッター優先
フィルムシミュレーション:ASTIA



X-T4_ASTIA 2
カメラ: X-T4
レンズ: XF16-55mmF2.8 R LM WR
絞り値:f/9
露出時間:1/500秒
ISO:160
露出補正:-0.3ステップ
露出モード:シャッター優先
フィルムシミュレーション:ASTIA



X-T4_球場
クラシッククロームの渋い発色に魅了されてXユーザーになった方もたくさんいらっしゃいます。彩度が抑えられ被写体が積み重ねてきた歴史や深みを画面から醸し出すような表現力はX-T4にも引き継がれています。
カメラ: X-T4
レンズ: XF16-55mmF2.8 R LM WR
絞り値:f/2.8
露出時間:1/1500秒
ISO:160
露出補正:-1ステップ
露出モード:絞り優先
フィルムシミュレーション:クラシッククローム



X-T4_バイク
カメラ: X-T4
レンズ: XF16-55mmF2.8 R LM WR
絞り値:f/5.6
露出時間:1/75秒
ISO:400
露出補正:-0.7ステップ
露出モード:絞り優先
フィルムシミュレーション:クラシッククローム



X-T4_ボートX-Pro3から登場したフィルムシュミレーション「クラシックネガ」。X-T4でも引き続き楽しめます。
カメラ: X-T4
レンズ: XF16-55mmF2.8 R LM WR
絞り値:f/8
露出時間:1/750秒
ISO:160
露出補正:-2.3ステップ
露出モード:絞り優先
フィルムシミュレーション:クラシックネガ



X-T4_通路クラシックネガは夕日を浴びている被写体に向いていると感じます。この青色の案内板にAFポイントを合わせたのですが、周囲も同じような形状でAFが迷いそうな状況だったのにもかかわらず一瞬で合焦。
画面内のあらゆる被写体に素早く正確にフォーカシングする最速0.02秒AFの威力は、ピントが合わなくて感じるストレスから開放してくれシャッターチャンスを確実にものにする機会を増やしてくれることでしょう。
カメラ: X-T4
レンズ: XF16-55mmF2.8 R LM WR
絞り値:f/2.8
露出時間:1/500秒
ISO:250
露出補正:-0.7ステップ
露出モード:シャッター優先
フィルムシミュレーション:クラシックネガ



X-T4_伸びる影
X-T4になって背面モニターがチルト式からバリアングル式に変更しました。
使い勝手の違いから好き嫌いが分かれるとは思いますがが、縦位置でも自由にモニターを可変できるバリアングル式は花や建物など縦構図を多用する方たちには歓迎されることでしょう。また動画撮影においてはバリアングル方式の方が画面をのぞきやすいメリットがありそうですね。
カメラ: X-T4
レンズ: XF16-55mmF2.8 R LM WR
絞り値:f/16
露出時間:1/320秒
ISO:500
露出補正:-1ステップ
露出モード:マニュアル
フィルムシミュレーション:PROVIA



X-T4_鏡の天井バリアングル方式は角度の調整が楽なので、見上げる構図もカメラを上に掲げて仰ぎ見るような不自然な姿勢は必要なく楽に構図が決められます。
光軸とずれて(レンズの延長線上ではなくカメラの右側にモニターが出る)になるのでチルト式のカメラしか使ったことがない筆者は当初戸惑いを感じましたが、しばらく使用しているうちに慣れてしまい、縦位置が楽なことからこれもいいな、と感じるようになりました。
カメラ: X-T4
レンズ: XF16-55mmF2.8 R LM WR
絞り値:f/2.8
露出時間:1/250秒
ISO:250
露出補正-0.3ステップ
露出モード:シャッター優先
フィルムシミュレーション:PROVIA



X-T4_ミラー状のビル壁
街を歩きながら自分ならではの視点で“絵”を探し出したときは、密かに自分だけの宝物を発見したようなワクワクした気持ちになります。
X-T4のグリップは手になじみやすく安心感のあるホールディングができます。何気なく街を歩きながら「あっ、絵になりそう」と一瞬の閃きが沸き起こった時にすっと自然にカメラを構えられます。カメラと一体感がある、案外これって大切ではないでしょうか。
カメラ: X-T4
レンズ: XF16-55mmF2.8 R LM WR
絞り値:f/8
露出時間:1/150秒
ISO:160
露出補正:-0.3ステップ
露出モード:絞り優先
フィルムシミュレーション:PROVIA 



X-T4_夕日
一年で日の入りが一番遅い季節、日没の瞬間をVelviaで写してみました。
夕日が沈んでいく西から東に向かって空色が、赤黄色、黄色が混ざり合う青色、そして群青色へとなだらかなグラデーションを描きながら変化していく広大な空のキャンバスをVelviaの鮮やかな発色が美しく写し出しています。カラークローム・ブルーを強にしたので空の青みが強まり画面にメリハリがついて深みが増したように感じます。
カメラ: X-T4
レンズ: XF16-55mmF2.8 R LM WR
絞り値:f/5
露出時間:1/500秒
ISO:200
露出補正:±0ステップ
露出モード:シャッター優先
フィルムシミュレーション:Velvia



X-T4_東京駅1/4秒地X-T4に搭載されたボディ内手ブレ補正の性能を確かめたくなり、夜景の手持ち撮影でテストを行ってみました。
使用したレンズはOIS(光学式手ブレ補正機構)が非搭載のXF23mmF1.4 R。レンズ自体に手ブレ補正が搭載されていないので純粋にカメラだけでの補正効果を確かめられます。

まず1/4秒での撮影、止んだばかりの雨が作った水たまりを強調するため縦の構図にしてみました。バリアングルモニターのお蔭で縦位置でのローアングル撮影も楽にこなせます。
1/4秒での撮影ではホールディングに気を付ければほぼすべてのカットで手ブレ補正効果が確認できました。筆者と同じような構図で写真を撮っていた男性がシャッターを押した瞬間に立ち上がったので背景に溶けるようにブレいていますが、東京駅舎はまったく手ブレを起こした様子はありません。かなり強力な手ブレ補正が効いていることを実感できました。
カメラ: X-T4
レンズ: XF23mmF1.4 R
絞り値:f/1.8
露出時間:1/4秒
ISO:160
露出補正:-0.7ステップ
露出モード:シャッタースピード優先
フィルムシミュレーション:PROVIA



X-T4_東京駅1/2秒さすがに1/2秒だと気合を入れてしっかりカメラをホールディングしないと手ブレが起きやすくなってきますが、脇を締めてシャッターを押す瞬間に注意を払って撮影すれば手ブレをよく抑え込んだ写真を撮ることは可能でした。
この作例も手ブレがまったく感じられません。もし手ブレ補正機構がついていなければ1/2秒の手持ち撮影で手ブレのない写真を撮ることはほぼ不可能です。
カメラ: X-T4
レンズ: XF23mmF1.4 R
絞り値:f/3.2
露出時間:1/2秒
ISO:160
露出補正:-0.7ステップ
露出モード:シャッター優先
フィルムシミュレーション:PROVIA



X-T4_東京駅1秒1秒の手持ち撮影ではシャッターを押してから撮影が終わるまでの1秒間しっかりカメラをホールドしているつもりでも微妙に腕や体が動いていると感じました。
さすがに手ブレは起きているだろうと思いながら撮影したデータをモニターで確認すると、なんとピタリと被写体が静止して写っているカットが数枚ありました。これにはさすがに驚きました。手振れ補正の非搭載カメラで1秒のシャッタースピードで手ブレを起こさず撮影することなどまず不可能です。それがX-T4では撮れてしまったのです。
さすがに撮影したすべてのカットがこのように静止しているわけではなく手ブレを起こしたカットもかなりありました。だが、条件が合えばここまで制止するのです。レンガやシャッターのエッジが鮮明に写し出されていて画面全体を見渡しても手ブレを起こした形跡は全く確認できません。光量の足らない風景撮影や夜景撮影はもちろん動画撮影においても多大な恩恵を受けることでしょう。
カメラ: X-T4
レンズ: XF23mmF1.4 R
絞り値:f/3.2
露出時間:1秒
ISO:160
露出補正:-0.3ステップ
露出モード:シャッター優先
フィルムシミュレーション:PROVIA




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