SONY FE PZ 16-35mm F4 G
軽量ながら全域開放F値4の広角ズームレンズ「SONY FE PZ 16-35mm F4 G」。フォーカス・ズーム・絞りの3つのリングがそれぞれ独立した操作で細かなセッティングができる本格的な雰囲気をもつレンズです。電動モーターによるズームレバーによる高精度なズーム操作も可能で、静止画だけでなく動画撮影にも対応できます。軽量コンパクトなレンズを携行するとフットワークも軽くなります。今回はどのような作例を撮れるか楽しみです。
※2022年4月撮影

カメラ:
α7R IV
絞り値:f6.3
露出時間:1/25秒
ISO:2000
露出補正:±0ステップ
露出モード:シャッター優先


都会には自然の風景とは違う人工物による造形美の美しさによる都市風景が広がっています。超広角の画角で街から魅力ある美しさを引き出す楽しさは、ネイチャーフォトとは一味違う面白さがあります。窓に向かってやや逆光気味の撮影ですが、最適化されたコーティングによりゴースト・フレアの影響を受けることなく、すっきりしたヌケの良い画でまとめることができました。

路面にはめ込まれたユリカモメのレリーフを強調するため、カメラを路面にギリギリ接地する状態で構え、背面モニターを見ながら構図を決めることにしました。
しゃがみながら背面モニターを見るのはかなり体に負担がかかります。ズームリングの位置が地面に近く回し辛かったので、レンズ側面にあるパワーズームのレバーを操作しました。無段階変速のズーミングはほぼ無音で滑らかに画角を変化させていきます。モニターを見ながら狙った画角でレバー操作を止めるとズーミングがピタリと止まり、撮影者の感覚通りの構図を決めることができました。

光学設計の最適化により最大撮影倍率は0.23倍。開放絞り値はF4ですが、被写体にグっと迫り強調することで背景を大きくボケさせる超広角レンズの醍醐味をしっかり味わえます。
近接して強調した鎖の質感に武骨さを感じ、迫力に満ちています。偶然通りがかった自転車が鎖の上を走るように入り込んだのは偶然とはいえ、いい瞬間にシャッターを押せました。

ゴールデンウィークが近づくと鯉のぼりが街でも掲げられて元気に「泳ぐ」姿を目にします。毎年東京タワーに掲げられる鯉のぼりを見るのが楽しみにしています。
高度非球面AA(advanced aspherical)レンズ2枚、非球面レンズ1枚、スーパーED(特殊低分散)ガラスとEDガラス各1枚に加え、ED非球面レンズ1枚が組み込まれた描写力は、スッキリしたヌケ良さ、素直でバランスの取れた発色、四隅までシャープに結像する優れた光学性能が画面全体から伝わってきます。

鯉のぼりの近くに穴を散りばめた洒落た壁があったので、その穴から鯉のぼりを覗くように撮影してみました。
それほど大きな穴ではありませんでしたが超広角でグッと近接しパースによって手前に引き付けた穴は拡大して奥にある鯉のぼりは小さく写りました。撮影した画像を見るとなんだか水族館の魚を観察しているような不思議な感じがする写真が撮れました。
超広角ズームレンズは多彩な表現力が楽しめるので、1本持っていると撮影の楽しみ方がグンと広がるのではないでしょうか。

カメラ:
α7R IV

都心の東京タワー周辺は公園が多く、都会の中でも緑に囲まれ落ち着く雰囲気を感じるオアシスのような場所です。新緑に包まれたタワーを28mmの画角で切り取ってみました。樹木の小さな葉が細かく描写され、画面の隅々までクリアですっきりと瑞々しさに溢れた雰囲気を写し出すことができました。

あいにく天候がすっきりしない曇天だったのですが、高解像力と抜群のヌケの良さが解像力に助けられ「みはらしの丘」を瑠璃色に包み込むように咲き誇るネモフィラを美しく納めることができました。

日差しが少なかったのでα7R IVのクリエイティブスタイルを「風景」にセレクト。超広角を使用した風景写真は解像力によって細微感が左右され、写真の出来栄えが大きく変わってきます。
写っている花々や木々の葉が小さくとも細かくクリアに分離されていれば、画面全体が引き締まってリアル感が伝わってきます。
「SONY FE PZ 16-35mm F4 G」は7RIVの高解像度に応えることができる光学性能を有しています。

小さなネモフィラの花びら一本一本を細微に描写して、澄んだ青白い花の色の発色から透明感が伝わってきます。画像中心に写っている花びらは鋭いエッジが立って抜群の解像力が感じられます。

公園の雄大な広がりをより感じるため、画面サイズを16:9フォーマットに設定して撮影してみました。

フルサイズならではの大きなボケはどの被写体を撮影しても魅力あふれる存在に写し出ししますが、美しい花を近接したときの描写は特別な美しさに満ちています。柔らかく豊かなボケ味が可憐な花の表情を捉えつつ柔らくまろやかに浮き上がらせて、まるで舞台の主役の様に写し出します。このレンズが作り出す柔らかいボケ味は優しさに満ちているような雰囲気を感じます。