ソニー DSC-RX1RM2 進化したフルサイズコンパクト
小型で高画質、写真にこだわる方もじっくりと使える高級コンパクトデジカメ。個性的かつ魅力的な機種が多いジャンルですが、そのなかでもモンスター級のフルサイズセンサー搭載のRX1シリーズのRX1、その後ローパスレスのRX1Rと、登場した時は相当なインパクトがありました。RX1にするか、RX1Rにするか、悩んだ方も少なくなかったのではないでしょうか。
今回発売になったDSC-RX1RM2、その大きな特徴の1つに、光学式可変ローパスフィルターの搭載でローパスフィルター効果のON、OFFが可能になったことが挙げられます。解像度を優先するか、モアレや偽色を抑えるか、シーンに応じて切り替えることが可能で、上記のように、どちらの機種にするか、といった悩みからは解放されます。
そして、EVFファインサーが内蔵されました。今までも外付けのEVFは用意されていたものの、スタイルや携帯性が犠牲になっていました。今回は携帯性の良いポップアップ式の内蔵ファインダーを搭載し、T*コーティングで非常に見えもよく、撮影に集中できます。
その他にも、399点像面位相差AFセンサーを搭載し、RXシリーズで初めてファストハイブリッドAFに対応するなど、高性能、高画質により磨きをかけて、撮る道具としての完成度もより高まった1台となっています。
SONY DSC-RX1RM2実写レビュー
▽ガラス越しの小瓶
絞り優先 F2 +0.7 ISO200
ウインドウ越しの小瓶を絞り解放にて。
ZEISSゾナーT*35mmF2の大口径単焦点レンズを搭載。開放での柔らかな描写の中、ピントを合わせた瓶のフチの部分は非常にシャープ。透明感もなかなかいい感じです。
▽フェルトの猫ちゃん
絞り優先 F2 ISO400
特記以外はローパス効果は標準にて。フェルトでできた猫ちゃん、その生地の毛羽立ちなどの質感も良い感じです。
▽双眼鏡
絞り優先 F2.8 ISO100
観光地によくあるコイン式の双眼鏡。なんだか愛嬌のある顔のようです。面白いと思い何気なくとったのですが、接眼部分の金属の質感もよく、ペンキの光沢感もよく表現してくれました。
▽カフェでパニーニ
絞り優先 F4 -0.3 ISO400
ちょっと小腹がすいたので一休み。カフェで頼んだパニーニを食べる前にパチリ。その表面のテクスチャ、質感、まるで写真を触ると生地のザラザラ感が伝わってくるかのようです。かなり寄っていますが、レンズ部分にある距離リングを切り替えることで近接撮影に対応。フルサイズセンサー搭載ながら最短20cmまで寄ることができます。
▽軒下のランプ
絞り優先 F4 -0.3 ISO400
すこし絞ってF4にて。それでもフルサイズセンサー、大きなボケ味と立体感。ボケのつながりやランプの金属描写などもなかなかいい感じです。
▽ローパス効果強
1/500 F4 ISO400
珈琲の麻袋。縞々な被写体、モアレや偽色が気になりそうなシーン、ローパス効果を強に切り替え、抑制してみました。解像感を優先するか、モアレを抑制するか、シーンによって選べるのはありがたいです。ブラケット撮影も可能です。
▽曇りの午後
▽ISO3200
絞り値:f/4
露出時間:1/800秒
ISO:100
少々暗い室内にて。ISO3200ではほとんどノイズなどもなく、ピントを合わせた人形のディテールもしっかりと。そして近接気味に撮影ですが、背景の点光源もしっかり円形に。レンズの性能の良さもうかがえます。
撮影していると、やはりファインダーを覗いて撮影したいもの。DSC-RX1RM2のポップアップ式ファインダーは見え方もよく、じっくり撮影に集中出来ます。また。ポップアップ時もいきなりボン!と飛び出すのではなく、スーとゆっくりとポップアップ。こんなところにもこだわりと高級感を感じてしまいました。
AFも速く、快適。有効約4240万画素、35mmフルサイズ 裏面照射型Exmor RとZEISS「ゾナーT*」35mm F2が生み出す画質の面もとても良好です。先代の登場から3年以上が経ち、様々な面で進化。コンパクトカメラとしては少々モンスター級の価格ではありますが、その価値は十分にあると思います。究極、至高の高級コンパクト、是非ご検討ください。