SIGMA 35mm F1.4 DG HSM|Art【ソニーEマウント】
最新の光学技術を取り入れた高性能な大口径広角レンズ「SIGMA 35mm F1.4 DG HSM|Art」。シグマの誇る新プロダクト・ライン“Art”の第一号で、「最高」の基準を刷新すると銘打たれたフラッグシップモデル。最高レベルの明るさと美しいボケ味、描写性能、解像力を誇ります。その高性能レンズに、αユーザーのための「SIGMA 35mm F1.4 DG HSM|Art【ソニーEマウント】」が、追加されましたので、前回と前々回の50mm、85mmに続き、ご紹介させていただきます。光量が少ない環境での手持ち撮影や、大口径f1.4ならではの画づくりに期待されますが、今回は、真夏の日差しの中での撮影。光は充分ですが、開放値付近での浅い被写界深度で描き出される世界を存分に楽しみたいと思います。それでは、作例をご覧ください。

カメラ:
α7II
絞り値:f/1.4
露出時間:1/250秒
ISO:100
露出補正:+1
暗い店舗の室内からガラスのドア越しに見える風景を切り取りました。コントラストも綺麗です。

カメラ:
α7II
絞り値:f/2
露出時間:1/250秒
ISO:160
露出補正:+1
螺旋階段をヒョイと覗き込むと、まさに35mmの画角に最適なフレーミングで飛び込んできたのは、カフェ自慢のハンバーガーを持って駆け上がってくるウェイターの姿。すかさず、シャッターを切りました。

カメラ:
α7II
絞り値:f/2
露出時間:1/250秒
ISO:100
露出補正:+1
公園隣接の紳士服店前でたたずむ上品なご婦人。ガラスに映し出される情報も程よく描写されており、画面全体、抜けの良い描写です。

カメラ:
α7II
絞り値:f/1.4
露出時間:1/3200秒
ISO:50
猛暑日が続きますね。まさに夏真っ盛り。となれば青い海原が恋しくなるものですね。炎天下のもと、αボディに「SIGMA 35mm F1.4 DG HSM|Art」を装着して、爽やかなブルーの花が浜辺一面に広がるローカルな海へとやってまいりました。早速、開放値で捉えた花の名は、多分、ハマゴウ(と思われます)。その昔、実や葉、茎に芳香があるため、お香や線香が作られたとのこと。お風呂に入れると良い香りがするそうですよ。最短撮影距離30cmで撮影しました。

カメラ:
α7II
絞り値:f/1.4
露出時間:1/5000秒
ISO:50
低く這う浜辺の植物の中、1本だけスッと伸びた夏の黄色い花。背景の大きなボケ味により、その存在が鮮やかに際立ちます。35mmの画角に、周囲の環境がさり気なく取り込まれました。「SIGMA 35mm F1.4 DG HSM|Art」の大口径広角レンズだからこそ可能な表現です。

カメラ:
α7II
絞り値:f/1.4
露出時間:1/6400秒
ISO:50
おなじみの海岸での1シーンです。風が心地よいです。

カメラ:
α7II
絞り値:f/1.4
露出時間:1/8000秒
ISO:50
「SIGMA 35mm F1.4 DG HSM|Art【ソニーEマウント】」は、広角レンズではありますが、比較的、現実に見えた印象で切り取りやすい画角ではないでしょうか。構図に奥行きを取り入れて、浅い被写界深度で描写すると、背景が色味の強いインパクトのある背景においても、リアルかつ精緻な描写で主役をふわりと浮き立たせることができます。階調豊かなボケ描写により生まれた広やかな空間表現も、実にいい按配です。

カメラ:
α7II
絞り値:f/1.4
露出時間:1/3200秒
ISO:50
精度の高いAFで、波を捉えます。マウントのネイティブ化により、高い精度と堅牢性を実現し、マウント接合部には防塵防滴性に配慮し、ラバーシーリングが施されています。多少の水飛沫も心配ないですね。

カメラ:
α7II
絞り値:f/1.4
露出時間:1/8000秒
ISO:50
広い海原を構図に入れました。画面左端に、波と戯れる可愛いらしい少女。白とピンクの帽子がよく似合います。視線の先に捉えているのは、ひと泳ぎ終えて戻るパパの姿です。ちなみにお母様は、近くで少女を見守っていらっしゃいました。夏休みならでの素敵な家族のワンショット。

カメラ:
α7II
絞り値:f/1.7
露出時間:1/5000秒
ISO:50
波の描写と前後の空間を大きく表現するために選んだ構図です。合焦部の波打際より手前に入れた大きなボケ味までの描写の移行は、とても自然で良い感じに表現されていると思います。大口径レンズでは軸上色収差による影響が大きくなりますが、大口径ながら軸上色収差を極限まで補正したとされるシグマならでの、雑味の少ない綺麗なボケの描写力です。

カメラ:
α7II
絞り値:f/1.7
露出時間:1/6400秒
ISO:50
上記と同じ場所から、視点の高さを変えてのカット。同じ絞り値ですが、手前のボケ味が感じにくいアングルとピント合わせで、異なる海の表情を切り取りました。とはいえ、ボケ味による程よい力の抜け具合がいい感じで、波へと視線が促されますよね。シグマは、FLDガラスと、SLD(特殊低分散)ガラスを採用し、レンズのパワー配置の最適化を行い、倍率色収差と同時に軸上色収差を補正。また、非球面レンズを適切に配置することにより、画面周辺まで解像力の高い描写を実現しています。

カメラ:
α7II
絞り値:f/1.4
露出時間:1/6400秒
ISO:50
この漁港に入ってすぐに目に飛び込んできたのは、横一列に整然と美しく並べられた漁船群でした。その画を素直に開放値で取り込みました。結果は…シグマf1.4の描写、やっぱりいいです。それ以上、何も言うことはありません。

カメラ:
α7II
絞り値:f/3.2
露出時間:1/500秒
ISO:50
絞り値f3.2と少し絞りました。小船の描写、水面の反射等、クリアで心地よい描写がなされています。均一の色の広い空などで、よく見受けられる周辺光量落ちは、開放値において避けられない現象ですが、この絞り値においては認められません。カメラ内収差補正機能「レンズ補正」(「周辺光量補正」、「倍率色収差補正」、「歪曲収差補正」)に完全対応していますが、もちろん、「画作り」のために、あえて光量落ちのチェックを外して残すという選択も可能です。

カメラ:
α7II
絞り値:f/1.4
露出時間:1/3200秒
ISO:50
潮の香に足を進めると、海沿いにワカメが干されていました。開放値f1.4で描いた小さな漁港の何気ない情景は、とても優しく柔らかいと感じます。普通は、もっとギュッと絞ってしまうのですが、力をちょっと抜いた、こんな表現もいいですね。
アーティスティックな高水準の表現にも応えることができるシグマの自信作「SIGMA 35mm F1.4 DG HSM|Art【ソニーEマウント】」。フレア、ゴーストの発生を軽減し、逆光時においてもコントラストの高い描写を実現。さらに、サジタルコマフレアを良好に補正し、画面周辺部の点光源のにじみが少なく、夜景や天体写真にも最適。従来のマウントコンバーターMC-11では対応できなかったAF-CモードやAFスピードの高速化を実現しています。ソニーEマウントユーザーに、是非所有していただきたいお薦めレンズです。