SIGMA 14mm F1.8 DG HSM | Art【ソニーEマウント】
「SIGMA 14mm F1.8 DG HSM Art | Art」は、SIGMA社のArt ラインが誕生して以来、7本目の35mmフルサイズ対応の大口径超広角レンズ。世界で唯一の開放値F1.8という明るさを持ったハイスピードレンズです。低照度における被写体の一瞬の動きや星景撮影や夜景撮影など、感度を上げずに速いシャッタースピードで捉えることが可能です。最新の光学設計による秀でた多くの特徴は、以前の14mmのレビューでもご紹介させていただきましたが、今回は、前回ご紹介させていただいた135mmと同時発売されたFEレンズ「SIGMA 14mm F1.8 DG HSM Art | Art【ソニーEマウント】」のご紹介です。シグマの超広角レンズを生かすことができる撮影ポイントを求めて、海へ山へと足を運びました。それでは、作例をご覧ください。

カメラ:
α7II
絞り値:f/1.8
露出時間:1/1000秒
ISO:50
両側のロープにすがりながら、ひたすらハードな石階段を下ってやっとの思いで得たロケーション。樹々の合間から見え隠れする光がキラキラと輝き、聳え立つ岸壁さえもが神々しく感じました。開放値での撮影にも関わらず、フレア、ゴーストは適切に抑えられ、光芒の形も締まっています。コントラストの高い、良い描写です。

カメラ:
α7II
絞り値:f/1.8
露出時間:1/125秒
ISO:100
ここが、目指した石切場跡。超広角レンズだからこそ切り取れる迫力ある全体イメージ。

カメラ:
α7II
絞り値:f/1.8
露出時間:1/50秒
ISO:200
開放値での合焦部の描写力は素晴らしいの一言です。広角レンズのボケ味については、然程大きくは感じませんが、やはり開放値での撮影。合焦部前後へと階調を伴いつつ、描写からボケへと緩やかに移行して、深い奥行き感を表現しています。光が透過する鮮やかな葉色も、印象に近い大好きな色味だと感じます。

カメラ:
α7II
絞り値:f/2.2
露出時間:1/500秒
ISO:50
こちらは、江戸時代に使用されていた旧石切場跡。切り立った岸壁が落とす日蔭で、しばしの涼を取る人々を画面暗部に捉えて。開放気味の絞りによる撮影ですが、合焦部は、シャープで抜群の描写力です。ダイナミックなスケール感は、さすがの超広角レンズです。

カメラ:
α7II
絞り値:f/2.2
露出時間:1/40秒
ISO:50
日本寺の高さ30メートル程の百尺観音。航海、航空、陸上交通の安全を守る御本尊だそうです。パースは大きくつきますが、14mmの画角で全体像が楽に入リます。

カメラ:
α7II
絞り値:f/1.8
露出時間:1/3200秒
ISO:50
通常では、歪曲が出やすい直線の構成要素が多い被写体と構図です。「SIGMA 14mm F1.8 DG HSM Art | Art【ソニーEマウント】」は、大口径グラスモールド非球面レンズを最前面に採用することで、ディストーションを効果的に抑えています。また、周辺光量も豊富で、画面の隅々まで高い描写性能を発揮します。さらに、カメラボディ側のカメラ内収差補正機能「レンズ補正」(周辺光量補正、倍率色収差補正、歪曲収差補正)に完全対応しています。

カメラ:
α7II
絞り値:f/1.8
露出時間:1/2500秒
ISO:50
手前の花にピントを合わせています。背景は、浅い被写界深度を活かして周囲の環境をぼかして取込んでいます。最短撮影距離までぐっと寄せれば、さらなるボケを得られます。絞りを調整することで、拘りの画作りが可能です。

カメラ:
α7II
絞り値:f/1.8
露出時間:1/3200秒
ISO:50
水平線は、まるく海が潜り込み隠れてゆく空との接面。前後と左右に伸びやかに広がってゆく浜金谷の海。開放値のシャープな描写力を活かしての撮影です。

カメラ:
α7II
絞り値:f/1.8
露出時間:1/2500秒
ISO:50
画角の広い超広角レンズですから、要らぬ要素が入り込んでしまうこと等、結構ありがちなことです。この場合、好きな構図を選択したことにより、太陽の強い入射光を取り込んでしまいました。通常では、強いフレア現象や色にじみなどの各種収差が発生し、画質の低下をもたらしますが、「SIGMA 14mm F1.8 DG HSM Art | Art【ソニーEマウント】」では、フレア、ゴーストに対する対策を徹底し、影響を受けにくい設計を行い、スーパーマルチレイヤーコートの採用で、さらなるフレアやゴーストの発生を軽減します。この条件下でのフレア出現はやむをえませんが、船などへの影響はあまり感じません。コントラストの高い描写を実現しています。

カメラ:
α7II
絞り値:f/1.8
露出時間:1/1000秒
ISO:50
夕陽が眩しい日没時の情景です。光を反射しながら押し寄せる波を超広角レンズの広い画角で捉えると、スケール感があり、画面内で揺れる大きな波に強いエネルギーが感じられてきます。開放値F1.8の撮影では、露出設定に十分余裕があるので、波の水飛沫のリアルな描写が可能です。「SIGMA 14mm F1.8 DG HSM Art | Art」の超広角ハイスピードレンズだからこそ可能な描写力です。

カメラ:
α7II
絞り値:f/1.8
露出時間:1/320秒
ISO:50
上記の撮影より少し後に撮影したため、シャッター速度は少し遅くなりました。もちろん、ISO感度をもっと上げて、より速いシャッタースピードで波飛沫を描写するもよし、絞ってキリリと仕上げるのもよし。世界初の開放値F1.8による恩恵は、表現のための多くの選択肢を私達に与えてくれたことだと思います。

カメラ:
α7II
絞り値:f/1.8
露出時間:1/640秒
ISO:50
随分印象が異なりますが、上記とほぼ同じ位置からの撮影です。カメラ内で、ホワイトバランスとクリエイティブスタイルを変更して色味の印象を変えています。ちなみに、レンズ前玉には、撥水・防汚コートを採用しており、飛沫が飛び散る浜辺などの厳しい条件下での撮影も可能にしています。

カメラ:
α7II
絞り値:f/1.8
露出時間:1/40秒
ISO:400
露出補正:-0.7
電車を待っていた時の1カット。人もまばらな小さな駅のホーム。写っている要素はごくありふれているのに、何だかちょっとシュールな情景です。上記撮影シーンでは、シャッター速度の設定に、まだ余裕がありますが、カメラボディ側の「手ブレ補正機構」にも対応しているので、より低照度のシーンにおいても十分に撮影可能です。
この「SIGMA 14mm F1.8 DG HSM Art | Art【ソニーEマウント】」は、超広角レンズで特に目立つ倍率色収差をも良好に補正するため、特に星景撮影をされる方にとっては待望の1本になるはずです。また、作家性を活かした風景や建築、超広角域を活かした人物撮影などにおいても、高度な要求水準に応えうる素晴らしい魅力を発揮してくれることでしょう。大型HSMの採用、フルタイムマニュアル機構搭載など、これまでにない視覚体験を、最新の製造技術、機構設計で支えます。E-マウントユーザーにも是非オススメしたいレンズです。