600mmF4相当の超望遠! M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO 実写レビュー
予てから発表されていました、M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PROついに発売となりました。35mm換算、600mm相当の単焦点超望遠レンズ、スーパーハイグレードレンズを超えるオリンパス史上最高の解像力とのいうキャッチコピーだけあり、スーパーEDレンズ3枚、E-HR(特殊高屈折率)レンズ1枚、HR(高屈折率)レンズ3枚と特殊レンズを贅沢に使用し、超望遠レンズで課題となる色にじみや色収差を抑えて、高い解像性能を確保しています。さらに逆光などの撮影でゴースト、フレアを大幅に低減し、ヌケの良いクリアな描写を実現する新コーティング技術「Z Coating Nano」を新たに採用しています。
超望遠ということで手ぶれについてもシビアな世界になりますが、オリンパスといえばE-M1やE-M5MarkUに代表されるボディ内手ぶれ補正には定評がありますが、本レンズにはレンズ内手ぶれ補正も搭載、ボディ内とレンズ内補正の両方で補正する5軸シンクロ手振れ補正を搭載し、対応ボディとの組み合わせで約6段分の補正と、手持ちでの超望遠撮影を強力にアシストします。マイクロフォーサーズのレンズとしては大きなレンズとなりますが、600mmF4の単焦点レンズとすれば十分に小型、軽量。強力な手ぶれ補正と併せて取り回しも良く、機動性に優れる本レンズ、高速なAFもあり、動体撮影時などマイクロフォーサーズ機での撮影の範囲を大幅に広げてくれます。
まずは早速、レンズを試そうと終焉間近の寝台特急カシオペアを狙いに北海道へ。しかし、結果は吹雪・・・構えていたポイントでは本命列車通過時にはほとんど視界がないという状況・・・その後視界がよくなってきたので気を取り直して後続の貨物列車を。
雪煙を上げて

カメラ:E-M1
レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO
1/1250 F4 ISO400
本命列車の後、雪がやみ少し視界が良くなってきました。それでも明るさも少なく厳しい状況。600mm相当ということでピントもシビアです。あらかじめナンバープレートが来る位置に拡大ライブビューとピーキングを利用し置きピン。雪煙をあげてやってきた貨物列車をシュート。高速でやってくる列車で少しでもシャッター速度を稼ぎたく、開放にて。
列車の正面はシャープに。背景の圧縮効果と雪煙、ディーゼルの煤煙の熱気も迫力、立体感のある仕上がりとなりました。
この後も天気が悪化。翌日は大事な打ち合わせがあり、途中で撮影を切り上げ帰ってきてしまったのですが・・・後日気を取り直して再度撮影に出かけました。
夕陽のN700A

カメラ:E-M1
レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO
1/2000 F4 -1 ISO400
鉄道撮影の中でも、撮影ポイントの制約から超望遠レンズが必要となるシーンが多い新幹線。ここもフェンス越しでの撮影となりますが、超望遠レンズを使えばフェンスを目立たなく出来ます。さらに圧縮効果でS字カーブを強調。夕日に照らされる独特なフォルム、金属の光沢感も印象的に映し出してくれました。
テイクオフ

カメラ:E-M1
レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO
1/6400 F5.6 ISO400
展望デッキより離陸する飛行機を。AFも迅速です。
駐機中

カメラ:E-M1
レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO
1/800 F8 ISO4000
駐機中の飛行機をクローズアップ。逆光のシーンですが、機体の細かなディテールなども非常にシャープな描写です。
タキシング中

カメラ:E-M1
レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO
1/250 F4 -1 ISO400
ターミナルへと向かう飛行機を。日が落ちて露出も厳しくなってきましたが強力な手ぶれ補正もあり、手持ちでの撮影をアシストしてくれました。
ヒヨドリ

カメラ:E-M1
レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO
1/800 F4 +1 ISO400
公園の木にヒヨドリが。普段、鉄道ばかりで鳥はあまり撮らないジャンルです。動きが分からないので難しいですね・・・しかしながら高速なAFに助けられて1枚。
池のほとりにて

カメラ:E-M1
レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO
1/320 F4 ISO400
同じく池のほとりのユリカモメを。寒空の下、羽のディテールや質感もよく表現してくれました。
クローズアップ

カメラ:E-M1
レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO
1/800 F8 ISO400
最短撮影距離1.4m、レンズ先端からは約1.15mまで近づいて撮影ができるテレマクロ機能。最大撮影倍率0.48倍と超望遠レンズながら近接撮影にも優れます。近接撮影時にもそのシャープな画質は損なわれることはありません。
モノレール

カメラ:E-M1
レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO
M.ZUIKO DIGITAL 1.4× Teleconverter MC-14
1/800 F8 ISO400
本レンズはテレコンバーター、MC14にも対応。35mm換算840mm相当に。
解像感など画質劣化もほとんどなく、更なる望遠撮影が可能です。大分離れた位置になりますが、手前のモノレールのシルエット、そして背景の工場を圧縮効果で。

1枚目に掲載した画像の撮影時の様子。これで600mm相当の超望遠が可能ということで、このコンパクトさは魅力です。もちろん画質も単焦点ならではのクリアでシャープ。
レンズの質感も良く、三脚座にはアルカスイス規格に対応する溝もあるので、対応の雲台に直接取り付けられるのも良いですね。
三脚にセットし、しばらくすると雪が降り出し、吹雪に・・・防滴防塵の本レンズ、そして防滴防塵耐低温のE-M1、こんな状況でも安心して使用することが出来ました。
ジャンルによっては必須ともなる画角、そしてハイクオリティな1本は作品作りに大きく活躍してくれます。受注販売となりますので、ご検討中のお客様はぜひお早めにご注文ください。