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Nikonプロカメラマン製品レビュー【写真家 今浦友喜が語るZシリーズの魅力】
「第四弾」究極のマウント! ニッコールZレンズが描き出す桜美!

Nikonプロカメラマン製品レビュー 今浦友喜 NIKKOR Z 14-30mm f/4 S
晴れ渡った空と輝く桜。2本に別れた幹の間からひょっこりと顔を出した花に近寄って撮影した。画面上部に太陽を入れているが、気になるフレアーやゴーストは確認できない。超広角の14mmは圧倒的なデフォルメ効果が楽しめる画角だが、これまで手軽に使えるサイズの14mmのズームレンズはこの世になかった。

NIKKOR Z 14-30mm f/4 SはZマウントが実現した、まったく新しいカテゴリーのレンズと言えるだろう。

カメラ:Z7
レンズ: NIKKOR Z 14-30mm f/4 S
焦点距離:14mm
絞り値:f/5.6
露出時間:1/400秒
露出補正:+0.3
ISO:64
露出モード:絞り優先
ピクチャーコントロール:ビビッド
ホワイトバランス:4800K


16mmと55mm。この2つの数字が達成したものは究極だった。

ニコンの新しいカメラシステム「Z」が目指したものは、圧倒的な高画質と軽量コンパクトで快適な撮影スタイル。一般的に、高画質を求めればカメラもレンズも大きく重たくなるものであり、手軽に使えるコンパクトさを求めれば画質はある程度我慢するのが世の常だった。

ニコンがこの相反する2つの項目を両立させるべく作り出した解答が「Zマウント」なのだ。



【広がる可能性! 16mmのフランジバック】

まず注目したいのは、かつてないほど短いフランジバック16mm。フランジバックとは、マウント面からセンサー面までの距離のこと。これが極めて短いのがZマウントシステムの特長なのだ。

ボディからレンズを取り外すと、思ったよりも近い位置にセンサーがあってびっくりする。では、短いフランジバックがどう良いのかと言えば、広角レンズの設計がしやすくなることだ。センサーとレンズの距離が短いということは、焦点距離の短いレンズ=広角レンズということになり、フランジバックが46.5mmのFマウントよりも格段に広角レンズが作りやすい計算となる。

また、広角レンズが設計しやすくなることでレンズ設計全体に余裕が生まれ、小型化や高画質化に向けたレンズ構成が組みやすくなる。実際、NIKKOR Z 24-70mm f/4 SやNIKKOR Z 14-30mm f/4 Sはズーム全域でf4の開放値を確保しつつも、沈胴式のズーム構造を採用し重量約500gという軽量かつコンパクトさを実現している。

もちろん、4,575万画素のZ 7で使用しても、描写力になんの不満も出ない高画質を保ったままのサイズダウンに成功している。


Nikonプロカメラマン製品レビュー 今浦友喜 NIKKOR Z 14-30mm f/4 S
花見で多くの露店が並ぶ大宮公園。露店の黄色い天幕を透かした光が桜を妖しく染めていた。14mmで撮影したが、超広角域で気になりがちな歪みはなく実にスッキリした描写だ。

また、暗い画面内に強い光源が点在している上、無風かつf11まで絞り込んでいるため、逆光テスト的には厳しい状況だが、ゴーストやフレアーは一切見られない。

カメラ:Z7
焦点距離:14mm
絞り値:f/11
露出時間:1/10秒
ISO:800
露出モード:マニュアル
ピクチャーコントロール:ビビッド
ホワイトバランス:2550K


Nikonプロカメラマン製品レビュー 今浦友喜 NIKKOR Z 14-30mm f/4 S
手前に張り出した枝にピンクの桜の花が可愛らしく咲いていた。14mm域の最短撮影距離付近で撮影すると、遠近感によるデフォルメ効果が極めて大きく面白い画面効果が生まれる。桜よりも大きな被写体に近寄ればもっと効果の程は明確にできる。風があったので、実は枝先を左手でつまみながら撮っているのだが、画角の広さゆえに何度が指が写り込んでしまった。

最短撮影距離はズーム全域で0.28mと近接撮影も楽しめる。

カメラ:Z7
焦点距離:14mm
絞り値:f/8
露出時間:1/80秒
ISO:64
露出モード:ピクチャーコントロール
ピクチャーコントロール:ビビッド
ホワイトバランス:4800K




【新次元の大口径を可能にするマウント内径55mm】

Zシリーズからレンズを取り外すと、中判カメラと見紛うほど広い内径55mmのマウントが現れる。対角線約43mmのFXフォーマットよりも12mmも広い内径は、余裕のある光学設計を可能にする。レンズで取り込んだ光を余すことなくセンサーに届けられる大きなマウントは、特に大口径レンズの設計でメリットが大きい。

NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 Sはズーム全域で開放f2.8のいわゆる大三元ズームレンズだが、Zのボディにうまくマッチングする全長126mm、重さ805gのコンパクト設計となっている。全長154.5mm、重さ1070gのAF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VRと比較すれば違いは一目瞭然だろう。それだけ小型にしても画面周辺部に至るまで、高い解像力を保ちボケ味も良い。

そうした高画質とダウンサイジングの高い次元での達成は、広く短いZマウントあってこそのことだろう。


Nikonプロカメラマン製品レビュー 今浦友喜 NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S
ピンク色の濃い早咲きの桜。満開の桜を背景のボケとして配置して画面をきらびやかに仕上げた。ボケを大きく見せたいので開放f値での撮影だが、解像力は極めて優秀。ボケ味はとても柔らかで嫌味がなく使いやすい印象だ。

Zに採用されている「ピンポイントAF」はこうした小さな被写体にとても使いやすく重宝する機能だ。

カメラ:Z7
焦点距離:70mm
絞り値:f/2.8
露出時間:1/640秒
ISO:64
露出モード:絞り優先
ピクチャーコントロール:ビビッド
ホワイトバランス:5000K


Nikonプロカメラマン製品レビュー 今浦友喜 NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S
満開の桜並木とそれを写真に撮る人たち。三脚、手持ち、スマートフォンとそれぞれ撮影方法が違うのが面白い。ちなみに私は手持ち撮影。

NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 Sは大三元レンズだが比較的軽量なので、手持ちの撮影でも疲れにくいように感じる。レンズ内に手ブレ補正は入っていないが、ボディに5軸5段の強力な手ブレ補正が搭載されているため手持ち撮影も楽々だ。

カメラ:Z7
焦点距離:58mm
絞り値:f/8
露出時間:1/125秒
ISO:250
露出モード:絞り優先
ピクチャーコントロール:ビビッド
ホワイトバランス:4800K


Nikonプロカメラマン製品レビュー 今浦友喜 NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S
仲良く並んで花見を楽しむ女の子二人組。枝の間からトンネル構図にして秘密の花園のような雰囲気を作ってみた。

NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 Sは後ボケはもちろん、前ボケもふんわりとした柔らかいボケ味が特長だ。周辺光量落ちも少なく、Zマウントの大きな内径による光学設計の余裕を感じる描写だ。

カメラ:Z7
焦点距離:60mm
絞り値:f/2.8
露出時間:1/640秒
ISO:64
露出モード:絞り優先
ピクチャーコントロール:ビビッド
ホワイトバランス:4800K


Nikonプロカメラマン製品レビュー 今浦友喜 NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S
晴れ渡った空に輝く太陽が桜の花を透かしていた。透け感のあるピンクの花びらのトーンが品よく描写された。NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 Sには2組のAF用駆動ユニットが連携してピント合わせを行う「マルチフォーカス方式」が採用されており、無限遠から近接撮影域まで際立った結像性能を達成している。

また、新開発の反射防止コーティング「アルネオコート」の採用によって画面内に太陽をいれてもゴーストやフレアー、コントラストの低下は発生していない。

カメラ:Z7
焦点距離:70mm
絞り値:f/5.6
露出時間:1/800秒
ISO:64
露出モード:絞り優先
ピクチャーコントロール:ビビッド
ホワイトバランス:4800K


Nikonプロカメラマン製品レビュー 今浦友喜 NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S
池の水が無風で水鏡となっていた。桜は街灯によるライトアップで独特な色味に仕上がった。暗い夜に浮かび上がった桜には、きれいさだけではない不気味さもあるように思えた。

ナノクリスタルコート+アルネオコートの併用によって画面が非常にクリアに仕上がっている。

NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 Sはとにかくクリアな描写が特長。プロテクトフィルターを付けるにしてもニコン純正のアルクレストフィルターなどレンズ性能を損なわないフィルターを選びたい。

カメラ:Z7
焦点距離:33mm
絞り値:f/11
露出時間:8秒
ISO:800
露出モード:マニュアル
ピクチャーコントロール:ビビッド
ホワイトバランス:2550K




【至高のレンズを作り出すためのマウント。それが「Z」】

沈胴式ズームのコンパクト設計で開放f4通し、超広角の14mmの画角でフィルターも取り付けられる、NIKKOR Z 14-30mm f/4 Sは超広角レンズの常識を打ち破った。

NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 Sは大幅なサイズダウンと類まれなる近接撮影性能、新開発のコーティング技術で、かつて無いほどのクリアな描写を手に入れた。

高画質と小型化の共存は写真機の長い歴史における悲願とも言える。光学レンズを100年に渡って作り続けてきたニコンが、101年目に生み出した「Z」は新時代を見据えた最高のカメラシステムだ。



blog/photostyle/nikon/nikonz7(今浦先生)1月/17(カメラマン画像)
今浦友喜(いまうらゆうき)
1986年埼玉県生まれ。風景写真家。雑誌『風景写真』の編集を経てフリーランスになる。自然風景、生き物の姿を精力的に撮影。雑誌への執筆や写真講師として活動している。
カメラグランプリ2018選考委員



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