FUJIFILM GFX50S II
35mmフルサイズに比べ1.7倍となるラージフォーマットセンサーを搭載した『GFX50S II』。
同じラージフォーマットの『GFX100S』の1憶200万画素の約半分である5140万画素ですが、35mm判センサー搭載のデジタルカメラと比べて1画素当たりの受光面積が大きいため、豊かな階調表現が可能な中判カメラです。前機種に比べAFのスピードが上がり『X-Processor 4』も搭載され処理スピードが格段にあがりました。
どんな画が撮れるのか、ワクワクする思いと一緒に作例撮影を行いました。

敷き詰められた瓦が細微に描写され、細部に渡る描写力がフルサイズとはケタ違いの細微感に溢れています。
カメラ:
GFX50S II
レンズ:
GF35-70mmF4.5-5.6 WR
絞り値:f/16
露出時間:1/120秒
ISO:100
露出補正:-1ステップ
露出モード:絞り優先
フイルムシュミレーション : ベルビア

カメラ:
GFX50S II
レンズ:
GF35-70mmF4.5-5.6 WR
絞り値:f/5.6
露出時間:1/28秒
ISO:2500
露出補正:-1.7ステップ
露出モード:絞り優先
フイルムシュミレーション : クラシッククローム

夕暮れ時の光量の少ない神社の参道、この様な条件での撮影は動もすればメリハリのない精彩を欠いた画になりがちですが、石段のトーンや質感を細かく緻密に写し出し階調も豊かで余裕ある描写力が伝わってきます。35mm判センサー搭載のデジタルカメラと比べて1画素当たりの受光面積が大きいため、光量が少なくても豊かな階調表現が可能なのです。
カメラ:
GFX50S II
レンズ:
GF35-70mmF4.5-5.6 WR
絞り値:f/8
露出時間:1/80秒
ISO:500
露出補正:-1.3ステップ
露出モード:絞り優先
フイルムシュミレーション : クラシッククローム

ベルビアで撮影したので、彩度とコントラストが強まりメリハリのある階調の中、竹林の葉の一枚一枚がきっちり分離している解像力が発揮されています。この細微感こそ、ラージフォーマットを使用する醍醐味ではないでしょうか。
カメラ:
GFX50S II
レンズ:
GF35-70mmF4.5-5.6 WR
絞り値:f/8
露出時間:1/550秒
ISO:100
露出補正:-1.7ステップ
露出モード:絞り優先
フイルムシュミレーション : ベルビア

高い解像力とずば抜けたダイナミックレンジは広がりのある奥行き感を画面上に生み出します。35mmフルサイズに比べて1.7倍ですが、表現力の豊かさは数値以上に感じます。
カメラ:
GFX50S II
レンズ:
GF35-70mmF4.5-5.6 WR
絞り値:f/11
露出時間:1/45秒
ISO:320
露出補正:-1ステップ
露出モード:絞り優先
フイルムシュミレーション : ベルビア

コリウスの淡い色の葉の微妙な色調を写すため、落ち着いた発色で弱めのコントラストが特徴のアステアを選択しました。葉上を走る細かい葉脈、ちりめんの様に縮れたシボ模様を鮮明に再現しています。シャッタースピードは1/75の手持ちで、ラージフォーマットの撮影を行うのにはややスローシャッターでしたが、5軸・最大6.5段の強力な手振れ補正機構が手ブレを防いでくれました。
カメラ:
GFX50S II
レンズ:
GF35-70mmF4.5-5.6 WR
絞り値:f/14
露出時間:1/75秒
ISO:400
露出補正:-0.3ステップ
露出モード:絞り優先
フイルムシュミレーション : アステア

安定感溢れるプロビアの発色は安定感があります。素直な発色と自然な階調は現場の雰囲気を肉眼で見た通りの雰囲気を再現してくれますが、ラージフォーマットで使用すると撮影時に記憶した風景がより美しく画面に再現されます。
カメラ:
GFX50S II
レンズ:
GF35-70mmF4.5-5.6 WR
絞り値:f/22
露出時間:1/12秒
ISO:200
露出補正:-0.3ステップ
露出モード:絞り優先
フイルムシュミレーション : プロビア

超高画質なラージフォーマットで彩度が抑えられつつ極端なコントラストのあるブリーチバイパスを使用すると、被写体の色味が抑えられることによって細微感がより強調されます。このすさまじい解像感はモニターで等倍以上に拡大しても破綻することはなく、フルサイズとは一味も二味も違うトルクの太さを感じさせられます。
カメラ:
GFX50S II
レンズ:
GF35-70mmF4.5-5.6 WR
絞り値:f/18
露出時間:1/150秒
ISO:200
露出補正:-1.3ステップ
露出モード:絞り優先
フイルムシュミレーション : ブリーチバイパス

砂浜を吹く風すら写っていそうな臨場感が伝わる描写力です。
カメラ:
GFX50S II
レンズ:
GF35-70mmF4.5-5.6 WR
絞り値:f/16
露出時間:1/120秒
ISO:160
露出補正:-0.7ステップ
露出モード:絞り優先
フイルムシュミレーション : プロビア

彩度の強いベルビアを使用して、色味を強調した洒落た写真を狙ってみました。カメラ本体の重量は約900g、軽量とはいいきれませんがフルサイズ一眼レフ並みの重量なので持ち運びはそれほど負担を感じさせません。
カメラ:
GFX50S II
レンズ:
GF35-70mmF4.5-5.6 WR
絞り値:f/14
露出時間:1/300秒
ISO:160
露出補正:-1ステップ
露出モード:絞り優先
フイルムシュミレーション : ベルビア

ラージフォーマットといえばAFはやや反応が鈍いのでは、と思いがちになりますが、高速画像処理エンジン「X-Processor 4」と最新アルゴリズムによりレスポンスの良いAFで被写体を捉えてくれます。飛び回るアゲハ蝶が羽を休めた瞬間、さっとカメラを構えて撮影した一枚ですが、迅速にAFが働きシャッターチャンスをものにできました。スナップ撮影でも問題なく使用できるAF性能です。
カメラ:
GFX50S II
レンズ:
GF35-70mmF4.5-5.6 WR
絞り値:f/5.6
露出時間:1/500秒
ISO:250
露出補正:-1.3ステップ
露出モード:シャッター優先
フイルムシュミレーション : ブリーチバイパス

海辺を歩いている途中、地面に止まっているバッタを見つけました。いつ飛び去ってしまうか、ヒヤヒヤしながらも可能な限り接近してシャッターを一押し。ラージフォーマットセンサーはその大きさゆえ被写界深度が浅くなり、フルサイズと同じ絞り値でもボケ方は大きくなります。
バッタを細微に描写するためF14まで絞っているのに、背後のボケ方はかなり大きくなっています。被写体を浮き上がらせるのにラージフォーマットの特性を生かせば、ポートレートで使用するのも面白いのではないでしょうか。
細微に写し出されたこのバッタ、よくみると顔がどや顔をしてます。写真に撮られたかったのでしょうか...。
カメラ:
GFX50S II
レンズ:
GF35-70mmF4.5-5.6 WR
絞り値:f/14
露出時間:1/210秒
ISO:400
露出補正:-0.3ステップ
露出モード:絞り優先
フイルムシュミレーション : プロビア

余計な色を排除して純粋にカメラの解像力を見るためにアクロスを使ってみました。
中間調のグレートーンが豊かで艶を感じさせるような滑らかさを感じます。この艶っぽい表現力はフイルム時代4x5インチの大型カメラで撮影した風景写真に匹敵します。かつては大型カメラでないと出せなかったグレートーンがフルサイズカメラと変わらないボディのカメラから写し出せるのですから、時代の進化はここまできたのかと改めて驚かされました。
カメラ:
GFX50S II
レンズ:
GF35-70mmF4.5-5.6 WR
絞り値:f/13
露出時間:1/56秒
ISO:100
露出補正:-1ステップ
露出モード:絞り優先
フイルムシュミレーション : アクロス

筆者はクラシッククロームのファンで、プライベートで所有しているX-Pro3でも同シミュレーションを選択することが多いのですが、ラージフォーマットセンサーの生み出すクラシッククロームはX-Pro3と一味違う魅力を感じました。他社のカメラでは味わえない独特の世界観を写し出す、FUJIFUILMにしか写せない世界を大きなフォーマットで味わえる実に楽しいカメラではないでしょうか。
カメラ:
GFX50S II
レンズ:
GF35-70mmF4.5-5.6 WR
絞り値:f/20
露出時間:1/180秒
ISO:100
露出補正:-0.3ステップ
露出モード:絞り優先
フイルムシュミレーション : クラシッククローム