FUJIFILM GFX100S
「FUJILILM GFX10S」は約1億200万画素という驚異的な高画質を大型センサーカメラ。一眼レフのフラッグシップ機の中には重量が1kgを超すボディもありますが、GFX100Sは約900gと軽量でコンパクト。今回はそんな魅力的なカメラで写真を撮ってきました。

1億画素の写真を手持し撮影で味わえるのは、まさに“異次元のカメラ”。プロの写真家からも高く支持されるフジのフィルムシュミレーションも備わり、フィルムメーカーとして積み重ねてきた経験から生み出されたフイルムライクで味わいある色彩をラージフォーマットでも味わえます。
カメラ:
GFX100S
レンズ:
GF23mmF4 R LM WR
絞り値:f/22
露出時間:1/70秒
ISO:250
露出補正:-0.7ステップ
露出モード:絞り優先
フィルムシュミレーション : ベルビア

遠ざかる小型船の航跡、広い東京湾全体を覆いつくす細かなさざ波、遠景の晴海埠頭の建物、画面のすみずみまで解像感あふれる細微な描写で捉える表現力。ラージフォーマットの余裕あふれる描写力が画面から伝わってきます。冬晴れの東京湾の雰囲気を出すため彩度を抑えた硬調のクラシッククロームで写してみました。
カメラ:
GFX100S
レンズ:
GF50mmF3.5 R LM WR
絞り値:f/6.4
露出時間:1/400秒
ISO:100
露出補正:-0.3ステップ
露出モード:シャッター優先
フィルムシュミレーション : クラシッククローム

まるで“ちりめん生地”ようにゆらめく海面の小さなさざ波を写し出す解像度。ハイライト部からシャドウ部に渡るダイナミックレンジの広さもずば抜けています。
カメラ:
GFX100S
レンズ:
GF50mmF3.5 R LM WR
絞り値:f/5
露出時間:1/400秒
ISO:320
露出補正:-0.3ステップ
露出モード:シャッター優先
フィルムシュミレーション : クラシッククローム

カメラ:
GFX100S
レンズ:
GF50mmF3.5 R LM WR
絞り値:f/4.5
露出時間:1/400秒
ISO:50
露出補正:-0.7ステップ
露出モード:シャッター優先
フィルムシュミレーション : アクロス+Rフィルター

薄曇りの光景をクラシッククロームで撮影すると渋さに満ちたドキュメント写真さながらの雰囲気が漂います。ラージフォーマットの細微感が加わると映画のワンシーンのような雰囲気が漂います。被写界深度を深めて細微感を際立さえるためにF32まで絞り込んだところシャッタースピードが1/20秒になってしまったのですが、GFX100Sには最大6.0段の手ブレ補正機構が搭載されているので手すりにカメラを構えた手を載せて慎重にゆっくりシャッターを押しただけで手ブレを防ぐことができました。
カメラ:
GFX100S
レンズ:
GF50mmF3.5 R LM WR
絞り値:f/32
露出時間:1/20秒
ISO:250
露出補正:-0.7ステップ
露出モード:絞り優先
フィルムシュミレーション : クラシッククローム

作例撮影の途中に乗車した都電荒川線の窓枠にバラのシールが貼られているのに気づいたとき、なんだか額縁のフレームみたいだ、と感じたのでノスタルジックネガを使ってみたところ、懐かしさを感じる雰囲気に溢れ、窓の外には昭和感あふれる情緒が広がっているかのように感じました。
カメラ:
GFX100S
レンズ:
GF23mmF4 R LM WR
絞り値:f/4
露出時間:1/1250秒
ISO:2000
露出補正:±0ステップ
露出モード:シャッター優先
フィルムシュミレーション : ノスタルジックネガ

空一面を覆う黒々とした雲に小さな隙間ができて一条の夕日が差し込んだ瞬間をノスタルジックカラーで描写。ラージフォーマットが作り出す立体感が画面を引き立たせて撮影した瞬間の空気感までも写し込んでいるかのような情感が伝わってきます。
カメラ:
GFX100S
レンズ:
GF23mmF4 R LM WR
絞り値:f/13
露出時間:1/1250秒
ISO:2000
露出補正:±0ステップ
露出モード:シャッター優先
フィルムシュミレーション : ノスタルジックネガ

手前から奥に至るまで金網の網目をきめ細かく描写する細微感、大型フォーマットの余力を感じ取れます。どんよりした雲と冷たい金属感を表現するのにクラシッククロームはドンピシャでした。
カメラ:
GFX100S
レンズ:
GF50mmF3.5 R LM WR
絞り値:f/16
露出時間:1/1200秒
ISO:400
露出補正:-0.7ステップ
露出モード:絞り優先
フィルムシュミレーション : クラシッククローム

カメラ:
GFX100S
レンズ:
GF23mmF4 R LM WR
絞り値:f/10
露出時間:1/50秒
ISO:50
露出補正:-0.3ステップ
露出モード:絞り優先
フィルムシュミレーション : ノスタルジックネガ

1億画素の違いは歴然で、シルエットで写っている人たちの様子は拡大してにじむことはなくクリアで鮮明に捉えられて、小さく写っている部分のクリアな解像力はさすが1億画素。決してカメラによって作られた細微感ではなくすべてが自然に感じる解像感は風景写真でこそ大きく生きてくることでしょう。フィルムに例えれば4×5サイズ、いや8×10サイズのフィルムで撮った風景写真のような圧倒的は迫力を映し出すポテンシャルです。
カメラ:
GFX100S
レンズ:
GF50mmF3.5 R LM WR
絞り値:f/16
露出時間:1/320秒
ISO:100
露出補正:-0.7ステップ
露出モード:絞り優先
フィルムシュミレーション : ノスタルジックネガ

撮影素子の面積が大きく広がればそれだけピント面とアウトフォーカス面がより引き離されるわけで絞り込んでもピントの合う面は狭くなります。同じ絞り値でも35mmフルサイズよりもよりボケが大きくなることによって、画面の奥行きが広がることになり立体感や臨場感が生まれる利点があります。風景写真でこの利点を生かした臨場感あふれる細微な作品を撮ることもまた楽しいことでしょう。
カメラ:
GFX100S
レンズ:
GF50mmF3.5 R LM WR
絞り値:f/3.5
露出時間:1/400秒
ISO:200
露出補正:-0.7ステップ
露出モード:絞り優先
フィルムシュミレーション : ブリーチバイパス

カメラ:
GFX100S
レンズ:
GF50mmF3.5 R LM WR
絞り値:f/3.5
露出時間:1/2900秒
ISO:100
露出補正:-0.3ステップ
露出モード:絞り優先
フィルムシュミレーション : ブリーチバイパス

画面解像度は4:3で驚異の11648×8736。とてつもない大きさです。どれぐらい広いかというと、画面の中央付近の富士山と手前の波しぶきを絵になるように切り撮ってみます。

強風に煽られて手前に押し寄せる波と画面奥に写る富士山。これだけトリミングしても画像解像度は7485×5614、3000万画素超の解像度があります。画質の劣化はほとんど感じられず作品としても通用する画質です。
カメラ:
GFX100S
レンズ:
GF23mmF4 R LM WR
絞り値:f/8
露出時間:1/1250秒
ISO:125
露出補正:±0ステップ
露出モード:マニュアル
フィルムシュミレーション : ベルビア

(※プライバシー保護で釣り人の背中を補正してあります)
カメラ:
GFX100S
レンズ:
GF23mmF4 R LM WR
絞り値:f/4
露出時間:1/2500秒
ISO:125
露出補正:-1.3ステップ
露出モード:シャッター優先
フィルムシュミレーション : ベルビア

カメラ:
GFX100S
レンズ:
GF23mmF4 R LM WR
絞り値:f/8
露出時間:1/240秒
ISO:100
露出補正:-1ステップ
露出モード:絞り優先
フィルムシュミレーション : ベルビア+クロームブルー:強

カメラ:
GFX100S
レンズ:
GF23mmF4 R LM WR
絞り値:f/7.1
露出時間:1/1400秒
ISO:125
露出補正:-1ステップ
露出モード:絞り優先
フィルムシュミレーション : クラシッククローム

アクロスにYeフィルターを加えて灯台をシルエット気味に撮影。空の階調の豊かさ、なだらかさがまるで大型フィルムを使用して撮影した風景写真のようです。
カメラ:
GFX100S
レンズ:
GF23mmF4 R LM WR
絞り値:f/8
露出時間:1/400秒
ISO:100
露出補正:-0.7ステップ
露出モード:絞り優先
フィルムシュミレーション : アクロス+Yeフィルター

風速が10m近くある強風が吹く中、崖を見下ろす展望台から必死の思いで撮影した一枚。風に吹き飛ばさられそうな恐怖感と闘いながらなんとか手持ち撮影できました。ノスタルジックネガの色調が哀愁を感じさせてくれます。
カメラ:
GFX100S
レンズ:
GF23mmF4 R LM WR
絞り値:f/8
露出時間:1/400秒
ISO:100
露出補正:-0.7ステップ
露出モード:絞り優先
フィルムシュミレーション : ノスタルジックネガ
FX100Sは35mmフルサイズミラーレスに比べればもちろん大型ボディですが、従来の中判カメラに比較すると大幅に軽量・小型化され様々なシーンや気象条件下でも手持ち撮影を行えます。ラージフォーマットならではの細微感、被写界深度を利用した立体的な描写、そしてフィルムシュミレーションが生み出す世界観を堪能できる実に魅力あふれたカメラが世に誕生しました。