タムロン 17-28mm F/2.8 Di III RXD (Model A046)
最初にこのレンズを持った瞬間あまりの軽さに驚きました。
「こんなに軽くて写りは大丈夫なのだろうか」と一瞬思いましたが、作例の撮影を通して抜群の携帯性と高画質を両立したレンズだと感じました。軽量コンパクトながら描写力はしっかりしていて、広角端17mmが持つ最短0.19mの近接撮影性能やf2.8の大口径からくる柔らかい背景など表現力の豊かなレンズですその実力を確かめるべくフットワークを軽快に撮影に向かいました。

連日続く猛暑日の最中、ひまわりを撮りに出かけました。強烈な日差しの下でミツバチがひまわりの花粉を集めようと懸命に働いています。『TAMURON 17-28mm F/2.8 Di III RXD Model A046』は広角端17mmの最短撮影距離が0.19mなので近接撮影にも活用できるレンズです。ひまわりに近接して絞り開放で撮影すると、周囲が溶けるようにボケて狙ったひまわりだけが浮き上がりました。離れた場所から広範囲の被写体を撮影するだけでなく、f2.8の大口径を生かして背景をぼかした被写界深度の浅いやわらかな表現も楽しめます。テーブルフォトなどにも威力を発揮することでしょう。
カメラ:
α7RIII
絞り値:f/2.8
露出時間:1/6400秒
ISO:250
露出補正:±0ステップ
露出モード:絞り優先

ひまわり畑はたくさんの家族連れやカップルでにぎわっていました。ひまわりを撮影している最中、麦わら帽子にひまわりを付けた少女が友達と手をつないで歩いでくる姿を見かけスナップ撮影しました。とっさの撮影でしたがコンパクトなレンズのおかげで、もたつくことなく素敵なスナップが撮れました。大型化が進むレンズの中、軽量かつコンパクトで携行に優れたこのレンズは、旅行や外出先でストレスを感じることなくスナップ撮影が楽しめそうです。
カメラ:
α7RIII
絞り値:f/5.6
露出時間:1/800秒
ISO:100
露出補正:±0ステップ
露出モード:シャッタースピード優先

オフィス街のビルに真夏の太陽が作り出した、他のビル影が映りこむ光景を捉えました。絞りはf4.5にしか絞っていませんが、ビル全体を覆う窓枠や映りこむビルの姿をシャープな描写力で映し出しています。
カメラ:
α7RIII
絞り値:f/4.5
露出時間:1/2000秒
ISO:100
露出補正:-1ステップ
露出モード:絞り優先

ガラスと鉄骨が組み合わされ壁面が鏡で覆われた天井の下を、地上にむかうエスカレーターが動く渋谷駅の出口(16b)を広角側一杯の画角17mmにして撮影しました。f10まで絞り込んだので隅々までシャープに映し出されています。画面周辺がわずかにタル型の歪みがありますが、注意しなければまったく気づかないレベルで超広角ズームとしてはかなり良好です。
カメラ:
α7RIII
絞り値:f/10
露出時間:1/40秒
ISO:200
露出補正:-0.7ステップ
露出モード:絞り優先

地下鉄の渋谷駅から地上に出ると渋谷川を囲むように人が集まっています。何がおきているのだろう、と好奇心で覗いてみると、なんとカバがいるではありませんか。まさと思い目を凝らしてよく見てみると、精巧に作られた模型でした。橋の欄干からカメラを持った手を伸ばして撮影したのですが、ズーミングしてもレンズの全長が変化しないインナーズーム式なのなので安定して構図を狙うことができました。コンパクトで驚くほど軽量なこのレンズを携行しているとフットワークが軽くなります。
カメラ:
α7RIII
絞り値:f/11
露出時間:1/250秒
ISO:3200
露出補正:±0ステップ
露出モード:マニュアル

100年に一度といわれる渋谷駅周辺の再開発が続いています。今年の1月に始まった渋谷駅桜丘口地区の解体工事もほぼ終わり一時的に広い空間が出現しました。小さな子供が都会に誕生した空間を珍しそうに眺めています。この子が見るだろう半世紀後の東京はどのような街になっているのだろう、と思いを馳せながらはせながらスナップ撮影しました。長さ99mm、質量が420gの軽量・コンパクトなこのレンズは携行の負担も軽くなり軽快に街歩きのスナップ撮影が楽しめることでしょう。
カメラ:
α7RIII
絞り値:f/20
露出時間:1/80秒
ISO:160
露出補正:±0ステップ
露出モード:絞り優先

井の頭公園駅改札を出た近くに京王電鉄井の頭線の鉄橋があります。井の頭公園内を源流とする流れ始めたばかりの神田川に“最初”にかかる鉄橋になるのですが、周辺の緑に囲まれた落ち着いた雰囲気が漂っています。17mmの超広角で撮影すると鉄橋を走る電車と井の頭公園の雰囲気が写真にうまく収まりました。不自然な歪みもなく撮影した時に感じたその場の雰囲気が写真の中にしっかり写しこまれている感じがします。
カメラ:
α7RIII
絞り値:f/2.8
露出時間:1/640秒
ISO:2500
露出補正:±0ステップ
露出モード:シャッタースピード優先

広角端17mmで0.19mまで寄れるレンズ性能は被写体に十分に近づき迫力のある写真を撮ることができます。
カメラ:
α7RIII
絞り値:f/11
露出時間:1/30秒
ISO:3200
露出補正:-0.7ステップ
露出モード:絞り優先

井の頭公園で撮影中、全身が真っ黒なハグロトンボと出会いました。筆者はこのトンボを初めて見たので最初はトンボだとは気づきませんでした。ゆっくり飛んでいる様子に惹かれて警戒されないように時間をかけて近づき、カメラの液晶画面でフレーミングを行い最短距離付近で撮影できました。タムロンが独自開発したステッピングモーターユニットRXDによる、高速かつ精微なAF性能が発揮されピントも正確です。最短距離付近の絞り開放なので背景が大きくボケて写真からハグロトンボの存在感がしっかり伝わってきます。このトンボは止まっているときに蝶のように羽根を閉じるのですが、手を合わせて祈る姿を連想させることから『神様トンボ』と呼ばれて縁起の良い虫とされています。筆者にも幸運が訪れますように。
カメラ:
α7RIII
絞り値:f/2.8
露出時間:1/200秒
ISO:640
露出補正:-0.7ステップ
露出モード:シャッタースピード優先

17mmの超広角ズームレンズなので、手前にある被写体を強調しながら広い画角で景色を切り取りメリハリのある風景写真を撮影できます。普段何気なく見ている景色がダイナミックな画に変化するように絵心を抱いて撮影する楽しみが広がりそうです。
カメラ:
α7RIII
絞り値:f/13
露出時間:1/80秒
ISO:320
露出補正:-0.7ステップ
露出モード:マニュアル

望遠端28mmを使ってベンチに寄りかかるように置かれ、木漏れ日がスポット照明のように当たる自転車をスナップしました。8月下旬に撮影したのですが、ベンチの周りに落ちている落ち葉と自転車を照らす木漏れ日から秋の深まりを感じさせるような写真になりました。スナップ撮影に使われるレンズは28mmから35mmが一番多く、望遠端28mmは目で見た光景を素直に切り取る撮影に最適な画角なので、このレンズで旅行や外出先での楽しい思い出をたくさん写してほしいです。
カメラ:
α7RIII
絞り値:f/2.8
露出時間:1/800秒
ISO:200
露出補正:-2.8ステップ
露出モード:マニュアル

公園の片隅でハンドパンを演奏する若者がいたので声をかけて写真を撮らせてもらいました。タムロンのレンズは柔らかいボケ味でしっとりした描写だと感じます。この写真もピントの芯はしっかりしながら全体を柔らかく描写していて、日曜日の午後に公園を散歩するときに感じるまったりした雰囲気が漂っています。
カメラ:
α7RIII
絞り値:f/3.2
露出時間:1/800秒
ISO:400
露出補正:-0.3ステップ
露出モード:シャッタースピード優先

カメラ:
α7RIII
絞り値:f/2.8
露出時間:1/800秒
ISO:400
露出補正:±0ステップ
露出モード:シャッタースピード優先
井の頭公園で撮影したスナップ写真を帰宅後に整理したところ、ほとんど望遠端28mmで撮影されていました。絵になる画角で撮影すると無意識に28mmを選択していたようです。もし望遠端が24mmまであったとしても被写体が小さくなり自然は雰囲気が薄れてしまうので、24mmを多用しなかったと思います。広角端の17mmで風景を広く写す、近接して存在感を増す使い方から目で見る雰囲気を自然に切り取る28mmでのスナップまで、作例撮影を通して17mm−28mmのズーム域は、街中や旅先の建造物から山岳の写真まで 様々な風景を気軽に撮影することができる最高のお供レンズとなるだろうと確信しました。